JPS604616Y2 - エアロゾル噴霧器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として塗料や潤滑剤や殺虫剤等を噴霧する
噴霧器に関腰特に、転倒しても内部の液体が噴霧できる
噴霧器に関する。

■ 先行技術 気密の容器に加圧されて液化したブタン等と一緒に塗料
や薬剤を充填し、上端のノズルを押し下げて噴霧するエ
アロゾル噴霧器は、使用状態によっては転倒して噴霧し
なければならないことがよくある。

特に、狭隘な場所でよくこの状態となる。

ところが従来の噴霧器は、容器の底部から液体を吸い上
げてノズルから噴霧する構造上、容器を転倒して噴霧す
る場合、ノズルから充分に塗料や薬剤等の内容物が噴射
されない欠点があった。

■目的 容器を転倒しても内容物が充分に噴霧される噴霧器が実
用化されるなら、この弊害は解消される。

この考案は、簡単な構造と容易な操作でこのことを実現
することを目的に開発されたもので、この考案の重要な
目的は、単にノズルを回動して押し下げるだけで、容器
の上部からでも底部からでも内容物を吸い出して噴霧で
き、全ての個所でいたって便利に、しかも全ての内容物
が有効に使用されるエアロゾル噴霧器を提供するにある
。

■構成 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図に示すエアロゾル噴霧器は、加圧されて液化され
たブタンやプロパンと一緒に、塗料、薬液、潤滑剤、防
錆剤、クリナー液、化粧品等の内容物が充填される気密
の容器１と、この容器１に取り付けられて内容物を噴霧
するノズル２とを備える。

ノズル２は、容器１の開口部に気密に固定される外筒３
と、この外筒３内に上下に摺動自在に挿入された弁体４
と、この弁体を上方に押圧するスプリング５とからなる
。

外筒３は全体の形状が円筒状に形成されると共に、外周
に鍔６が突出し、この鍔６が容器１に挟着されて容器１
に固定され、内面の上部と下部とが細く絞られて上部に
弁座７が、下部に管８が接続される導入路９が開口され
ている。

弁体４は、上部が上空円錐状に形成されて外筒の弁座７
に密着する弁体面１０が形成されており、この弁体面１
０の中心から上に延長して噴射軸１１を有し、この噴射
軸１１は外筒３内を通って外筒３の上端よりも上方に延
長されている。

更に、弁体４は外周面に上下に延長する溝状の流通路１
２が設けられている。

外筒３＆とは、弁体４の流通路１２に対応して内側面に
円周方向に位置ずれしてふたつの導入路９．１３が開口
されており、この導入路９，１３は、左側の導入路１３
が容器１の上部に連通開口され、右側の導入路９が管８
を介して容器１の底部に連通されている。

噴射軸１１の中心には噴射路１５が開口されると共に、
この噴射路１５は、弁座７と弁体面１０との間を通って
流通路１２に連通されている。

この構造のノズル２は、弁体４を第１図の実線位置にし
て押し下げると容器１上部の内容物が噴射され、弁体４
を１８０度回動して、流通路１２を第１図の鎖線位置に
して押し下げると、容器１底部の内容物が噴射される。

弁体４が押し下げられない状態にあっては、弁体４はス
プリング５で押し上げられており、弁体４の弁体面１０
が弁座７に密着して内容物は噴射されない。

第３図に別の構造のノズルが示されている。

このノズルは、弁体４が上方体４ａと下方体４ｂとに２
分割されており、上方体４ａと下方体４ｂとは上方体４
ａのみが上下動自在であるが一緒に回動するように、即
ち、相対的に上下動自在であるが、上方体４ａが回動さ
れると下方体４ｂが一緒に回動されるべく軸１４を介し
て連結されている。

軸１４は上方体４ａに一体化され、下端が方形状に形成
され、この下端が、下方体４ｂの方形状孔に上下に摺動
自在で回動しないように挿入されている。

上方体４ａと下方体４ｂとの間には、押バネであるコイ
ルスプリング状のスプリング５が挿入されて上方体４ａ
が押し上げられ、弁体４を押し下げない状態にあって、
上方体４ａの弁体面１０が弁座７に密接される。

上方体４ａと下方体４ｂは外周面に溝形の流通路が刻設
されており、子弁体外周の流通路１２に対応して、外周
３の内面に円周方向に位置ずれしてふたつの導入路９，
１３が開口されており、左側の導入路１３は容器１の上
部に連通され、右側の導入路９は、管８を介して容器１
の底部に連通されている。

この構造の噴霧器は、第１図の噴霧器と同様に、上方体
４ａを第３図の実線位置にして押し下げると、左側の導
入路１３から容器１上部の内容物が吸い出されて外部に
噴射され、上方体４ａを１８０度回動して上方体４ａを
第３図の鎖線位置にして押し下げて容器１底部の内容物
を吸い出して噴霧する。

ところで、本明細書に於て上下方向は第１図と第３図に
決定するものとする。

噴射軸１１の上端には押ノズル１６が回転しない状態に
固定されており、外筒３の上面には、第６図に示すよう
に正、逆の表示が付されている。

押ノズル１６の矢印を逆に合わせると、第１図および第
３図に示すように、容器１の上部から内容物を吸い出し
て噴射し、即ち、容器１の上下を反転して噴射するのに
最適で、押ノズル１６を１８０度回転して、矢印を正に
合わせると、容器１の底部から内容物を吸い上げて噴射
する。

■効果 この考案のエアロゾル噴霧器は、前記の如く、単に弁体
を回動するだけで容器の上部又は底部から内容物を吸い
出して噴霧できる為、いかなる使用状態にあっても内容
物が確実に噴霧できてすこぶる便利に使用でき、しかも
内容物を完全に残らず噴霧できる特長を実現する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第３図はこの考案の実施例を示すエアロゾ
ル噴霧器の断面図、第２図は第１図の■−ｎ線断面図、
第４図および第５図は第３図の皿−皿線および■−Ｖ線
断面図、第６図はエアロゾル噴霧器の平面図である。 １・・・・・・容器、２・・・・・・ノズル、３・・・
・・・外筒、４・・・・・・弁体、５・・・・・・スプ
リング、６・・・・・・鍔、７・・・・・・弁座、８・
・・・・・管、９・・・・・・導入路、１０・・・・・
・弁体面、１１・・・・・・噴射軸、１２・・・・・・
流通路、１３・・・・・・導入路、１４・・・・・・軸
、１５・・・・・・噴射路、１６・・・・・・押ノズル
。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）加圧流体が気密に充填される容器と、この容器に
   取り付けられたノズルとを備えるエアロゾル噴霧器に於
   て、ノズルが容器の開口部に固定される外筒と、この外
   筒内に上下に摺動自在に挿入された弁体と、この弁体の
   一部あるいは全体を上方に押圧するスプリングとからな
   り、外筒は内面の上部が細く絞られて内面に弁座が形成
   されており、弁体は外筒の弁座に密着する弁体面を有し
   、この弁体面の上には噴射軸を備え、この噴射軸が弁体
   面から外筒内を通って外筒の上端から上方に延長されて
   おり、更に、この弁体は外周面に流通路が設けられてお
   り、一方外筒は、弁体の流通路に対応して内側面に円周
   方向に位置ずれしてふたつの導入路が開口されており、
   この導入路は一方が容器の上部に連通され、他方が管を
   介して容器の底部に連通されており、更に又、噴射軸の
   中心には噴射路が開口されると共に、この噴射路は、弁
   座と弁体面との間を通って流通路に連通されており、該
   弁体を回動して押し下げることにより、流通路がいずれ
   か一方の導入路に連通され、容器内の底部又は上部の流
   体が噴射軸から噴霧されるように構成されたことを特徴
   とするエアロゾル噴霧器。
2. （２）弁体が上下に２分割されており、上方体と子弁体
   とは相対的に上下動自在であるが、上方体が回動される
   と子弁体が一緒に回動されるべく軸を介して連結されて
   おり、上方体と子弁体との間にスプリングが介在されて
   上方体が押し上げられて上方体の弁体面が弁座に密接さ
   れており、子弁体の外周に設けられた流通路に対応して
   ふたつの導入路が開口されている実用新案登録請求の範
   囲第（１）項記載のエアロゾル噴霧器。
3. （３）弁体がひとつで、この弁体の下にスプリングが挿
   入されてスプリングで弁体が押し上げられている実用新
   案登録請求の範囲第（１）項記載のエアロゾル噴霧器。