JPS6040926Y2 - 回転伝動体の支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転伝動体の支持構造に係り、特に、２つの
ケース構成体を互いに接合してなる所謂最中構造の伝動
ケースの中にプーリー、ギヤー、スプロケットホイール
等の回転伝動体を回転自在に支持したものの改良考案に
関する。

２つのケース構成体を互いに接合してなる所謂最中構造
の伝動ケースにギヤー、プーリー等の回転伝動体を組付
ける場合、一方のケース構成体に支軸を固着せしめ、こ
の支軸上に回転伝動体を套嵌支持するとともに、前記支
軸の軸端を他方のケース構成体にフランジ結合等するの
が普通であるが、これでは組付精度の確保が困難でかつ
伝動ケース内の潤滑油の洩れ防止が不確実となる不具合
があり、特に、伝動ケースのケース構成体が板金製の如
く薄物板であるときにはその傾向が顕著で、場合によっ
ては伝動の不確実さを招き、耐久性の点で劣るものとな
っていた。

本考案は以上の見地に鑑み、所謂最中構造の伝動ケース
にギヤー、プーリー等の回転伝動体を組付ける場合であ
っても、その組付は精度の向上乃至確保を図りつつ構造
簡単にして油洩れを完べきに阻止可能としたことを目的
として案出されたもので、以下、本考案の実施例を農業
機械のモー７、ロータリ耕耘装置に採用した場合につき
詳述する。

勿論、本考案はその他の農業機械、又、農業機械以外の
各種産業分野における伝動装置に採用可能である。

第１図乃至第３図はトラクタＴの前方に三点リンク装置
１を介してモー７Ｍを昇降自在に装着するとともに図示
しないトラクタフロントＰＴＯ軸の回転動力を動力受入
装置２に伝動せしめ、巻掛伝動装置３を介して本考案の
対象である伝動装置４に伝動し、横方向に間隔をおいて
並設した刈刃体５を第２図、第３図で示す方向に縦軸廻
りに駆動自在としている。

本実施例では刈刃体５のうち、両端の刈刃体５は同行回
転するドラム５Ｒを有し、中間２個の刈刃体５はドラム
を備えないものが採用され、各刈刃体５は伝動装置４の
中に軸支したギヤー６に中間ギヤー７をそれぞれ咬合し
て連動自在とされている。

本考案に係る回転伝動体の支持構造は伝動装置４の中間
ギヤー７に採用した場合につき、第４図に図解されてい
る。

第４図において、伝動ケース８は板金製のケース構成体
９，１０の２つをその周縁フランジ９Ａ、ＩＯＡを重ね
合せてボルト締結具１１の複数にて締結接合して戒り、
前記ケース構成体９，１０は生産性を考慮して対称形状
とされている。

伝動ケース８の中にはギヤー（以下、回転伝動体という
）７が回転自在に支持されるとともに、該回転伝動体７
の咬合部および軸受１２を潤滑する潤滑油が貯留されて
いる。

而して、周縁フランジ９Ａ、ＩＯＡの重ね合せ部からの
油洩れのため、一方のケース構成体１０の内周壁の全体
にシール材抑え１３をスポット溶接等で固着せしめ重ね
合せ部の折曲部全周にわたって設けたＯリング等の環状
シール体１４を密着すべく構成しである。

更に、一方のケース構成体９には支軸１５が固着され、
他方のケース構成体１０には支軸１６が固着され、両支
軸１５．１６は実質的に相対応し、この支軸１５．１６
上に軸受１２を介して回転伝動体７が套嵌支持されてい
る。

前記支軸１５は軸方向の酸テーパ一部１５Ａを有し、又
、支軸１６には酸テーパ一部１５Ａに合致する雄テーパ
一部１６Ａを有し、両テーパ一部１５Ａ、１６Ａを合致
せしめて螺子固定具１７を両支軸１５．１６の軸心に挿
設し、本実施例では支軸１５の雌ネジ部１８に螺着して
いる。

前記両支軸１５．１６の各テーパ一部１５Ａ。

１６Ａ内周には耐油性がありかつ適度の弾性を有するゴ
ム材等からなる環状封止体１９が嵌合され、前記固定具
１７にて両支軸１５．１６を締結したとき軸方向に関し
て圧縮せしめて油洩れを防止すべく構成している。

本実施例では酸テーパ一部１５Ａは支軸１５の軸心と同
芯で、雄テーパ一部１６Ａは支軸１６の軸心と同芯であ
り、該支軸１６の軸端には封止体受入れ凹部１６Ｂが雄
テーパ一部１６Ａと逆テーパーとして形成されている。

また、固定具１７はその頭部１７Ａが支軸１６の受入れ
部１６Ｃに嵌合され、頭部１７Ａに形成した角孔構造の
工具係合部１７Ｂに工具を係合することで締結弛緩自在
とされている。

その他、第５図は本考案に係る支持構造をロータリ耕耘
作業機Ｒの耕耘■沢、におけるギヤ伝動装置Ｋに採用し
た場合を示している。

以上の実施例において、回転伝動体７の組付けにつき説
明すると、ケース構成体９の支軸１５上に軸受１２とと
もにギヤーで示す回転伝動体７を套嵌し、支軸１５か又
は支軸１６の受入れ凹部１６Ｂに環状封止体１９を嵌合
した状態で支軸１５の酸テーパ一部１５Ａと支軸１６の
雄テーパ一部１６Ａを慨ね合致させた状態で固定具１７
の雄ねじ部を支軸１５の雌ネジ部１８に螺合締結する。

このとき、両支軸１５．１６の軸芯が第４図符号りの如
くずれている場合であっても、固定具１７の締結による
雄雌テーパ一部１５Ａ、１６Ａの共心案内作用にて両支
軸１５，１６は軸芯を合致した下で組付けられるととも
に環状封止体１９が軸方向に圧縮されて支軸１５．１６
を分割してもその間隙より油が洩れるのを完べきに防止
するのであり、このように回転伝動体７を正確に組付け
ることにより、これが図示のギヤーである場合は相互咬
合を確実にするのであり、又、回転伝動体７がプーリー
であったり、スプロケットホイールのときにはベルト、
チェーン等の巻掛けを正確にできるのである。

本考案は２つのケース構成体９，１０を互いに接合して
なる伝動ケース８の中に回転伝動体７を回転自在に支持
したものにおいて、一方のケース構成体９に軸方向の酸
テーパ一部１５Ａを有する支軸１５を固着し、他方のケ
ース構成体１０には前記支軸１５の酸テーパ一部１５Ａ
と合致の雄テーパ一部１６Ａを有する支軸１６を固着す
るとともに、前記両支軸１５．１６の各テーパ一部１５
Ａ、１６Ａ内周に環状封止体１９が嵌合され、該環状封
止体１９を軸方向に圧縮し、かつ、前記両支軸１５．１
６を締結する固定具１７を両支軸１５．１６の軸心に挿
設し、両支軸１５．１６を介して回転伝動体７を支持し
たことを特徴とする回転伝動体の支持構造に係るもので
あるから、組立てを容易にするという基本的効果に加え
て支軸１５．１６を同芯線上に正確かつ精度よく組付け
ることができ、回転伝動体７の円滑正確な軸支が確保で
き、併せて油洩れ防止も、支軸１５．１６内において完
べきに阻止できるという利点があり、実益大である。

なお、実施例図において、固定具１７はこれを押付は螺
合して雄雌テーパ一部１５Ａ、１６Ａを介して支軸１５
．１６の芯合せとしているが、固定具１７は引込み螺合
するものであってもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案を採用した前装形モー７を示す側面図、第
２図はその平面図、第３図はその伝動装置の概略平面図
、第４図は第３図Ａ−Ａ線の拡大断面図、第５図は本案
を採用できるロータリ耕耘装置の説明図である。 ７・・・・・・回転伝動体、８・・・・・・伝動ケース
、９，１０・・・・・・ケース構成体、１５，１６・・
・・・・支軸、１５Ａ、１６Ａ・・・・・・雄雌テーパ
一部、１７・・・・・・固定具、１９・・・・・・環状
封止体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２つのケース構成体９，１０を互いに接合してなる伝動
   ケース８の中に回転伝動体７を回転自在に支持したもの
   において、一方のケース構成体９に軸方向の雌テーパ一
   部１５Ａを有する支軸１５を固着し、他方のケース構成
   体１０には前記支軸１５の雌テーパ一部１５Ａと合致の
   雄テーパ一部１６Ａを有する支軸１６を固着するととも
   に、前記両立軸１５．１６の各テーパ一部１５Ａ、１６
   Ａ内周に環状封止体１９が嵌合され、該環状封止体１９
   を軸方向に圧縮し、かつ、前記両立軸１５．１６を締結
   する固定具１７を両立軸１５，１６の軸心に挿設し、両
   立軸１５．１６を介して回転伝動体７を支持したことを
   特徴とする回転伝動体の支持構造。