JPS6038639Y2 - 荷役用クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、荷役用のクランプ装置に関するものである。

従来のクランプ装置は、第１図に示されるような油圧回
路によって作動されており、左右一対のクランプアーム
ｌａ、ｌｂは夫々独立に作動でき、片方のみの作動も両
方同時の作動も可能である。

しかし、荷りをクランプしたままサイドシフト（横移動
）させる場合、左右の各アームレバー２ａ、２ｂを同時
に調節しなければならず、高度な操作技術が必要とされ
る上にクランプ状態が不安定になる欠点があり、実用上
はサイドシフトさせることはできなかった。

このために、サイドシフトが必要な場合及び荷積、荷卸
時にアーム位置の微調整が必要な場合には、サイドシフ
トのみを行ない得るサイドシフトアタッチメントを装着
しなければならない。

しかし、このアタッチメントを装着することにより、コ
ントロールバルフ、配管部品等の油圧機器が増加し、コ
ストが高くなる上に、配管ホースによる視野の妨げやロ
ードセンタ損失、アタッチメント重量の増加による許容
荷重の低減等の種々の欠点が生じていた。

本考案は以上の種々の欠点を解消し、構造も簡単にサイ
ドシフトができる荷役用クランプ装置の提供を目的とし
ている。

以下に本考案の一実施例を図面に基いて説明する。

第２図の油圧回路図に示す如く、本考案のクランプ装置
は、左右一対のクランプアームｌａ。

１ｂと、該両アームｌａ、ｌｂをクランプ方向Ａ１．Ａ
２及びクランプ開放方向Ｂ１． Ｂ２へ各々独立に移動
させるための左右一対の流体圧シリンダ３ａｔ３ｂとが
設けられ、該両シリンダ３ａ、３ｂのクランプ開放作動
室４ａ、４ｂと流体タンク５とが該タンク５から流れの
みを通過させる逆止弁６ａ、６ｂを介して夫々接続され
、前記両シリンダ３ａ、３ｂの各クランプ作動室７ａ、
７ｂとタンク５とは、圧力流体流量が増すとセット圧が
増す特性（第３図）を有するリリーフ弁１１ａ、１１ｂ
を介して夫々接続され、荷りをクランプした状態で、一
方のシリンダ３ａ又は３ｂのクランプ作動室７ａ又は７
ｂへ流体を送入させて一方のアーム１ａ又は１ｂをクラ
ンプ方向Ａ１又はＡ２へ移動させることにより、他方の
アーム１ｂ又は１ａはその同方向囚又はＢ１へ従動され
、かつ他方のシリンダ３ｂ又は３ａのクランプ開放作動
室４ｂ又は４ａへは従動時の負圧を補う流体が前記逆止
弁６ｂ又は６ａを介してタンク５から吸引補給され、ク
ランプ状態を維持したまま両アームｌａ。

１ｂが同一横方向へ移動されるように構成されたことを
特徴とするものである。

そして本実施例では、前記両シリンダ３ａ、３ｂの各々
のピストンロッド８ａ、８ｂを収縮させることにより各
々のクランプアームｌａ、ｌｂはクランプ方向へ移動し
、また各ロッド８ａ、８ｂを伸長させることによりクラ
ンプアームｌａ、ｌｂはクランプ開放方向へ移動するよ
うに構成され、従って前記クランプ開放作動室４ａ、４
ｂはヘッド側室９ａ、９ｂに、前記クランプ作動室７ａ
、７ｂはロッド側室１０ａ、１０ｂに相当する。

１２は左シリンダ用コントロールバルブ、１３は右シリ
ンダ３ｂ用コントロールバルブで、これらにより両シリ
ンダ３ａ、３ｂは夫々独立に作動できる。

１４は回路の異常高圧を防止するためのリリーフ弁、１
６．１６は油圧ポンプ１５への逆流を防止するための逆
止弁である。

次に作用を説明する。

第２図に示される状態では、二個のコントロールバルブ
１２．１３は共に中立位置Ｎにあり、各ピストンロッド
８ａ、８ｂは固定されている。

荷りをクランプする場合、即ち左右のクランプアームｌ
ａ、ｌｂを夫々クランプ方向Ａ１．Ａ２へ移動させるに
は、両コントロールバルブ１２，１３を夫々Ｉ、 Ｉ
に切換え、また各アームｌａ、ｌｂを夫々クランプ開放
方向ＢＩ？８２へ移動させるにハ、両コントロールバル
ブ１２，１３を夫々■。

■に切換えればよく、各アームｌａ、ｌｂはこれらコン
トロールバルブ１２．１３の切換えにより各々独立に移
動させることが可能である。

荷りをクランプした状態で両アームｌａ、ｌｂを左方向
へサイドシフトさせるには、左シリンダ用コントロール
バルブ１２は中立位置Ｎのままで右シリンダ用コントロ
ールバルブ１３をＩに切換える。

すると油圧ポンプ１５から吐出された圧油は油圧管１７
から右シリンダ３ｂのロッド側室１０ｂへ送られて室１
０ｂ内の圧力ｐｃｒが上昇し、かつヘッド側室９ｂは油
タンク５に連通されるので、右クランプアーム１ｂには
左方向んへの力が作用し、一方、左クランプアーム１ａ
は、そのロンド側室り０ａ内の圧力ｐｃｅがリリーフ弁
１１ａのセット圧ｐ１と等しい状態で固定されている。

両アームｌａ、ｌｂが荷りをクランプした固定状態では
ＰＣｒ＝ＰＣｅ＝Ｐ□＝Ｐ２であったものが、Ｐｃｒを
上昇させるように油圧管１７の圧油流量Ｑを増加させた
時には、第３図に示されるようなリリーフ弁１１ｂのオ
ーバーライド特性によりセット圧Ｐ２は上昇し、実質的
にはＰ２〉Ｐｌ、即ちＰｃｒ）Ｐｃｅとなって右アーム
１ｂは左方向へ移動し、同時に左アーム１ａも右アーム
１ｂに従動して左方向へ移動する。

この時、左シリンダ３ａのロッド側室１０ａの圧力Ｐｃ
ｅも上昇しようとするがリリーフ弁１１ａによってセッ
ト圧Ｐ２に維持され、また、左シリンダ３ａのヘッド側
室９ａの圧力Ｐｏｅは降下するが、ヘッド側室９ａは、
油タンク５からの流れのみを通過させる逆止弁６ａを介
して油タンク５に接続されているので、圧力Ｐｏｅの降
下分は逆止弁６ａを通って油タンク５から吸引補給され
る。

なお、各アームｌａ、ｌｂを右方向へサイドシフトさせ
る時には、コントロールバルブ１３を中立位置Ｎにして
コントロールバルブ１２を■に切換えればよく、前述と
同様の作用により、右シリンダ３ｂのヘッド側室９ｂへ
逆止弁１１ｂを介して油タンク５から作動油が吸引補給
されながら各アームｌａ、ｌｂが移動する。

以上の説明から明らかなように、本考案は、左右一対の
流体圧シリンダのクランプ開放作動室と流体タンクとが
、該タンクからの流れのみを通過させる逆止弁を介して
夫々接続され、前記シリンダのクランプ作動室と流体タ
ンクとがリリーフ弁を介して夫々接続され、左右一対の
クランプアームがクランプ状態を維持したまま同一横方
向へ移動されるように構成されたものである。

従って本考案によると、サイドシフト用アタッチメント
を特に設けなくともクランプアームのサイドシフトが可
能なために、アタッチメントの取付けによるロードセン
タ損失、許容重量の低減、配管ホースの増加、操作レバ
ーの増加等の種々の欠点を解消でき、コストダウン、視
野の向上がはかれ、またサイドシフト時は一方のクラン
プアームの動きが荷を通して他方のクランプアームに伝
わるので、必ず両アームの移動量は同一であり荷を落す
危険性がなく作業性の向上等の効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来クランプ装置の一例を示す油圧回路図、第
２図は本考案のクランプ装置の一実施例を示す油圧回路
図、第３図はＩＪ ＩＪ−フ弁のオーバーライド特性を
示す圧力Ｐ−流流量縁線図ある。 Ａ１．Ａ２：クランプ方向、Ｂ１．Ｂ２：クランプ開放
方向、Ｌ：荷、１ａｖｌｂ：クランプアーム、３ａ、３
ｂ：流体圧シリンダ、４ａ、４ｂ：クランプ開放作動室
、５：油タンク、６ａ、６ｂ：逆止弁、７ａ、７ｂ：ク
ランプ作動室、８ａ、８ｂ：ピストンロッド、９ａ、９
ｂ：ヘット側室、１０ａ、１０ｂ：ロッド側室、ｌｌａ
、ｌｌｂ：リリーフ弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対のクランプアームと、該両アームをクランプ方
   向及びクランプ開放方向へ各々独立に移動させるための
   左右一対の流体圧シリンダとが設けられ、該両シリンダ
   の各クランプ開放作動室と流体タンクとはそれぞれ該タ
   ンクからの流れのみを通過させる逆止弁を介して接続さ
   れ、前記両シリンダの各クランプ作動室と流体タンクと
   は、それぞれ圧力流体流量が増すとセット圧が増す特性
   を有するリリーフ弁を介して接続された、荷役用クラン
   プ装置。