JPS6033105Y2 - フロントフオ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、減衰力特に圧縮行程における減衰力の調節
を可能にした自動二輪車等のフロントフォークに関する
ものである。

一般に、自動二輪車の前車輪等を緩衝方式で支持するフ
ロントフォークは、□基本的に外筒と内筒とが摺動自在
に嵌合され、内部に封入された作動油により車輪の上下
方向に生ずる衝撃を吸収緩和させるようにしたものであ
る。

この種フロントフォークは、例えば内筒上部を自動二輪
車のステアリングヘッドにブリッジ等を介して取付け、
外筒下端部で車軸を支持するように設けられており、外
筒の底部に植設されたシートパイプの上端部が内筒の下
部に摺動自在に嵌挿され、圧縮行程では外筒内の作動油
が油孔を介してシートパイプと内筒内に流入するととも
に内筒の進入体積分を内筒の上方の気体室で補償し、一
方伸長行程では内筒およびシートパイプ内の作動油が逆
方向に流れて外筒へ戻ることによりそれぞれ車輪の上下
方向の衝撃を吸収緩和するように構成されている。

このように圧縮行程および伸長行程において、作動油が
油孔を介して流動することにより減衰力を発生させるも
のであるが、従来、この減衰力調節は、複雑な機構を念
要とするためコストが高く、また、この調節に手間がか
かる等の問題があった。

この考案は、上記した問題を簡単な機構により効果的に
解決できるよう提案されたフロントフォークを目的とし
、内筒上端を閉塞するフォークボルトの下面より内筒内
に同心状に突設されたノズル管と、該ノズル管先端部に
上端部を螺着して設けられた油案内用中空ロッドと、前
記ノズル管の周壁に穿設された少くとも１個の油孔と、
該ノズル管内に装入されたアジャストバルブと、該ノズ
ル管内に上方より挿入螺合されてアジャストバルブを押
圧するコイルばねのプリセット荷重を変えるためのブツ
シュボルトと、該ブツシュボルト上端部を下面中央に嵌
入固着し、上記フォークボルト上方より旋回自在に内装
してなるアジャストボスとから構成されたものである。

以下この考案の一実施例を図面により詳細に説明する。

第１図は、この考案フロントフォークの一実施例を示す
断面図である。

図において、１は内筒、２は外筒であり、その摺動嵌合
部にはオイルシール３が設けられている。

４は外筒２内に挿入され、その基端部は外筒２の底部に
植設されるシートパイプである。

５は内筒１の上端を閉塞するフォークボルトであり、第
２図にその詳細を示すように、該フォークボルト５の下
面より内筒１内に同心状にノズル管６が突設されている
。

このノズル管６の先端部には油案内用中空ロッド７の上
端部が挿入螺着しており、その下端部に設けられたピス
トン８はシートパイプ４の内周面に摺接している。

また前記ノズル管６のロッド螺着部より上方周壁に少く
とも１個の油孔９が穿設され、また該ノズル管６内にア
ジャストバルブ１０が装入されており、同じくノズル管
６内には上方に向って順次コイルばね１１、ブツシュボ
ルト１２が挿入されている。

このブツシュボルト１２はノズル管６内に螺合し、その
上端部はフォークボルト５上方より旋回自在に内嵌して
なるアジャストボス１３の下面中央に嵌入固着され、ア
ジャストボス１３と係合するブツシュボルド１２はフォ
ークボルト５内を旋回しながら昇降してコイルばね１１
のプリセット荷重を変えるようになっている。

また、シートパイプ４の下端内部には公知の圧縮行程お
よび伸長行程に作用する緩衝機構１４が設けられている
。

なお、コイルばね１５，１６と鋼球１７とは節度感機構
を構成するもので、また１８はＯリング、１９はロック
ナツト、２０は内筒１内に封入された土アー又はガス、
２１は作動油、２３は外筒内油室である。

上記構成によるフロシトフォークにおいて、圧縮工程で
は内筒１が外筒２内・に進入することで外筒内油室２３
内の作動油に圧力がかかり、その作動油はシートパイプ
４に穿設された油孔２２から緩衝機構１４を経てシート
パイプ４内に流入し、更に中空ロッド７内を上昇してゆ
く。

この圧縮行程における減衰力を調節するには、アジャス
トボス１３を回動してフォークボルト５内をねじ作用に
より昇降させ、該アジャストボス１３と係合するブッシ
ュボルト１２下端面にてコイルばね１１のプリセット荷
重を変える。

このようにばね１１のプリセット荷重を変えることによ
り、通常のピストン速度ではアジャストバルブを動作せ
ず、成る一定以上のピストン速度ではコイルばね１１の
プリセット荷重に抗してアジャストバルブ１１が動作し
、従って上記圧縮行程においてシートパイプ４内に流入
し中空ロッド７内を上昇して来た作動油がアジャストバ
ルブ１０を押上げて油孔９を通る際発生する減衰力を変
える。

即ち、第３図の実線で示す通常の減衰力特性曲線Ａを点
線で示すように変化させることができ、この変化は上述
の通りコイルばね１１によりアジャストバルブ１０を押
圧する力を変化することで自由に変えることができるめ
である。

なお、油孔９を通った作動油は内筒１内に戻される。

一方、伸長行程では中空ロッド７の作動油の内圧が減少
するのでアジャストバルブ１０が閉じ、従ってシートパ
イプ４内の作動油は緩衝機構１４を経て油孔２２より外
筒内油室２３に流出し、通常の緩衝作用（第３図Ｂ曲線
参照）を行なう。

以上詳細に説明したように、この考案は上記のように簡
単な構造の減衰力調節機構により圧縮行程における減衰
力を可変とすることができるため走行条件に見合った良
好な減衰力が得られ、操安性、緩衝性能を向上せしめ、
非常に有用である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第２図は第
１図における要部拡大図、第３図は同じくその減衰力特
性曲線図である。 １・・・・・・内筒、２・・・・・・外筒、４・・・・
・・シートパイプ、５・・・・・・フォークボルト、６
・・・・・・ノズル管、７・・・・・・中空ロッド、訃
・・・・ゼストン、９・・・・・・油孔、１０・・・・
・・アジャストバルブ、１１・・・・・・コイルばね、
１２０・・・・ブツシュボルト、１３・・・・・・アジ
ャストボス、１４・・・・・・緩衝機構、１９・・・・
・・ロックナツト、２０・・・・・・エアー又はガス、
２１・・・・・・作動油、２２・・・・・・油孔、２３
・・・・・・外筒内油室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部の内筒と下部の外筒が摺動自在に嵌合され、内部に
   封入された作動油により衝撃を緩和するフロントフォー
   クにおいて、内筒上端を閉塞するフォークボルトの下面
   より内筒内に同心状に突設されたノズル管と１．該ノズ
   ル管先端部に上端部を螺着して設けられた油案内用中空
   ロッドと、前記ノズル管の周壁に穿設された少くとも１
   個の油孔と、該ノズル管内に装入されたアジャストバル
   ブと１．該ノズル管内に上方より挿入螺合されてアジャ
   ストバルブを押圧するコイルばねのプリセット荷重を変
   えるためのブツシュボルトと、該ブツシュボルト上端部
   を上面中央に嵌入固着し、上記フォークボルト上方より
   旋回自在に内装してなるアジャストボスとから構成され
   る減衰力調節機構を有するフロントフォーク二 ″