JPS603308Y2 - デイ−ゼルエンジン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はディーゼルエンジンの改良に関するものである
。

燃料を噴射ノズルから直接シリンダ内に噴射する直接噴
射式ディーゼルエンジンは、燃焼室容積が小さくて表面
積が小さいので、燃焼室外への放熱量が少なく、燃焼効
率が良好で、出力が高く、燃費も良好である。

しかしながら、圧縮比が高く、燃料が急激に高温度で燃
焼するため、騒音が大きく、排ガス中に有害成分のＮＯ
ｘが多く含まれている。

その上、吸入された空気と燃料の分布、混合を良好にす
るよう吸入空気にスワールを発生させるために、吸気ポ
ートを螺線状としたり、吸気ポートあるいは吸気弁等に
整流板等を設けるので、吸気抵抗が増加して体積効率が
低下し、出力低減の原因となる等の不具合があった。

また、副室式ディーゼルエンジンは、主燃焼室と副燃焼
室とが別々に連通孔を介して存在腰燃焼室容積が大きく
表面積が大きいので、圧縮比が低く、燃料が比較的緩や
かに燃焼し、騒音が低く、排ガス中のＮＯｘの量も少な
い。

しかしながら、燃焼室表面積が大きい上に、一般に上記
副室が水冷却されているため、燃焼室外への放熱量が大
きくなり、燃焼効率が低下して、出力が低下し、燃費も
悪化するという不具合があった。

本考案は上記に鑑み提唱されたもので、シリンダヘッド
からシリンダ内に穿設され同シリンダ内を２室に仕切る
とともにピストン頂部に形成されたキャビティ内に嵌脱
自在な囲壁、上記２室のうち上記囲壁内に形成された一
方の室に臨ませた燃料噴射ノズル、上記２室を連通ずる
とともに機関の圧縮行程中に上記一方の室内にスワール
を発生させるよう上記囲壁に穿設された連通孔を有する
ことを特徴とするディーゼルエンジンを要旨とするもの
であり、直接噴射式ディーゼルエンジンと同様に燃焼室
表面積が小さいので燃焼室外への放熱量が少なく、圧縮
行程中に囲壁内に形成された室にスワールを発生させる
ことができるので螺線状に底形した吸気ポート等が必要
なく吸気抵抗が小さくなるため、体積効率、燃焼効率と
も良好となり出力が増大し、燃費が向上する。

また、上記囲壁内に形成された室に燃料を噴射するよう
に構威したので、燃焼室が濃混合気域と希薄混合気域に
分離されて上記副室式ディーゼルエンジンと略同様の燃
焼を得ることができるので、騒音が低減し、排ガス中の
ＮＯｘの量が低減する。

またさらに、上記囲壁が焼き金の効果を奏するので、燃
料の気化を促進し、着火遅れ期間を短かくして、さらに
騒音が低減され、出力が増大する等の効果を奏するもの
である。

以下本考案の一実施例を第１図〜第２図に従って詳細に
説明する。

１０はシリンダブロック１２に形成されたシリンダ１４
内を上下摺動するピストンであり、外周にピストンリン
グ１６が配設されるとともに頂部にキャビティ１８が形
成されている。

２０は上記シリンダブロック１２の上部にボルト等によ
り固着されたシリンダヘッドであり、同シリンダヘッド
２０から上記シリンダ１４内に突出し同シリンダ１４内
を第１燃焼室２２と第２燃焼室２４とに仕切る囲壁２６
が上記シリンダヘット２０に形成された円環溝２８に螺
着されている。

上記囲壁２６は上記ピストン１０の上下摺動により上記
キャビティ１８内に嵌脱自在となるよう構成されるとと
もに、キャビティ１８の放射線０に対し所定の角度αを
有するように複数の連通孔３０が穿設されている。

また、上記第１燃焼室２２には図示しない燃料ポンプか
ら圧送される燃料を同第１燃焼室２２内に噴射するため
の燃料噴射ノズル３２の先端部が臨んでいる。

なお、３４は吸気弁、３６は排気弁である。

上記構成によれば、機関の吸気行程において上記吸気弁
３４を介して第２燃焼室２４内（シリンダ１４内）に吸
入された空気は、圧縮行程において上記第２燃焼室２４
の容積が徐々に減少していくのに伴ない連通孔３０を介
して第１燃焼室２２内へ流入する。

上記連通孔３０は所定の角度αを有するように設けられ
ているので流入した空気は上記第１燃焼室２２内で一定
方向（第２図に示す本実施例の場合は時計方向）のスワ
ールを形成する。

その後、ピストン１０の上死点付近にて燃料噴射ノズル
３２から燃料が噴射されると、この燃料は第１燃焼室２
２内で着火、燃焼し、連通孔３０から第２燃焼室２４内
に噴出して燃焼する。

以上より明らかなように、本考案−実施例によれば、吸
気ポートを螺線状に成形する等のことをせずに、第１燃
焼室２２内にスワールを発生させることができるので、
吸気抵抗が少なくより高い体積効率が得られる上に、従
来の直接噴射式ディーゼルエンジンと同様に表面積の小
さな燃焼室を得ることができるので燃焼室外への放熱量
が少ない。

従って燃料の分布、空気との混合が促進され、燃焼効率
が向上するので、出力が増大し、燃費も向上する。

また、燃費が第１燃焼室２２内で着火、燃焼され、連通
孔３０から噴出して第２燃焼室２４内で燃焼するように
構成されているので、副室式ディーゼルエンジンと略同
様の燃焼過程が得られ、騒音が低減し、排ガス中のＮＯ
ｘの量が低減する。

さらに、上記囲壁２６が焼き金の効果を奏するので、燃
料の気化が促進され、着火遅れ期間が短縮されて、さら
に騒音が低減され、出力が増大する等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案−実施例の構造を示す断面図、第２図は
第１図の■−■線に沿う矢視断面図である。 １０・・・・・ピストン、１４・・・・・・シリンダ、
１８・・・・・・キャビティ、２０・・・・・・シリン
ダヘッド、２２・・・・・・第１燃焼室、２４・・・・
・・第２燃焼室、２６・・・・・・囲壁、３０・・・・
・・連通孔、３２・・・・・・燃料噴射ノズル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シリンダヘッドからシリンダ内に突設された同シリンダ
   内を２室に仕切るとともにピストン頂部に形成されたキ
   ャビティ内に嵌脱自在な底壁を有する円筒状の囲壁、上
   記２室のうち上記囲壁内に形成された一方の室に臨ませ
   た燃料噴射ノズル。 上記２室を連通ずるとともに機関の圧縮行程中に上記一
   方の室内にスワールを発生させるよう上記囲壁に穿設さ
   れた連通孔を有することを特徴とするディーゼルエンジ
   ン。