JPS6030295Y2 - ジブクレ−ン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ジブ重量をカウンタバランスでバランスさせ
てジブの起伏力を軽減せしめるようにしたジブクレーン
に関するものである。

従来、ジブクレーンの重錘吊下げ方式では、発生するバ
ランス力が一定または階段状に変化するため、その変化
時起伏装置に衝撃が加わるおそれがあって、ジブの起伏
が円滑で且つ容易に行なえないという問題があった。

例えば特公昭２７−３５６的公報に記載された考案にお
いてはカウンタウェイトとして車輪が取付けられた重錘
が採用されているが、このような構成であると、重錘の
重量は一定であるため、バランス力とじて重錘の重量が
一度に作用してしまい、変化時の衝撃が極めて大きいと
いう問題がある。

また昭和２年特許第７０８１９号明細書に記載された考
案は、重錘を複数に分割し、ロープによって下部のもの
から順次吊り上げるようにして重錘全体の重量を段階的
に変えるようにしたものである。

このような考案であっても吊り上げる重錘が増えるごと
に衝撃が発生し、やはりジブの起伏が円滑に行えないと
いう問題が生じる。

本考案は、前記従来の問題点を解決するために創案され
たもので、バランス力を円滑に変化させ且つジブの起伏
を容易にすることができるジブクレーンを提供すること
を目的とする。

以下、本考案を図示する実施例により説明する。

このジブクレーンは、タワー１に枢着したジブ２を両者
間に設けた起伏装置３により起伏操作するダブルリンク
形のものであって、カウンタウェイト４を吊下したワイ
ヤロープ５をタワー上端のシーブ６を介し、方向転換し
てジブ２の先端部に連結することにより、ジブ重量をカ
ウンタウェイト４にバランスさせてジブ２の起伏力を軽
減せしめるようにしたものである。

前記タワー１の上部から機械室７の上部にかけて左右対
のウェイトガイド８が設けられ、それに沿ってカウンタ
ウェイト４が上下動自在に配されている。

カウンタウェイト４は固定重錘９を搭載した重錘台車１
０と、取付片１３を介して重錘台車１０に枢着された可
動重錘１２より戒る。

ウェイトガイド８には、固定重錘９を搭載しワイヤロー
プ５を上下に貫通させた方形枠状の重錘台車１０がガイ
ドローラ１１を介し上下に移動自在にセットされ、この
重錘台車１０の下部には左右一対の可動重錘１２がそれ
ぞれ直角三角形状をなすよう付設した取付片１３および
ピン１４を介し左右に揺動自在に取付けられている。

すなわち取付片１３下端に取付けられた可動重錘１２は
、ピン１４を介して重錘台車１０に振子状に枢着されて
いることになる。

これら可動重錘１２には前記ワイヤロープ５の下端がタ
イロッド１５を介し連結されている。

そして、可動重錘１２がワイヤロープ５の引上げ時とも
に内側に回転して対接し合って取付片１３とともに、二
等辺三角形状をなした状態において重錘台車１０の下端
に係止するよう構成されている。

さらにジブ２が最大に起き上がってバランスウェイト４
が最下点にあるとき該バランスウェイト４の重錘台車１
０を支えるために、ウェイトガイド８には輪留１６が設
けられている。

もつとも重錘台車１０の下り止めは輪留１６に限らない
ことは勿論である。

以上の構成において、ジブ２が下がり始めるとワイヤロ
ープ５はジブ２に引かれて上昇し、それに伴い可動重錘
１２がタイロッド１５を介し、ピン１４を中心にして回
転しながら引き上げられる。

可動重錘１２の回転に従い可動重錘１２の吊持点がピン
１４からタイロッド１５に徐々に移動してタイロッド１
５にかかる可動重錘１２の重量が自動的に徐々に大きく
なり、バランス力が円滑且つ簡易に増加することになる
。

さらに、ワイヤロープ５が引かかると、可動重錘１２は
重錘台車１０の下部に当接するから、重錘台車１０は固
定重錘９および可動重錘１２とともにウェイトガイド８
上を上昇することになり、このときはワイヤロープ５は
これらの重錘による一定の張力が与えられる。

こうしてワイヤロープ５の張力を可動重錘１２によって
円滑且つ容易に変化させて、カウンタウェイト４の全重
量がかかったときの該張力との差を小さくしているため
、カウンタウェイト重量の変化によって従来のように起
伏装置３に衝撃を与えずに済む。

そして、ワイヤロープ５とバランスウェイト４の揚程と
のかかる関係は固定重錘９゜可動重錘１２の重量および
可動重錘１２のロープ吊支点位置を調整することによっ
て、適宜変化させることができる。

本考案は以上の通り、簡単な構成でありながら起伏装置
に衝撃が加わらないようカウンタバランスの重量を円滑
且つ容易に変化させることができる。

また、ジブ重量に対応して固定重錘、可動重錘の重量、
ロープ吊支点位置を調整することによってジブクレーン
に最適な重量バランス関係を得ることができる。

さらに、その構成上メンテナンスは容易であり、また従
来の単なる重錘吊下げ方式に比し、カウンタウェイト支
持構造上安全性は高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はジブクレーンの全体図、第２図は要部を拡大断
面にて示した第１図のＡ矢視図、第３図は重錘台車の上
動開始時における第１図のＡ矢視図である。 １・・・・・・タワー、２・・・・・・ジブ、３・・・
・・・起伏装置、４・・・・・・カウンタウェイト、５
・・・・・・ワイヤロープ、６・・・・・・シーブ、７
・・・・・・機械室、８・・・・・・ウェイトガイド、
９・・・・・・固定重錘、１０・・・・・・重錘台車、
１１・・・・・・ガイドローラ、１２・・・・・・可動
重錘、１３・・・・・・取付片、１４・・・・・ピン、
１５・・・・・・タイロッド、１６・・・・・・輪留。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カウンタウェイトを吊下したロープをシーブを介し方向
   転換してジブに連結腰該ジブの起伏力を軽減せしめるよ
   うにしたジブクレーンにおいて下り止めが設けられたウ
   ェイトガイドに沿って上下に移動可能であって、固定重
   錘を搭載した重錘台車と、該重錘台車の下部に取付片を
   介して回転可能に振子状に枢着され、前記ロープが連結
   されて該ロープの引上げにより回転して前記重錘台車の
   下部に当接するようにした可動重錘とから前記カウンタ
   ウェイトを構成したことを特徴とするジブクレーン。