JPS60300Y2 - 孔版原紙取外し装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は輪転式孔版印刷装置の版胴や原紙装置用スクリ
ーンの如き原紙取付部材に印刷インキの粘性によって張
り付けられている孔版原紙を原紙取付部材から取外す孔
版原紙取外し装置に係る。

輪転式孔版印刷装置に於いては、孔版原紙は版胴や原紙
装着用スクリーンの如き原紙取付部材の原紙取付面に印
刷インキの粘性によって張り付けられた状態にて取付け
られている。

印刷作業が終了すれは、原紙取付部材に取付けられてい
る孔版原紙はその一端より引つ張られて原紙取付部材の
移動に伴い該原紙取付部材より取外される。

最近、上述の如き孔版原紙の取外しを自動的に行なう孔
版原紙取外し装置が考えられており、その一つとして、
互に係合する複数対の歯車等から戊る駆動回転体と従動
回転体とを有し、この回転体対によって孔版原紙を挟ん
でこれを引つ張って原紙取付部材より取外すように構成
された孔版原紙取外し装置が提案されている。

ところで、印刷インキの粘性によって原紙取付部材に張
り付いている孔版原紙はその原紙取付部材のその移動方
向に直交する巾方向の端部領域より中央領域に於ける方
が原紙取付部材との接合抵抗が大きく、このため孔版原
紙はその巾方向全体に亘って一様に引つ張られたのでは
中央領域に剥離遅れを生じ、巾方向全体に亘って一様に
原紙取付部材より剥取られす、たるみや破れを生じるよ
うになる。

この孔版原紙のたるみや破れは孔版原紙の円滑な取外し
に対し障害を与える。

本考案は上述の如き点に鑑み、孔版原紙の中央領域を端
部領域に比して強く引つ張り、中央領域に剥離遅れを生
じることなく孔版原紙がその巾方向全域に亘って一様に
原紙取付部材より剥取られるようにされた孔版原紙取外
し装置を提供することを目的としている。

かかる目的は、本考案によれは、印刷インキの粘性によ
て原紙取付部材に張り付けられている孔版原紙をその一
端より引つ張って前記原紙取付部材より取外すための互
に係合する複数対の駆動回転体と従動回転体とを含む孔
版原紙取外し装置に比して、前記原紙取付部材の移動方
向に直交する巾方向の中央領域に対応する位置にある前
記駆動回転体は前記原紙取付部材の移動方向に直交する
巾方向の端部領域に対応する位置にある駆動回転体に比
して犬きい周速にて回転するよう構成されている如き孔
版原紙取外し装置によって遠戚される。

以下に添付の図を用いて本考案を実施例について詳細に
説明する。

第１図は本考案による原紙取外し構造を備えた輪転式印
刷装置の一つの実施例の要部を示す平面図、第２図は第
１図の線■−■に沿う断面図である。

輪転式印刷装置は所定の巾、即ち軸線方向長さを有する
円筒桟の版胴１を有している。

版胴１は印刷インキの通過を許す多孔性構造を有してお
り、ぞの内周面に与えられる印刷インキをその外周面に
取付４．Ｊられる孔版原紙１０に与えるようになってい
る。

版胴１は側板２゜３間に配置され、図には示されていな
い支持桟構により支持されて自身の中心軸線の周りを第
２図て見て反時計廻り方向に図には示されていない電動
様によって回転駆動されるようになっている。

版胴１はぞの外周面の一部に原紙取付部４を有（−てお
り、この原紙取付部４は、複数個の原紙取付ビン５と、
詠原紙取付ビンの各々の両側部にて版胴１の周方向に延
ひた複数個の溝６を有している。

孔版原紙１０はその一畳；４部に取付耳部１１を有［ζ
第３す、またこの取付耳部１１は原紙取付ビン５の各々
に係合する係合孔１２を有している。

孔版原紙１０の版胴１に対する取付は、係合孔１２を原
紙取付ヒン５に係合させた状態にて孔版原紙１０を版胴
１の外周面に印刷インキの粘性を利用して張付けること
により行なわれる。

版胴１の一側方には該版胴の軸線に対し平行な第−乃至
第王の軸２０，２１，２２が設けられている。

この第一乃至第三の軸２０，２１．２２は各々側板２，
３に回転自在に支持されている。

第一の軸２０は版胴御の満６の各々に整合する位置にて
原紙剥取り爪２３の−・端を固定担持しており、また駆
動レバー２４の一端を固定担持している。

駆動レバー２４はソレノイド装置２５のプランジャ２６
に連結されており、該ソレノイド装置の作動時には引」
二けられて軸２０を第２図て見て時計方向へ回動し、原
紙剥取り爪２３を、第２図に示されている如く、版胴１
の外周面に近接し、その尖端が溝６内へ嵌入する位置に
位置させ、これに対しソレノイド装置２５の非作動時に
は、戻しばね２７のばね力により引下げられ、軸２０を
第２図で見て反時計方向に回動させ、原紙剥取り爪２３
をその尖端が版胴１の外周面より遠ざかった位置に位置
させるようになっている。

第二の軸２１は原紙剥取り爪２３の各々の側部に対応す
る位置にて各々駆動歯車２８ ａｔ ２８ ｂを固定
担持しており、また第三の軸２２は駆動歯車２８ａ、２
８ｂの各々に噛合する従動歯車２９ａ、２９ｂを回転自
在な態様にて担持している。

この場合、版胴１の軸線方向の中央領域に対応する位置
にある駆動歯車２８ａは版胴１の軸端領域に対応する位
置にある駆動歯車２８ｂより犬きい径を有している。

また従動歯車２９ ａ、 ２９ ｂは対応する駆動歯
車２８ ａ、 ２８ ｂに従って径が異なっており、
またこれらの従動歯車２９ａ、２９ｂははね３０のはね
力により一斉に駆動歯車２８ａ、２８ｂへ向けて付勢さ
れ、これに押付けられた状態にて噛合している。

また原紙剥取り爪２３は、第２図に示されている如く、
その尖端に続いて版胴１の外周面に取付けられている孔
版原紙１０を駆動歯車２８ａ、２８ｂと従動歯車２９
ａ、 ２９ ｂとの噛合部に案内する案内傾斜部２３
′を有しており、またこの傾斜部に近接して前記第二の
軸２１との干渉を避けるための切欠部２３″を有してい
る。

前記第一二の軸２１は複数個のスプロケット３１を固定
担持している。

また側板２，３は前記第二の軸２１より所定量離れた位
置にこれと平行な第四の軸３２を回転自在に担持してい
る。

第四の軸３２は複数個のスプロケツ１〜３３を固定担持
しており、このスプロケット３３とスプロケッ）３１と
の間には各々無端チェーン３４が架は渡されている。

第四の軸３２はもう一つのスプロケット３５を固定担持
しており、このスプロケット３５は無端チェーン３６及
びスプロケット３７を経て電動機３８に駆動連結されて
いる。

第四の軸３２は電動機３８により第２図て見て反時計廻
り方向に回転駆動され、無端ヂエーン３４を示矢方向に
駆動するようになっている。

第四の軸３２の真上には第五の軸３９が設けられている
。

この第五の軸３９も側板２，３に回転自在に支持されて
おり、スプロケット３３の各々に対応する位置にゴムロ
ーラ４０を固定担持している。

このゴムローラ４０はばね４１のばね力により一斉にス
プロケット３３へ向けて付勢されている。

このゴムローラ４０の外周面は滑りを生じないよう、凹
凸形状になっている。

スプロケット３３とゴムローラ４０は側板２，３間に設
けられた取外し原紙収納箱４２の原紙取入口４３に位置
している。

版胴１の外周面に取付けられている孔版原紙１０を版胴
１より取外す場合には、まずソレノイド装置２５を作動
させて原紙剥取り爪２３の尖端を、第２図によく示され
ている如く、版胴１の外周面に接近し溝６に係合し得る
位置に位置させ、電動機３８を作動させてスプロケット
３３、無端チェーン３４、スプロケット３１、駆動歯車
２８を回転させる。

すると、従動歯車２９が駆動歯車２８の回転に伴い回転
し、またゴムローラ４０が前記スプロケット３３の回転
に伴い回転する。

次に上述の状態にて版胴１を第２図で見て反時計廻り方
向に低速回転させる。

すると、前記原紙剥取り爪２３の尖端が版胴１の溝６に
各々係合し、該溝の底面と該荷を跨ぎ原紙取付ピン５に
よって版胴１に係止されている孔版原紙１０の取付耳部
１１との間に入り込み、前記取付耳部１１を前記原紙取
付ピン５より外腰そして前記版胴１の回転に伴い孔版原
紙１０と版胴１の外周面との間に入り込んて孔版原紙１
０を版胴１より剥取るようになる。

このようにして剥取られた孔版原紙１０は前記原紙剥取
り爪２３のの尖端の後方にある案内傾斜部２３′に案内
されて駆動歯車２８ａ、２８ｂと従動歯車２９ ａ、
２９ ｂとの噛合部に案内される。

前記駆動歯車２８ ａ、 ２８ ｂと従動歯車２９ａ
、２９ｂはそれの噛合部にまて送られてきた孔版原紙１
０を噛込み、それを図にて左方へ向けて送る。

この時、版胴１の軸線方向の中央領域に対応する位置に
ある駆動歯車２８ａが版胴１の軸端領域に対応する位置
にある駆動歯車２８ｂより犬きい径を有限中央領域の駆
動歯車の周速が軸端領域の駆動歯車の周速に比して大き
いため、孔版原紙１０はその版胴１の軸線方向の中央領
域が軸端領域に比して強く引つ張られるようになる。

孔版原紙１０は印刷インキによる版胴１との接合抵抗が
その軸端領域に比して大きい中央領域が軸端領域に比し
て強く引つ張られることにより、中央領域に剥離遅れを
生ずることなく巾方向全域に亘って一様に版胴１より剥
取られ、この過程に於いてたるみや破れを生ずることが
なく、円滑に取外される。

大径の駆動歯車２８ａと小径の駆動歯車２８ｂとの直径
比は１．０５：１〜１．５０：１であってよい。

孔版原紙は更に無端状チェーン３４上に乗って図にて左
方へ、即ち取外し原紙収納箱４２へ向けて送られ、スプ
ロケット３５とゴムローラ４０との間を通過して前記取
外し原紙収納箱内へ送り込まれる。

このようにして、孔版原紙１０が版胴１より取外され、
それが取外し原紙収納箱４２内に納められたならば、ツ
レ／イド装置２５及び電動機３８の作動を停止させる。

すると、前記原紙剥取り爪２３は版胴１の外周面より遠
ざかった非作動位置へ移動し、またスプロケット及び歯
車の回転が停止される。

尚、上述した実施例に於いては、歯車の直径を変えて版
胴の軸線方向の中央領域に対応する位置にある駆動歯車
の周速を版胴の軸端領域に対応する位置にある駆動歯車
の周速より大きくしたが、本考案は全て同一径の歯車を
用い、版胴の軸線方向の中央領域に対応する位置にある
駆動歯車と版胴の軸端領域に対応する位置にある駆動歯
車とを個別に駆動してそれらの周速に変化を与えるよう
に構成されていも良い。

又、歯車に代えてローラ等が用いられても良い。

ローラを用いる場合には、印刷インキが付着している孔
版原紙とローラとの間に滑りが生じないよう、ローラの
周面は摩擦抵抗を増大されていることが好ましい。

尚、上述した実施例に於いては単胴式の孔版印刷装置に
ついて説明したが、本考案はこれに限定されるものでは
なく、複数個のローラ間に架は渡された原紙装着用スク
リーンを有している複胴式孔版印刷装置にも適用できる
ことは勿論のことである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による孔版原紙取外し構造を備えた輪転
式印刷装置の一つの実施例の要部を示す平面図、第２図
は第１図の線■−■に沿う断面図である。 １・・・・・・版胴、２，３・・・・・・側板、４・・
・・・・原紙取付部、５・・・・・・原紙取付ピン、６
・・・・・・溝、１０・・・・・・孔版原紙、１１・・
・・・・取付耳部、１２・・・・・・係合孔、２０・・
・・・・第一の軸、２１・・・・・・第二の軸、２２・
・・・・・第二の軸、２３・・・・・・原紙剥取り爪、
２３′・・・・・・案内傾斜部、２３″・・・・・・切
欠部、２４・・・・・・駆動レバ２５・・・・・・ソレ
ノイド装置、２６・・・・・・プランジャ、２７・・・
・・・戻しばね、２８ａ、ｂ・・・・・・駆動歯車、２
９ａ、ｂ・・・・・・従動歯車、３０・・・・・・ばね
、３１・・・・・・スプロケット、３２・・・・・・第
四の軸、３３・・・・・・スプロケット、３４・・・・
・・無端チェーン、３５・・・・・・スプロケット、３
６・・・・・・無端チェーン、３７・・・・・・スプロ
ケット、３８・・・・・・電動機、３９・・・・・・第
五の軸、４０・・・・・・ゴムローラ、４１・・・・・
・ばね、４２・・・・・・取外し原紙収納箱 ４３・・
・・・・原紙取入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷インキの粘性によって原紙取付部材に張り付けられ
   ている孔版原紙をその一端より引つ張って前記原紙取付
   部材より取外すための互に係合する複数対の駆動回転体
   と従動回転体とを含む孔版原紙取外し装置にして、前記
   原紙取付部材の移動方向に直交する巾方向の中央領域に
   対応する位置にある前記駆動回転体は前記原紙取付部材
   の移動方向に直交する巾方向の端部領域に対応する位置
   にある駆動回転体に比して大きい周速にて回転するよう
   構成されていることを特徴とする孔版原紙取外し装置。