JPS6028818Y2 - 直線駆動用浮動性継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえはエアシリンダ等によって直線運動を
伝える場合に、駆動側であるピストンロッドと被駆動側
との間に取付けて使用する直線駆動用浮動性継手に関す
る。

エアシリンダや油圧シリンダ等で直線運動を伝えル場合
、ピストンロッドと被動体との軸心が一致していないと
、滑り面に無理を生じ、摺動の円滑を欠いたり滑り面を
損傷したりする。

ところが、往復動する駆動体と被動体との軸心を常に精
密に一致させることは非常に困難であるので、上記のよ
うな問題は避けられない。

本考案は、このような両軸間に浮動性をもった継手を介
在させ、円軸間の誤差をすべて継手で吸収し、ある程度
軸心がずれていても円滑に直線運動を伝達できるように
するものであり、特に部品点数が少なく構造簡単で量産
性に適する直線駆動用の浮動性継手を提供するもである
。

第１図は本考案の浮動性継手の中心断面図であり、互い
に連結された２組の球面軸受け１，２から戒っている。

すなわち、２個の球面ジャーナル１１．２１が一体に固
接されていて、両ジャーナルはそれぞれ別々の球面軸受
は部材１２．２２に保持されている。

したがって、円球面軸受け１゜２はそれぞれ独立して球
面運動を行なうことができる。

１３．２３は、駆動側や従動側への取付は用ネジである
。

いま、図上たとえば左側の軸受は部材１２をシリンダの
ピストンロッドに、右側の軸受は部材２２を被駆動体に
連結して、シリンダを作動させると、ピストンロッドの
往復動作が、軸受は部材１２、ジャーナル１１，２１、
軸受は部材２２を経て被駆動体に伝わり、被駆動体を往
復動させる。

このとき、ピストンロッドすなわち駆動側軸受け１と被
駆動体すなわち従動側軸受け２とは、軸心が一致しない
のが普通である。

そして、この軸心の不一致は、両者の軸心が平行せず互
いに角度をなして交差する平行度の狂いと、両者の軸心
が平行はしているが位置がずれているいわゆる心ずれ、
およびこの両者が共存する場合とに分けられる。

本考案によれば、これらのいずれの組付は誤差も第２図
から第４図のように容易確実に吸収される。

すなわち心ずれの場合は、第２図のように、両方の軸受
けの球面運動によって軸心Ｃ１，Ｃ２の間隔ｄが容易に
変化するので、これによって組付は時の心ずれも使用中
変動する心ずれも吸収される。

両方の軸心が傾斜する場合は、第３図のように、傾斜角
に応じて軸受けの球面運動により軸心Ｃ１とＣ２が容易
に角度をなすことができるので、これによって組付は時
の平行度の狂いも運転中変動する平行度の狂いも吸収さ
れる。

心すれと平行度の狂いや共存する場合は、第４図のよう
に、両方のジャーナルの球面球心点Ｐ、。

１２間の正確な軸心と直角方向の間隔ｄおよび軸受は部
材１２，２２の軸心Ｃ１，Ｃ２のすなわち角度が容易に
変化するので、これによって両方の誤差が吸収される。

このように本考案によれば、２組の球面軸受け１．２の
球面運動によって、組付は時に生じた誤差も運転中に変
動する誤差も容易に吸収され、しかも誤差の種類を問わ
ないので、従来のように誤差による無理な力で摺動部を
損傷したり動作の円滑を妨げるおそれはなくなる。

さらに、部品点数か少なく、構造簡単で製造コストも安
くなる。

ただし、第５図において、Ｆ：駆動側推力、Ａ：被動側
の球心Ｐ２方向への分力、Ｂ：Ａに対し直角方向の分力
、Ｒ：球面軸受け１，２の球面球心Ｐ１．Ｐ２の距離、
ｒ：被駆動体側の球面軸受け２の球面半径、φ：ＦとＡ
との傾斜角、μ： （静止）摩擦係数として、被駆動体
球面軸受けを中心にした偶力を考えると、 ＲＢ≦ｒＰＡ 、”、−ｔａｎφ≦μなる範囲内
でしか使用できない。

ところが図示例は、説明の都合上誤差を極端に大きくし
たものであって、心ずれや軸心の傾斜は組立て等の上で
生じる誤差であり、しかも誤差を少なくするよう目測程
度の心合わせは行なうのが普通であるから、本考案継手
の実際上のの使用はφ＝：＝０に近い範囲となり、上記
条件は実用上問題ない。

すなわち本考案は、直線運動の伝達を目的とするもので
あるから、移動中継手は、湾曲或いは座屈発生の許され
ない剛体でなければならない。

組付は時には、２つの駆動体を連結するのに、柔軟性が
必要である。

したがって上記相反する機能を実現するのが、本考案の
目的である。

故に ！Ｌｔａｎφ≦μにおいて、φは組み立て上非常
に小さく、球心Ｐ１．Ｐ２の間隔Ｒも小さくして上式条
件内にすれば、移動中剛体となり、湾曲、座屈等が発生
しない。

いま仮に球心Ｐ１．Ｐ２の間隔Ｒ＝０とすると、明らか
に上記式を満足できるが、球心が１つしかないことにな
り、取付は誤差を吸収できない。

取付は誤差を吸収可能とするためには、２つの球心Ｐ１
．Ｐ２が離れていることが必要である。

そしてこの球心ｐ１． ｐ２の間隔Ｒが上記式を満足で
きるような小さい値であれば、継手部で座屈を起こそう
とする力より摩擦係数μが大きいために、座屈等は発生
不可能で、剛体として円滑に直線運動を伝達できる。

もし球心Ｐ□、Ｐ２の間隔Ｒが大き過ぎると、前式が成
立しない。

例えば前記式を満足できない程度に球心Ｐ１．Ｐ２の間
隔Ｒが大きく、前記式の左辺が摩擦係数μより大きくな
ると、ジャーナル２１が摩擦係数μに打ち勝って回転で
きるため、座屈等が発生し、直線運動伝達の機能を果た
し得ない。

なお駆動側推力Ｆが作用しないで停止しているときは、
前式は成立せず、剛体とはならない。

第６図および第７図は他の実施例であり、第６図は軸受
は部材側を一体にすることによって２組の球面軸受けを
連結したもの、第７図は一方の軸受は部材の外面も球面
に形成して、他方の軸受けのジャーナルとしたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による浮動性継手の一実施例の中心断面
図、第２図から第５図はその作用を説明する中心断面図
、第６図と第７図は他の実施例の中心断面図である。 図面において、１，２は球面軸受け、１１，２１は一体
のジャーナル、１２．２２は軸受は部材、１３．２３は
取付は用ネジ、Ｃ１，Ｃ２は軸心、Ｐｌ、Ｐ２は球面球
心である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 往復動する駆動体から被駆動体に直線運動を伝える継手
   において、２つの球面軸受けを互いに球面運動できるよ
   うに連結すると共に、その一方を駆動側に、他方を被駆
   動側に連結し、かつ塩ａｎφ≦μ（ｒ：被駆動体側の球
   面軸受けの球面半径、Ｒ：円球面軸受けの球面球心Ｐ１
   ・Ｐ２の距離、φ：駆動側推力と被駆動側の球心Ｐ２方
   向への分力と傾斜角、μ：摩擦係数）となるように、２
   つの球面軸受けの球心の間隔が充分接近した構成に戊っ
   ていることを特徴とする直線駆動用浮動性継手。