JPS6022266Y2 - 温室用加温装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は一般家庭で蘭とか盆栽等観賞用の植物を育成す
る温室に夜間時等の暖房用として使用する温室用加温装
置に関するものである。

近年、多くの家庭で余暇の有効利用として種々の草花を
観賞用として育成することが多くなってきた。

この場合、寒さに弱い草花の育成にあたり、家庭用に小
形化されたビニールハウス型の温室が利用される。

しかし、この温室は日光照射時には植物の育成に必要な
温度を容易に得ることが出来るが、夜間時あるいは冬季
のくもり時には室内の温度が急激に低下して植物の成長
に悪影響をあたえるため、温室の保温には通常電気温風
機ぎ利用される。

然るに、温風機は温風が強制的に排出されるので、一般
家庭で使用する温室では短時間で植物育成温度に達して
しまい、逆に植物を高温禍から保護するために温風機自
体を温度調整器やタイマーを用いて運転制御を行う関係
上、温風排出のための電動機や温度調節を行う温度調節
器等を必要とし、更に熱源の他に動力源としても電力を
使用するため、家庭用温室の暖房装置とじては非常に不
経済であった。

本考案は上述の欠点を除いて、ヒーターのみを使用した
簡素な構成で、温室内の暖房を長時間に亘り安定して行
うことが出来る安価で経済的な温室用加温装置を提供す
るもので、以下本考案の実施例を図により説明すると、
１は金属板あるいは硬質樹脂等の材料により倒皿状に成
形されたケース取付台で、中央部に碍子取付穴２が開口
され、外周にはケース取付座３が第３図に示すように１
２０°の間隔を保って一体に突設されており、これらケ
ース取付座３の間にはケース取付台１の中央部から外周
にかけて床面をテーパー状となした扇形の排水溝４が凹
設されている。

５は発熱体取付碍子で、裏面に突設した筒状の充電部数
容部６を碍子取付穴２からケース取付台１内に収容させ
て上記ケース取付台１の中央部に耐熱性のパツキンを介
して装着される。

７は金属管に発熱線を通し絶縁材を充填して設けたシー
ズヒーターよりなる電気発熱体で、Ｕ字状に折り曲げら
れて充電部となる両端部を発熱体取付碍子５の充電部数
容部６内に導出し、ターミナルネジ８をナツト９締めす
ることにより、上記電気発熱体７は発熱体取付碍子５に
逆Ｕ字状に直立して取付けられる。

１゜は小径な多数の空気流通孔１１を穿設した金属板を
筒状に成形したケースで、下部をケース取付座３に嵌合
させて締付ねじにより上記ケース取付座３に締着するこ
とにより、上記電気発熱体７を包囲した状態で排水溝４
を塞ぐことなくケース取付台１上に直立して取付られる
。

１２はケース１０に設けた空気流通孔１１より径大な空
気流通孔１１′を多数穿設してケース１０の上部開口部
に被着されたカバー、１３は電気発熱体７の頂部とカバ
ー１２との間に設けた邪魔板で、カバー１２の内側周縁
に上端を止着してケース１０内に垂設ちた吊金具１４に
取付けられてケース１０内に吊下げられており、カバー
１２の空気流通孔１１′から植物に補給する水が誤って
ケース１０内に侵入したとき、その水が電気発熱体７に
か）るのを防止せしめる。

１５は電源コードで、電気発熱体７のターミナルネジ８
に端子を介して接続される。

１６はケース取付台１に取付けた脚、１７はケース１０
に取付けた取手である。

次に、本案加温装置の使用について説明すると、先づ電
源コード１５を電源に接続して電気発熱体７に通電して
これを加熱すると、ケース１０内の空気は次第に加温さ
れてケース１０内を上昇するが、電気発熱体７の上方に
取付けられた邪魔板１３により上昇が抑制され、加温空
気は邪魔板１３の下面に沿って放射状に分散されて第１
図に矢印で示すように、邪魔板１３側方のケース１０の
空気流通孔１１や、邪魔板１３とケース１０との間を上
昇してケース１０の空気流通孔１１から図示しない温室
内に放出される。

一方温室内の冷気は、ケース１０下方の空気流通孔１１
やケース取付台１の排水溝４からケース１０に流入し、
電気発熱体７により加温されてケース１０上方の空気流
通孔１１から温室内に放出される。

この結果、温室内の空気は上述のような動作を繰り返し
て室内を対流して温室内を暖める。

次に温室内の植物に水を補給しているとき、誤って本案
加温装置の上から水がか）つたとき、水はカバー１２の
空気流通孔１１′からケース１０内に流入するが、その
際、水は邪魔板１３に邪魔されて電気発熱体７を漏らす
ことなく邪魔板１３の周辺からケース取付台１上に滴下
し、排水溝４からケース外に排出される。

又、はね氷が空気流通孔１１からケース１０内に侵入し
て一部が電気発熱体７に附着することがあるが、電気発
熱体７は外被が金属製であるため、はね水による影響を
受けることはない。

又、空気流通孔１１から侵入したはね水はケース取付台
１上に滞溜することなく、排水溝４から排出される。

本考案は上述のように、ケース取付座を外周に複数突設
して排水溝を上記ケース取付座の間に凹設したケース取
付台に空気流通孔を多数設けたケースを電気発熱体を包
囲させて装着し、電気発熱体の上方には邪魔板を配置し
てケース内の空気を上記電気発熱体により加温し、この
空気を邪魔板により放射状に分散させてケース全周に設
けた空気流通孔から放出させて温室内を暖めるようにし
たもので、従来のように温風機の使用により家庭用の小
さな温室内を強制的に且つ短時間に植物の適正な育成温
度以上に暖めるようにしたものと全く異なり、本案の加
温装置は、温室内を空気の加温によりこの空気の自然対
流を利用して常に植物の脅威に適した温度に維持させる
ことが出来るので、植物が高温にさらされて脅威が阻害
されるということは全くなく、家庭園芸用の小形温室の
暖房装置として最適である。

又、本案装置のケースには全周に小さな空気流通孔が設
けであるので、空気の流通はどの方向からでも通り抜け
が出来るので、加温空気が特定方向からのみ放出される
ということがないので、温室内を均一に暖房することが
出来る。

更に、植物への水の補給時、誤ってケースの上部から水
が侵入しても電気発熱体の上部には邪魔板が取付けられ
て直接水が電気発熱体にか）らないようになっており、
又、ケースの側方からはね水がケース内に侵入しようと
した場合も、空気流通孔が小径に製せられているので、
大部分は侵入が阻止され、万一ケース内に侵入しても電
気発熱体は外被が金属であるのではね水の一部が附着し
ても影響を受けることはない、又、これらケース内に侵
入した水は全て滞溜することなくケース取付台は排水溝
から外部に排出されて電気発熱体の充電部に影響をおよ
ぼすことは全くなく、しかもカバ一部分は邪魔板により
直接電気発熱体の熱がさえぎられて温度が高くならない
ので、誤って手等を触れても火傷することがない等本案
の加温装置は安全に使用することが出来る。

又、温風機のように電動機や温度調節器等を全く使用せ
ず、空気の自然対流を利用した簡素な構造であるので、
小型軽量で安価に製作出来、且つ電力は熱源のみに使用
するので、電力消費を温風機に較べ軽減することが出来
る等実用上幾多の著しい効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の加温装置の縦断正面図、第２図は第１
図のＡ−Ａ断面図、第３図はケース取付台の斜視図であ
る。 １：ケース取付台、３：ケース取付座、４：排水溝、７
：電気発熱体、１０：ケース、 １′：空気流通孔、１３：邪魔板。 １゜

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース取付座を外周に突設してこのケース取付座の間に
   排水溝を凹設したケース取付台の中央に電気発熱体を直
   立させて装着した発熱体取付碍子を取付け、上記ケース
   取付台のケース取付座には多数の空気流通孔を穿設した
   ケースを装着し、電気発熱体の上方には邪魔板を配置し
   て成る温室用加温装置。