JPS6021441Y2 - タペツトの支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の動弁機構であるタペットの支持装置
に関し、その目的は、カムシャフトの交換作業を容易に
したことである。

内燃機関の動弁部品であるカムシャフトは金気筒の吸、
排気弁に対応する一本の長い軸部材である。

このカムシャフトを交換するに当っては、エンジンは車
両より降して修理する場合は特に不具合は生じないが、
車両に搭載したままの状態ではカムシャフトのカムに当
接している全気筒のタペットをカム面より離間した状態
で保持する必要がある。

すなわち、タペットを持ち上げるのであるが、自動車の
機関のように少くとも４気筒以上の多気筒の場合、一人
の作業員では全気筒のタペットを同時に持ち上げて長い
カムシャフトを抜き差しする作業は実際上不可能である
。

従って従来では数人の作業員でタペットを持ち上げるか
、若しくは全てのタペットを保持部から取り外すなどの
面倒な作業を行っていた。

本考案はこのような従来の不具合を解消したタペットの
支持装置を提供するもので、その特長は簡単な構造の係
合部材をタペットの上昇位置でタペットに装着し、タペ
ットをカムシャフトと離間した状態に保持するようにし
たことである。

以下本考案の実施例を図面により説明する。

第１図において１はタペット、２はこのタペット１を昇
降動自在に嵌装したシリンダブロックに形成されている
タペット保持部、３はカムシャフト、４は下端がタペッ
ト１に支持され上端はロッカーアームに当接するブツシ
ュロッド、５はタペットチャンバ、６は該タペットチャ
ンバに開設されている作業窓、７は作業窓の蓋である。

本考案は上記の構成において、タペット１をカムシャフ
ト３と離間した上昇位置でタペット保持部２の上面に露
出するタペット１の頚部に保合部を設け、この係合部に
タペット保持部２の上面に支承される係止部材８を着脱
可能に装着したものである。

その具体的な実施例としては第２図に示す通りである。

すなわち、第２図Ａで示すようにタペット１の頚部周囲
に環状の凹溝９を設け、この凹溝９に割ピンよりなる係
止部材８を嵌着する。

また第２図Ｂに示すようにタペット１の頚部両側に凹溝
１０を設け、これに二股フォーク状の係止部材８を嵌着
する。

さらに、第２図Ｃに示すようにタペット１の頚部の直径
方向に穴１１を貫設し、これを軸状の係止部材８を嵌挿
する等の構造によって得られる。

本考案は上記の通りの構造であるから、カムシャフト３
の交換作業に当ってはタペットチャンバ５の作業窓６を
開口し、タペット１を持ち上げてカムシャフト３と離間
させ、この状態で係止部材８をタペット１の頚部に装着
する。

これによって係止部材８はタペット保持部２の上面に尚
接支持され、タペット１は前記カムシャフト３と離間さ
れた状態で係止部材８を介して係止されるのである。

よって本考案によるカムシャフトの交換時にタペットの
頚部に簡単な構造の係止部材を装着するだけでタペット
をカムシャフトと離間した上昇位置に支持することでき
、カムシャフトの抜き取りや挿入の際にタペットと接触
することなく容易に行うことができる。

また、係止部材はタペットの頚部に係合し、且つタペッ
ト保持部の上面に当接してタペットを持ち上げ支持して
いるので係止部材がタペットより外れてタペットがオイ
ルパン内に落下するような不都合は全く発せず、確実に
支持している利点がある。

さらに、タペットがカムシャフトに当接して通常の動弁
作動を行っているときには、タペットの頚部に設けられ
ている係合部は常にシリンダブロックのタペット保持部
内に位置されるので、係合部とタペット保持部上面の角
部とのカジリによる損傷を防止している利点も有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の断面図、第２図Ａ、 Ｂ。 Ｃは本考案装置の各種実施例を示す平面図である。 １・・・・・・タペット、２・・・・・・タペット保持
部、３・・・・・・カムシャフト、訃・・・・・係止部
材、９・・・・・・環状の凹溝、１０・・・・・・両側
の凹溝、１１・・・・・・穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダブロックに形成されたタペット保持部に昇降動
   自在に嵌装したタペットにおいて、前記タペットをカム
   シャフトと離間した上昇位置で前記タペット保持部上面
   に露出するタペットの頚部に係合部を設け、この保合部
   にタペット保持部上面に支承される係止部材を着脱可能
   に装着して成るタペットの支持装置。