JPS601244Y2 - ピストン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は冠面部に冷却オイルの環状通孔を有するピス
トンの改良に関する。

ピストンはシリンダー内で燃焼ガスの圧力を受け、また
圧縮しながら昇降運動を行うものて、その冠面は常に高
温高圧にさらされる。

従って、最近では冠面部を一定の温度以下に保つために
第１図示の如＜ピストン本体１の冠面部２にソルトコア
ーを用いで環状通孔３を設け、該環状通孔３内に、その
適所に連通したオイル導入孔４の下端４′からオイル兵
ン（図示せず）内のオイル養オイルポンプ（図示せす）
より汲上げてノズル端５より噴射し、オイル導入孔４の
反対側にあるオイル排出孔（図示せす）より排出させ、
冠面部柘常にオイルパン内の低温のオイルが循環できる
ようにしている。

ところが、従来のピストンの場合、環状通孔３とオイル
導入孔４との連通部６は第２図Ａに示す□ ように単なるＴ字型になっていたためオイル導入孔４を
通って環状通孔３内に入って左右に分岐しにくくその方
向性に欠けていたため冠面の冷却効果が不充分となリリ
ング・スティック、焼付きの原因となった。

従って、オイル分岐の方向性を良好になすための改良も
種々なされ、第２図Ｂの如くオイル導入孔４の上端４″
が指向する環状通孔３の上壁面に断面流線形の下向きの
突起７を設けたもの、第２図Ｃの如くオイル導入孔４の
上端４″を環状通孔３内に盛上げるように突出部８を設
けたものが出現Ｃた。

この第２図Ｂ、 Ｃのものの場合は第２図Ａφものに比
してオイル分岐の方向性を良好にする点では優れていた
が、環状通孔３とオイル導入孔４．との連通部６に□お
いて環状通孔３が他の部分に比して狭ばめられることと
なっていた。

従って、講２図Ｂ、 Ｃの場合において環状通孔３をピ
ストン本体１の冠面部２に成形するに当って、予めソル
トコアーを焼成するときは第３図Ａ、 Ｂの如くソルト
コアー９に前記連通部６の突起７、突出部８に対応する
凹部１０を設けてその部分の肉厚を薄くしておかなけれ
ばならす、ソルトコアー９はその焼成中、あるいは中子
として適用する場合に肉厚の薄くなっている凹部１０よ
り割れることが多くなるという問題があった。

この考案はオイル分岐の方向性を良好に保ちながら上記
の問題点を解消するようにしたもので、環状通孔とオイ
ル導入孔との連通部でのソルトコアーの肉厚が薄くなら
ないようにしたピストンを提供することを目的としてい
る。

以下、この考案の実施例を第４図〜第６図にもとすいて
説明する。

第４図は環状通孔３とオイル導入孔４との連通部６を示
すもので、オイル導入孔４の上端４″が指向する環状通
孔３の上壁面に断面流線形の凹部１１を設けてなる。

この凹部１１の深さ、両翼部１１ａ、ｌｌｂの曲率は流
体理論に基いて決定すればよい。

また、環状通孔３の内壁面の凹部１１の形状に沿わせオ
イル導入孔４の上端４′を盛上げ第６図示のように形成
することもある。

この考案は以上の如く構成したから、オイル導入孔４よ
り入って来たオイルは第４図、第６図の矢印にて示す如
く環状通孔３の凹部１１に突き当り、流線形のの断面に
沿って左右に分岐し、環状通孔３内をスムーズに流動し
、図示していないオイル排出孔に至ってオイルパンに戻
される。

従って、オイル分岐が良好な上に、この連結部６では環
状通孔３を成形するに当ってソルトコアー９が該部分で
第５図示の如く凸部１２となって厚肉となるので、ソル
トコアーはその焼成中あるいは中子として適用する場合
に割れにくくなるなど各種のすぐれた効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は環状通孔を有するピストンの断面図、第２図Ａ
〜Ｃは従来の環状通孔とオイル導入孔の連通部の拡大断
面図、第３図Ａ、 Ｂはソルトコアーの部分斜視図、第
４図ないし第６図はこの考案の実施例を示し、第４図は
環状通孔とオイル導入孔の連通部の拡大断面図、第５図
はソルトコアーの部分斜視図、第６図は環状通孔とオイ
ル導入孔の連通部の他の例を示す拡大断面図である。 １・・・・・ゼストン本体、２・・・・・・冠面部、３
・・・・・・環状通孔、４・・・・・・オイル導入孔、
４′・・・・・・上端、６・・・・・・連通部、９・・
・・・・ソルトコアー １１・・・・・・凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冠面部にソルトコアーを用いて冷却オイルの環状通孔を
   形成したピストンにおいて、前記環状通孔の適所に連通
   したオイル導入孔の上端が指向するソルトコア二、ｐ上
   壁面に、断面流線形状の凹部を設けてなるピストン。