JPS597322B2 - 焼結予備成型体の形成による粉末冶金部品の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は粉末金属予備成型体の製造方法に関し、特に熱
的に分解する型の中で金属粒を焼結することによってこ
のような予備成型体を製造する方法に関するものである
。

金属粒は、鍛造金型に合致した形状になるように完全焼
鈍および研摩をした粉末を精密な型の中で処理すること
によって鍛造用の予備成型体へと成形されるのが普通で
ある。

もつと一般的な方法では、粉末はまず高圧力下で高密度
充填され次いで希望する金属部品を形成するように高温
に加熱されるかまたは最終部品の生産に用いる予備成型
体を製造するために、高圧力と高温の同時の条件下で高
密度充填される。

この処理過程とは異った方法が米国特許第３８１１８７
８号に記載されておりその概要は引例によって本説明に
編込まれている。

そこに記載されている発明を総括すると、アトマイズさ
れたままの（焼鈍されていない）粉末はシヨ糖結合剤と
混合され、型の中へそそぎ込まれる。

次いでシヨ糖を軟化させ取扱いや先の工程に対して十分
な強度を備えた焼成予備成型体を形成するように焼結温
度以下の温度でまず焼成される。

この後半の手順で考えられる利点は、（１）予備成型体
を形成するのに加圧を不要にしたことと（１：）初期の
処理段階において焼鈍と研摩の必要性がない粉末を用い
ることのできる能力とである。

このような利点にもかかわらずこの特許されている「ゆ
るい充填」方法の応用性は幾分制限されている。

と言うのは、希望する予備成型体の完全性を達成するこ
と＋３本質的にシヨ糖より成る結合剤を用いることに依
存しているからである。

したがって本発明の基本的目的は、「ゆるい充填」方法
に類似しているにもかかわらず有意義な広い種類の有機
結合剤が利用できる方法を提供することである。

本発明は、特許された「ゆるい充填」方法と次の２つの
有意義な方法で異っている。

１．高温への加熱に際して複雑な多環式構造となる有機
化合物およびそれらの混合物を利用する。

採用された化合物は、必ずしもシヨ糖と同等の結合力を
備えている必要はない。

加熱に際して、金属粒子が相互に焼結して金属予備成型
体を形成する温度に達するまでの間有機物の分解生成物
が金属粒子に適当な結合力または固着力を与えているこ
とのみが必要である。

しかしながら、１つの有機化合物または、用い方によっ
ては複数の化合物は、加熱に際して分解速度を示すこと
が要求される。

すなわち、脱ガス速度は、金属粉末の充填構造の崩壊に
較べて、それ程急速ではないことが必要である。

これら２つの基準は、事実上すべての加熱硬化性樹脂と
炭水化物によって満されていることが明らかにされてい
る。

しかしながら、本発明方法は結合剤および浸炭剤として
シヨ糖を用いることに依存していないけれどもシヨ糖は
もちろんこの２つの基準に合致し、同様に用いられるこ
とは注意すべきことである。

同様に、シヨ糖は適切な結合剤として役立つ分量以下つ
まり１．５重量パーセント以下の分量であっても採用さ
れうる。

このような場合、結合剤の必要量は、シヨ糖にここに記
載してある他の良好な結合剤のいくらかを添加すること
によって補なわれる。

（本質的にシヨ糖を用いないで）複雑なまたは単純な砂
糖、メチルセルロース、テン粉、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂そして尿素フォルムアルデヒド樹脂を用いるこ
とによって良好な結果が得られている。

コールタールピッチ、アスファルト、ギルソナイトそし
て加熱可塑性物質を含む材料は、その脱ガス速度が早す
ぎる傾向のために良好ではないことが明らかにされた。

２，型は金属粒子の焼結温度以下の温度で熱的に分解す
る材料によって形成される。

型は、有機結合剤が必要とする固着効果を発揮するため
に炭化もしくは分解する前の加熱期間に、充填されてい
る金属粒子が十分な完全性を維持できるように構成され
る。

有機化合物が実際に分解し、金属粉末の適切な結合が達
成された段階では、熱的に分解する型から提供される支
持はもはや必要ではない。

以上の理由により、有機物の分解生成物によるこのよう
な結合が達成された以後のある時間において、燃えつき
るかあるいは分解するように型は構成されている。

例えば卵を入れてあるボール箱や他の包装用容器に用い
られているのと同様な加圧紙パルプは必要な時間間隔の
あいだ適当な支持をすることが明らかにされた。

他方卵の箱を作るのに普通用いられている他の材料すな
わち発泡ポリスチレンは、このような支持をするのには
あまりにも急速に分解しすぎることが明らかにされた。

熱的に分解ないし消耗する型を用いることはこの他に２
つの利点がある。

大量高速の生産ラインにおいては大きな型の在庫品の搬
入、搬出および回収を要することは生産コストに大きな
影響を与える。

このような消耗する型を用いることは型の回収および大
きな型の在庫品を保守することを不要にし、原価を低減
する。

さらにこのような消耗する型に用いられる例えば前述し
た加圧紙のような材料は普通の金属もしくは耐火型を用
いると、成形が不可能ではないにしても困難であるよう
な複雑な形状にするのがきわめて容易である。

一方本発明（栽種々の金属粉末に対して適用することが
でき、特に炭素で還元できる酸素を実質上２００ｐＩ）
ｍより過剰に含有する鉄系金属粉末（すなわちアトマイ
ズをしたままの金属粉末）を用いるのに有利である。

このような、アトマイズしたままの粉末を浸炭するのに
際して、粉末の酸素含有量を知ることが望ましい。

と言うのは有機結合剤が鉄粉末と効果的に結合できる前
にまず有機結合材が酸素を還元することが必要だからで
ある。

浸炭Ｑ幼率は用いた粉末の特性によってかなり影響され
るので目的とする最終炭素量（一般に０．０４％以上の
増加があるようにする）になるのに必要な結合剤Ｑ量が
まず最初に決定される。

次いで適正量の結合剤（＝般に２〜１０重量パーセント
）が金属粉末と混合される。

こうして得られた混合物は本質的に乾燥状態（水分０．
５％以下）であることが好ましく、これは熱的に分解す
る型の中へ注ぎ込まれ次いで粒子の充填密度を増加させ
るように振動を加える。

この充填密度は「見かけの密度」よりも実際上大きいバ
ルクの密度までなることが望ましい。

充填された型は次に（急結合を固定し（ｂ）消耗する型
が燃えつき焼結された予備成型体が形成するように金属
粒子の焼結温度以上に加熱される。

焼結した予備成形体の温度は次に鍛造温度まで上昇され
る。

最後の２つの段階は１つの物理的段階に合体させられ、
そこでは型は鍛造温度（９８２℃を越えることが望まし
い）まで直接加熱され、希望する焼結が鍛造温度までの
加熱の間に行なわれていることが好ましい。

本方法を利用するのに際しては、普通の金属型では不可
能な誘電性ないしマイクロウエーブ加熱を含むいかなる
適切な加熱方法も用いることができる。

加熱された予備成型体は炉から出す時にすでに鍛造温度
になっているかあるいはそれに近いので直接鍛造するに
はよく管理した加熱を用いることが望ましい。

以上の説明から明らかなように、本発明は結合剤として
シヨ糖に限られることなく加熱すると複雑な多環式構造
となる有機化合物およびそれらの混合物を用いることが
できるので結合剤選択の幅が広くなると共に、型が加熱
により分解するので型の回収および大きな型の在庫品を
保守することを不要にし、生産コストを大きく低減でき
る。

さらに１つの加熱ステップで、金属粒子の結合、型の分
解及び金属粒子の焼結が一連して達成され、非常に簡単
なプロセスで焼結粉末金属予備成型体を製造することが
できる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 有機結合剤粒子が混合物全体の１．５乃至１０．０
   重量パーセントとなるように、微細に分割された金属粒
   子と有機結合剤粒子とを均一に混合して本質的に乾燥し
   た混合物を形成し、前記混合物を熱的に分解可能な型中
   に充填し、この充填混合物を加熱してまず前記有機結合
   剤粒子が分解して前記金属粒子を結合し、次いで有機結
   合剤粒子の分解温度よりも高い温度で前記型が分解し、
   さらに高い温度、すなわち６４９℃乃至１３１６゜Ｃの
   間の温度まで加熱して前記金属粒子を焼結することを特
   徴とする焼結粉末金属予備成型体の製造方法。 ２ 粒子は本質的に「みかけ密度」よりも大きなパルク
   密度になるように前記型の中へ充填される前記第１項記
   載の方法。 ３ 前記金属粒子は炭素還元できる酸素量が実際上２
   ０ ０ ｐｐｍより大きな鉄合金より成り、そして、前
   記有機結合剤は、前記酸素を還元し、炭素含有量を０．
   ０４パーセントより大きな値だけ増加させるのに十分な
   量だけ存在している前記第２項記載の方法。 ４ 前記結合剤は２．０重量パーセントより過剰な分量
   で用い、炭水化物と加熱硬化性樹脂より成る群から選定
   されたものである前記第３項記載の方法。 ５ 用いられたシヨ糖の量は、充填構造の前記精度を維
   持できる量より少ない前記第４項記載の方法。 ６ 前記結合剤は本質的にシヨ糖を全く含有しない前記
   第５項記載の方法。 ７ 前記型材料は加圧紙である前記第４項記載の方法。 ８ 前記型材料は加圧紙である前記第５項記載の方法。 ９ 前記焼結はおよそ９８２℃以上の温度で少《とも１
   ０分の時間行なわれる前記第８項記載の方法。 １０ 得られた焼結予備成型体は、炉から取出され、
   ほとんど冷却しないうちに鍛造される前記第９項記載の
   方法。