JPS5942936B2 - 回路しや断器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、先端にそれぞれ接点をもつ可動接触子と固
定接触子上を閉路状態で平行になるように配置し、これ
ら接触子に大電流が流れたときに固接触子間に生ずる電
磁反発力を利用して過電流引外し装置による可動接触子
の開離動作を待たずに固定接触子を可動接触子から開離
させる限流機構をもつ回路しゃ断器に関する。

一般に此の種の回路しゃ断器は、短絡電流のような大電
流のしゃ断器には十分な性能を発揮する反面、回路電流
が漸増して過電流状態となった比較的小電流の領域にお
けるしゃ断に安定した性能が得られず、その結果該電流
のしゃ断時、接点が溶着を起すことになり、これを除く
ことが要求されていた。

従来の回路しゃ断器の一例を第１図および第２図に示す
断面図を基に説明する。

第１図は閉路状態であり、開閉操作用のバンドル１には
可動接触子２の開閉動作を行なうためにトグル機構３が
連結されている。

接触子が閉路状態で回路に異常電流が流れると、過電流
引外し装置４の作用により爪４１と引外しレバー３１と
の係合が外れ、自動的にトグル機構３が反転し接点の自
動開路が行なわれる。

固定接触子５、電源側端子６、負荷側端子７および消弧
装置８などの構成部品は絶縁物製のカバー９およびケー
ス１０内に組立られている。

ここにおいて、可動接触子２と固定接触子５とは、両者
間に電磁反発力を生じさせるべく、互いに平行する部分
を有している。

第２図は、過電流引外し装置４の爪外し作用にともなう
トグル機構３の反転による可動接触子２の開極動作の前
に、固定・可動側接触子間に生じた電磁反発力によって
固定接触子５が開離した状態を示す。

配置上平行部分のある可動接触子２および固定接触子５
をとおして流れる電流■の大きさと、固定接触子５が受
ける電磁反発力Ｆとの間には Ｆ＝ｋＩ”・・・・・・（１）（但しｋは定数）が成立
つ。

従っである大きさ以下の電流に対しては固定接触子５の
開離が行なわれないように、引張りスプリング２２にて
固定接触子５に時計方向への回転力を与え、もって電磁
反発力により固定接触子５が軸１１を中心として反時計
方向に回転するのをさまたげる。

このスプリングの力をｆとすればなる電流以上になると
固定接触子５は開離し始めるが、ちょうど（３）式が成
立する状態では接触圧力は０となりしかも接点は開離し
ないま５である。

以上のようにこの回路しゃ断器は必ずこの接触圧力Ｏの
領域が存在し、この領域の電流の場合には接点が溶着を
起すという欠点があった。

この発明は上記欠点に鑑み、限流開始電流値よりも小さ
な電流に対してはその増加にともなって電磁反発力によ
る接触圧力が増大し、電流が前記値以上になると開離す
るような接触子を備えた回路しゃ断器を提供し、もって
、開離時に接点が溶着することをなからしめるこさを目
的とする。

この発明によれば上記目的は、冒記様式の回路しゃ断器
において、固定接触子はその略中央部にピンを有しこの
ピンが略く字状に形成されたガイド溝に遊嵌されてかつ
ピンを挾んで適宜の間隔をおいて配された２本のスプリ
ングにより可動接触子に向けて押圧されており、しかも
ピン両スプリングおよび固接触子間の電磁反発力の位置
ないし強さは電磁反発力が限流開始電流による強さに達
するまでは固接触子間の接触圧力を高め前記強さに達す
るや固定接触子を可動接触子から急速に開離させるよう
に決められることにより達成される。

以下この発明の実施例を図面により説明する。

第３図および第４図は本発明にかかる回路しゃ断器の接
触子装置部の断面図、第５図から第８図まではその動作
原理図である。

なお第３図および第４図において固定接触子１２の他は
第１図および第２図に示す従来のものと同様である。

本発明による固定接触子１２は、固定接触子導体１３、
接点１４およびピン１７から構成されている。

ピン１７はガイド板１５に設けた略く字状のガイド溝１
６に挿入されている。

固定接触子導体１３は閉路状態にて可動接触子２とほぼ
平行する状態に配置されており、また、圧縮スプリング
１８．１９により押圧されている。

以下本発明による接触子装置の動作原理を第５図から第
８図により説明する。

なお図中の部品番号は第３図および第４図に対応してい
る。

第５図は通常の閉路状態を示す。この状態において圧縮
スプリング１８および１９の力により、固定接触子１２
はピン１７がガイド溝１６の最上部に突き当った状態で
安定している。

いま固定接触子１２のピン１７の中心から圧縮スプリン
グ１８の作用点までの距離を１１、圧縮スプリング１９
の作用点までの距離を１２とし、可動接触子２と固定接
触子１２との間に発生する電磁反発力のうち、１１部分
で受ける力をＦｌ、１２部分で受ける力をＦ２とすれば
ある電流Ｉｍ以下の電流■１に対してＦ１＝に１１テｔ
Ｆ ２ ＝に２１１２であり、これらの電磁反発力に
より固定接触子１２が動かないように圧縮スプリング１
８の力ｆおよび圧縮スプリング１９の力ｆ２が決定され
す る。

またピン１７を中心とする固定接触子１２のモーメント
が Ｆ！ ｌ −ｆ ｌ ＜Ｆ２１．−ｆ２１２１
】 】 となるようにｌ と、１２の寸法関係が決定される。

かかる条件下においてはＩｍ以下の電流では、固定接触
子１２は電磁反発力により第５図においてピン１７を支
点さして時計方向への回動力を受ける。

すなわち電磁反発力により接触圧力が増大し、その大き
さは電流の大きさの２乗に比例して増大する。

回路電流の大きさがＩｍ以上になると、固定接触子１２
全体にかかる電磁反発力は圧縮スプリング１９の力ｆ２
に打勝って接点１４を支点として固定接触子１２全体を
時計方向に回転させる太きさきなり、固定接触子１２に
固着されたピン１７は接点１４を中心として半径Ｒで画
かれたガイド溝１６の弧状部に沿って第６図に示す位置
すなわち、略く字状のガイド溝の弧状部とその延長にあ
る垂直長孔部との交点まで移動する。

もしここで回路電流が減少すれば固定接触子１２は圧縮
スプリング１９の力により第５図の状態に復帰する。

次に回路電流がさらに増し限流開始電流１１に達するさ
、固定接触子１２のピン１７がガイド溝１６の前記弧状
部とその延長にある垂直長孔部との交点部から該長孔部
に沿って第７図に示す位置まで急速に移動して接点が開
離する。

この動きはガイド溝を略く字状にすることにより円滑に
なる。

つまりガイド溝の交点部は電磁反発力により圧縮スプリ
ング１９の力ｆ２に打勝って固定接触子１２が接点１４
を支点として時計方向に回動するのを所定の位置で規制
し、以降はその力を接点の接触圧力を増大させる方向の
分力に交換するストッパの機能を備え、しかもガイド溝
はピン１７の跡軌に沿って設けられているので固定接触
子の開離時の反転が容易となる。

この状態で開離した接点１４により生じたアーク抵抗が
回路電流を限流し、こののち引続いて既に動作を開始し
ている過電流列外し装置４の爪外しにより、トグル機構
３が反転し可動接触子２による開極が行なわれ、回路の
しゃ断が完了される。

回路がしゃ断されると、固定接触子１２に作用する電磁
反発力はなくなり圧縮スプリング１８および１９の力に
より固定接触子１２は第７図から第８図の状態に自動的
に復帰する。

上記のように本発明によれば、限流開始電流値よりも小
さな電流に対してはその増大とともに接触力が増大し、
電流がその値以上になるさ急速に開離するような接触子
をもつ回路しゃ断器を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれ従来の回路しゃ断器の閉
路状態および開路状態を示す側断面図、第３図および第
４図はそれぞれ本発明にかかる回路しゃ断器における接
触子装置部の閉路状態および開路状態を示す側断面図、
第５図ないし第８図は本発明による回路しゃ断器の接触
子装置部の動作原理を説明するための概略構成図である
。 ２：可動接触子、１２：固定接触子、１３：固定接触子
導体、１４：固定接点、１５ニガイド板、１６：ガイド
溝、１７：ピン、１８，１９：圧縮スプリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端にそれぞれ接点をもつ可動接触子と固定接触子
   とを閉路状態で平行になるように配置し、これら接触子
   に大電流が流れたときに固接触子間に生ずる電磁反発力
   を利用して過電流引外し装置による可動接触子の開離動
   作を待たずに固定接触子を可動接触子から開離させる限
   流機構をもつ回路しゃ断器において、固定接触子はその
   略中央部にピンを有しこのピンが略く字状に形成された
   ガイド溝に遊嵌されかつピンを挾んで適宜の間隔をおい
   て配された２本のスプリングにより可動接触子に向けて
   押圧保持されているとさを特徴とする回路しゃ断器。