JPS5934216Y2 - 線順次方式の色信号処理回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、３線順次式カラーテレビジョン用再生装置に
おいて、垂直帰線期間内に不要な信号が発生するのを防
止するための線順次方式の色信号処理回路に関するもの
である。

一般に、いわゆるＴＥＤ方式の３線順次カラー信号の再
生装置は、第１図の実線で示すように構成されている。

すなわち、高速回転するビデオディスクからピックアッ
プで検出された信号は、５００ ＫＨｚ までの３線
順次信号と、輝度信号の高域成分と、複合同期信号とを
含んだ映像信号として抽出される。

この信号は、入力端子１を経て、一方では、ローパスフ
ィルタ２によって輝度信号の低域成分（いわゆる線順次
信号）が抽出され、１水平走査時間ＩＨの遅れ信号を得
るための２つＩＨ遅延線３，４と加算器５とによって、
３線順次信号は平均化され、輝度信号の低域成分を得る
。

また、高域成分を含む輝度信号は、前記低域成分がロー
パスフィルタ３で遅れた分を時間調整するための集中型
または分布型の遅延線６を経て加算器７によって前記低
域成分と合成される。

前記入力端子１からの映像信号は、他方では、同期分離
回路８により複合同期信号が得られ、この複合同期信号
に同期したＩＨパルス巾であって３Ｈ周期のパルスがリ
ングカウンタ９から得られる。

一方、色信号は、遅れのないＯＨ信号と、ＩＨ遅延した
信号と、２Ｈ遅延した信号の３つの信号となり、これが
同時に３線順次切換回路１０に供給されて、この回路１
０において前記リングカウンタ９からの同期信号に同期
した３Ｈ周期のパルスにより切換えられて、赤Ｒ出力、
緑Ｇ出力、青Ｂ出力の同時信号が得られる。

この同時信号は、マトリクス回路１１で、（Ｒ−Ｙ）信
号とＣＢ−Ｙ）信号に形成され、２重平衡変調器１２に
よって色信号が作成され、加算器１において輝晩信号と
色信号を合成して、出力端子１３を経て一般のカラー受
像機へ供給される。

なお、発振回路１４！ｄ：１２重平衡変調するための搬
送波で、ＮＴＳＣ方式では、３．５８ＭＨｚ １ＰＡ
Ｌ方式では４．４３ＭＨｚである。

このように構成された回路において、入力端子１に送り
込まれた入力信号のうち、垂直帰線期間内の同期信号に
より以下のような問題が生ずることがあった。

すなわち、第３図イは、ビデオディスクから再生された
複合同期信号に含まれている垂直同期信号とその前後の
前方等化パルスおよび後方等化パルスである。

第３図口は、イを簡略にして書き直したもので、このよ
うな信号が人力信号となると、色信号処理回路に供給さ
れる３つの信号は、ＯＨ信号が口、１Ｈ遅延信号がハ、
２Ｈ遅延信号が二となり、これらの信号が３線順次切換
回路１０を経て得られたＲ、Ｇ、Ｈのそれぞれの信号は
、第３図ホ、へ、トのようになる。

これらはマトリクス回路１１を経て（Ｒ−Ｙ）信号と（
Ｂ−Ｙ）と信号とになるが、これらは第３図チ、すに示
すように、ｎ番目より以前と（ｎ＋２）番目と（ｎ＋５
）番目以降とではそれぞれ零になるが、ｎ番目、（ｎ＋
１）番目、（ｎ＋３）番目および（ｎ＋４）番目ば、そ
れぞれ信号があられれる。

これらの信号を３．５８ ＭＥ（ｚ （ＮＴＳＣ方式）
または４．４３ＭＨｚ（ＰＡＬ方式）の搬送波で２重平
衡変調すると、第３図ヌのようになり、色相をあられす
ベクトル図は、第２図のようになる。

このような垂直帰線期間内の色信号に副搬送波をのせて
カラーテレビ受像機に供給すると、受像機によっては、
特に垂直ブランキングの不十分な受像機や古い受像機で
は色のついた垂直帰線信号がブラウン管にあられれてし
まう欠点がある。

本考案は、このような線順次方式のもつ欠点を改良する
ためになされたもので、映像信号から複合同期信号を得
、これからさらに垂直同期信号を得、この垂直同期信号
により時間設定回路をトリガーして少くとも５Ｈの時間
作動し、この時間設定回路の作動時間内は、禁止ゲート
により色副搬送波を遮断するようにしたものである。

したがって、カラー受像機の再生画僅の中に、色のつい
た垂直帰線信号があられれるようなことがない。

以下本考案の一実施例を説明する。

第１図において、鎖線部分が本考案による回路である。

すなわち、同期分離回路８の後に、垂直同期分離回路１
５と、少くとも５Ｈ時間の単安定マルチバイブレータか
らなる時間設定回路１６を順次接続し、さらに前記発振
回路１４と２重平衡変調器１２との間に禁止ゲート回路
１７を挿入し、この禁止ゲート回路１７を時間設定回路
１６で制御するようにしたものである。

つぎに本考案の作用を説明する。

１’ｌｌＪ記したように、入力端子１に映像信号が送り
込まれると、同期分離回路８によって第３図イに示すよ
うな複合同期信号が得られる。

この複合同期信号は、垂直同期分離回路１５により、第
３図ルのような垂直同期信号となる。

この垂直同期信号により、単安定マルチバイブレータか
らなる時間設定回路１６がトリガーされ、第３図ヲに示
すような少くとも５Ｈ以上のパルス巾の信号を得る。

５Ｈ（６３，５５６Ｘ５μｓ）以上のパルス巾を必要と
するのは、ｎ番目から（ｎ＋４）番目までの５Ｈ期間に
色副搬送波があられれるからである。

なお５Ｈ以上といっても、最大値は水平走査信号があら
れれる以前でなければならないことは勿論である。

この時間設定回路１６からのパルス信号により禁止ゲー
ト回路１７が作動して、その間発振器１４からの搬送波
が遮断され、２重平衡変調器１２では、色副搬送波をの
せることなくカラー受像機へ信号を送るため、垂直帰線
期間内に色のついた垂直帰線がブラウン管にあらかれる
ようなことはない。

前記実施例において、禁止ゲート回路１７は、発振回路
１４と２重平衡変調器１２との間に挿入した。

しかしこれに限られるものではなく、点線で示すように
、２重平衡変調器１２と加算器７との間に挿入してもよ
い。

さらに、図示しないが、マトリクス回路１１と２重平衡
１変調器１２との間に挿入することもでき、要するに障
害となる色信号を遮断すればよい。

前記実施例では、時間設定回路１６として、単安定マル
チバイブレータを用いたが、これと同様の動作をするも
のであれば、それに代えることもできる。

本考案は上述のように構成したので、垂直帰線期間内に
色のついた垂直帰線信号があられれるという線順次方式
の欠点が改良され、したがって、垂直ブランキングが不
十分な受像機、古い受像機など、どのような受像機でも
３線順次方式の再生用として使用できるものである。

また時間設定回路１６として単安定マルチバイブレータ
を使用すれば回路が簡単で確実に作動するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実線で示した一般的回路に鎖線で示した本考
案による回路を付加したブロック図、第２図は、色相の
ベクトル面、第３図は、各部の波形図と特性図である。 １・・・入力端子、２・・・ローパスフィルタ、３，４
・・・１Ｈ遅延線、５，７・・・加算器、６・・・遅延
線、８・・・同期分離回路、９・・・リングカウンタ、
１０・・・切換回路、１１・・・マトリクス回路、１２
・・・２重平衡変調器、１３・・・出力端子、１４・・
・発振器、１５・・・垂直同期分離回路、１６・・・時
間設定回路、１７・・・禁止ゲート回路。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）入力された線順次信号の低域成分を同時信号に変
   換し、この同時信号により色副搬送波を変調して形成し
   た色信号を輝度信号と合成して出力するようにしたもの
   において、線順次信号から得られた複合同期信号の中か
   ら垂直同期信号を得るための垂直同期分離回路と、この
   垂直同期信号によりトリガーされ少くとも５水平走査線
   時間作動する時間設定回路と、この時間設定回路の作動
   時間内は色信号を遮断する禁止ゲート回路とを具備して
   なることを特徴とする線順次方式の色信号処理回路。
2. （２）時間設定回路は、単安定マルチバイブレータから
   なる実用新案登録請求の範囲第１項記載の線順次方式の
   色信号処理回路。
3. （３）禁止ゲート回路は、色副搬送波を遮断するように
   した実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の
   線順次方式の色信号処理回路。