JPS5928881B2 - 光海底中継器のフイ−ドスル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低損失光ファイバを用いる光通信の分野におい
て、特に長距離光ファイバ海底ケーブル方式を構成する
光海底中継器のフィードスルに関するものである。

光海底中継器は、数１０００ｍの深海に布設されるので
数１００気圧の海水圧を受ける。

このため中継器の光回路あるいは電気回路は、海水に対
する耐食性の強い材料を用いた耐高圧、圧力容器に収容
される。この圧力容器内の光あるいは電気回路と光ファ
イバ海底ケーブルの素線とは圧力容器の例えば蓋に取付
けられた導入部（フイードスル）を通して接続される。
圧力容器内の圧力は通常１〜２気圧であり、圧力容器内
外の圧力差は非常に大きい。このためフイードスルは高
度の気密性を保持しつつ高水圧に耐える構造が要求され
る。本発明は、光海底中継器のフイードスルを光ファイ
バ素線のコア部にガラス系材料によつて突出部を融着す
ることにより高度の気密性と耐高水圧性を容易に実現し
うる構造を有し、かつ光ファイバ素線を直線的に容器内
に導入することによりファイバの伝送特性に影響を与え
ない光海底中継器のフイードスルを提供することを目的
としている。光ファイバ素線を構成するコア、クラッド
の材料には、石英ガラス、多成分ガラス等が使用される
。このファイバ素線を製造する際に、ファイバ表面にマ
イクロクラックが生じないようにプラスチックその他の
材料でファイバの表面に５〜５０μｍ程度の一次被覆が
ほどこされる。この一次被覆の上には、さらにナイロン
、ポリプロピレン等で二次被覆され、外径が０．５〜１
ｍ７！Ｌ程度となりフアイバ素線が補強される。二次被
覆の状態を一般にフアイバ心線と称しており、このよう
なフアイバ心線を集合し、各種のフアイバ保護、給電線
、抗張力線などを設けたものが光フアイバ海底ケーブル
である。この光フアイバ海底ケーブルをそのままの状態
で圧力容器内に導入することは気密性の点で困難であり
、本発明ではフイードスル部は光フアイバ素線の状態で
構成している。本発明の実施例を図１ａに示す。

図１ａの１は圧力容器の蓋、２は光フアイバ素線を示す
。蓋１の右側は圧力容器の外部を示し、左側は内部を示
している。光フアィブケーブルは一次、二次の被覆がは
がされフアィバ素線の状態で圧力容器内へ導入される。
光フアイバは途中に曲げが生じると各種のモード変換を
発生し伝送特性枕悪影響を与える。このため本発明では
フアイバ素線２を直線状に圧力容器内に導入し、曲げの
影響を取除いている。光フアイバ用フイードスルの光フ
アイバ素線の外側に示されている突出部３は、ｂのよう
に例えばガラスを用いたテーパ状の構造をしており、光
フアイバ素線のクラツドにフィードスルに挿入される前
に融着される。このテーパ状の突出部３により、圧力容
器の外圧により光フアイバ素線２が圧力容器内に引込ま
れぬようにしたものである。光フアイバ素線２の外側に
配置される突出部３はガラスでありこのような突出部３
がないと長期にわたつて高圧がかかる場合信頼性が大幅
に低減する。クラツドに融着したテーパ状突出部３と圧
力容器の蓋１にあけられた穴５の側壁との間にはｃのよ
うに気密を保持するための接着剤あるいはハーメチーク
シールド材４が挿入される。圧力容器内外の圧力差が大
きくなる程テーパ状突出部３は容器の内部方向へ移動し
、接着剤４を圧縮し気密性を高める。図２、図３も本発
明の実施例であり、図２ａは、ｂの如く光フアイバ素線
２にドーナツ状の突出部３とクラツドに融着したもので
、圧力容器の蓋１とはポリエチレン又は接着剤などの材
料を用いた４で固定される。

本例でも圧力容器の内外圧力差が大きくなると密着性が
高まる。図３は複数個のテーパ状突起を光フアイバ素線
のクラツドに融着したもので原理的には図１、図２と同
様である。以上の実施例では圧力容器の蓋に直接取付け
る例を示しているが蓋の一部と本発明のフィードスルを
一体化したユニツトを蓋に取付ける場合もある。また、
本発明によるフイードスルを複数本圧力容器に取付けて
もよい。以上のように本発明によれば光ファィバ用フィ
ードスルについて、光フアイバ素線のクラツド部にガラ
ス系材料の突出部を融着することにより簡単な構造で密
着性高く、高水圧に耐えうるフィードスルが実現できる
。

【図面の簡単な説明】

図１ａ、図２ａおよび図３は本発明の実施例を示す縦断
面図、図１ｂ，ｃは図１ａの実施例に用いる突出部の構
造と配置を示す斜視図および縦断面図、図２ｂは図２ａ
の実施例に用いる突出部の構造を示す斜視図である。 １・・・・・・圧力容器の蓋、２・・・・・・光フアイ
バ素線、３・・・・・・突出部、４・・・・・・接着剤
、５・・・・・・穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 低損失の光ファイバにより光信号を伝送する光海底
   中継系に用いられる光海底中継器において、圧力容器へ
   の導入のために光ファイバのクラッド外周に光ファイバ
   材料又は光ファイバ材料と同等の熱膨脹係数を有する材
   料よりなる突出部を附加するとともに、前記圧力容器の
   導入壁に収容孔を備えて、前記突出部を附加した光ファ
   イバを直線状に圧力容器内へ導入し前記突出部を前記収
   容孔に保持するように構成された光海底中継器のフイー
   ドスル。 ２ 前記収容孔は前記圧力容器の内側から外側への方向
   に沿つて径が拡大するように設けられていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の光海底中継器のフイ
   ードスル。 ３ 前記突出部はその径が前記収容孔の径に適合するよ
   うに前記圧力容器の内側から外側への方向に沿つて拡大
   するテーパ構造のリングであることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項および第２項に記載の光海底中継器のフ
   イードスル。 ４ 前記突出部は前記収容孔内に接着剤を用いて接着さ
   れ前記圧力容器の気密を保持するように構成されたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項から第３項のいずれ
   かに記載の光海底中継器のフイードスル。