JPS5925122B2 - 安全装置付燃焼機器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プロパンガス、都市ガス等の漏洩による爆発
事故および一酸化炭素中毒を防止する２重安全装置を具
備した燃焼機器を提供するものである。

家庭用ガス機器における、プロパンガスの漏洩による爆
発事故、都市ガスによる中毒事故は、ガスメーカーの努
力にもかかわらず後を断たず、逆に益々増加する傾向に
さえある。

最近、ガス風呂、瞬間湯沸器、ガスストーブの口火安全
装置の取付が義務づけられ、この口火安全装置により、
風や、圧力の低下、供給が止まる等によって消火した場
合、安全装置が作動し、メインバルブを閉じ、生ガスの
もれを防止することが試みられている。

しかしながら、最近、建築構造の密閉化が進み、他方で
は、ガス器具の大容量化にともない燃焼に必要な酸素の
供給が充分にでき寸、不完全燃焼がおき、一酸化炭素が
発生（−１ＣＯ中毒事故が激増している。

この中毒事故防止のために酸欠安全装置が必要となって
（る。

酸欠安全装置として、酸欠時の火炎のリフトアップによ
って検知する方法が開発されている。

即ち、酸素不足になるよ、正常な燃焼炎よりも細長（な
り、バーナノズルの先端部より浮き上ったところで燃焼
が起きる。

従ってバーナの先端部に熱電対を設置しておけば、リフ
トアップした場合、正常状態よりも起電力が低下するこ
とで酸欠を検知できる。

これらの装置は構造は簡単であり、検知原理を明確で、
コストも経済的で既に実用化されている。

しかしながら、我国では、ガスの種類が１４〜１５種あ
り、リフトアップのしかたが異っている。

捷だ全体の曇が都市ガスであり、都市ガスは、水素、一
酸化炭素などの含量が多（、リフトアップが起りに（い
致命的欠陥がある。

捷だ酸素が十分に存在し、口火は完全燃焼している場合
でも、メインバーナの器具の異常により不完全燃焼をお
こし、一酸化炭素が発生した場合検知できない欠点があ
る。

従って、１ 都市ガス、プロパンガス、液化天然ガスの
いずれにも適用できること。

ｉｉ 酸素欠乏による不完全燃焼による一酸化炭素中
毒防止。

１１１ 器具の不具合による異常燃焼による一酸化炭
素中毒防止。

上記３要件を満たす一酸化炭素中毒防止安全装置の出現
が待たれている。

本発明は風呂釜、瞬間湯沸器、ガスストーブ、ガスコン
ロおよびガスオーブン等の口火安全装置と燃焼炎の直接
モニタリングにより、酸素不足に直接起因する不完全燃
焼、および器具の整備不良による異常燃焼により一酸化
炭素が人体に危険を及ぼす程度発生した場合に、元栓を
閉じ、ＣＯ中毒防止安全装置とを結合した二重安全装置
を備えた、安全装置付燃焼機器を提供しようとするもの
である。

本発明燃焼機器は、一酸化炭素の存在により電圧を発生
するセンサと、そのセンサを覆う金属カバーと、口火ノ
ズルと、制御回路および、アクチェータとしてのガスを
遮断する安全弁とから構成される。

本発明燃焼機器のブロックダイヤグラムを第１図に示す
。

第１図において、１は主バーナ−，２は口火バーナー、
３は一酸化炭素の存在により電圧を発生するセンサー、
４はこのセンサ３の出力で動作する制御回路、５はガス
路６に設けられた安全弁、７は同様にガス路６に設けら
れたガバナ、８は口火点火用手動弁、９は給気孔である
。

以下、センサ３、制御回路４、安全弁５についてさらに
詳しく説明する。

第３図はセンサ３の構成図である。

第３図において２１は酸素イオン伝導性固体電解質、２
２は外側表面の多孔質電極、２３は内側表面の多孔質電
極、２４は金属カバー１０を固定し、金属カバー１０と
外側表面の多孔質電極２２と電気的な接続を得るための
リング、２５は内側の電極の折返１００部分で以下に述
べる増幅器３１に電気的に接続されている。

以上のように構成されたセンサ３（このセンサ３は一般
に酸素濃淡電池と呼ばれている。

）は口火バーナー２からの燃焼焔による高温の排気ガス
気流中に設けられており、正常の燃焼状態ではその出力
電圧（第２図中、酸素濃度２０係程度の実線Ｂ上の点に
相当する電圧）は非常に小さい。

又、口火バーナー２が消火している時は出力電圧はＯと
なる。

密閉室内で長時間ガス機器を燃焼させて、室内の酸素濃
度（一次空気中の酸素濃度）が低下したり、燃焼機器の
不具合などの理由によって、ガス機器が不完全燃焼し始
め、燃焼排気ガス中の一酸化炭素濃度が上昇すると、セ
ンサ３の出力電圧が上昇し始める。

（第２図中、酸素濃度が１８％→１６係となるに従い出
力電圧は上昇する）、このセンサ３からの出力電圧を制
御回路４に導き、安全弁５を制御する。

電圧発生の原理は、酸素イオンが固体電解質２１を自由
に動けるよう温度を高く保った状態で、内側表面の多孔
質電極２３には室内空気が触れ、外側表面の多孔質電極
２２には高温の燃焼排気ガスが触れるように構成されて
いる。

正常の燃焼状態では、燃焼排気ガス中には数条の未消費
の酸素が存在するが、２１係と数条との酸素の濃度が固
体電解質２１の両側に存在しても、両電極間に現われる
出力電圧は数ｍＶにすぎない。

しかし、燃焼排気ガス中の酸素濃度が１０−１０係以下
になる状況下では、両電極間に大きな電圧が発生する。

次に、口火バーナー２と金属カバー１０とはセンサーを
構成するが、以下このセンサについて説明する。

つ捷り、口火バーナー２と金属カバー１０との間に炎が
存在しないときは電位差は生じないが、炎が存在すると
きは一定の電位差が発生する。

これは、可燃性ガスが燃焼すると高温のためイオン化し
、炎がイオンの流路となり口火バーナー２からイオンが
放出され金属カバー１０でイオンが回収され口火バーナ
ー２と金属カバー１０との間に電位差を生じるわけであ
る。

←尚、口火バーナー２は金属製でなければならない。

）従って、電位差の有無で炎の立消えを検知することが
できる。

４は制御回路で、その詳細を第４図を参照しながら説明
する。

第４図において、３１はセンサ３の出力を増幅する増幅
器、３２は口火バーナー２と金属カバー１０との間で構
成されるセンサ出力を増幅する増幅器、３３は差動増幅
器、３４はトリガー回路である。

以上のように構成された制御回路の動作について説明す
る。

まずセンサ３の出力は増幅器３１で増幅され、口火バー
ナー２と金属カバー１０との間で構成されるも５１つの
センサの出力も増幅器３３で増幅され各々の出力は差動
増幅器３３に入力される。

差動増幅器３３は両センサの出力電位差を取り、トリガ
ー回路３４で、一定値以上の入力があった場合、安全弁
５への出力を断ちガスの供給を停止する。

この回路では、センサ３の出力が低レベル、もう１つの
センサの出力が高レベルの時のみ、安全弁５は開き続け
、−１１！安全弁５が閉じると、最初から手順を踏んで
操作しない限り、安全弁は開かない。

従って、センサ３が一定温度以上に加熱され動作可能と
なるまでに、口火バーナー２が立消えた場合は、安全弁
５への出力がたたれ、ガスの供給が停止される。

５はガス路６に設けられた安全弁で、第５図を参照しな
がら説明する。

第５図において、４１は気密性を有するケース４２に設
けられたガス入口、４３は馬蹄形電磁石、４４は可動鉄
片、４５は弁、４６はスプリングバネ、４７は押し棒、
４８はガス出口、４９はリード線である。

以下、上記構成の安全弁５についてその動作を説明する
。

捷ず着火時はガバナ７を通してきたガスは安全弁５内に
入る。

手動により安全弁５の押し棒４７を押しガスを弁４５を
通しガスの出口４８を通じ口火バーナー２に導くと同時
に点火装置により口火バーナー２に点火する。

点火が正常であれば、制御回路４のトリカン回路３４の
出力信号は安全弁５を開状態に保つように出力される。

即ちリード線４９に電流が流れ馬蹄形電磁石４３が可動
鉄片４４を吸着し続ける。

この時、スプリングバネ４６の反撥力は馬蹄形電磁石４
３の吸着力よりも弱（なるよう調整しているので可動鉄
片４４が離れることはない。

従って口火は燃焼し続ける。

主バーナ−１へは主バ／１＜ブ（図示せず）を開閉する
ことによって着火、消火することができる。

次に不完全燃焼や失火した場合はこの状態が主バーナ−
１と同様に口火バーナー２でも発生するので、２つのセ
ンサの出力が変わり、制御回路４のトリガー回路３４の
出力が変わり出力電流は０となるため、馬蹄形電磁石４
３の吸着力はなくなる。

このため、可動鉄片４４はスプリングバネ４６の反撥力
によって弁４５を閉じるようになる。

故に、ガスの主バーナ−１、口火バーナー２への供給が
停止し、ガス洩れ事故は生じない。

口火バーナー２の燃焼焔がなくなると制御回路４の出力
は０となるので再び、自動的に安全弁５が開（ことはな
い。

また安全弁５も、たとえ、制御回路４から誤った信号が
来ても、馬蹄形電磁石４３の吸引力はスプリングバネ４
６の反撥力よりも弱く設定しであるので吸着することは
ない。

再着火は、安全弁５の動作の原因となった現像を除去し
た後、可能となる。

以上のように構成された本実施例について以下その動作
を説明する。

まず、口火点火装置により口火用バーナー２に点火され
ると、口火燃焼炎中に設けた金属カバー１０と口火ノズ
ル２との間に自発直流電位差が発生する。

この起電力で直接に、又は、制御回路４を介して、安全
弁５が開かれ、主バーナ−１ヘガスが供給され点火され
る。

１次空気中の酸素濃度が２０．５〜２１．５ ％で正常
状態に保たれている間は、−酸化炭素等の可燃成分を検
知するセンサ３に起電力は発生しない。

しかし、１次空気中の酸素濃度が１８係以下に低下した
場合、又は、異常燃焼により排気ガス中に、１００ｐ−
ｐ１ｍ以上の一酸化炭素が含まれた場合、センサ３に起
電力が現われ始め、最大８００ｍＶの起電力が発生する
。

この電圧と前記自発直流電圧との差を取り出し、直接ま
たは、制御回路４を介して、安全弁５を閉じることによ
り一酸化炭素中毒を防止する。

室内に、新鮮な空気を取り入れる様、充分換気して再点
火すると、主バーナ−１は正常に動作する。

口火バーナー２が伺等かの理由により消えた場合には、
自発直流電位差が得られず安全弁５は閉じる。

第２図は酸素濃度に対する口火バーナー２と金属カバー
１０間に発生する電圧Ａおよびセンサ３に発生する電圧
Ｂとの関係を示しており、ＩＡ−Ｂ１の電圧がトリガー
回路３４に印加され、１次空気中の酸素濃度が１８％Ｕ
、下すなわち電圧ＩＡ−Ｂｌが９００ｍＶ以下になると
制御回路４により安全弁５が駆動されガス路６を閉成す
るものである。

以上の如く、本発明の安全装置付燃焼機器は、安全装置
として主に一酸化炭素検出用のセンサ３と、口火の有無
を検出する口火バーナー２と金属カバー１０からなるセ
ンサと、制御回路と安全弁を設えている。

一酸化炭素検出用のセンサ３は、燃焼焔による高温排気
ガス気流中に設けであるので応答性が極めて早く、室内
に一酸化炭素が充満し、人体に危険を及ぼす以前に安全
弁５を作動させることができる。

もう１つのセンサである口火の存在の有無を検出するセ
ンサは、口火の焔を直接監視しているので応答性が極め
て早く、室内に生ガスが放出されるのを防ぐことができ
る。

後者のセンサは、前者のセンサの構成部品の一部である
金属カバー１０を利用して実現することができるためコ
スト的にも有利である。

上記のように本発明は、簡単な構成で、失火、不完全燃
焼ともに極めて早く検出できるため、一酸化炭素中毒、
ガス爆発などの事故防止に極めて有効である。

本発明燃焼機器は上記のような構成であり、本発明によ
れば以下に示す効果が得られるものである。

（１）ガスの種類（都市ガス、プロパンガス、天然ガス
）に関係なく、二重安全装置が動作し、一酸化炭素中毒
を防止することができる。

（２）１次空気中の酸素濃度が１８係以下に低下した場
合に安全弁を閉成することができる。

（３）機器の不良、整備不良により、１次空気中の酸素
濃度は正常であっても、不完全燃焼により一酸化炭素が
発生する場合にも作動する。

（４）センサは、炎の近傍５００〜８００℃の排気ガス
中で直接、一酸化炭素を検知するため、応答性が良好で
ある。

前記センサの応答速度は２０ ｍ ｓｅｃである。

（５）ガスバーナーとしては、センサと制御回路が附加
するのみで、安全弁は、口火監視と共用するため経済的
である。

（直接駆動の場合、制御回路は不用。

）（６）一酸化炭素検知用のセンサ３よ１口火燃焼炎中
に配置された金属カバ−１０七口火バーナー２からなる
センサとを併用しているため、一酸化炭素検知センサが
動作可能となる寸での間の炎の消滅および消火にも瞬時
に検出できる。

以上のように、本発明によれば、現在頻発している爆発
事故、および中毒事故の大部分を未然に防ぎ得るもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における安全装置付燃焼機器
のブロックダイヤグラム、第２図は同燃焼機器の動作説
明図、第３図は同センサの構成図、第４図は同制御回路
の構成図、第５図は同安全弁の構成図である。 １・・・・・・主バーナ−，２・・・・・・口火バーナ
ー、３・・・・・・センサ、４・・・・・・制御回路、
５・・・・・・安全弁、６・・・・・・ガス路、７・・
・・・・ガバナ、８・・・・・・手動弁、９・・・・・
・給気孔、１０・・・・・・金属カバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 酸素イオン伝導性固体電解質よりなり、一方の電極
   は酸素濃度が十分高い室内空気に触れ、他方の電極は燃
   焼機器の高温排気ガス気流中に設は高温排気ガス気流中
   に存在する一酸化炭素の量に応１て電圧を発生するセン
   サを金属カバーで覆うと共に上記センサの前記他方の電
   極を上記金属カバーに接続し、上記金属カバーで覆った
   センサを口火バーナからの燃焼焔による高温排気ガス気
   流中に存在する一酸化炭素の量に応じて発生される上記
   センサの出力電圧と上記口火バーナと上記金属カバーと
   の間に生ずる自発直流電圧との差電圧により、直接又は
   制御回路を介して主バーナへのガスの供給を制御するよ
   うに構成したことを特徴とする安全装置付燃焼機器。