JPS5923031B2 - 磁気デイスク記憶装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気デイスク記憶装置に関わるものである。

公知の磁気ディスク記憶装置の主な構成要素は、デイス
ク平面に対して直角を成す１本の軸上に回転しないよう
に固定され且つ軸方向に互いに離間された状態で配列さ
れた複数の円形磁気記憶デイスクと、該軸を駆動する駆
動機構と、磁気記憶デイスクへの情報の記録及びこれか
らの情報の再生を行う磁気ヘツドを保持する複数のスイ
ベル・アームであつて、磁気記憶デイスクの軸と概ね平
行な１本の旋回軸を中心とした共通スィベル運動を行え
るように軸旋回可能に取付けられていて少なくともその
一部分が隣接する２つの磁気記憶デイスク間のギヤツプ
内に旋回入できるようになつているスイベル・アームと
、該スイベル・アームを旋回させる駆動機構とである。
更に、前記磁気記憶デイスク、スイベル・アーム、及び
磁気ヘツドは１つのハウジング内に収納されている。こ
のような磁気デイスク記憶装置の品質は、概ね次の４つ
の基準によつて決定される。即ち、情報の記憶・再生に
関する信頼性と、機械的寸法と、入力電力と、アクセス
・タイム、つまり、ある一定の記憶位置を指定し、この
記憶位置に情報を書込み、読出すのに必要な時間とによ
つて判定される。記憶や再生の信頼性は、とりわけ、記
憶密度、即ち磁気記憶デイスクの単位面積当りの記憶位
置の数で決まる。従つて、一定の記憶容量を必要とする
場合には、磁気記憶デイスクの一定の最小限度の寸法よ
り大きくなければならない。アクセス・タイムは、概ね
、磁気ヘツドが磁気記憶ディスクの一定の記憶位置に調
整される際の速度によつて決まる。

高いセツテイング速度を得るためには、一方では、可動
部分（スイベル・アーム、磁気ヘツド）は安定していて
高加速力に耐えられると同時にその固有の機械的共振点
まで振動されないようになつていなければならない。他
方では、スイベル・アームを対応の高加速で動かせるよ
うに、相応の強さの駆動機構が必要である。そのため、
公知の磁気デイスク記憶装置の容積及び重量は比較的大
きいものとなつている。もつとも、磁気記憶デイスクの
コーテイングの改良及びこれによつて得られる記憶密度
の向上によつて、記憶容量を同じレベルに維持しつつ磁
気記憶デイスクのサイズを小さくすることは可能であろ
う。従つて、本発明の課題は、次のような条件を満たし
つつ上述のタイプの磁気デイスク記憶装置を設計するこ
とである。つまり、寸法をより小さいものとし、入力電
力を小さくすることとアクセス・タイムの短縮を同時に
得られるようにすることである。この課題を解決するた
めに本発明において、２つの隣接する磁気記憶デイスク
間で軸旋回可能なスイベル・アームの形状は、少なくと
もこれらの磁気記憶ディスク間に侵入する領域では、使
用の際該デイスクの回転によつて生ずる空気の流れの方
向に対して空気抵抗が低くなるように構成されている。

これに対し、公知の磁気デイスク記憶装置ではスイベル
・アームは固体材料から成る角ディスクの形状に作られ
ていて、２つの磁気デイスク間のギヤツプ内で回転運動
を行つている空気層に対して相当大きい空気抵抗を有す
るから、明らかに、スイベル・アームとデイスク群用駆
動機構の入力電力を大きくしてやる必要がある。

しかし、スイベル・アームの形状を流線型にすると、磁
気記憶デイスクと共に回転する空気層に対する空気抵抗
は小さくなり、従つてデイスク駆動機構の入力電力は小
さくて済む。製作が簡単なある構造例では、スイベル・
アームは翼形状に構成されその先端部が略半円形の形状
になつている。

スイベル・アームの寸法を選ぶ際次のことに留意すべき
である。一方では、空気力学抵抗は流れている物体の流
れの方向における厚さ対長さの比で決まり、また他方、
急激なセツテイング運動の際スイベル・アームの固有振
動が生じないように該アームの固有共振を非常に高くす
るようにしなければならない。スイベル・アームは中空
構造体として設計すると特に有利である。

任意の壁厚の中空体は、共振周波数が同様の寸法の固体
のそれよりほんの少ししか低くない。しかし、中空体の
質量、従つて慣性モーメントの値は固体の値に比べて大
幅に低い。このため、固体から成る従米のスイベル・ア
ームは、本発明に基づいて作られた中空体のスイベル・
アームよりも５０倍も高い慣性モーメントを有している
。機械的共振周波数及びその安定性を高レベルに維持し
つつスイベル・アームの慣性モーメントを大幅に減少し
てあるため、スイベル・アームの位置を決める駆動機構
は位置指定速度が早くなつたにもかかわらずモーメント
の減少に応じてそれだけ弱く設計することができる。つ
まり、駆動機構の入力電力及び寸法をそれだけ小さくで
きる。このようなスイベル・アームは、中空体であつて
且つ、例えば管状の形状に構成されているため、薄鋼板
から簡単な方法で製造できる。

同じ強さを維持しつつ慣性モーメントをより大幅に減少
させることができる特に望ましい構造形態では、スイベ
ル・アームは緻密繊維材で作られる。この緻密繊維材は
鋼と同じ強度特性を有し、而も比重が鋼の４分の１しか
ない。慣性モーメントを余り増大させずにスイベル・ア
ームの強度を増すには、アームの空洞部の任意の場所に
補強材を配設するのが良い。

この補強材は、例えば、当該スィベル・アームＯ上部と
底部間に亘る薄壁ハニカム構造体、あるいは当該アーム
の空洞部の少なくとも一部分を充てんする硬質フオーム
・パツキンで構成できる。磁気ヘツドからスイベル・７
ームまでの締付部を流線型の形状にするには、スイベル
・アームが、旋回軸から遠隔にある端部が楔形形状であ
り、且つ磁気ヘツドを締付けるひれ状部で終端している
と有利である。

この形のスイベル・アームは、スイベル・アームが中空
体として設計されている場合は特に、旋回軸から遠隔に
あるスイベル・アームの端部領域を押曲げることによつ
て簡単に作ることができる。従つて、磁気ヘツドとこの
締結用ひれ部の締付けは、スイベル・アームの縦方向に
対して概ね垂直なばね凸縁部を介してなされる。

その結果、スイベル・アームが軸旋回すると、該磁気ヘ
ツドは記憶デイスク軸に関しほぼ半径方向に走る軌跡に
沿つて移動する。スイベル・アームの慣性モーメントが
減少し且つアームが磁気記憶デイスク間のギヤツプ内に
侵入する際の空気抵抗が小さくなつたため、スイベル・
アームの駆動機構及び磁気記憶デイスクの駆動機構は双
方共今までより弱いものにすることが可能になつた。

これらの駆動機構の寸法が小さくて済むようになつた結
果、該機構は実際の記憶装置との一体化が可能となり、
従つて、例えば、該駆動機構は磁気記憶ディスクの軸ま
たはスイベル・アームの旋回軸と直接結合するモータで
構成できる。これらのモータは、例えば、軸または旋回
軸上に回転しないように固定された電機子デイスクを備
えた円板羽根車式モータ（ＤｉｓｃｒＯｔＯｒｍＯｔＯ
ｒ）で構成できる。

従つて、本発明装置では、その他の方法では従来必要と
されていた駆動モータと従動軸間の逓昇歯車装置とが不
要となり、またこの歯車装置では不可避的に発生する摩
擦損失も同時に無くなつた。本発明の装置では、このこ
とはまた駆動力の減少化に成功したことを意味している
から、モータはそれに応じて小型化できる。磁気デイス
ク記憶装置の各部分の寸法及び重量が減少したため、ハ
ウジングに収納されている磁気記憶デイスク、スイベル
・アーム、及び駆動機構を自蔵式であつて且つ全体が交
換できるような構造ユニツトに組立てることができる。
これは、とりわけ、磁気デイスク記憶装置が使用される
際、このユニツトを全体として交換することが可能であ
り他の磁気デイスク記憶装置と取替えが可能であるとい
う点で利点がある。つまり、使用者は磁気デイスク記憶
装置に関する修正作業のためデータ処理システムを使用
できないということがなくなるという点で有利である。
この構造ユニツトでは、ハウジングの内部は完全密封状
態であり、内部と外部間の圧力を均等にする場合に限り
絶対フイルタを介して外部に接続されるようになつてい
る。製作の際、あるいは操作中に発生することのあるハ
ウジング内の塵を除くために、ハウジング内には静電／
磁気フイルタが設けられている。

このフイルタを使用した場合、ハウジングの円筒形の内
壁の一部分は静電的に帯電しているか、あるいはエレク
トレツトで覆われており、キャリア材は直接または間接
のいずれかの方式で磁化する。このフイルタから出る静
電力線は静電的に帯電可能な塵粒子を吸収し、該フイル
タ・キヤリアから出る磁力線は磁化可能な塵粒子を吸収
してその上に確保する。このフイルタは極めて省スペー
ス的なものとすることができ、操作に際して電力を必要
とせず、騒音を出すこともない。従来デイスク記憶装置
に専門的に使用されて来たフィルタは、機械的直流フイ
ルタ内に空気を強制的に循環させる方式に基づいたもの
である。このフイルタの欠点Ｇζ空気循環のために絶え
ず電力を消費すること、並びに、直流フイルタ本体はも
ちろんフアン及びフアンからフイルタまでの空気ダクト
をも収納しなければならないため全体として非常に嵩高
になることである。スイベル・アームは、磁気デイスク
記憶装置の搬送中きちんと確保できるように、連動操作
式に解放可能な鎖錠装置によつて正しく、磁気デイスク
の中心から遠隔にあるその極限スイベル位置に拘束する
ことができるようになつている。

従つて、スイベル・アームは、駆動モータによつて旋回
されてその外方極限スイベル位置に達すると、例えば、
ばね装置によつて締付けられて鎖錠される。即ち、駆動
モータがオフの場合には拘束状態であり、磁気デイスク
の中心の方向に駆動モータによつて旋回されると解放状
態となる。なお、本発明のその他の特徴及び利点は、添
付図面を参照しつつ本発明の実施例について説明してあ
る以下の記載を照覧すれば十分理解できるであろう。

第１図及び第２図に図示の磁気デイスク記憶装置＆叙全
体が１０で示されている角形ハウジング、側壁１２、入
れ底１４、及びカバー１６で構成されている。

側壁１２、入れ底１４、及びカバー１６で囲まれたスペ
ースは防塵状態で密閉されている。第１図及び第２図の
左側には、全体が１８で示されている一群の磁気記憶デ
イスク２０が配設されている。

この円形の磁気デイスク２０は円筒軸に対して同軸式に
円筒状ポツト形デイスク・キヤリア２２上に取付けられ
ている。デイスク群のうちの最低位置にある磁気記憶デ
イスクは、デイスク・キヤリア２２のポツト縁部上にあ
つて半径方向外向きのフランジ２４上に載置している。
また、これらのデイスク２０は互いの上に積重ねられて
いて、軸方向等距離のスペーサ・リング２６によつて互
いに離間されており、その結果、２つの磁気デイスク２
０間にはギヤツプ２８が形成されている。デイスク・キ
ヤリア２２はポツト底部を貫通しているスピンドル３０
上に取付けられており、従つて、その中心軸が入れ底１
４に対して概ね垂直で且つこれと一体的に形成されてい
る管状軸受箱の全面に亘つて連接している。

軸受箱３２内では、スピンドル３０は軸受３４及び３６
を介して該軸受箱３２の中心軸と同軸式に自由且つ回転
可能状態で取付けられている。デイスク・キャリア２２
は、スピンドル３０の上端部、即ち雄ねじ３８の付いた
端部上に配置されていて、雄ねじ３８と螺合しているナ
ツト４０を介してスピンドル３０に回転しないように固
定した状態で結合されている。更に、ナツト４０によつ
てそのカツブ縁部が最高位置の磁気記憶デイスク２０と
接触した状態でカツプばね４２もまた同時に押圧されて
いて、その結果磁気記憶デイスク２０はデイスク・キヤ
リア２２上にびつたり締付けられている。デイスク群は
円板羽根車式モータ４４によつて回転されるが、電機子
デイスク４６はスピンドル３０の下端部上に回転しない
ように固定した状態で配置され、磁石４８は入れ底１４
内に挿入されて目盛円盤上に取付けられている。

このようなわけで、スピンドル３０は、歯車やその他の
トルク伝達装置を介在させることなく直接的に駆動され
るようになつている。円板羽根車式モータ４４を受容す
る入れ底１４内の切抜き部は、底部側がカバープレート
５０によつてほぼ閉鎖されている。このプレート５０は
入れ底１４の下側に接合していて、磁石４８を支えるプ
レート５１と同じ方法で、磁気帰路を構成している。第
１図及び第２図の右側には複数のスイベル・アーム５２
が示されているが、該アーム５２は第１スピンドル３０
に平行な第２スピンドル５４上に配置され、これに対し
回転することのないように固定されている。

スピンドル５４は回転自在に取付けられており、その下
端部は入れ底１４内に挿入された軸受５６内にあり、上
端部は保持クリツプ６０内に挿入された軸受５８内にあ
る。スイベル・アーム５２は長さの等しいスペーサ・リ
ング６２によつて互いに離間されており、その結果、該
アーム５２は、磁気記憶デイスク２０と同様、互いに軸
方向に同じ離間距離を有するようになつている。但し、
スイベル・アーム５２は軸方向にデイスクに対して片寄
せ状態に配置されている。従つて、第２スピンドル５４
が回転した場合、スィベル・アーム５２は互いに隣接す
る２つの磁気記憶デイスク間のギャツプ２８内に各デイ
スクから等間隔にある状態で嵌入できるようになつてい
る。最高位置ないし最低位置のスィベル・アーム５２は
、それぞれ、デイスク群の最高位置ないし最低位置の磁
気記憶デイスク２０から対応の距離だけ上方ないし下方
に離れた位置で旋回する。旋回軸から遠方にあるスイベ
ル・アーム５２の端部には、該アーム５２の縦方向に概
ね直角なばね凸縁部６４を介して磁気ヘツド５６が締結
されている。なお、この点に関しては第３図乃至第６図
に関連してより詳細に説明することにする。磁気ヘツド
６６は、磁気記憶デイスク２０が静止している限り、関
連の磁気記憶デイスク２０の上側または下側に載置して
いる。しかし、磁気ヘツド６６は、磁気記憶デイスク２
０が回転する場合には、該デイスク２０に密着しようと
する空気層との急速な相対運動によつてデイスク表面か
ら浮揚し、通常操作中は該デイスク表面上を浮流するよ
うな形状に構成されている。スピンドル５４を回転させ
、その結果スイベル・アーム５２を旋回させる駆動装置
もまた円板羽根車式モータ６８で構成されており、該モ
ータ６８は、主として、スピンドル５４の下端部上に回
転しないように固定式に取付けられた電機子デイスク７
０及び入れ底１４内の目盛円盤土に配置された磁石７２
から成つている。モータ６８を受容する入れ底１４内の
切抜き部は、少なくとも一部分が底部に向つてカバープ
レート７４で閉鎖されており、該プレート７４は入れ底
１４の下面に接合していて、磁石７２を支持するプレー
ト７３の場合と同様に、磁気帰路を形成する。ハウジン
グ１０内にはまた第１スピンドル３０と同軸式に彎曲し
た薄板形状の静電フイルタ７６が設けられているが、こ
れは防塵ハウジング１０内にその製作後になお残存して
いる塵や磁気デイスク記憶装置の操作中に生じる塵を捕
捉するためのものである。

磁気記憶デイスク２０上の記憶位置を示す座標は、デイ
スク・センターからの半径方向の距離及び角度ゼロに対
してそれが成す角度位置によつて与えられる。

磁気記憶デイスク２０は一定の高速で連続回転する。あ
る一定の記憶位置をアクセスするには磁気ヘツド６６を
ある一定の半径方向トラツクに対して調整する必要があ
るが、具体的には、スピンドル５４の中心軸を中心とし
てスイベル・アーム５２を旋回させて行う。記憶デイス
クへの情報の記録ないし読出しは、デイスクの回転に同
期し且つ角度ゼロに関して逐次的に行われる。スイベル
・アーム５２の旋回運動の制御は、モータ６８の制御を
行うサーボ回路を介して行われる。このサーボ回路は増
分回転ピツクアツプJモVを走査することによつて必要な
位置情報を受取るようになつている。しかし、回転ピッ
クアツプJモVを介して伝送されるトラツク情報の代りに
、デイスク表面上に記録されている単一トラツク情報を
磁気ヘツド６６で読取つて位置指定制御に使用すること
もできる。デイスク群の回転速度は高速である。

デイスク群が回転する場合、磁気記憶デイスク２０間に
あつて該ディスク群の上面及び下面に隣在する空気層は
一緒に運ばれるから、結果的には、磁気記憶デイスク２
０間で旋回するスイベル・アーム５２は高速の空気の流
れに曝されることになる。従つて、特にスイベル・アー
ム５２がギヤツプ２８間に介入する場合には、これらの
スイベル・アームの空気抵抗は相当重要である。従来の
スイベル・アームでは空気抵抗は非常に高く、従つてこ
の高抵抗に応じて旋回駆動装置及び磁気記憶デイスクの
駆動装置も強力なものが必要になつている。これに対し
、本発明のスイベル・アーム５２は、第３図乃至第６図
に示されているように、流線型、即ち空気抵抗の低い形
状を有するように設計されている。第３図及び第５図で
は、スイベル・アーム５２に関しその主要部７８は板状
、薄壁の中空体として示されており、上部と下部間のギ
ヤツプについては軸受孔８０の領域のみが破線で示され
た支持部８２で充てんされている。

該支持部８２は軸受孔８０の支持体を成すと同時に、ス
イベル・アーム５２の平衡質量体の機能をも果す。スイ
ベル・アーム５２は、旋回軸から遠方の端部にテーパが
付けられた楔形状を成し、該アーム５２の平面上にある
平坦なひれ部８４で終端している（第６図参照のこと）
。

このひれ部８４は、磁気ヘツド６６のキャリアの働きを
するばね凸縁部６４を締結するためのものであり、具体
的には、該凸縁部６４はこれらのひれ部８４の各々の上
面及び下面上に締結される。これらの楔形テーパ及びひ
れ部８４の製作は、中空スイベル・アーム５２を押曲げ
て行えば良い。磁気記憶ディスク２０が矢印Ｂの方向に
回転すると、磁気記憶デイスク２０の中心に近いスイベ
ル・アーム５２の縁部８６は、該デイスク２０と共に運
ばれる空気層によつて矢印Ｃの方向に抵抗を受ける。

このため、該縁部８６は半円形の形状を有するように設
計されている（第５図参照のこと）。スイベル・アーム
５２に対する空気の流れはデイスク２０の回転運動に従
うから、第６図に図示され且つ第３図の切断線一に従う
断面は、スイベル・アーム５２の空気抵抗に適合する目
的で得られたものである。

この場合、空気の接近は該断面図の楕円形で示された縁
端面を介して行われ、他方、空気の流出はスイベル・ア
ームの楔形端部を介して行われるから、空気抵抗は極め
て小さく、而も空気の乱流も低く抑えられる。既述のよ
うに、本発明ではスイベル・アームは中空体で設計され
ているから、スイベル・アーム５２は従来のものより軽
量の構造となつており、つまり慣性モーメントがより小
さくなつている。

同時に、円板羽根車式モータの使用の場合と同様、位置
指定システムに対する駆動装置即ちサーボ・モータ６８
の適用を最適化したことによつて、該位置指定システム
の慣性モーメントは従来のものの値の約５０分の１にま
で減少させるのに成功している。その結果、位置指定速
度を同一にした場合、駆動力は従来値の５０分の１にま
で減らすことができ、あるいは駆動力を同一にした場合
、位置指定速度は慣性モーメントの減少係数の平方根だ
け増大させることができる。もちろん、中間値の選定も
可能である。スイベル・アーム５２の空気抵抗が低下し
たため、記憶デイスク２０の集合体であるデイスク群１
８に対して必要とされる駆動力は大幅に減少させること
ができるようになつた。

なぜなら、スイベル・アーム５２に対する空気流損失並
びに軸受摩擦損失は、モータ４４が克服すべき損失の相
当部分を構成する可能性があるからである。下記のデー
タは、記憶容量が同じである場合、従来の磁気デイスク
記憶装置と比較して本発明の磁気デイスク記憶装置が如
何に大幅に進歩しているかを表している。従米の磁気デ
イスク記憶装置の全重量が約８０ｋｇだとすると、本発
明の磁気デイスク記憶装置の全重量は約１０１＜ｇにま
で減少させることができる。

同様に、従来の記憶装置が約１００乃至２００リツトル
の容積であれば、本発明装置の容積は約１５リツトルで
済み、入力電力に関しては、従来の約０．５キロワツト
に対し本発明では約５０ワツトしか必要でなくなつてい
る。しかし、本発明の磁気デイスク記憶装置の最大の利
点は、同一容量の従来の磁気デイスク記憶装置に比べて
、アクセス・タイムが約３乃至４倍も少なくて済むとい
う点にある。更に、本発明磁気デイスク記憶装置は、よ
り簡単且つ安価な方法で製造できるという点でも有利で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁気デイスク記憶装置の部分概略平面
図である。 第２図は第１図の線−に沿つて切られた部分断面図であ
る。第３図は、ほんの一部分しか図示されていない２つ
の磁気記憶デイスク間に侵入中のスイベル・アームの拡
大平面図である。第４図は第３図の矢印Ａの方向から見
た場合の図である。第５図は第３図の線Ｖ−Ｖに沿つて
切られた断面図である。第６図は流れ方向における第３
図の線−に沿つて切られた断面図である。１０・・・・
・・磁気デイスク記憶装置、１８，２０・・・・・・磁
気記憶デイスク、２６，６２・・・・・・スペーサ・リ
ング、２８・・・・・・ギヤツプ、３０・・・・・・第
１スピンドル、４４，６８・・・・・・円板羽根車式モ
ータζ ５２・・・・・・スイベル・アーム、５４・・
・・・・第２，スピンドル、６６・・・・・・磁気ヘツ
ド、７６・・・・・・静電フイルタ、８０・・・・・・
軸受孔、８２・・・・・・支持部、８４・・・・・・ひ
れ部、８６・・・・・・縁部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ディスク平面に対して直角な軸上に軸方向に互いに
   離間されて配置された複数の円形の磁気記憶ディスクと
   、該軸を駆動する駆動機構と、 該磁気記憶ディスクに情報を記録及びこれから情報を再
   生する働きをする磁気ヘッドを保持する複数のスイベル
   ・アームであつて、該軸と概ね平行な旋回軸を中心とし
   た共通スイベル運動が可能なように軸旋回式に取付けら
   れ、各々少なくともその一部分が互いに隣接する２つの
   磁気記憶ディスク間のギャップ内に介入できるようにな
   つているスイベル・アームと、該スイベル・アームを旋
   回させる駆動機構とから成る磁気ディスク記憶装置であ
   つて、該スイベル・アームの少なくとも該磁気記憶ディ
   スク間に入り込む部分で当該スイベル・アームは、内部
   に空間を有する空気力学的に対称な外形の剛性材料から
   なり、ディスクの回転に伴う空気流が衝突するその前縁
   部が凸曲面をしていることを特徴とする磁気ディスク記
   憶装置。 ２ 前記スイベル・アームが翼形状を有し、その空気流
   内の先端部の断面外形が概ね半円形である特許請求の範
   囲第１項に記載の磁気ディスク記憶装置。 ３ 前記スイベル・アームが鋼、特に鋼管で作られてい
   る特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の磁気ディス
   ク記憶装置。 ４ 前記スイベル・アームが緻密繊維材で作られている
   特許請求の範囲第１項又は第２項に記載の磁気ディスク
   記憶装置。 ５ 前記スイベル・アームが空洞部内に配設された補強
   材を有している特許請求の範囲第１項乃至第４項のいず
   れか１項に記載の磁気ディスク記憶装置。 ６ 前記補強材がハニカム構造で構成されている特許請
   求の範囲第５項に記載の磁気ディスク記憶装置。 ７ 前記補強材が前記スイベル・アームの空洞部の少な
   くとも一部分を充てんする硬質フォーム材パッキンで構
   成されている特許請求の範囲第５項に記載の磁気ディス
   ク記憶装置。 ８ 前記スイベル・アームの前記旋回軸から遠方にある
   端部が楔形形状に構成されている特許請求の範囲第１項
   乃至第７項のいずれか１項に記載の磁気ディスク記憶装
   置。 ９ 前記スイベル・アームの楔状にテーパが付けられて
   いる端部の端縁部が前記磁気ヘッドを締結するひれの形
   で終端している特許請求の範囲第８項に記載の磁気ディ
   スク記憶装置。 １０ 前記磁気ヘッドの各々が前記スイベル・アームの
   縦方向に対して概ね垂直なばね凸縁部を介して前記締結
   用ひれ状部に締結され、前記スイベル・アームが軸旋回
   すると該磁気ヘッドが前記記憶ディスクの中心軸に対し
   て概ね半径方向に走る軌跡に沿つて移動する特許請求の
   範囲第９項に記載の磁気ディスク記憶装置。 １１ 前記駆動機構がそれぞれ前記磁気記憶ディスクの
   軸または前記スイベル・アームの旋回軸と直接咬み合う
   モータで構成される特許請求の範囲第１項乃至第１０項
   のいずれか１項に記載の磁気ディスク記憶装置。 １２ 前記モータが、各々が前記軸または旋回軸上に配
   設された電機子ディスクを備えた円板羽根車式モータで
   構成されている特許請求の範囲第１１項に記載の磁気デ
   ィスク記憶装置。 １３ 前記磁気記憶ディスク、前記スイベル・アーム及
   び前記駆動機構が１つのハウジング内に収納されていて
   、全体として互換性のある自蔵構造ユニットを構成して
   いる特許請求の範囲第１項乃至第１２項のいずれか１項
   に記載の磁気ディスク記憶装置１４ 前記ハウジングの
   内側空間部と周囲部が１つの絶対フィルタによつてのみ
   接続されている特許請求の範囲第１３項に記載の磁気デ
   ィスク記憶装置。 １５ 前記ハウジング内部に静電フィルタが配設されて
   いる特許請求の範囲第１３項または第１４項に記載の磁
   気ディスク記憶装置。 １６ 前記スイベル・アームが連動操作式に解放可能な
   鎖錠装置で前記磁気ディスクの中心から最遠隔のスイベ
   ル位置に保持できるようになつている特許請求の範囲第
   １項乃至第１５項のいずれか１項に記載の磁気ディスク
   記憶装置。