JPS5920781B2 - 無杼織機における緯糸貯留装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は流体を用いて緯糸を一時的に貯留するようにし
た無 織機の緯糸貯留装置に関するものである。

機台の側方に固定して設けられた緯糸供給部から引き出
される緯糸が、途中貯留用流体噴射装置から噴射される
流体に乗せられて、はぼＵ字形状に一時的に貯留された
のち、緯入れされる方法は従来から一般的に知られてい
る。

例えば、第１図のジェットルームの例に示すように、緯
糸供給部（図示せず）から引き出された緯糸Ｙは貯留用
流体噴射装置１を通り、ここから噴射される流体によっ
て貯留板２上の貯留部に繰り出されるとともに固定のガ
イド３を通って引き出されるために、はぼＵ字形状に貯
留される。

ガイド３を出た緯糸Ｙは接離動作を行なって緯糸の挟持
、開放を繰り返すグリッパ−４を通り、緯糸噴射ノズル
５によって緯入れが行なわれる。

このような従来装置において、運転中に、例えば緯入れ
ミスや経糸切れが発生して機台が停止した場合、あるい
は必要に応じて機台を停止した場合、織機の停止時期は
緯入れ開始以前となるように設定されるため、貯留板２
上で緯糸はＵ字形状に貯留された状態のままとなる。

また、貯留用流体噴射装置は作動しているが、グリッパ
−４は緯糸を挾持した状態にある。

このため、貯留板２上の繰り出し側の緯糸Ｙ１は貯留用
流体噴射装置１から噴射される流体によって張力を受け
、緊張状態にあるが、引き出し側の緯糸Ｙ２は緯入れ作
用が行なわれていないので、なんら拘束されない無張力
の状態にある。

この結果、引き出し側緯糸Ｙ２はその強い撚り戻りによ
って、第１図に示したように緯糸￥１との間で絡み合い
、よじれを発生することになる。

このよじれ糸の発生は引き出し側緯糸￥２が無張力な自
由状態のため、貯留用流体噴射装置１から流体が噴射さ
れていることにより発生する乱流によってもさらに助長
される。

このように、貯留中の緯糸によじれが生じたままで機台
を再起動すると、よじれ部分がそのままの状態でグリッ
パ−４を通り、緯糸噴射ノズル５に達してしまうため、
同ノズル５内に緯糸のよじれ部分が詰まって緯入れ不能
となるなどの緯入れミスを発生する大きな原因となって
いる。

また、機台の運転中においても、緯入れ後、緯糸を貯留
する時期はグリッパ−４が閉じて緯糸を挾持しているた
め、緯糸がＵ字形状に所定量貯留されるまでの間、引き
出し側にあたる緯糸Ｙ２の部分は時間的には短かくても
やはり無張力な自由状態となるため、緯糸のよじれが発
生する傾向にがる。

本発明は機台の停止時と運転中とを問わず、緯糸貯留部
において緯糸の貯留が行なわれている間は引き出し側の
緯糸に対して繰り出し側緯糸と分離する方向に所定の張
力が付与されるように補助流体噴射装置を緯糸貯留部に
配設し、最も少ない動力消費で緯糸のよじれを確実に防
止し、円滑に再運転が開始できるようにしたものである
。

以下、本発明を図示の実施例に基いて説明する。

第２〜４図は本発明の実施例を示すもので、緯糸貯留部
を構成する貯留板２には貯留用流体噴射装置１が設けら
れ、そのノズル６は貯留板２に固定された枠７を貫通し
、緯糸貯留部に向けて開口している。

また、貯留用流体噴射装置１はパイプ１１によって圧力
流体源（図示せず）に連結し、常時圧力流体をノズル６
から噴射している。

前記枠７には流体分配用のめくら孔８が穿設されネジ９
によって密封されている。

また、分配孔８には特に引き出し側緯糸￥２に対して所
定の張力が付与されるように緯糸貯留部に開口した補助
ノズル１０が連結し、補助流体噴射装置を構成している
。

この補助ノズル１０は４箇所に配設されているが、必要
に応じて１箇所あるいは２箇所以上に配設することがで
きる。

一方、緯糸貯留作用中に設けたガイド３を通り、緯入れ
手段である緯糸噴射ノズル５に連らなる緯糸を挾持する
グリッパ−４は第３図および第４図に示す構成を有する
。

即ち、フレーム１２にＴ字型の本体１３がワッシャー１
４を介してネジ１５により固定される。

本体１３の上面には固定緯糸挾持部１６がゴムリング１
７を介在して載置されるとともにネジ部材１８によって
固定される。

また、本体１３のほぼ中央部にはロッド１９が摺動可能
に貫通し、その上端に可動緯糸挾持部材２０がゴムリン
グ２１を介在してナツト２２によす固定される。

ロッド１９は下端のナツト２３と本体１３の下面との間
に介在したスプリング２４によって下方に付勢されると
ともに最下面２５は図示されていないカム等の適当な押
上手段によって緯入れ作用にタイミングを合わせ所定時
間上動されるようになっている。

さらに、ロッド１９はその１部の周面が切り欠かれ、本
体１３の内周面との間に空間２６が形成されている。

本体１３側には圧力流体源に連結された供給口２７およ
び流体の吐出口２８が取り付けられ、それぞれ通孔２９
゜３０によって空間２６に連通している。

このうち供給口２７は空間２６に常時連通しており、吐
出口２８はロッド１９の上動時、即ち緯糸開放時に空間
２６との連通を遮断され、ロッド１９の下動時、即ち緯
糸挾持時に空間２６と連通されるように配置され、グリ
ッパ−４が流体の切り換えバルブを構成する。

前記補助流体噴射装置の分配孔８は前記グリッパ−４の
吐出口２８にパイプ３１、ニードルバルブ３２およびパ
イプ３３を介して連結され、吐出口２８から流出する流
体はニードルバルブ３２によって流量調整されたのち、
分配孔８を通じて補助ノズル１０から噴射される。

以上の構成において、運転中、緯糸噴射ノズル５による
緯入れが完了すると、グリッパ−４はロッド１９がスプ
リング２４に下動され、可動緯糸挾持部２０が固定緯糸
挟持部１６との間に緯糸Ｙを挾持する。

このため、固定緯糸供給部から繰り出されている緯糸Ｙ
は貯留用流体噴射装置１から噴射される流体によってノ
ズル６を通り、貯留板２上の貯留部に噴き出され、ガイ
ド３との間でＵ字形状に順次貯留されていく。

同時に、ロッド１９の下動によって吐出口２８の通孔３
０が空間２６と連通するため、供給口２７側の圧力流体
が通孔２９、空間２６、通孔３０、吐出口２８、パイプ
３１を通り、ニードルバルブ３２によって流量調整され
たのち、パイプ３３および分配孔８を介して補助ノズル
１０から噴射される。

補助ノズル１０から噴射される流体はグリッパ−４によ
って挾持され、無拘束状態にある引き出し側緯糸￥２に
対して、繰り出し側緯糸￥１と分離する方向の張力がか
かるように作用するため、緯糸貯留作用中に引き出し側
緯糸￥２がその撚り戻り等に起因して発生するよじれ現
象を防止することができる。

続いて、所定量の緯糸貯留が行なわれると、適当な、駆
動手段によってグリッパ−４のロッド１９が上動され、
第３図のように可動緯糸挾持部２０が緯糸Ｙを開放し、
緯糸噴射ノズル５によって緯入れが行なわれる。

同時に、グリッパ−４のの吐出口２８の通孔３０が空間
２６との連通を遮断され、補助ノズル１０からの流体噴
射が停止される。

従って、緯入れ中、即ち緯糸貯留部から緯糸が引き出さ
れている間、引き出し側緯糸￥２に対する流体の影響が
ないため、緯入れ中の緯糸に対する走行抵抗をなくすこ
とができるとともに補助ノズル１０からは必要な時期以
外に流体を噴射することがないので、余分な動力消費を
防止することができる。

また、機台が停止される場合は、緯入れが開始される以
前となるように設定されているため、貯留板２上の緯糸
貯留部には緯糸がほぼＵ字形状に貯留されているが、グ
リッパ−４は第４図のように、可動緯糸挟持部２０が下
動して緯糸を挾持している状態にある。

従って、供給口２７と吐出口２８とは空間２６を介して
連通状態となるため、補助ノズル１０からは流体が噴射
されており、引き出し側緯糸Ｙ２は繰り出し側緯糸￥１
から分離する方向の張力を受けており、停台中における
貯留部の緯糸のよじれを防止することができる。

第５〜６図は本発明の他の実施態様を示したもので、フ
レームに固定された架台３４上に貯留用流体噴射装置１
が設けられ、同架台３４上の枠７をノズル６が貫通して
いる。

また、枠７にはネジ９によって密封された分配孔８が穿
設され同分配孔８に補助ノズル１０が連結して補助流体
噴射装置を構成する。

前記貯留用流体噴射装置１はパイプ１１によって圧力流
体源（図示せず）に連結し、また、補助ノズル１０はパ
イプ３１を介して、第３図および第４図に示す構成を有
するグリッパ−４の吐出口２８に連結する。

一方、前記貯留用流体噴射装置１のノズル６の開口部に
対応してスリット３５を備えた貯留環３６が架台３４に
固定され、繰り出し側緯糸￥１の貯留部を形成し、貯留
環３６のスリット３５からガイド３に至る引垂出し側緯
糸Ｙ２は大気中に存在する。

また、前記補助ノズル１０は大気中の引き出し側緯糸￥
２に対して繰り出し側緯糸￥１と分離する方向の張力が
かかるように配設される。

このように構成された第５〜６図の実施例においても、
前記した第２〜４図の実施例と同様の作用効果を有する
。

なお、前記各実施例において、補助ノズル１０は必らず
しも流体噴射装置１と並列的に配設する必要はなく、引
き出し側緯糸￥２に対して繰り出し側緯糸Ｙ１から分離
する方向の張力が付与されるように設ければよく、例え
ば、貯留されている緯糸のＵ字形状先端側位置やその位
置で、上、下あるいは側方から引き出し側緯糸￥２に流
体を噴射するように配設することが可能である。

また、グリッパ−４自体に設けた流体の切り換えバルブ
機構は同バルブ機構を別に設け、グリッパ−４の運動を
利用してバルブの切り換えを行なうことも可能である。

以上のように、本発明は緯糸貯留部における緯糸のよじ
れ現象がグリッパ−によって緯糸が挾持されているとき
に、貯留中の緯糸の１部に無張力な無拘束状態が生じる
ことに起因して発生することから、緯糸貯留部の引き出
し側緯糸に張力を与える補助流体噴射装置を配設すると
ともに同補助流体噴射装置からはグリッパ−の運動に連
動し、グリッパ−が緯糸を挾持しているときのみ流体が
噴射されるようにしたため、運転中、停台中を問わず、
緯糸が貯留されているときには必らず引き出し側緯糸に
所定の張力がかかるように流体が噴射されるので、最も
効率よく貯留中の緯糸のよじれ現象を防止することがで
き、安定した緯入れを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すもので、第１図は従来例を示
す略平面図、第２図は本発明の実施例を示す略平面図、
第３図は緯糸開放時のグリッパ−の断面図、第４図は緯
糸挟持時のグリッパ−の断面図、第５図は本発明の他の
実施例を示す略平面図、第６図は第５図の略側面図であ
る。 １・・・・・・貯留用流体噴射装置、４・・・・・・グ
リッパ−１１０・・・・・・補助流体噴射装置、Ｙｌ・
・・・・・繰り出し側緯糸、￥２・・・・・・引き出し
側緯糸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定して設けられた緯糸供給部から繰り出される緯
   糸を緯入れ手段側へ緯糸を案内するガイドとの間で流体
   によってほぼＵ字形状に一時的に貯留する緯糸貯留部と
   同貯留部のガイドから前記緯入れ手段に至る間に配置さ
   れて緯糸を間欠的に挾持するグリッパとを備えた無杼織
   機において、前記緯糸貯留部には織機の運転中常時流体
   噴射する緯糸貯留用の流体噴射装置を設けるとともに同
   流体噴射装置の噴射流体によってＵ字形状に貯留される
   緯糸のうち引き出し側の貯留緯糸に向けて開口する補助
   流体噴射装置を配設し、前記補助流体噴射装置を前記グ
   リッパ−の緯糸挟持時のみ連通する切り換えバルブ機構
   を介して流体供給源に連結したことを特徴とする緯糸貯
   留装置。