JPS5913960Y2 - 往復動電気かみそりの内刃体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は往復動電気かみそりの内刃体に関するもので
ある。

一般に、この種電気かみそりにおいては、所定間隔ごと
に配列された多数の内刃片をパイプで串し差し状に固定
したり、あるいはインサート底形で一体的に固定した内
刃体を構成している。

ところで、外刃は皮膚面に押圧されるとその押し込みに
応じて凹凸状に変形しようとする。

しかるに１．上記のように各内刃片が一体的に固定され
た内刃体では、往復動方向中央部分の内刃片が隣接側の
内刃片に倣って上記外刃を押し上げながら往復動し易い
のに対し、両端部分の内刃片は外刃の張設支点の関係も
相俟って外刃の内面に倣いにくく、このため内刃片全体
が均等的に外刃に密着せず、剪断効果を向上させるにも
限界があった。

また、第９図に示すように、内刃５３は、両端部分の内
刃片５１の外形に沿って湾曲状になるように外刃５２を
押し拡げる矯正をしながら往復動するため、その反力に
より中央部分に比べて外刃５２から受ける押圧力が大き
く、内方へ落ち込み変形し易いものであり、しかも、第
１０図のように駆動支点が往復動方向中央部にある関係
上内刃片５１両端部分の外刃５２に対する圧着力が弱い
と、どうしても上下方向にがたつきながら内刃５３が往
復動し、剪断効果の低下はもちろんのこと振動、騒音の
原因となっていた。

そこで、この考案は内刃ホルダに保持させた多数の内刃
片を個々独立的に弾性支持させるとともに、中央部分の
内刃片よりも両端部分の内刃片の押し上げを大にするこ
とにより、外刃に対して内刃片全体のなじみを良好にし
て剪断効果の向上を図り、かつ内刃往復動時のブレも防
止するようにしたものである。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する
。

第１図、第２図において、１（１□、１□、・・・・・
・１ｏ）は多数の内刃片、２は合成樹脂などからなる内
刃ホルダで、この内刃ホルダ２には、その長手方向に向
かって多数の内刃片案内用の挿通孔３（３，。

３□、・・・・・・３ｎ）が所定の間隔を存して形成さ
れており、これら各挿通孔３に上記内刃片１がそれぞれ
挿入されている。

上記ホルダ２に、上記各挿通孔３をまたがる空所４を形
成しであるのは、上記挿通孔３に飛散した毛屑をスムー
ズに落下させるためであり、毛屑が堆積されないような
形状であれば、とくに空所４を形成する必要はない。

５は上記ホルダ２の下面側に融着などで固定された弾性
板体であり、この板体５には、上記各挿通孔３に対応し
て多数の弾性舌片６ （６，、６□。

・・・・・・６゜）が一体的に形成されるとともに、各
弾性舌片６には、上記内刃片１に対応する位置に、切り
起し係止部７ （第３図参照）がそれぞれ形成されてい
る。

この係止部７は内刃片１の基端部１ａに形成された保合
孔部８に第４図のように係止されており、これによって
上記挿通孔３に挿入された各内刃片１が上記弾性舌片６
で独立的に弾性支持されるとともに、上記挿通孔３の内
壁でその上下動が案内されている。

ここで、上記弾性舌片６は、第７図に示すように中央部
分の巾Ｔ１に対して両端部分の巾Ｔ２を巾広に形成して
おり、両端部分の押し上げ力Ｐを中央部分のそれよりも
大になるように設定しである。

（第８図参照）上記各弾性舌片６は同一方向へ向けて延
出させてもよく、またＬ配向刃片１側と弾性舌片７側と
の保合手段も上記構造のほか他の変形手段を採用するこ
とができる。

９は融着用突起、１０は突起９の嵌合孔である。

上記構成から明らかなように、多数の内刃片１を弾性舌
片６で独立的に弾性支持させるから、第５図ように外刃
１１が皮膚Ｍに押圧されて局部的に凹凸状に変形しよう
とした場合、押された部位の内刃片１が上記弾性舌片６
の弾力に抗して下降するとともに、他の部位の内刃片１
が上記弾性舌片６の弾力で上昇し、内刃片１全体が上記
外刃１１の変形に倣うため、各内刃片１の外刃１１に対
する密着性がよくなり、従来のような内刃片を一体的に
固定したものに比し、剪断効果が向上する。

さらに、上記各内刃片１を独立的に構成したことにより
、内刃片１の研摩も従来に比し、容易になる。

つまり、従来で゛は、多数の内刃小力をたとえばパイプ
で一体的に固定しであるから、外刃の関係で各内刃片の
刃先に対して一様に高い平面度精度が要求されるが、こ
の考案によれば、各内刃片１が独立しているため、平面
度を考慮する必要がなく、研摩作業が簡単になり、たと
え研摩時に不良が発生しても、従来のように一体的に固
定された多数の内刃片全部を交換する必要がなく歩留り
が向上し、しかも不良内刃片１の交換作業も容易で゛あ
る。

また内刃片１を研摩するには、第６図のように各内刃片
１の中心に形成した係合孔１２に棒材１３を挿通して、
多数の内刃片１を重合状に支持させて、たとえばセンタ
レス研摩を行うことができ、一度に大量の内刃片１を研
摩することができる。

勿論、上記係合孔１２を図示のように多角形状とし、こ
れに対応した角棒１３を用意すれば、この角棒１３の軸
廻りに上記内刃片１を等配して支持させることができる
から、研摩精度の向上も図ることができる。

また特に本願考案のものは、各内刃片１を押し上げるた
めの弾性舌片６を、中央部分の巾Ｔ１に対して両端部分
の巾Ｔ２を巾広に形成して、両端部分の内刃片１の押し
上げ力を中央部分よりも大としているので、外刃１１に
対する両端部位の内刃片１の密着性をさらに向上させる
ことができ、張設の関係上外刃１１が半径方向に変形し
て張設されていたとしても、内刃往復動時には押し上げ
力の大なる両端部分の内刃片によって強制的に内刃片外
形に倣って矯正された後、この外刃には隣接する中央部
分の内刃片が連続的に摺接してくるので、内刃往復動が
スムーズに行うことができるものである。

その上、内刃往復動時に駆動の支点を中心として上下方
向に働く回転モーメントも駆動の支点から距離的に最も
離れた両端部分の内刃片と外刃との間に働く圧着力によ
って確実に規制され、騒音、振動等の発生が抑制される
。

以上のように、この考案は内刃ホルダ２の長手方向に沿
って多数の内刃片案内用挿通孔３を所定間隔ごとに形成
し、上記ホルダ２の下面に固定された弾性板体５に上記
各挿通孔３に対応して弾性舌片６を一体形成し、上記各
挿通孔３に挿通された各内刃片１を上記対応する弾性舌
片６でそれぞれ独立的に弾性支持するとともに、往復動
方向両端部分の弾性舌片６の押し上げ力を中央部分の弾
性舌片６の押し上げ力よりも大としたから、外刃に対し
て密着性がよく、切り味が向上し、騒音、振動を低減で
き、さらに研摩作業も容易な往復動電気かみそりの内刃
体を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る往復動電気かみそりの内刃体の
一例を示す分解斜視図、第２図は同正面断面図、第３図
は弾性舌片を示す拡大図、第４図は内刃片と弾性舌片と
の保合部分の説明図、第５図は同内刃片の作用説明図、
第６図は内刃片の研摩説明図、第７図は弾性舌片の要部
を示す平面図、第８図は弾性舌片による内刃片の押圧力
の分布を示す説明図、第９図は従来例の働きを示す作用
説明図、第１０図は同徒釆例の作用説明図である。 １・・・・・・内刃片、 片案内用挿通孔、 片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内刃ホルダ２の長手方向に沿って多数の内刃片案内用挿
   通孔３を所定間隔ごとに形成し、上記ホルダ２の下面に
   固定された弾性板体５に上記各挿通孔３に対応して弾性
   舌片６を一体形成し、上記各挿通孔３に挿通された各内
   刃片１を上記対応する弾性舌片６でそれぞれ独立的に弾
   性支持するとともに、往復動方向両端部分の弾性舌片６
   の押し上げ力を中央部分の弾性舌片６の押し上げ力より
   も大としたことを特徴とする往復動電気かみそりの内刃
   体。