JPS5910370Y2 - 気化器のフロ−トチヤンバ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の気化器に備えられたフロートチャン
バに関連する構造の改良に関する。

従来から気化器のフロートチャンバには、フロートチャ
ンバ内の正常な燃料液面よりも上方で開口しており、異
常上昇時の燃料をフロートチャンバ外に排出するための
導管と、フロートチャンバの底部に取付けられていて、
内燃機関長期停止時などにフロートチャンバ内の燃料を
抜取るためのプラグとが、個別的にそれぞれ設けられて
いて、フロートチャンバの構造が複雑になっている。

したがって本考案の目的は、フロートチャンバの構造を
簡単にすることである。

以下図面によって本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例の縦断面図である。

フロートチャンバ１のフロートチャンバ室２内の燃料は
、フロート （図示せず）により正常な燃料液面ｌを保
つように調整され、吸気管（図示せず）を流過する気流
によって吸出されて内燃機関に供給される。

フロートチャンバ１の底部３には、取付部４が設けられ
、この取付部４に栓体５が上下に進退自在に螺合される
。

取付部４の軸線方向に沿って上方から下方に向けて順に
、透孔６および透孔６よりも大径の取付孔７が同一軸線
で形威される。

取付孔７には内ねじ８が刻設されている。

透孔６と取付孔７とは肩９で段差を成す。

栓体５は、取付孔７よりも小径の小径部１０、内ねじ８
に螺合すべき外ねじ１１が刻設された大径部１２および
オーバフロー管１３が、この順序で同一軸線を有して一
体的に形或されて戊る。

栓体５には、上下方向に延びて透孔６に遊通挿通される
導管１４が栓体５と同一軸線で涸着される。

栓体５には、その軸線に沿って栓体５を貫通し導管１４
に連通ずる燃料通路１５が穿設される。

図示の如く取付孔７に栓体５を螺合することによって、
小径部１０の外周壁に規定されて排出室１６が形威され
る。

導管１４と小径部１０とは、肩１７で段差を威す。第２
図は第１図のＩＩ − ＩＩ線から見た断面図で゛ある
。

小径部１０には、排出部１６に開口し、燃料通路１５に
連通ずる複数（図示４つ）の排出通路１８が形戊される
。

両肩９，１７の間には、リング状のシール部材１９が介
在される。

栓体５を軸線方向上方に向けて螺進させて、シール部材
１９を両肩９，１７で挾圧する第１変位位置に位置させ
ると、フロートチャンバ室２と排出室１６とはシール部
材１９によって遮断される。

このとき導管１４の先端は、フロートチャンバ１が傾い
たときに燃料が燃量通路１５から流出しないように、正
常な燃料液面ｌよりも充分上方に位置されている。

動作を述べる。

フロートチャンバ室２内の燃料液面が異常に上昇したと
きには、燃料は導管１４の先端から燃料通路１５を通り
、オーバフロー管１３から排出される。

たとえば内燃機関を長期間にわたって運転しないときに
、燃料によるジェットの詰りを防ぐために、フロートチ
ャンバ室２内の燃料を抜取る場合には、栓体５を軸線方
向下方にわずかに後退させて第１図示の第２変位位置に
位置させればよい。

そうすれば肩９，１７が相互に離反してシール部材１９
の挾圧状態が解かれ、第１図示の如くフロートチャンバ
室２と排出室１６とが連通ずる。

そのためフロー１へチャンバ室２内の燃料は、透孔６か
ら排出室１６および排出通路１８を経て燃料通路１５に
導かれ、オーバフロー管１３から排出される。

本考案の他の実施例として、小径部１０の外周面に摺動
自在なシール部材を取付孔７に取付けて、小径部１０外
周の軸線方向に沿って排出通路１８の開口よりも上方側
においてシールするようにしてもよい。

また本考案のさらに他の実施例として、取付部４の外周
に外ねしを刻設し、栓体５をその外ねしに螺合するよう
に構威してもよい。

上述のごとく本考案によれば、フロー１・チャンバの底
部に栓体の外周壁の一部が規定する排出室を形或し、フ
ロートチャンバの底部に螺合して少なくとも第１変位位
置と第２変位位置とに変位自在の栓体には、上下方向に
延びる燃料通路と、排出室に開口して燃料通路に連通ず
る排出通路とを形戊し、燃料通路に連通してフローＩ・
チャンバ室の正常な燃料液面よりも上方で開口する導管
を栓体に固着し、栓体の第１変位位置でフロートチャン
バ室と排出室とを遮断し、第２変位位置でその遮断状態
を解除するシール部材を設けたので、従来技術のごとく
導管およびプラグを個別的に設ける必要がなく、フロー
トチャンバの構造が簡単になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断面図、第２図は第１図
のＩ■一ＩＩ線から見た断面図である。 １・・・・・・フロートチャンバ ２・・・・・・フロ
ートチャンバ室、４・・・・・・取付部、５・・・・・
・栓体、６・・・・・・透孔、７・・・・・・取付孔、
８・・・・・・内わじ、９，１７・・・・・・肩、１０
・・・・・・小径部、１１・・・・・・外ねし、１２・
・・・・・大径部、１３・・・・・・オーバフロー管、
１４・・・・・・導管、１５・・・・・・燃料通路、１
６・・・・・・排出室、１８・・・・・・排出通路、１
９・・・・・・シール部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロートチャンバの底部に螺合する栓体を、そのねじ送
   り作用によって上下方向の少なくとも第１変位位置と第
   ２変位位置とに変位自在に設け、フロートチャンバの底
   部には、前記栓体の外周壁の一部が規定する排出室を形
   威し、前記栓体が第１変位位置にあるとき排出室とフロ
   ートチャンバ室とを遮断し、前記栓体が第２変位位置に
   あるとき排出室とフロートチャンバ室との前記遮断状態
   を解除するシール部材を設け、前記栓体には、上下方向
   に延びた燃料通路と、前記排出室に開口して前記燃料通
   路に連通ずる排出通路とが形戊され、上下方向に延びて
   前記栓体に固着されて燃料通路に連通し、フロートチャ
   ンバ室の正常時の液面よりも上方で開口し、燃料液面異
   常上昇時に燃料を燃料通路に導く導管を設けたことを特
   徴とする気化器のフロートチャンバ。