JPS589542B2 - ヘンコウヨ−ク - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はテレビジョン受像機に用いる電磁ビーム偏向ヨ
ークに関する。

一般に偏向ヨークは一対の水平偏向コイルと一対の垂直
偏向コイルと環状コアとから構成されている。

特に、偏向コイルには偏向電力を小さくする目的で鞍型
偏向コイルが多く用いられている。

鞍型偏向コイルは、周知のごとく並行状をなす一対の長
手力向部と、この長手方向部の受像管映像面側に位置す
る前端部と、電子銃側に位置する後端部とによって中央
に窓部を形成してなるものである。

また、鞍型偏向コイルは上記前端部の窓幅と後端部の窓
幅の２ケ所を規制して線材の巻回をなし製作されるもの
であるが、線材の巻回テンションによって、前、後端間
の窓部を形成する長手方向部は直線状になろうとする。

しかし、偏向ヨークは円筒部と球状部とからなる受像管
の上記接合部である曲面上に取付けられるため、偏向コ
イルの窓部側は曲面に沿った最短線上に設けることが困
難で、量産することができないものであった。

また、鞍型偏向コイルを管軸方向によって区分すると、
一般には第１図のごとく、電子ビームの進入側に於ける
進入側領域ａと主偏向領域ｂと映像面側に於ける出口側
領域Ｃとなり、管軸方向の各横断面中の磁束分布は不均
一性をもった曲線で表わされる。

特に鞍型偏向コイルの管軸方向中央辺に於ける主偏向領
域の偏向磁界は映像面全体に作用することに変りはない
ものの、特に映像面上に於ける中央部とコーナ一部との
中間辺に最も強く作用し影響を与えるものである。

しかし、主偏向領域が強い糸巻型の磁束分布傾向を示す
と、エスイング（３−ｉｎｇ）と称する波形ミスコンバ
ーゼンスを廃生じ実用に供しえなくなる。

これを水平偏向コイルによって説明する。

水平偏向磁界に強い糸巻型の磁束分布傾向が表われると
、水平方向の偏向成分に垂直方向の成分が生ずることと
なり、かつ上記垂直成分は映像面のコーナ一部に近づく
につれて増大する。

この状態をインライン方式の電子ビームにより概要を第
２図で説明する。

Ｘ，ｙ軸によって示される映像面の原点に縁ビームＧが
、そしてＸ軸上の正方向に赤ビームＲ，負方向に青ビー
ムＢがそれぞれ配置されている。

縁ビームＧは第２図に於いてそれぞれ映像面に於ける上
下の点とも所定のパターンを描いているが、青ビームＢ
と赤ビームＲはそれぞれ電子銑の位置する側では、ｙ軸
方向に於いてＸ軸に近づくように振幅し、ｙ軸を介した
反対側では、ｙ軸方向に於いてＸ軸より遠ざかるように
振幅する所謂正クロスコンバーゼンスの状態となり、コ
ーナ一部に於ける逆クロスコンバーゼンスと相まってエ
スイング（Ｓ−ｉｎｇ）ミスコンバーゼンスを発生する
こととなる。

従って、主偏向領域に於ける偏向磁界に樽型傾向の磁束
分布を付与し第１図に於ける正方向の山を低くする必要
がある。

即ち、主偏向領域の糸巻型の磁束分布傾向を弱めるよう
なコイル分布が必要となる。

一つの解決手段として窓部を規制する前端の窓副を狭く
して主偏向領域に樽型の磁束分布傾向を付与することが
出来るが、鞍型偏向コイルに於ける出口側領域の偏向磁
界は、映像面のコーナーに於ケるコンバーゼンス特性や
ラスター形状に強く作用するものであり、上記のごとく
窓幅を狭くすると第１図に於けるＣの負の谷が更に下降
した状態となり、上記コンバーゼンスやラスターにます
ます歪を呈することとなって到底実用に供しえない。

また、他の手段として窓部を規制する後端の窓幅をほぼ
点状になるまでに狭くすることもできるが、電子ビーム
の進入側領域に於いては、中央に位置する電子ビームに
のみ強く作用しすぎることとなる。

この状態を第３図のＸ軸上に示すが、縁ビームＧが他の
二つの電子ビームより極端に振幅が大きくなるという欠
点がある。

即ち、第１図に於けるａの負の谷が更に下降した状態で
、樽型傾向の磁界が強すぎることを意味する。

電子ビームの進入側に於けるこの現象は、映像面上では
著しく拡大されて表われてくるためこれまた到底実用に
供しえず、実用上はそれぞれの特性で妥協した構成の偏
向ヨークを用いなければならなかった。

本発明は上記欠点を除去した偏向ヨークを提供するもの
であるが、図面により本発明の実施例を説明する。

第３図は本発明の一実施例を示すものである。

鞍型偏向コイル１は、並行状をなす一対の長手方向部１
１と前端部１２と後端部１３とにより中央に窓部１４を
形成する。

前端部１２側に於ける窓幅ｄは、最適な窓幅Ｄよりも狭
く形成され、主偏向領域に於ける窓幅を点線にて示す長
手力向部よりも狭くなるよう構成してある。

その上長手方向部１１の前端部側である電子ビームの出
口側領域に於いては、上記長手方向部１１上の窓部１４
の近傍に補助コイル２を重ねて配置する。

この配置関係の詳細を第４図に示す。

上記補助コイル２は鞍型偏向コイルと相似形状を有する
短寸なコイルで、それぞれ長手方向部１１′、前端部１
２′および後端部１３′を有する。

補助コイルの長手力向部１１′は、鞍型偏向コイルの長
手力向部１１上の窓部近傍に設けられ、上記補助コイル
の前端部１２′と後端部１３′は共に窓部１４を跨いで
長手方向部１１とそれぞれ連接している。

鞍型偏向コイル１と補助コイル２とは第６図のごとく直
列に接続されているが矢印のごとく逆向きの磁束を発生
するように構成されている。

尚、第５図に於ける３は絶縁ボビン、３１は補助コイル
２を収納するよう上記絶縁ボビン３の面上に形成した凹
窪部、４は環状コアを示しており、他方の偏向コイルは
省略してある。

上記構成によれば電子ビームの出口側領域に於ける鞍型
偏向コイル１の磁束は、補助コイル２によって部分的に
打消され最適な窓幅Ｄによる磁束分布と同様なものとな
る。

同時に、上記鞍型偏向コイルによって、主偏向領域も樽
型傾向が付与された磁束分布となるため良好なコンバー
ゼンス特性を得ることができる。

また、第５図は他の実施例を示すものであるが第３図と
対応して同じ数字を付した形状の鞍型偏向コイル１に於
いて、後端部１３側の窓幅を最適な窓幅Ｗよりも極端に
狭くし、Ｗ′として示すごとくほほ点状にする。

この場合、前端部１２の窓幅は最適な窓幅Ｄとしてお匂
而して、鞍型偏向コイル１の電子ビーム進入側領域に対
応するよう長手方向部１１上の窓部１４の近傍に補助コ
イル２を重ねて配置する。

補助コイル２は第４図に示したと同様鞍型偏向コイルと
相似形状を有する短寸なコイルで、それぞれ長手方向部
１１′、前端部１２′および後端部１３′を有する。

上記補助コイルの前端部１２′と後端部１３′は共に窓
部１４を跨いで長手方向部１１′とそれぞれ連接してい
る。

その結果上記構成によれば電子ビームの進入側領域に於
ける鞍型偏向コイル１の磁束は、補助コイル２によって
部分的に打消されるように作用し、最適な窓幅Ｗによる
磁束分布と同様になる。

同時に、上記鞍型偏向コイルによって、主偏向領域も樽
型傾向が付与された磁束分布となっているため、先の実
施例と同様な効果を得ることができる。

尚、上記補助コイルは前もって線材を巻回して得てもよ
いし、絶縁基板に導体を印刷したプリントコイルによっ
てもよいこと言うまでもない。

また、上記構成は水平偏向コイルと垂直偏向コイルの両
方に用いてもよいし、一方の組の偏向コイルのみに用い
てもよい。

更に上記第３図と第５図に示す実施例を併用し、前端部
側の窓幅をｄとし後端部側の窓幅をＷ′とした鞍型偏向
コイルに対して電子ビームの進入側領域と出口側領域に
対応する長手力向部上にそれぞれ補助コイルを配置する
ようにすることもできるものである。

従って、本発明による偏向ヨークによれば、カラーテレ
ビジョン受像機に於いて発生する複雑なエスイング（Ｓ
−ｊａｇ）ミスコンバーゼンスを容易に除去することが
できるとともに、ラスター歪を併発する危険性もない。

また、従来一般的に用いられている機械式巻線方法に変
更を加えることなく得られる鞍型偏向コイルに対し、補
助コイルを個別的に量産することができるため量産効率
がきわめてよい。

その上、高性能な磁界特性を有する偏向ヨークを提供す
ることができるため実用上きわめて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な鞍型偏向コイルの管理方向に区分した
磁束分布説明図、第２図はミスコンバーゼンスの概要説
明図、第３図は本発明に於ける一実施例説明図、第４図
は上記実施例の断面説明図、第５図は同じく他の実施例
説明図、第６図は接続状態説明図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 並行状をなす一対の長手力向部と該長手力向部をそ
   れぞれ横切るように連接する前端部と後端部とにより中
   央に窓部を形成してなる鞍型偏向コイルを用いた偏向ヨ
   ークに於いて、上記鞍型偏向コイルの電子ビーム進入側
   領域、主偏向領域および出口側領域のうち上記進入側領
   域および／または出口側領域に対応する一対の長手力向
   部上の窓部近傍に該窓部を跨いて補助フイルを配設し、
   鞍型偏向コイルの主偏向領域を除く上記領域の偏向磁界
   を部分的に打消すよう構成した偏向ヨーク。