JPS5856467Y2 - ケ−ブル取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ケーブル取付装置の改良に関する。

一般に、筐体内に収容された電気機器に電源を導いたり
、出力として筐体内から外方に導く場合、ケーブルを筐
体側面に穿設された透孔に挿入して、内部の電気機器と
の結線を行なっている。

しかし、ケーブルをただ透孔に挿通した状態では筐体側
板との間が固定されておらず、ケーブルに外力が加わっ
た場合電気機器の端子とケーブルの芯線との間の半田付
部が剥離したり電気部品を破損したりする。

また筐体に穿設されたケーブル導入孔とケーブルとの間
から雨水等が浸入し、内部の電気機器の絶縁を破壊する
などの欠点があった。

そこで、従来よりケーブルを筐体側板に固定したり、ケ
ーブルとその導入孔との間を密封するためのブツシュな
ど各種のケーブル取付装置が提案されてきたが、いずれ
も一長一短あり、防水とケーブル固定の両者を兼ねるケ
ーブル取付装置として満足なものはなかった。

本考案は、以上のような従来の欠点を解決し、確実な防
水とケーブルの固定とが行なえるケーブル取付装置を提
供する目的を有し、この目的を達成するため、ケーブル
が遊嵌状態で挿通される大口径部と自己のもつ弾性によ
りケーブルの周面に締着する小口径部とを有し全体が合
成ゴムまたは軟質の合成樹脂によって一体に形成された
シール部材と、挿通されるケーブルの軸線方向に突設さ
れかつ前記軸線に対して傾斜するように形成された弾性
爪を有し全体が硬質の合成樹脂によって形成されたスト
ッパリングと、これら両部材が固定されるねじ部と筐体
に取付けるためのねじ部とを有する取付ねし筒とを有す
るケーブル取付装置に於いて、前記シール部材はその小
口径部周囲に沿って断面がほは゛円形の肉厚部を有する
ものとして構成したものである。

以下、図面に示す実施例とともに本考案の詳細を説明す
る。

第１図は本考案に係るケーブル取付装置の一実施例を示
す分解斜視図で、図において符号１は筐体側に取付けら
れる硬質合成樹脂からなる取付ねじ筒で、中央部には六
角形のフランジ部２が突設されている。

この取付ねじ筒１の一端は中央部が高くなる斜面３とし
て終端している。

取付ねじ筒１の斜面３には円錐状に形成されたシール部
材４のフランジ部５の内側に形成された斜面６が接した
状態でシール部材４が取付ねじ筒１に挿入されている。

そして、このシール部材４は合成ゴムあるいは軟質合成
樹脂などにより一体的に成形されており、ケーブルが挿
通される大口径部４ａと自己の弾性によりケーブルの外
周面に締着するように弾性変形し得る小口径部４ｂとを
有している。

そして、このシール部材４の小口径部４ｂには、第２図
に示すようにその周辺に沿って内側へ突出するように断
面はは゛円形の肉厚部４Ｃが設けられている。

一方、シール部材４のフランジ部５の斜面６と反対側の
端面に形成された斜面７には、斜面９をその側端に有す
るストッパリング８が係止されている。

ストッパリング８は第１図からも明らかなように、その
基端部には環状部１０を有し、この環状部１０上には環
状部１０と同一の曲率を有する少なくとも２個の、本実
施例においては３個の突片１１が突設されている。

これらの突片１１の先端には挿通されるケーブルの求心
方向に傾斜して突設された弾性爪１２が形成されている
。

このストッパリング８は取付ねじ筒１と同じように硬質
の合成樹脂により一体成形されている。

さらに、これらのシール部材４、ストッパリング８の外
側にはキャップ１３が冠着されるとともに、前記取付ね
じ筒１の一方のねじ部１ａに螺着される。

このとき、キャップ１３の入口近傍に形成された段部１
４によって突片１１が押圧され、前記弾性爪１２を後述
するようにケーブルの外周面に喰込ませる方向に変形さ
れる。

ところで、このキャップ１３の入口端の内径はケーブル
の外径を規制するもので、ケーブルの外径とほぼ同一の
直径を有する。

つぎに、以上のように構成された本実施例によるケーブ
ル取付装置の使用方法について説明する。

まず、第３図に示すように取付ねじ筒１、シール部材４
、ストッパリング８およびキャップ１３を組み合わせた
状態で鎖線で示すケーブル１５をキャップ１３側から圧
入する。

すると、ケーブル１５はストッパリング８の弾性爪１２
を外側に広げるとともにシール部材４の先端の小口径部
４ｂを拡大しながら挿入される。

この場合、小口径部４ｂの周囲には内側へ突出した断面
円形の肉厚部４Ｃが設けられているために、ケーブル１
５との接触部分はこの部分だけとなって、ケーブルの挿
入を容易にする。

そして、シール部材４の小口径端は自身の持つ弾性によ
りケーブル１５の外周面に密着する。

この状態で、取付ねじ筒１のねじ部１ｂ側を筐体（図示
せず）の側面に形成された透孔に挿入し、側板の内側か
ら図示していないナツトを螺合させ側板をフランジ部２
との間に挾持して固定させる。

しかるのち、ケーブル１５内の芯線を目的とする電気機
器の端子に半田付などにより接続する。

本実施例は以上のように構成されているため、取付装置
は筐体側板に固定されるとともに、ケーブル１５はシー
ル部材４の密着状接触によってその外周面が気密状態と
なっているため雨水、塵埃などを遮断し、また、ストッ
パリング８の弾性爪１２の先端がケーブル１５の外周面
に接しているため、ケーブル１５が引抜かれる方向に外
力を加えられると弾性爪１２の先端に喰込みケーブル１
５力弓１抜かれるのを防止することができる。

またこの場合、シール部材４の小口径部４ｂに設けられ
た断面円形の肉厚部４Ｃは、ケーブル１５の局面を強く
締着するために気密が確実に行なわれる。

また、このように小口径部の周囲が肉厚となっているこ
とにより、その強度が極めて高くなり、これに伴なって
寿命も大幅に増加する。

以上説明したように、本考案によるケーブル取付装置は
、小口径部の周囲に沿って断面円形の肉厚部を設けたも
のであるために、挿入される棒状体に対するすべりが良
くなり、これに伴なって挿入作業が容易になるとともに
、締着強度が極めて強くなるために防水の為の気密が確
実になる。

また、気密を得るために最も大事な部分が肉厚となる関
係上、シール部材の寿命が大幅に向上する等の種々優れ
た効果を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案によるケーブル取付装置の一実施例を示
す分解斜視図、第２図はシール部材の要部断面図、第３
図は第１図の組立状態を示す要部断面図である。 １・・・・・・取付ねし筒、２，５・・・・・・フラン
ジ、４・・・・・・シール部材、４ａ・・・・・・大口
径部、４ｂ・・・・・・小口径部、４Ｃ・・・・・・肉
厚部、８・・・・・・ストッパリング、１０・・・・・
・環状部、１１・・・・・・突片、１２・・・・・・弾
性片、１４・・・・・・キャップ、１５・・・・・・ケ
ーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーブルが遊嵌状態で挿通される大口径部と自己のもつ
   弾性によりケーブルの周面に締着する小口径部とを有し
   全体が合成ゴムまたは軟質の合成樹脂によって一体に形
   成されたシール部材と、挿通されるケーブルの軸線方向
   に突設されかつ前記軸線に対して傾斜するように形成さ
   れた弾性爪を有し全体が硬質の合成樹脂によって形成さ
   れたストッパリングと、これら両部材が固定されるねじ
   部１ａと筐体に取付けるためのねじ部とを有する取付ね
   し筒とを有するケーブル取付装置に於いて、前記シール
   部材はその小口径部周囲に沿って断面がほぼ円形の肉厚
   部を有することを特徴とするケーブル取付装置。