JPS585124B2 - 自動盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、棒材用で単軸の主軸台移動型自動盤に係り
、更に詳しくは切削中に主軸台が移動して、棒材がガイ
ドブツシュに支持されながら加工される自動盤に関する
ものである。

従来、この種の自動盤は、細長くて高精度を要求される
小径部品、例えば時計部品等を加工する場合に使用され
、特に棒材等を自動的に、かつ高能率に生産加工を行な
う場合には優れた効果を発揮している。

従来の主軸台移動型の自動盤においては、一般に、主軸
台の移動方向と平行に設けた駆動軸に円筒形状の駆動プ
ーリを一体的に固定し、この駆動プーリと主軸台に設け
た従動プーリとにベルトを掛回しているものである。

そして、主軸台の移動に伴ってベルトが駆動プーリとの
間に滑りを生じて駆動軸の軸方向に移動していたもので
ある。

従って、高速重切削を行なうために大きな動力を従動プ
ーリへ伝達すべくベルトの張力を大きくすると、ベルト
と駆動プーリとの間に摩擦が大きくなり、主軸台の移動
を円滑に行なうことが困難になる問題があった。

逆に、主軸台の移動を円滑にするには、ベルトと駆動プ
ーリとの摩擦を小さくしなければならず、大きな動力の
伝達が困難であり、結局、従来においては高速重切削が
困難であった。

この発明は、かかる従来の諸問題に鑑み、これを有効に
解決するために案出されたもので、主軸台をベッド上に
対して摩擦が小さく、しかも円滑に摺動しうるように構
成するとともに、駆動プーリと従動プーリとに掛は渡さ
れたベルトが、主軸台の移動に追従して円滑に摺動しう
るように構成し、棒材の強力切削を可能にした自動盤を
提供することを目的とする。

以下添付図面に基づいて、この発明の好適一実施例を説
明する。

第１図、第２図において、１は単軸主軸台移動型の自動
盤本体を示し、この自動盤本体１の機台３上には、ベッ
ド５上に沿って往復摺動する主軸台７が載置されている
。

前記主軸台７は、ベッド５の長手方向の両側部に並設さ
れた２本のガイドバー９，９に、４個のボールブツシュ
１１を介して摺動自在に支持されている。

この主軸台７上には、複数の軸受１３ａ、１３ｂ、１３
ｃを介して中空円筒状の主軸３５が回転自在に支持され
ている。

１３ｄはプーリ主軸６５を固定した軸受で、該主軸台７
と一体的に固着されている。

またスリーブ１５の先端部、即ち第１図、第２図の左端
部には、スピンドルキャップ１７、コレットスリーブ１
９を介して、コレットチャック２１が設けられている。

またスリーブ１５の先端部から後端部に向っては、チャ
ック開閉機構２３と、後述するワーク回転駆動機構２５
にベルト２１を介して連動する従動プーリ２９と、更に
主軸台送り機構３１とが夫々所定の間隔を隔てて設けら
れ、前記チャック開閉機構２３と、従動プーリ２９との
部分は、主軸台７に支持されたカバー３３により覆われ
ている。

前記チャック開閉機構２３には主軸３５に中空円筒状の
スリーブ１５が摺動自在に嵌挿され、主軸３５の一端外
周には、テーパ面３７を有するスライドスリーブ３９が
摺動自在に嵌挿されている。

またこのスライドスリーブ３９には、ベアリング４１を
介して、外周に係合溝４３を設けたベアリングケース４
５が被嵌されている。

ベアリングケース４５の係合溝４３には、第２図に示す
ように支持軸４７に回転自在に支持された揺動体４９か
ら吊設された図示しない揺動爪が係合し、この揺動体４
９の一側壁には、スリーブ１５と並列に設けられたカム
軸５１と摺接する揺動アーム５３が一体的に設けられて
いる。

前記、主軸３５と、スリーブ１５との一部には、スライ
ドスリーブ３９の周面及びテーパ面３７に摺接する開閉
爪５５を収容する長溝５７が形成され、前記開閉爪５５
の中心部は、テーパーピン５９を介して回転自在に支持
されている。

開閉爪５５の一側壁には、コレットスリーブ１９とスリ
ーブ１５との間に介装されたスプリング６１によって付
勢される前記スリーブ１５の一端が当接している。

このようなチャック開閉機構２３を構成する構成要素の
作用としては、第１図のようにコレットチャック２１が
閉の状態から、前記カム軸５１と摺接する揺動アーム５
３が、カム軸５１の回転に伴なって左右どちらかに回転
すると、（例えばコレットチャック２１を閉の状態から
開の状態にするために時計方向に回転する。

）これに伴なって揺動体４９が支持軸４７を支点として
時計方向に回転する。

この揺動体４９の回転によって、この揺動体４９から吊
設された図示しない揺動爪、及びこれと係合する係合溝
４３を介して、ベアリングケース４５、スライドスリー
ブ３９が、主軸３５に沿って、コレットチャック２１側
に移動する。

この結果スライドスリーブ３９の周面に当接していた開
閉爪５５は、スプリング６１の弾性力により付勢されて
いるスリーブ１５によって、前記スライドスリーブ３９
のテーパ面３７を摺動しながら、かつテーパピン５９を
支点として閉方向に回動する。

開閉爪５５が一定の方向に回動すると、この開閉爪５５
に当接するスリーブ１５は、スプリング６１の弾性力に
より後退し、これと同時にコレットスリーブ１９も後退
してコレットチャック２１が開放されるのである。

またコレットチャック２１を開放状態から閉鎖状態にす
るには、揺動アーム５３を前記とは逆方向、つまり反時
計方向に回動すると、揺動体４９を介してスライドスリ
ーブ３９が主軸３５に沿って後退し、これと同時にスラ
イドスリーブ３９のテーパ面３７と当接する開閉爪５５
が、テーパ面３１に押圧されながら開方向に回動する。

開閉爪５５の回動によって、開閉爪５５の一端と当接し
ているスリーブ１５は、スプリング６１の弾性力に抗し
て押圧されながら、コレットチャック２１の方向に移動
し、これに伴なってコレットスリーブ１９もコレットチ
ャック２１のテーパ面６３を押圧しながら移動し、コレ
ットチャック２１を閉鎖させるのである。

テンションプーリ８９を介した該ベルト２７の張力が主
軸３５に直接かかつて主軸３５が変形したり、軸受が無
理したりするのをさけるために、該主軸３５に係合爪６
７を有するドライビングプレート６６を固定し、従動プ
ーリ２９に一体に係合爪６８を設け、該係合爪６７と該
係合爪６８とを係合して、動力を伝達する構造にしであ
る。

このプーリ軸６５に回転自在に支持された従動プーリ２
９は、ワーク回転駆動機構２５のボールスプライン軸６
９（以下スプライン軸６９と言う。

）に設けられた駆動プーリ７１にベルト２７を介して連
結されている。

ワーク回転駆動機構２５は、第１図、第３図に示すよう
に、主軸台７を支持する機台３の下方内部に、軸受７３
ａ、７３ｂ、７３ｃを介して前記スプライン軸６９が、
並設されている。

このスプライン軸６９の、前記プーリ主軸６５に設けた
従動プーリ２９と対向する位置には、ボールブツシュ７
５ａを介して摺動自在なボール軸受７５ｂが嵌挿され、
このボール軸受７５ｂには、前記従動プーリ２９とベル
ト２７を介して連結する駆動プーリ７１が嵌着されてい
る。

前記スプライン軸６９の一端には、図示しない駆動装置
と連動するプーリ７７が装着され、このプーリ７７を介
して前記駆動装置からの回転駆動力をスプライン軸６９
に伝達するものである。

スプライン軸６９に摺動自在に嵌挿されたボール軸受７
５ｂの両側には、所定の間隔を隔てて前記軸受７３ｂ、
７３ｃに支持されたベアリングケース７９ａ、７９ｂが
設けられ、このベアリングケース７９ａ、７９ｂには、
テンションアーム８１ａ、８１ｂが嵌着されている。

テンションアーム８１ａ＋８１ｂの両端部には、前記ス
プライン軸６９と平行にシャフト８３ａ、８３ｂが取付
けられ、この一方のシャフト８３ａには、スリーブ８５
、ベアリング８７を介してテンションプーリ８９が回転
自在に取付けられている。

テンションプーリ８９は、スリーブ８５を介して、シャ
フト８３ａに沿って摺動するものである。

前記テンションプーリ８９に嵌合されたスリーブ８５の
一端と、前記主軸台１の一部には、主軸台１の摺動に追
従してテンションプーリ８９を摺動させるためのシフタ
９１が介装されている。

なお、このシフタ９１は、第１図の１点鎖線に示すよう
に、スプライン軸６９に嵌挿されたボール軸受７５ｂに
スリーブ９３を取付けて、このスリーブ９３と、主軸台
７の一部とに介装しても良い。

前記、一方のテンションアーム８１ｂを支持するベアリ
ングケース７９ｂには、スプライン軸６９の一端に取付
けられたプーリ７７に掛は渡されたベルト９５にテンシ
ョンを付与するためのテンションアーム９７と、テンシ
ョンローラ９９とが設けられている。

前記プーリ主軸６５に回転自在に設けた従動プーリ２９
と駆動プーリ７１とに掛は回わされたベルト２７にテン
ションを与えるためのテンションプーリ８９は、図示し
ない適宜のテンション調整装置によって常に一定の圧力
でベルト２７に接触している。

テンション調整装置としては、例えばテンションアーム
８１ａ、８１ｂと、機台３との間に介装されるスプリン
グや、あるいはベアリングケース７９ｂを常に所定の方
向に回動させる減速歯車装置等が考えられる。

次に上記のようなワーク回転駆動機構２５の作用につい
て説明する。

駆動プーリ７１と従動プーリ２９とに掛は回わされたベ
ルト２７に、テンションプーリ８９を当接させてベルト
２７に所定のテンションを付与している状態から、図示
しない駆動装置を作動させて、ベルト９５及びプーリ７
７を介してスプライン軸６９を回転駆動すると、スプラ
イン軸６９にボールブツシュ７５ａ、ボール軸受７５ｂ
を介して取付けられた駆動プーリ７１が所定の方向へ、
かつ所定の回転数で回転する。

この駆動プーリ７７の回転によって、ベルト２７を介し
て連結する従動プーリ２９も回転する。

そしてこの従動プーリ２９と係合爪６８、係合爪６７、
ドライビングプレート６６を介して連結する主軸３５の
回転とともに、ワークをクランプ支持するコレットスリ
ーブ１９及びコレットチャック２１も同時に回転する。

そして、このようにコレットチャック２１が回転させら
れている状態から、後述する主軸台送り機構３１によっ
て、主軸台７が前方、つまり、第１図の左方向に複数の
ボールブツシュ１１を介してガイドバー９，９に沿って
移動すると、主軸台７とシフタ９１を介して連結してい
るテンションプーリ８９及び駆動プーリ７１が、前記主
軸台７の移動に伴なって移動する従動プーリ２９に追従
して円滑に移動する。

即ち、この移動時に駆動プーリ７１は、スプライン軸６
９にボールブツシュＴ５ａ及びボール軸受７５ｂを介し
て嵌挿支持されているので、スプライン軸６９との間の
摩擦力が極めて小さく、この結果円滑に移動できるもの
である。

また前記主軸台７の移動も、ガイドバー９，９に複数の
ボールブツシュ１１を介して支持されているので、摩擦
力が小さく円滑に移動することができる。

次に主軸台送り機構３１について説明する。

主軸台送り機構３１は、第１図、第２図に示すように、
主軸台７の後端部から突設された突出部材１０１の下方
の、機台３の側壁に、ブラケット１０３が設けられ、こ
のブラケット１０３上には、主軸台７と直交し、かつア
ジヤスティングロッド１０５を介して摺動自在なスライ
ドブロック１０７が載置されている。

このスライドブロック１０７の一端には、前記カム軸５
１に取付けられたカムプレート１０９に摺接するカムフ
ロワ１０９ａが設けられている。

前記スライドブロツリ１０７の後方のブラケット１０３
には、レバーピン１１１を支点としてスライドブロック
１０７上を回動するＬ字状のレバ一部材１１３が設けら
れている。

スライドブロック１０１上に位置するレバ一部材１１３
の一端には、スライドブロック１０７上にボルト１１５
を介して取付けられた当接板１１７と摺接する回転自在
なスライディングブロック１１９が設けられ、このスラ
イディングブロック１１９は、ピン１２１により支持さ
れている。

またレバ一部材１１３の他端には、アジヤスティングス
クリュ１２３を介して摺動自在なリンク１２５の一端が
取付けられ、このリンク１２５の他端は、前記突出部材
１０１と、スライドブロック１０７との間に摺動自在に
設けられた三角形状の摺動板１２７の一部に、ピン１２
９を介して回転自在に取付けられている。

この摺動板１２７は、前記突出部材１０１のほぼ中央に
形成された長孔１３１と、ボルト１３３を介して連結さ
れている。

次に上記のような主軸台送り機構３１の作用について説
明する。

カム軸５１に取付けられたカムプレート１０９に、カム
フロワ１０９ａを介して当接するスライドブロック１０
７が、カムプレート１０９の回動によって、ブラケット
１０３上を摺動すると、スライドブロック１０７上に取
付けられた当接板１１７がレバ一部材１１３の一端に設
けられたスライディングブロック１１９の一端に当接し
て、レバ一部材１１３の一端を矢印方向に押圧する。

これによってレバ一部材１１３の一端は、レバーピン１
１１を支点として反時計方向に回動し、これと同時に、
レバ一部材１１３の他端に取付けられたリンク１２５も
、反時計方向に押圧されながら回動する。

リンク１２５が上記の方向に回動させられると、このリ
ンク１２５にピン１２９を介して連結する摺動板１２７
が押圧され、核摺動板１２７とボルト１３３、長孔１３
１を介して連結される主軸台７の突出部材１０１が、前
方、つまり第１図の左方向に移動させられる。

以上のように主軸台７の移動は、カム軸５１に設けられ
たカムプレート１０９の回動作動により、複数の部材を
介して行なわれるものである。

なお、上記のような実施例は、この発明の実施例に限定
されるものではでもない。

以上のごとき実施例の説明より理解されるように、要す
るにこの発明の要旨は特許請求の範囲に記載のとおりで
あるから、主軸台に備えた従動プーリへの動力の伝達を
大きく、かつ確実なものとするためにベルトの張力を大
きくした場合であっても、スプライン軸に対して駆動プ
ーリが移動するものであり、何等の問題がないものであ
る。

すなわち、主軸台移動型の自動盤における主軸台の円滑
な移動を阻害することなしに従動プーリへ大きな動力を
伝達することができ、従来に比して高速重切削が行ない
得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の縦断正面図、第２図は第１図の平
面図、第３図はワーク回転駆動機構の概略側面図である
。 図面中の主要な符号、５・・・・・・ベッド、７・・・
・・・主軸台、９，９・・・・・・ガイドバー、３５・
・・・・・主軸、２９・・・・・・従動プーリ、６９・
・・・・・ボールスプライン軸、２７・・・・・・ベル
ト、７１・・・・・・駆動プーリ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベッド５上に主軸台７を摺動自在に載置させた主軸
   台移動型の自動盤において、前記主軸台７に回転自在に
   支持された主軸３５を設け、前記主軸３５を駆動するた
   めの従動プーリ２９を該主軸台上に固定されたプーリ主
   軸６５に回転自在に支承して設け、駆動部と連動するス
   プライン軸６９を主軸台７の摺動方向と平行に設けると
   ともに、該スプライン軸６９に駆動プーリ７１を摺動の
   み自在に設は前記従動プーリ２９と前記駆動プーリ７１
   にベルト２７を掛回して設け、前記主軸台７の従動プー
   リ２９の移動と一体的に前記駆動プーリ７１が摺動する
   ことを特徴とする自動盤。