JPS5849273B2 - 乾式ひげそり器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は毛貫入孔を有する剪断板と、この剪断板に対し
回転し得る切断部材と、一端をこの切断部材に回転する
よう連結し他端を駆動機構に連結した傾くことができる
回転自在の連結軸とを具える浮動ひげそりヘッドを有す
る乾式ひげそり器に関するものである。

ここに「浮動ひげそりヘッド」と称するのはひげそり器
の本体に対し限定された傾動運動を行なえるひげそりヘ
ッドのことである。

このようなひげそり器は例えば英国特許明細書１３８８
５２０号により既知である。

この既知の装置に於では、連結軸の一端の連結ピンを切
断部材の連結溝孔に大きな遊びで掛合させる。

このようにして溝孔の縦方向に切断部材を連結軸に対し
種々の方向に動かすが、これがため摩耗を生じ迷惑な騒
音を発生する。

本発明乾式ひげそり器は連結すべき一方の部分にはほぼ
半径方向に延びる側壁を有する等間隔に離間した３個の
凹所を設け、連結すべき他方の部分には上記側壁に掛合
しほぼ軸線方向に延びる等間隔に離間した３個のリブを
設けることによって連結軸の少なくとも一端に於ける連
結を３点継手にしたことを特徴とする。

このように構或することによって連結軸の軸心と切断部
材の中心とが、たとえ合致しないことが生じたとしても
自動調心性により、これ等軸心と中心とを合致させるこ
とができ、摩耗を減らし、騒音を少なくすることができ
るだけでなく、２点継手のように継手の掛合部を高い精
度で造る必要がなく、加工費を減らし、安価にすること
ができる。

本発明の一実施例では前記切断部材の３個の連結口をこ
の切断部材の回転軸線の周りに分散させ、前記連結軸の
前記一端に３個の軸線方向に延びる連結部材を設け、こ
の連結部材を前記連結口に掛合させる。

また本発明では各連結部材の一側の面を前記連結口の１
個の壁に掛合させて前記連結軸の前記一端の３点継手の
３個の接触位置の１個を構成し、各前記連結部材の反対
側の面を連結軸に対し螺旋形に延在して前記切断部材の
一部に共働させ得るようにし前記切断部材と連結軸とを
組立中前記切断部材を前記連結口の１個に案内する。

また本発明では前記連結軸の前記他端に設けたフランジ
を前記駆動機構の歯車のボスの空所内に収容し、前記フ
ランジを前記空所内で動かし得るようにして前記歯車に
対し前記連結軸を傾け得るようにし、３個のリブを前記
空所の壁に形成して前記フランジの周縁の３個の凹所に
掛合して前記連結軸の前記他端に３点継手を形威し、前
記歯車の回転軸線に平行にこの回転軸線の周りに前記リ
ブを分散させ、対応して前記凹所を前記連結軸の回転軸
線の周りに分散させる。

図面につき本発明を説明する。

第１及び２図に示すひげそり器はハウジング１を具え、
このハウジングに３個の剪断板３のための剪断板ホルダ
２を取付ける。

この剪断板３には毛貫入孔４を設ける。

各剪断板２の内側に回転切断部材５を設置し、これ等を
既知のように共働させる。

この切断部材５を駆動機構により剪断板に対し回転する
。

この駆動機構は電動機１０を具え、連結軸６、歯車７及
び電動機軸９に固着した歯車８によってこの電動機に切
断部材５を連結する。

歯車７を関連するスピンドル１１に回転自在に支承し、
このスピンドルを取付板１２に取付ける。

各歯車７に中空ボス１′３を設け、この中空ボスの内部
により空所１４を形戊し、スピンドル１１の一端のフラ
ンジ１５を収容する。

コイルばね１６を連結軸６の軸線方向の孔内に大部分配
置し、この連結軸６と歯車７との間でこのコイルばねを
圧縮し、関連する切断部材５の方向に連結軸に力を作用
させる。

この力は連結軸６によって切断部材５に伝えられ、更に
切断部材を経て関連する剪断板３に伝えられる。

従って剪断板３の端縁１７を剪断板ホルダ２に押圧する
。

このひげそり器を使用中、剪断板を使用者の皮膚に保持
する圧力によって剪断板３は関連する切断部材５と連結
軸６と共に、ばね１６の作用に抗して内方に押圧される
。

上述したように、３個のすべての切断部材５を駆動モー
タ１０に連結し、電動機軸９上の単一の中心に配置した
歯車８に３個の歯車７を噛合させる。

第３及び５図に示すように、歯車７のボス１３の空所１
４の壁１９に３個のリブ１８を形成する。

リブ１８は空所１４の軸線方向に延び、壁１９から半径
方向内方に突出し、歯車７の回転軸線２３の周りに等距
離にリブ１８を離間する。

関連する。連結軸６のフランジ１５の周縁に３個の等距
離に離間した凹所２０を形或し、これ等凹所２０の側壁
２１を対応する１個のリブ１８に掛合させる。

従って連結軸６と歯車７との間に３点継手を生じ、歯車
の回転運動を連結軸６に伝えることができる。

この継手により連結軸６を歯車７に対し傾けることがで
き、即ち第３図に示すような位置を占めさせることがで
きる。

この位置では連結軸６の回転軸線２２は歯車７の回転軸
線２３に平行でもなく合致もしない。

各歯車７のボス１３の先端に３個の内方に指向する突部
２４を設け、この突部によりボス１３の空所１４内に関
連する連結軸６のフランジ１５を保持する。

各突部２４の両側にこのボスに軸線方向に延びる溝孔２
５を形成し、これにより突部２４と一体に形成され溝孔
２５の間にあるボスの壁部２６を半径方向に弾性的に動
かすことができるようにする。

このようにしてフランジ１５を形或した連結軸６の端部
を空所１４から簡単に着脱することができる。

歯車７に対する連結軸６のそれぞれ傾いた位置では、連
結軸のフランジ１５の３個の凹所２０の各の側壁２１を
関連するリブ１８に掛合させる。

３個の掛合点では理論的に点接触、線接触又は面接触が
可能である。

また理論的に点接触又は線接触の場合でも、実際上生ず
る摩耗や材料の変形のため狭い面積で局部的に面接触す
る。

従ってここで「３点継手」と称するのは相互に運動的に
限定する連結すべき部分の回転軸線の周りに離間した３
個の場所で点接触、線接触又は面接触することによる継
手を意味する。

最初の接触が３個の場所のうちの唯１個又は２個で生ず
る場合には、接触の３個の場所によって独得の限定位置
が得られるよう２個の部片間に伝えるべきトルクの作用
を受けて連結すべき部片は相互に相対的に自己調整作用
を行なう。

この独得の限定位置に於で、連結すべき部片は回転軸線
に合致して相互に相対的に任意に中心を占めるようこの
継手を配置するのがよい。

このようにして自己心決め継手が得られる。各連結軸１
６のフランジ１５とは反対側の端部に３個の軸線方向に
延びる連結部材２７を形成し、連結軸の回転軸線の周り
にこの連結部材を等間隔に離間する。

連結部材２７を連結片２８の３個の対応する連結口２９
に掛合し、この連結片２８によって切断部材５のボス部
を形或する。

切断部材を省略した第４図に示すように、連結片２８に
環状外部３８と、円筒中心部３０とを設け、３個のスポ
ーク３５によってこの円筒中心部３０を環状外部３８に
連結する。

この円筒中心部３０は連結口２９の境界を構或する。

連結片２８の円筒中心部３０に半球状枢着面３１を設け
、この枢着面に連結軸６の端面３２を圧着し、この連結
軸６の端面を連結部材２７の間に配置する。

このようにして連結軸６を３点継手によって切断部材に
連結し、この３点継手により連結軸と切断部材とを相互
に傾動可能にする。

この継手は連結軸６と歯車７との間の上述の継手と同一
の性質を有し、自己心決め作用がある。

即ち連結軸６の回転軸線２２は枢着面３１に通り連結片
２８の回転軸線３７に好適に合致する。

上述した既知の継手の構造では切断部材の連結溝孔と、
連結軸の端部の対応する連結ピンとを具えており、継手
の２個の部分の整合は困難性がある。

これは２個の部分の組立中切断部材を連結軸に最初置く
時、連結ピンは連結溝孔に対し正しい位置にないことが
時時あるからである。

この既知の継手の他の欠点は連結溝孔内の連結ピンに大
きな遊びがあるため、ピンは溝孔内で動き、摩耗し、望
ましくない騒音を発することである。

連結軸６と切断部材５との間の上述の３点継手の場合に
は、連結軸６を回転軸線２２の周りに回転した後、連結
部材２７を連結片２８の連結口２９に直接対向させる位
置に連結軸があり、連結部材２７と連結片２８とを容易
に連結することができる。

更に連結片２８に円錐面３３を設け、連結中、連龜部材
２７を連結口２９に向け案内し連結を一層簡単化するこ
とができる。

同一の条件下で比較しても、３点継手の３個の接触位置
での各表面圧力は２個の位置で接触する継手の場合より
小さく、接触位置における摩耗を減らすことができる。

また既知の構造に比較し、連結部材２７を連結軸６の回
転軸線から比較的大きな半径方向距離離間させることが
できる。

従って連結部材２７によって連結片２８に作用する偶力
は比較的大きいトルクアームを有するので、力を小さく
することができ摩耗を少なくすることができる。

第６図に示すように、各連結部材２７には一側に軸線方
向に延在する面３９を設け、連結片２８の３個のスポー
クの１個に駆動掛合させる。

この連結部材２７の反対側には螺旋状に延びる案内面３
４を設け、連結部材２７と連結片２８とを組立中、切断
部材５を連結軸６に最初置いた時、連結部材２７が連結
口２９に対向しなかった時、この案内面３４は連結軸上
のばね１６の作用によりスポーク３５の１個の上に滑り
、連結口２９内への連結部材の進入を制御し衝撃を伴な
う急激な嵌合は生じない。

またこの螺旋形案内面３４によって切断部材５と連結軸
６との自動的な連結を容易にする。

スポーク３５に面３６を設け、連結部材２７の軸線方向
に延在する面３９に掛合させ、連結軸６と切断部材５と
の間の３点継手を生ぜしめる。

切断部材５の回転軸線３７を含む平面に対じ面３６をそ
れぞれ僅かに傾け、それぞれのスポーク３５に対じ面３
６を平行に延在し、連結部材２７と連結片２８との間の
接触位置に影響を及ぼすことができる。

切断部材と連結軸とを２点位置で連結したひげそり器が
提案されているが連結部の加工を厳密にする必要があり
、そのためひげそり器の価格が高くなる欠点がある。

本発明による３点継手は自己調心性があり、２点継手よ
り加工精度を要せず、摩耗を減らし、騒音を少なくする
ことができる。

３点継手が自己調心性を有することを次に説明する。

第７図に２点継手を採用する切断部材を中心がＭ１の円
１００で示し、この切断部材の直径位置にある側壁１０
２，１０３に、中心Ｍ２の駆動軸のリブＡ，Ｂを掛合さ
せて、切断部材をＰの方向に回転させるものとする。

リブＡ，Ｂによって切断部材にＮＡ，ＮＢの力を加えて
切断部材を回転させる。

駆動軸の中心Ｍ２がＭ２′に移動し、リブＡ，Ｂがａ／
， Ｂ／に移動したとしても自己調心性は全くない。

次に第８図に３点継手を線図的に示し、この場合は中心
Ｍ１の切断部材１００には１０２ ，１０３，１０４の
３個の側壁があり、駆動軸の３個のリブＡ，Ｂ，Ｃはこ
れ等側壁に掛合し、切断部材をＰの方向に回転させる。

この場合、すべてリブＡ，Ｂ，Ｃがすべての側壁に掛合
する位置は唯１個しかなく、これ以外の位置では例えば
破線のｌ ， Ｂ／Ｃ′のようにＣ′は側壁１０４から
離れており、駆動軸の中心はｖ２に移っている。

この時駆動軸が切？部材の側壁に作用する力はＮＡ，Ｎ
Ｂのみであり、これ等の力をＸ方向とＹ方向とに分ける
とＮＡＮＡＸ＋ＮＡＹ ，ＮＢ”ＮＢＸ＋ＮＢＹになり
、ＭＡＹとＮＢＹとは大きさ等しく方向反対と考えるこ
とができるからＹ軸方向の力は打消し合いＸ軸方向にＮ
ＡＸ＋ＮＢＹの力のみが切断部材に作用する。

その方向は第８図で見て右の方向に向いている。

従って駆動軸に対してはこの反力が第８図で見て左の方
向に作用するから、、駆動軸の右にずれている中心Ｍを
原位置のＭ２に復帰する作用を生ずる。

即ち３点継手の場合は２点継手と異なり自己調心作用が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明ひげそり器の一例の正面図、第２図は第
１図のひげそり器のｎ−Ｕ線上の断面図、第３図は本発
明ひげそり器の切断部材と連結軸とを示す断面図、第４
図は第３図の連結軸と切断部材の一部の平面図、第５図
は第３図の■−■線上の断面図、第６図は本発明ひげそ
り器の連結軸の斜視図、第７及び８図は本発明ひげそり
器が採用した３点継手の自己調心性を説明するための図
である。 １・・・・・・ハウジング、２・・・・・・剪断板ホル
ダ、３・・・・・・剪断板、４・・・・・・毛貫入孔、
５・・・・・・回転切断部材、６・・・・・・連結軸、
７，８・・・・・・歯車、９・・・・・・電動機軸、１
０・・・・・・電動機、１１・・・・・・スピンドル、
１２・・・・・・取付板、１３・・・・・・中空ボス、
１４・・・・・・空所、１５・・・・・・フランジ、１
６・・・・・・コイルばね、１１・・・・・・端縁、１
８・・・・・・リブ、１９・・・・・・壁、２０・・・
・・・凹所、２１・・・・・・側壁、２２・・・・・・
回転軸線、２３・・・・・・回転軸線、２４・・・・・
・突部、２５・・・・・・溝孔、２６・・・・・・壁部
、２７・・・・・・連結部材、２８・・・・・・連結片
、２９・・・・・・連結口、３０・・・・・・円筒中心
部、３１・・・・・・半球状枢着面、３２・・・・・・
端面、３３・・・・・・円錐面、３４・・・・・・案内
面、３５・・・・・・スポーク、３６・・・・・・面、
３７・・−・・・回転軸線、３９・・・・・・面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 毛貫入孔を有する剪断板と、この剪断板に対し回転
   し得る切断部材と、一端をこの切断部材に回転するよう
   連結し他端を駆動機構に連結した傾むくことができる回
   転自在の連結軸とを具える浮動ひげそりヘッドを有する
   乾式ひげそり器に於で、連結すべき一方の部分にはほぼ
   半径方向に延びる側壁２１を有する等間隔に離間した３
   個の凹所２０を設け、連結すべき他方の部分には前記側
   壁２１に掛合しほぼ軸線方向に延びる等間隔に離間した
   ３個のリブ１８を設けることによって前記連結軸の少な
   くとも一端に於ける連結を３点継手にしたことを特徴と
   する乾式ひげそり器。 ２ 前記切断部材の３個の連結口をこの切断部材の回転
   軸線の周りに分散させ、前記連結軸の前記一端に３個の
   軸線方向に延びる連結部材を設け、この連結部材を前記
   連結口に掛合させた特許請求の範囲１に記載の乾式ひげ
   そり器。 ３ 各連結部材の一側の面を前記連結口の１個の壁に掛
   合させて前記連結軸の前記一端の３点継手の３個の接触
   位置の１個を構或し、各前記連結部材の反対側の面を連
   結軸に対し螺旋形に延在して前記切断部材の一部に共働
   させ得るようにし前記切断部材と連結軸とを組立中前記
   切断部材を前記連結口の１個に案内する特許請求の範囲
   ２に記載の乾式ひげそり器。 ４ 前記連結軸の前記他端に設けたフランジを前記駆動
   機構の歯車のボスの空所内に収容し、前記フランジを前
   記空所内で動かし得るようにして前記歯車に対し前記連
   結軸を傾け得るようにし、３個のリブを前記空所の壁に
   形成して前記フランジの周縁の３個の凹所に掛合して前
   記連結軸の前記他端に３点継手を形或し、前記歯車の回
   転軸線に平行にこの回転軸線の周りに前記リブを分散さ
   せ、対応して前記凹所に前記連結軸の回転軸線の周りに
   分散させた特許請求の範囲１，２及び３のいずれか１つ
   に記載の乾式ひげそり器。