JPS5844515B2 - ミズフンシヤスイシンキ ノ リバ−スソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、水噴射推進機のリバース装置に関するもので
ある。

水噴射推進機を用いた高速艇においてはその構造が簡単
であるためデフレクタ方式ノリハース装置をつけたもの
が多いが、このデフレクタ方式のリバース装置付の艇で
は、リバース操作時又はニュートラル操作時にデフレク
タ開閉に伴い噴流が下方に噴射する時がある。

この時下方へ噴射する噴流の反力は、艇体の後方（Ｓｔ
ｅｒｎ）を持ち上げるように作用し、特に艇長の短い小
型プレジュアボート等では、高速で航走中にリバースや
ニュートラルに操作をすれば第３図示の如く艇首（Ｂｏ
ｗ ）が急速に水中に突込みいわゆる潜頭現象（Ｎｏ５
ｅ Ｄｏｗｎ ） Ｅ生じて、操縦者が前方へ投出され
たり、ステアリングハンドルに体を打ちつけたりする様
な危険があった。

そこで本発明は、デフレクタ３０により開閉される前進
用の噴出孔２７ａ’＆有するノズル２１の下部に後進用
噴出孔２７ｂを形成し、該後進用噴出孔２７ｂの下面を
ノズル２γの後方に延在させ邪摩板を設け、前記デフレ
クタ３０の操作時、前記デフレクタ３０の端面に伴に後
進用の噴出孔２７ｂに対向する噴出孔を形成して、前後
方向のみの噴流とした述の如き危険を防止した水噴射推
進機のリバース装置を提供しようとするものである。

以下添附図面により本発明の一実施例を説明する。

尚本発明を説明する前に第１〜第３図により従来品の構
成及びその欠点を説明する。

又、第４図中の符号と第１図〜第３図中の符号と同一符
号のものは、同じ部材又は部分である。

第１図に於て、１０は艇体で、該艇体のハル（Ｈｕｌｌ
） １１及びトランサム（Ｔｒａｎｓｏｍ ） １２に
は、ポンプケーシング２１に固定したＬ型のフランジ２
２．２３により水噴射推進機２０がボルト・ナツト等の
適当な手段で固定されている。

前記ポンプケーシング２１の後方にはステータハウジン
グ２４が固着されており、更に該ステータハウジング２
４の後方には枢軸２５．２６により水平方向に揺動可能
にノズル２７が枢支されている。

前記ポンプケーシング２１内には図示しない羽根車が配
設され、該羽根車の回転により前記フランジ２１の内方
の吸入孔より水が吸入され前記ノズル２７を通りその後
方に噴出されるようになっている。

前記ノズル２７の後方には艇の前進用の噴出孔２７ａが
設けられており、前記ノズル２７の後方の下部には水流
を前方へ噴出するための後進用噴出孔２７ｂが設けられ
ている。

前記ノズル２１の左右即ち図面の垂直方向−Ｌ下にはピ
ン２８によりデフレクタ３０が枢支されている。

前記デ゛フレクタ３０の前記ピン２８から偏らした位置
には、コントロールケーブル３１が連結され、艇の操縦
席での前記コントロールケーブル３１の操作により前記
デフレクタ３０をして前記ノズル２７の前記前進用噴出
孔２γａを閉じる位置（第２図の２点鎖線の位置）と前
記前進用噴出孔２７ａを開いた位置（第１図示の位置）
との間で変位せしめれ ようになっている。

前記デフレクタ３０が開いた第１図示の状態にあれば、
ノズル２７からの噴流は第１図の矢印Ａの如くノズル２
７の前進用噴出孔２γａから後方へ噴出され艇は前進す
る。

デフレクタ３０を第２図の２点鎖線で示した位置に閉じ
れば、前進用噴出孔２７ａは閉じられ、ノズル２７から
の噴流は後進用噴出孔２７ｂから前向即ち第２図の矢印
Ｂ方向へ噴出され艇は後退する。

この前進と後退の切換時又はニュートラルにした時には
、デフレクタ３０は一時又は長時間第２図に実線に示し
た位置になる。

この時ノズル２７からの噴流は、主としてノズル２１の
前進用噴出孔２７ａの右端部とデフレクタ３０のト端部
との隙間から矢印Ｃの方向即ち略下方向に噴出する。

このため艇が高速で航走中に急速に後退に切換えるか又
はニュートラルに切換えれば、艇は高速で前進滑走して
いるが、この時上述の下方への噴流（矢印０）が発生し
、こ０つ噴流の反力で艇の重心ＣＧに対し艇後方（Ｓ
ｔｅｒｎ）１０ ａが上方即ち矢印り方向に持ち上げら
れ艇前方（Ｂｏｗ）１０ｂが水面１００内に突込みいわ
ゆる層頂現象（Ｎｏｓｅ Ｉ）□ｗｒ＋ ）が生じる。

この層頂現象により操縦者は高速前進滑走時の慣性によ
り前方即ち矢印Ｅ方向に飛び出してステアリングハンド
ル３３に衝突するかあるいは更に前方へ放り出されるこ
とになる。

このため本発明はこの前進と後退又は中立との切換時の
層頂現象を防止するためノズル２γの後方下部２γＣを
第４図に示す如く、デフレクタ３０が中立位置付近にあ
る時にも噴流が下方に向かわなくする様に下方へ向う噴
流の流路を元方遮断するだけ後方へ延在させたもので、
その他の部分は前述の第１図〜第３図示の従来品と同じ
である。

第４図示の本発明装置によれば、実線で示したデフレク
タ位置即ちニュー１−ラル位置ではノズル２γからの噴
流はデフレクタ３０により下方に向けられるが、７′ズ
ル２７の後方下部に設けられた延在部２７ｃで後方即ち
矢印Ｆ方向と前方即ち矢印Ｂ方向とに分けられて夫々正
反対方向にある後進用噴出孔２７ｂとデフレクタ３０の
端面と延在部２７ｃとで形成された噴出孔から噴出し、
この両者の噴流の反力が釣合い艇は前進も後退もしない
一ニュートラル位置が得られる。

又、前進から後退への切換時にもこのニュートラル位置
を通過してデフレクタ３０は操作されるが、この時もニ
ュートラル時と同様にノズル２γからの噴流は前方又は
前方と後方という夫々正反対方向に向けられ艇の後方（
Ｓｔｅｒｎ）１０ａを持ち上げようとする力は発生なく
なり、艇の層頂現象は全く発生しなくなる。

地上詳述した如く、本発明によればノズルの後方下部を
艇の下方に延在させた延在部を設けたため、後進への切
換時あるいは、ニュートラル操作時に、従来品での第３
図に示した様な艇の前方（Ｂｏｗ ）を水面下に突込む
層頂現象を完全に防止でき、高速航走中に後退あるいは
ニュートラル操作を行なった時にも、操縦者が前方に投
げ出されたり、ステアリングハンドルと衝突したりする
危険は全くなくなるという顕著な効果を有するものであ
る。

その上に、通常水面より上方にあるデ゛フレクク３０に
曲面をもたせて、邪魔板２７ｃを後進用噴出孔２１ｂの
下面を後方に延在させて形成しているから、前進する際
にその推進に対して影響しないという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来品の水噴射推進装置の一部断面正面図、第
２図は同じくデフレクタの操作状態を示すノズル部の拡
大詳細説明図、第３図は置じくデフレクタの操作時の艇
の状態図、第４図は本発明の一実施例のノズル部の一部
断面正面図である。 ２０・・・水噴射推進機、２７・・・ノズル、３０・・
・デフレクタ、 ２７ｃ・・・邪魔板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 原動機によって駆動される羽根車による噴流を後方
   に噴出する前進用噴出孔を有するノズル、該ノズルの下
   部に形成した水流を前方に噴出する後進用噴出孔、前記
   ノズルに軸支され前記前進用噴出孔を開閉すると伴に、
   噴流を円滑に前方に向うよう曲面とされたリバースデフ
   レクタ、前記後進用噴出孔の下面をノズル後方に延在さ
   せて設けられ、前記リバースデフレクタの操作時、前記
   リバースデフレクタの端面と伴に前記後進用噴出孔に対
   向する噴出孔を形成する邪魔板とからなる水噴射推進機
   のリバース装置。