JPS5841398Y2 - カ−トリツジシヨツクアブソ−バ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、アウターシェルに備えた懸架ばね特性を変
えることなく、減衰力を高くしうるカートリッジショッ
クアブソーバに関する。

ショックアブソーバにおける懸架ばねは、当該ショック
アブソーバの減衰力に合せて、そのばね特性を定めてい
る。

たとえば、スポーツ走行やラリ−走行の場合には、シャ
ープな操縦性を維持するために、通常のものより減衰力
を高くし、それにともなって懸架ばねのばね定数も高く
している。

したがって、通常走行用の懸架ばねを備えたアウターシ
ェルに、スポーツ走行等に用いる減衰力の高いカートリ
ッジを組み込む場合には、懸架ばねを交換しなければな
らず、きわめて不経済となる。

この点を解決するために、カートリッジの封入ガス圧を
高くすることも考えられるが、この場合には別の欠点が
顕著となる。

すなわち、上記のように封入ガス圧を高くすると、第４
図に示すように、ガス反発力と懸架ばね特性との和が合
成ばね特性ということになるので、その反発力がかなり
高くなり、車高を上げてしまう。

特にこの種のショックアブソーバは、前輪懸架に使われ
るので、車体の前側が高くなり、そのために視界を著し
く悪くする。

この考案は、懸架ばねそのものを取り代えることなく、
ガス反発力を、必要に応じて、調整できるようにしたカ
ートリッジショックアブソーバの提供を目的にする。

図示の各実施例について説明する。

第１図に示した第１実施例において、アウターシェル１
はナックル２に圧入され、溶接部３によってロアキャッ
プ４とともに、そのナックル２に固定されている。

上記アウターシェル１の外側所要個所には、ばね受け５
が設けられ、とのばね受け５によって懸架ばね６の下端
が支持されるとともに、懸架ばね６の上端は、公知の方
法で車体側に支持される。

なお、との懸架ばね６は、通常走行に合せたばね定数を
保持している。

上記アウターシェル１には、この考案にかかるカートリ
ッジショックアブソーバが組込まれるが、このカートリ
ッジショックアブソーバを構成するアーウターチューブ
Ｉをアウターシェル１に内装固定することによって、シ
ョックアブソーバを一括してセットし５る関係にしてい
る。

そしてこの考案のカートリッジショックアブソ−バは次
のように構成される。

すなわちアウタ・−チューブγの下端にはロアキャップ
８がかん着され、このロアキャップ８はその中央部を凹
ませるとともに、その凹部に対応する外側を凸出させで
いるもので、その凸部はアウターシェル１の前記ロアキ
ャップ４の凹部と相１ってアウターチュー７’７の下端
を必然的にアウターシェル１の中心に位置決めするもの
である。

上記アウターチューブＴに挿入されるシリンダ９内には
、ピストンロッド１４の下端に固定されたピストンアッ
センブリ１５が摺動自在にかん装すレ、シリンダ９の下
端にはベースバルブアッセンブリ１０を備えるとともに
、上端には上記ピストンロッド１４を摺動自在にかん台
支持するベアリング１１ががん着されている。

ただしこのベアリング１１の外径はアウターチューブγ
の内径より小径にし、それら両者間に若干の間隔を保持
するとともに、この間隔にはパツキンブース１２がはめ
込まれ、これら三者を一体的に接着している。

上記パンキンブース１２はその上端開口をやや縮径し、
その中にオイルシール１３を保持させているものである
。

なお図中符号１６はシリンダ９とアウターチューブγと
の間に形成された環状油室である。

そしてスポーツ走行等その用途に合わせて、当該カート
リッジの減衰力を高くする場合には、環状油室１６内の
封入ガス圧を高くするが、これにともなって、本考案に
おいてはそのガス圧と反発する関係にした調整ばね１８
を、前記ベアリング１１とピストンアッセンブリ１５間
に内装している。

このようにすれば、第３図に示すように、ガス反発力と
調整ばね１８の反力とが打消し合うので、当該車の通常
使用状態（ＩＧの状態）では、懸架ばね６のみが作用し
て車体重量とバランスする。

また、当該ショックフブソーバに荷重が作用し、それが
伸縮する過程における合成ばね特性は（ガス反発カー調
整ばね反力）十懸架ばね反力ということになるので、当
該ショックアブソーバの圧縮時には、合成ばね特性が高
くなり、高い減衰力に対応しうるものである。

第２図に示した第２実施例は、第１実施例の複筒式に対
して、単筒式のカー） ＩＪッジを用いた場合であり、
アウターシェル及び懸架ばねば、前記第１実施例と全く
同様である。

しか１７で、この第２実施例に釦いて、シリンダ１９に
はピストンロッド２０が内装されるとともに、このピス
トンロッド２０の下端には、ピストンアッセンブリ２１
を備えている。

さらにこのピストンアッセンブリ２１の下方には、フリ
ーピストン２２を内装しているが、このフリーピストン
２２の下方にガス圧を封入するものである。

そしてピストンアッセンブリ２１０２枚のバルブストッ
パ２３．２４とシリンダ１９の上側に設けたばね受け２
５どの間に、前記ガス圧に反発してバランスする調整ば
ね２６を介在させている。

したがって、合成ばね特性は、前記第１実施例と同様、
第３図に示すとおりとなり、ＩＧの状態ではバランスす
るとともに、圧縮時には高い特性を得られるものである
。

なお、図中符号２７はベアリング、２８はオイルシール
である。

なお、上記第１．２実施例のいずれにむいても、調整ば
ねは、当該ショックアブソーバの伸切り時のリバウンド
ストッパとしても機能するものである。

以上の説明から明らかなように、この考案のカートリッ
ジショックアブソーバによれば、懸架ばねを取り代えな
くても、ガス圧を異にするカートリッジを使用できる。

つまり、この考案は、カートリッジ内に封入したガス圧
に対して、それを打ち消す力を発揮する調整ばねを、上
記カートリッジに内装したので、減衰力を高くするとと
もに、封入ガス圧を高くしても、懸架ばねとガス圧とか
らなる合成ばね特性を、低く押さえることができる。

したがって、アウターシェルおよび懸架ばねをそのまま
にし、カートリッジのみを取り代えることによって、当
該ショックアブソーバの特性を自由に代えられる。

換言すれば、どのような特性を有するカートリッジに対
しても、上記アウターシェルを取り代える必要がなくな
る。

このようにアウターシェルの取り代えを必要としないの
で、カートリッジタイプの汎用性をより向上させること
になる。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は第１実施例の断面図、第２図は第２実施例
の断面図、第３図は両実施例の合成ばね特性を示すグラ
フ、第４図は従来の合成ばね特性を示すグラフである。 １・・・アウターシェル、 ６・・・懸架ばね、 １８゜ ２６・−・調整ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 懸架ばねを備えたアウターシェルに組込むカートリッジ
   ショクアブソーバにおいて、上記懸架ハねのばね力と、
   カートリッジ内の封入ガス圧の反発力との合成力に抵抗
   するとともに、車の通常使用状態でほぼバランスする関
   係の調整ばねを、ピストンアッセンブリと、ピストンロ
   ンドのガイド用ベアリングとの間に内装し、どのような
   特性を有するカートリッジを使用しても、上記アウター
   シェルをそのまま使える構成にしたカートリッジショッ
   クアブソーバ