JPS5840960Y2 - ガラス繊維強化プラスチツク溶槽

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【考案の詳細な説明】本考案は内面を化粧したガラス繊維強化プラスチツク浴
槽に関するものである。

内面が化粧されたガラス繊維強化プラスチツク浴槽は、
原型上に透明な樹脂コート層が設けられ、該樹脂コート
層上に、模様付きガラスクロスシートが積層され、その
上に、樹脂含浸クロスマットの裏打ち層が積層され、樹
脂の硬化をまっての脱型により製造される。

しかしながら、か・る浴槽では、樹脂含浸クロスマット
の樹脂を模様付きガラスクロスシートに充分に含浸させ
ることができず、模様付きガラスクロスシートにおける
空気の残留が避けられない。

樹脂含浸クロスマットの積層後に、この表面をロール掛
けにより加圧し、樹脂含浸クロスマットの樹脂を極力、
模様付きガラスクロスシートに含浸させる処理を施して
も、上記した空気の残留は避けられない。

このため、浴槽使用中でのヒートサイクルにより、残留
空気が膨張、収縮し、浴槽内面に凹凸が発生する、裏打
層と模様付きシートとの層間剥離が惹起される等の不都
合が往々にしである。

また、浴槽の天面を一枚の模様付きシートで化粧するこ
とは至離であり、模様シートの継目の発生が避けられな
いため、見映えが悪い、或いは継目を外見上消去するた
めに、やっかいな処理が必要であるといった不利もある
。

更に、模様シートの印刷模様で、模様が定められてしま
うため、模様シートの変更がない以上、化粧のモチーフ
の変更は無理であるといった不利もある。

本考案に係るガラス繊維強化プラスチツク浴槽は、上述
の点に鑑みて案内されたものであり、最内層の透明ゲル
コート層の外面に、模様片または粒子が散在され、その
上に着色のパックゲルコート層が設けられ、該パックゲ
ルコート層の外面に、樹脂含浸マットの裏打ち層が設け
られていることを特徴とする構成である。

以下、図面により本考案を説明する。

図において、１は透明なゲルコート層であり、透明ポリ
エステル樹脂が使用されている。

２，２・・・・・・は透明ゲルコート層１の外面上に散
在された模様片であり、例えば、着色ガラスクロスを花
形に切断したものが使用されている。

３は着色のパックゲルコート層であり、着色ポリエステ
ル樹脂が使用されている。

４は樹脂含浸ガラスクロスマット、例えばポリエステル
樹脂含浸ガラスクロスマツトノ裏打ち層である。

上記の浴槽は、ハンドレイアップ法により成形され、樹
脂の硬化をまっての脱型により製作される。

上記において、模様片２，２・・・・・・には、色の異
なる数種のプラスチック裁断片を使用し、着色のバック
ゲルコート層３には、チタンホワイト混合の樹脂を使用
することができる。

この場合、模様片に、例えば赤、青のものを使用に、こ
れら模様片を部分的に重ねるようにして散在させれば、
重なり部分が紫色を呈し、２色の模様片で３色の模様を
構成することができる。

また、模様片に変えて着色のガラス粒子を使用すること
もできる。

更に、模様片として金箔または銀箔を使用し、着色のバ
ックゲルコート層には、カーボンブラック混合の樹脂を
使用して、蒔絵様の模様を構成することもできる。

本考案に係るガラス繊維強化プラスチツク槽は、上述し
た通りの構成であり、模様片と着色のバックゲルコート
層とにより化粧されているから、模様付きシートを使用
する場合の継目の問題がなく、継目を外見上消去するた
めのやっかいな処理が不要である。

更に、模様片の形状はそのま・でも、模様片の散在パタ
ーンをかえるだけで、モチーフの異なる化粧を施すこと
ができ、さしたる手間をがけることなしに化粧の趣きを
異にする浴槽が得られる。

また、模様片としてガラスクロスを使用する場合でも、
ガラスクロス模様片が部分的に配されるだけであるから
、模様印刷ガラスクロスシートを使用する場合に較べ、
空気の残留はごく僅かにとどめられ、既述した層間剥離
、浴槽内面の凹凸化等の不具合も充分に防止できる。

また、金属箔を使用するときは、はぼ一様に散布しても
、その金属箔の状態（直立、水平、傾きの程度）によっ
て、模様を現出できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るガラス繊維強化プラスチツク浴槽を
示す説明図である。図において、１は透明ゲルコート層、２，２・・・・・
・は模様片、３は着色バックゲルコート層、４は裏打ち
層である。

【実用新案登録請求の範囲】

最内層の透明ゲルコート層の外面に、模様片または粒子
が散在され、その上に、着色のパックゲルコート層が設
けられ、該パックゲルコート層の外面に、樹脂含浸マッ
トの裏打ち層が設けられていることを特徴とするガラス
繊維強化プラスチツク浴槽。