JPS5837951Y2 - ガス吹き込みパイプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は溶銃あるいは溶鋼の脱硫、脱珪、脱燐および温
度調整等、溶融金属の処理に使用する、不活性ガスある
いは各種処理剤を不活性ガスと共に溶融金属中に吹き込
むガス吹き込みパイプの改良に関する。

従来、使用されているガス吹き込みパイプ１には、第１
図および第２図（２０チヤージ使用後）に示すごとく、
金属管２の外周に金網３を巻き付け、不定形耐火物をラ
イニングして、不定形耐火物層４を形成したものがある
が、このような構造のガス吹き込みパイプ１は、溶融金
属中に浸漬すると、不定形耐火物層４は急熱されて温度
勾配がきつく、体積変化が偏り、一巻の金網３では不定
形耐火物層４自体の熱応力による亀裂（縦、横）および
剥離５の発生を抑制できず、亀裂の拡大も防げながった
。

そのため、この亀裂および剥離５が容易に拡大し、溶融
金属を金属管２にまで簡単に浸入させ、金属管２を溶損
して使用不可能となり、ガス吹き込みパイプ１の寿命を
著しく短かくしていた。

本考案は上記従来例の欠点を解消し、耐用回数の延長を
図ったガス吹き込みパイプを提供することを目的とする
。

以下、本考案を第３図および第４図に示す一実施例にも
とすいて説明する。

第３図に示すごとく、金属管７の外周の長さ方向に、直
径の異なる筒状の金網を３層構成とした多層金網８を通
して、固定部材９を金属管７と多層金網８に溶接して互
いに固定する。

多層金網８を金属管７に固定したのち、吹出しノズル１
０を金属管７の先端部に溶接し、不定形耐火物をライニ
ングして多層金網８を埋設した不定形耐火物層１１を設
けて、ガス吹き込みバイブロを形成する。

多層金網８は直径の異なる筒状の金網を多層構成とし、
互いに丸鋼棒等を溶接して固定しており、２層および４
層構成としても良い。

なお、１２は膨張代で金属管６の直径方向の熱膨張を吸
収する。

このように構成した本考案のガス吹き込みバイブロは、
溶融金属中に浸漬して使用中に、溶融金属の高温により
不定形耐火物層１１が急熱され、温度勾配がきついため
に大きな熱応力が発生しても、長さ方向と円周方向およ
び直径方向とに多層金網８が強固に補強しているため、
熱応力による縦亀裂の発生を抑制でき、発生した亀裂の
拡大も抑制し、表面剥離を防ぐことができる。

次に、本考案の実施例を示し、従来のガス吹き込みパイ
プと比較する。

外径６０．５ｍｍφ、肉厚５．５ｍｍ、長さ４．７ｍの
鋼管に、中アルミナ質キャスタブル（Ａ１２０３５０％
）を外径２５０ ｍｍφの厚さにライニングするガス吹
き込みパイプにおいて、本考案品と従来品を比較した。

なお、金網は線径０．５〜２ｍｍφ、網目１０〜４０ｍ
ｍのものを使用するのが望ましい。

上記の比較は溶銑に窒素ガスとともに炭化カルシウムを
吹き込む脱硫作業で行なった。

溶融金属の浸入による金属管溶損によるガス吹き込みパ
イプの廃却比率は従来品は７５％であったが、本考案品
は３０〜３５％に低減し、平均耐用が従来品に比較して
約１．５〜１．７倍に延びた。

このように本考案によれば、亀裂の発生を抑制でき、ま
た発生した亀裂の拡大も抑制し表面剥離を防いで、ガス
吹き込みパイプの耐用寿命を太きく延ばすことができた
。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の２０チヤージ使用後のガス吹き込みパイ
プの一部縦断面図、第２図は第１図のＡＡ断面矢視図、
第３図は本考案によるガス吹き込みパイプの一実施例の
縦断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ断面矢視図。 図中、６・・・・・・ガス吹き込みパイプ、７・・・・
・・金属管、８・・・・・・多層金網、９・・・・・・
固定部材、１１・・・・・・不定形耐火物層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属管７の外周の長さ方向に多層金網８を通して該金属
   管７に固定し、不定形耐火物をライニングして該多層金
   網８を埋設した不定形耐火物層１１を設けてなるガス吹
   き込みパイプ。