JPS5823181Y2 - 電線接続用防水コネクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電線接続用防水コネクタに関するものであ
る。

電線被覆の絶縁化に伴い安全性は大きく向上したが、電
線被覆内部に水分等が浸入した場合、内部にそれが溜り
、大気中の有害ガスを溶解し腐食性水溶液となり、この
水溶液が導体を腐食し、最後に導体破断に至る。

この水分の浸入個所は接続部分が大半をしめているため
この接続部分の防水化が要求されているが、従来のもの
はカバー等を利用したテープ処理であるため防水性能が
悪く、またこの方式では接地が困難であり、その上部品
の種類が多く柱上作業がやりにくい欠点があった。

この考案はこれらの欠点を除去し、防水性能が高くしか
も柱上での作業が容易な防水コネクタを提供することを
目的としたものである。

以下この考案の構造を図について説明すると１は被覆電
線、２はこの被覆電線１の被覆をはがして露出せしめた
芯線、３は二つ割れの各コネクタ片、４は各コネクタ片
の内側面上方左右端に設けた断面半円形の電線把持溝、
５はこの左右側の電線把持溝４の夫々の内側に設けた、
溝４より大径な断面半円形の大径溝、６はこれらの大径
溝５間に設けた、溝４より小径な断面半円形の芯線把持
溝で、これらの電線把持溝４、大径溝５、芯線把持溝６
の中心軸は同一線上に位置している。

７は各コネクタ片３の内側面下方左右端に設けた断面半
円形の分岐線用両端溝、８はこれの分岐線用両端溝７間
に設けた分岐芯線把持溝、９はこれらのコネクタ片３中
夫に貫通するボルトで、このポルｌ−９端には図外のナ
ツトが螺着されている。

１０はコネクタ片３の内側面、及び電線把持溝４、分岐
線用両端溝７の各内周面に塗布した自己融着性ポリエチ
レンパツキン、１１は分岐線、１２は分岐線１１端の芯
線、１３はこの芯線１２端に被冠固定した絶縁キャップ
で、上記コネクタ片３の芯線把持溝６内周に上記被覆電
線１の芯線２を当て、また被覆電線１の被覆端１ａ、ｌ
ｂが大径溝５個所にくるように被覆電線１外周を電線把
持溝４内周に当てさらに分岐線１１の芯線１２を分岐線
把持溝８に当て絶縁キャップ１３を分岐線用両端溝７の
一方へ、また分岐線１１を他方へ入れ、この上より他方
のコネクタ片３を重ね合わせ、ボルト９及び図外のナツ
トで締め付ける。

１４は大径溝５内に封入された防水コンパウンドで、こ
れは二つのコネクタ片３の大径溝５に予め封入しておく
か、二つのコネクタ片３を重ね合わせた後、外部より大
径溝５へ通じる通路により防水コンパウンド１４を充填
してもよい。

この考案は以上の構造であり、コネクタ片３，３をボル
ト９で締め付けることにより、被覆電線１の芯線２は芯
線把持溝６に挾持され、被覆端１ａ。

１ｂは大径溝５，５の防水コンパウンド１４内に位置す
る。

従って被覆電線１とは芯線把持溝６内周面で、また分岐
線１１とは分岐芯線把持溝８内周面で電気接続する。

そして電線把持溝４，４及び分岐線用両端溝７，７と被
覆電線１及び分岐線１１と間の自己融着性ポリエチレン
パツキン１０が圧縮されることにより、これらの溝の電
線と間からこの考案のコネクタ内部へ水が浸入する虞れ
はない。

また万一電線把持溝４，４より水が浸入した場合でも、
大径溝５，５内に封入された防水コンパウンド１４によ
り芯線２への水の浸入はまぬかれる。

また上記実施例では、分岐線１１の芯線１２端に絶縁キ
ャップ１３が被冠されており、芯線１２はコネクタ片３
，３外部へは露出しておらず、上述の如く自己融着性パ
ツキン１０の介在と相俟って芯線１２への水の浸入の虞
れはない。

この様にこの考案のコネクタは防水化されているため、
該個所より幹線、分岐線への水の浸入を防止でき、ひい
ては電線素線の腐食防止、腐食割れによる断線防止とも
なる。

またこの考案はボルト９の締め付けによりコネクタ片３
，３の被覆電線１及び分岐線１１への接続及び防水化が
行え極めて作業性が良い。

さらにこの考案の上に従来のカバーを被せて使用するこ
とができ、また自己融着性パツキン１０の交換のみで再
使用が可能であり、永年使用できる。

なおこの考案は使用前にコネクタ片３内側面に施した自
己融着性ポリエチレンパツキン１０の融着防止のため、
パツキン１０間にセパレーターを入れ、使用時にセパレ
ーターを取り外し作業すればよい。

またパツキン１０のずれ防止用にコネクタ片３各内側面
に小さい多数の溝を設けてもよい。

以上の如くこの考案は防水性能が高く特に幹線への水の
浸入を防止する効果を有し、さらにボルト９とナツトの
締め付けによりコネクタを被覆電線１及び分岐線１１に
取付けることができ極めて作業性の良いもので゛ある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し第１図はこの考案の分解
斜視図、第２図はこの考案の使用状態を示す斜視図、第
３図は同被覆電線把持個所の断面図、第４図は同分岐線
把持個所の断面図である。 なお図中 １は被覆電線、２は芯線、３はコネクタ片、
４は電線把持溝、５は大径溝、６は芯線把持溝、７は分
岐線用両端溝、８は分岐芯線把持溝、９はボルト、１０
は自己融着性ポリエチレンパツキン、１１は分岐線、１
２は芯線、１３は絶縁キャップである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 二つ割れのコネクタ片３，３の各内側面上方左右端から
   中央へ順に断面半円形の電線把持溝４，４、大径溝５，
   ５、芯線把持溝６を夫々穿ち、各内側面下方左右端及び
   これらをはさんだ中央部には断面半円形の分岐線用両端
   溝７，７及び分岐芯線把持溝８を穿ち、各コネクタ片３
   の内側面、電線把持溝４，４及び分岐線用両端溝７，７
   の各内周面には自己融着性ポリエチレンパツキン１０を
   施し、これらの二つのコネクタ片３，３を合せて被覆電
   線１及び分岐線１１を把持せしめ、各コネクタ片３を貫
   通するボルト９及びナツトで締め付け、上記芯線把持溝
   ６内周で、被覆電線１の芯線２を、電線把持溝４，４内
   周で被覆電線１の被覆部分を、また分岐線用両端溝７．
   ７内周で分岐線１１の被覆部分及び芯線１２端に被冠し
   た絶縁キャップ１３を、分岐芯線把持溝８内周で分岐線
   １１の芯線１２を夫々把持せしめ、上記大径溝５，５内
   には防止コンパウンド１４を充填せしめたことを特徴と
   する電線接続用防水コネクタ。