JPS5822333Y2 - スイシヨウシンドウシ

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【考案の詳細な説明】本考案は数ＭＨｚ〜１０ＭＨｚ帯において使用する円
板状のＡＴカット厚みすべり水晶振動子に関する。

水晶のＡＴカット厚みすべり振動子はその周波数温度特
性が良好であることから広く使用されている。

ところでこのような振動子を励振する場合、目的とする
振動モードのみで励振させることが望ましい。

このためには厚みすべり振動子では周波数の決定寸法で
ある厚みに比してその輪郭寸法を充分大きくとることが
必要である。

しかしながら、この種の水晶振動子を通信機等で標準周
波数の発生源等として用いる場合、振動子の大きさに制
約を受は上記の要求を満足させることは困難である。

このために従来振動子の輪郭部分の厚みを中心部に比し
てうずくして振動エネルギーを振動子の中心部分にとじ
こめるようにした、所謂ベベル加工、コンベックス加工
が行われている。

また振動子の形状も加工の容易さから円板状のものが多
用されている。

第１図ａ、ｂは従来のこの種の水晶振動子の一例を示す
図でａは平面図、ｂは側面図である。

図中１はベベル加工を施した水晶素片、２は振動子１に
蒸着等によって取着した電極、３は引出線である。

また第２図ａ、ｌ）は他の一例を示す図でａは平面図、
ｂは側面図である。

第２図ａ、ｌ）において４はコンベックス加工を施した
水晶素片、５は電極、６は引出線で゛ある。

しかしながらこのような水晶振動子において特に小型な
ものでは加工に高度な技術を必要とし手加工に頼る部分
が多い。

このために生産工程を機械化することは困難で生産性が
低いという問題があった。

本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので容易に機械
加工することができ量産に適する水晶振動子を提供する
ことを目的とするものである。

ところでＡＴカット水晶振動子に真空蒸着等で電極を設
け、厚みすべり振動をさせた場合その変位方向は水晶の
Ｘ軸方向と一致する。

さらに水晶の異方性によってその変位分布は一様でなく
Ｘ軸方向に対しては電極の中央で最大となる正弦半波状
となる。

またＺ′軸方向の変位は電極の中央でほぼ平坦であり、
電極の端部から指数関数的に急激に減少する。

第３図、第４図は半無限水晶板７に電極８を設けた振動
子においてＺ′軸方向およびＸ軸方向の変位を示す図で
ある。

この図からも明らかなようにＺ′軸方向の変位に比して
Ｘ軸方向の変位はすそが広がっており、電極の外部にお
ける等変位線がＸ軸方向に細長い楕円状になっている。

第５図ａ、ｌ）は本考案の一実施例を示す平面図および
側面図で円柱状水晶振動子のＸ軸方向にのみベベル加工
を施し、かつ電極をＺ′軸方向へ導出したものである。

図中９はＸ軸方向にのみベベル加工を施した水晶素片、
１０は電極、１１は引出線である。

このようにすれば水晶素片９の変位のすそが広がって広
範囲に及ぶＸ軸方向に対してだけベベル加工を施してい
るのでベベル加工の工程を簡単にすることができ、しか
もその特性は損なわれない。

したがって機械加工等を容易に行うことができそれによ
って生産性を向上し、量産に適するものである。

なお本考案は上記実施例に限定されるものではなく、た
とえば第６図ａ、ｂに示すように円板状水晶振動子のＸ
軸方向にのみコンベックス加工を施すようにしてもよい
。

第６図ａは平面図、ｂは側面図で図中１２はＸ軸方向に
のみコンベックス加工を施した水晶素片、１３は電極、
１４は引出線である。

なお上記水晶素片１２はそのＸ軸方向にのみ曲率が設け
られている。

この場合も上記実施例と同等の効果を得られることは勿
論である。

以上詳述したように本考案はＡＴカット厚みすべり振動
子において振動エネルギーを振動子の中央部にとじこめ
るために水晶素片のＸ軸方向にのみベベル加工あるいは
コンベックス加工を施すようにしたものである。

したがって電気的特性を損うことなく生産性を向上し、
機械加工を容易に行うことができ量産に適する水晶振動
子を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ、ｌ）、第２図ａ、ｌ）は従来の水晶振動子の
一例を示す図、第３図、第４図は半無限水晶板における
変位を示す図、第５図、第６図は各列の本考案の一実施
例を示す図である。９．１２・・・・・・水晶素片、１０．１３・・・・・
・電極。

【実用新案登録請求の範囲】