JPS5821979Y2 - 合成樹脂製管継手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、合成樹脂管を二次加工して成形する分岐管継
手の構造に関するものである。

合成樹脂製管路、特に硬質塩化ビー−ル管管路に使用す
る口径１５０７７１７７１以上の大口径用分岐管継手は
、合成樹脂管を素材とする組立加工により製作されてい
る。

第１図は、従前のこの種分岐管継手の概要を示すもので
あり、合成樹脂製本管１の周壁上に分岐孔２を穿設し、
その中へ分岐管３の一端を挿入して接合部を溶着若しく
は接着によシ固着する。

その後、両者の接合部Ａにガラス繊維と熱硬化性樹脂よ
り成る所謂ＦＲＰ補強材６を積層固着して、該接合部Ａ
の機械的強度と水密性を保持している。

而して、分岐管継手を埋設使用する場合には、土圧や輪
荷重等によりその接合部に繰返し外部応力が加わる上、
流体による内圧もこれに加わシ、分岐管継手は極めて厳
しい条件下で使用されることになる。

一方、従前のこの種分岐管継手にあっては、第１図に示
す如く本管１と分岐管３とは、溶着若しくは接着により
完全に固着され両者の間に゛逃げ″がないため、外部か
らの応力若しくは衝撃性内圧等による応力歪が生じると
溶着部や接合部Ａに簡単にクラックを生じると−う欠点
があった。

又、外部応力が繰返し加わったり、衝撃性の内圧が加わ
ることにより、ＦＲＰ補強材６と本管１又は分岐管３と
の層間に剥離現象が起生し易く、万一溶着部にクランク
が発生した場合には、剥離間隙から内部流体が外部へ漏
洩するという大きな欠点もあった。

本考案は、大口径用の合成樹脂製分岐管継手に於ける上
述の如き欠点を除き、本管１と分岐管３とを弾性リング
４を介して柔溝造的に接合することにより、外部及び内
部から加わる応力を前記弾性リング４で吸収すると共に
、弾性リング４及び止水リング５により水密性を保持す
るように醜本管１又は分岐管３とＦＲＰ補強材６との層
間剥離や内部流体の漏洩、分岐管３の引き抜は等を完全
に防止し得る合成樹脂製分岐管継手の提供を目的とする
ものである。

以下、第２図乃至第４図に示す本考案の実施例に基すい
てその詳細を説明する。

第２図は、本考案の一実施例を示すＴ型分岐管継手の断
面図であり、図に於いて１は合成樹脂製本管、３は合成
樹脂製分岐管である。

本管１の周壁上には、分岐管３の内径と略同等の直径を
有する分岐孔２が穿設されており、又、該分岐孔２の周
辺部にはＦＲＰ補強材６を積層固着するための段部１ａ
が形成されている。

合成樹脂製分岐管３の下端部には、鍔返し等によシ適宜
の外径の鍔部３ａが一体的に形成されている。

尚、本実施例にあっては、分岐管３の末端を鍔返し加工
することによシ鍔部３ａを一体的に形成しているが、フ
ランジ等を溶接することにより鍔部３ａを形成してもよ
い。

弾性リング４は、厚手のゴム部材をリング状に成形加工
したものであり、断面視に於いて厚肉の下方部と薄肉の
上方部を有する段状に形成されている。

又、前記厚内部の外周面には係止突条４ａが形成されて
かり、前記鍔部３ａの上方に挿着され、分岐管３に密着
固定されている。

止水リング５．５は断面円形のゴム製リングであり、そ
の内径は本管段部１ａの外径よシも稍小さく、リング自
体の弾性力により本管１上へ密着固定されている。

本実施例にあっては、上記弾性リング４及び止水リング
５，５としてゴム部材を使用しているが、テフロン等の
弾性力を有する軟質プラスチック等でもよく、又、止水
リング５，５の断面形状はＵ型やＵ型に形成してもよい
。

Ｔ型分岐管継手の製作に当っては、先ず分岐管３と本管
１の接合部Ａをブライマー剤等により前処理する。

次に本管１へ止水リング５，５を挿着し、且つ鍔部３ａ
の上方へ弾性リング４を挿着した分岐管３を前記分岐孔
２上へ対接させる。

その後両者の接合部Ａに、ガラス繊維とこれに含浸させ
たポリエステル樹脂等より成るＦＲＰ補強材６を順次積
層固着し、該接合部Ａと弾性リング４及び止水リング５
．５とをＦＲＰ補強材６によって囲繞して、本管１と分
岐管３とを夫々組立一体化する。

尚、弾性リング４と止水リング５を止水面へより強力に
圧縮密着させるため、ＦＲＰの積層前に予かじめロービ
ングで弾性リング４等を密着止水面に対してよく締め付
けるか、又は、弾性リング４挿着部の外方のみを予かじ
めリング４の外径より僅かに小さ目にＦＲｐで型成形し
、弾性リング４を圧縮する様にするのが望ましい。

又、本実施例では、ＦＲＰ補強材６をハンドレイアップ
法により積層固着しているが、スプレーアップやプレス
成形してもよいことは勿論である。

第３図は、本考案に係るＴ型分岐継手の作用説明図であ
り、分岐管３等を介して接合部Ａに加わる矢印イ、口方
向の曲げ応力や繰シ返し振動による歪みは、鍔部３ａ上
方に挿着した比較的厚い弾性リング４によって完全に吸
収され）ＦＲＰ補強材６に作用する剥離力は著しく減殺
される。

又、圧力を有する内部流体は、弾性リング４及び止水リ
ング５，５によジ完全に封止され外部へ漏洩することは
ない。

更に、分岐管３に外方への応力が働いても、分岐管３の
鍔部３ａと、弾性リング４の肉厚部の上面に係合するＦ
ＲＰ補強材６の段部内面６ａとが、弾性リング４を挾ん
で対向しているため、分岐管の引き抜けが防止されるこ
とになる。

そのうえ、無理な引き抜は力が掛った場合にも弾性リン
グ４の圧縮化だけの逃げがあるために、分岐管３を本管
１へ固着した場合に比較して、分岐管３の破損がより少
なくなる。

又、配管系のウォータハンマー等によって管継手部に衝
撃性の内圧がかかった場合でも、衝撃圧によって弾性リ
ング４そのものが圧縮され、これによって衝撃性の吸収
が行なわれる。

その結果、管継手の衝撃性内圧に対する耐力性が著しく
向上する。

第４図は、本考案の第２の実施例である十字型分岐管継
手を示すものであり、図に於いて、１は本管、３，３は
分岐管、４，４は弾性リング、５は止水リング、６はＦ
ＲＰ補強材である。

本考案は上述の如き構成であるから、分岐管３に外部か
ら曲げ応力や機械的振動が繰り返し加わり、接合部Ａに
複雑な歪を生じても、或はウォータ・・ンマー等によっ
て管継手部に衝撃性の内圧が加わっても、鍔部３ａとＦ
ＲＰ補強材６との間に挿着した弾性リング４によって完
全に吸収され、本管１及び分岐管３とＦＲＰ補強材６と
の間に層間剥離を生じたり、管継手が破損する恐れは全
くない。

又、分岐管３には鍔部３ａが形成されているため、本管
１と溶着若しくは接着されていなくても、外力により分
岐管３が本管１から離脱することはない。

更に、万一前記層間剥離が生じても、内部流体は止水リ
ング５，５及び弾性リング４のセルフシーリング作用に
より完全に封止され、外部へ漏出することはない。

そのうえ、前記セルフシーリング作用は、内部流体の圧
力が高ければ高い程有効に作用することになシ、極めて
好都合である。

本考案は、上述の如く頗る簡単な構造により、大口径の
高圧用管路に使用した合成樹脂製分岐管継手の施工後の
安全性を著しく向上させることができ、極めて高い実用
的価値を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従前のＴ型分岐管継手の断面図である。 第２図は本考案に係るＴ型分岐管継手の断面図であり、
第３図はその止水作用を示す説明図である。 第４図は十字型分岐管継手の断面図である。 １は合成樹脂製本管、２は分岐孔、３は合成樹脂製分岐
管、３ａは鍔部、４は弾性リング、５は止水リング、６
はＦＲＰ補強材、６ａは補強材の段部内面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁に分岐孔２を穿設した適宜の長さを有する合成樹脂
   製本管１と、下端部に鍔部３ａが形成され、且つ該鍔部
   ３ａを前記分岐孔２の外周部へ対接せしめて略垂直に配
   設した適宜の有さを有する合成樹脂製分岐管３と、前記
   分岐管３の下方部に嵌着した適宜の肉厚を有する弾性リ
   ング４と、前記本管１の分岐孔２の両側に夫々嵌着した
   止水リング５，５と、本管１と分岐管３との接合部Ａ並
   びに各止水リング５，５及び弾性リング４を囲繞して積
   層固着され、本管１と分岐管３を夫々組立一体化するＦ
   ＲＰ補強材６とよシ構成され、前記鍔部３ａと弾性リン
   グ４を覆うＦＲＰ補強材６により分岐管３を抜は止めし
   て成る合成樹脂製管継手。