JPS5817710B2 - 広巾帯状表面処理鋼板の連続製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数の帯状表面処理鋼板を用いて広巾の帯状表
面処理鋼板を連続的に製造する方法に関するものである
。

亜鉛鉄板などの表面処理鋼板は製造技術上の問題から１
．８ｍをとえる広巾のものは製造困難であり、広巾のも
のを必要とするときは複数の表面処理鋼板を接合せねば
ならない。

鋼板の接合法として通常用いられるものにはアーク溶接
法と抵抗溶接法があるが、アーク溶接法では、鋼板を板
厚方向に児全に溶融して接合するだめ、表面のメッキ層
が破壊されこの補修を行なわないかぎり表面処理鋼板の
接合には不適である。

抵抗溶接法で重ね溶接を行なえば溶融部は重合面のみに
彦り、表裏面のメッキ層の損傷は軽減できる。

しかしこの方法によっても、溶融凝固にもとすく歪の発
生は防止できないので、帯状鋼板を長手方向に連続して
接合する場合には歪が蓄積して板を彎曲変形せしめ、矯
正加工を加えないかぎり波を打った鋼板しか製造できな
い。

これを防止するには、間欠的なスポット溶接を行なって
鋼板への入熱量を極力減する必要があるが、反面、気密
性は失なわれるため、表面処理鋼板の主たる用途である
ところの耐蝕性容器、建築物外装等への使用が不可とな
る。

以上のような問題を解決するために、複数の帯状鋼板の
接合物の板面に跨がって接着剤を塗布した接続用鋼製リ
ボンを連続的に供給し、各帯状鋼板と鋼製リボンを適当
間隔でスポット溶接するとの提案がある。

この方法によれば、必要な接合強度は接着剤により得ら
れ、スポット溶接による固定は、接着剤を介して接合さ
れた帯状鋼板と鋼製リボンとが成る程度の接着強度に達
する前に相対的にずれ動くのを防止するのを主目的とす
るだめ、スポット溶接の間隔は大きくてよく、溶接歪の
発生もメッキ層の破壊もわずかである。

しかしながら、この方法では接着剤の塗布量を必要最小
限に制御しないと溶接状態が不安定になるので接合強度
を接着剤のみに依存せず、溶接点の強度にも信頼性を要
求するような目的には問題がある。

また表面処理鋼板が非電導性の被膜処理あるいは塗料塗
布をうけている場合には適用できない。

本発明はこのような場合にも確実な接合方法を提供しよ
うとするものである。

すなわち本発明は、同一面内で平行状態で前進移送され
る複数の帯状表面処理鋼板の接合部の板面に跨がって、
あらかじめ溶接用突起を設けた接続用鋼製リボンと接着
剤とを連続的に供給し、次いで各帯状表面処理鋼板と鋼
製リボンとの重合部をプロジェクション溶接することを
特徴とする広巾帯状表面処理鋼板の連続製造方法である
。

次に本発明を図示の例によって詳細に説明する３第１図
は広巾帯状表面処理鋼板を製造する状態の１例を示す図
であって、１は図示しない複数のペイオフリールから矢
印の方向へ繰り出された帯状表面処理鋼板で、０〜３ｍ
ｍ程度の間隔Ｇを保ちつつ前進移送される。

２は接続用鋼製リボンであって、図示しないリボンフィ
ーダーから送り出され適当な間隔で併動する溶接用突起
（プロジェクション）３を付せられたのち裏面に液状接
着剤が塗布またはフィルム状接着剤が貼付されている。

鋼製リボン２は押えロール５により各帯状表面処理鋼板
の上面に跨がって押付けられる。

６．６′ はプロジェクション溶接機の電極、７はバ
ンクパーであって、電極６，６′ は鋼製リボン２のプ
ロジェクション３が電極の直下にきたときバックパー７
に対して加圧通電され、溶接が行なわれている間は鋼板
と共に進行し溶接が終れば鋼板面から引上げられ、後退
して原位置に復帰する。

これを繰返しながら鋼製リボンと各帯状表面処理鋼板が
連続的に溶接接合される。

第２図は通電の状態を示す図であって、電極６から鋼製
リボン２に伝られた電流はＡ 、 Ａ’ のプロジェ
クション部から各帯状表面処理鋼板に入りＢ 、 Ｂ’
から鋼製リボン２を経て電極６′ へ流れこの際Ａ
、Ａ’、Ｂ、Ｂ’ が溶融してナゲツトを形成する。

このような電流の流れ方をする故、反対側に非電導性被
膜があっても溶接ができる上に帯状表面処理鋼板側には
溶接痕を生じないので美観をそこねることがない。

したがってスポット溶接による場合より適用範囲がひろ
く、接合結果もすぐれている。

なお、電極６，６′ 間の鋼製リボン２および帯状表
面処理鋼板が非電導性被膜をもた々い場合には、バック
パー７内に若干の分流電流が流れるが比較的板厚の薄い
鋼板の溶接であるから、溶接成績にはほとんど影響がな
い。

この場合鋼製リボン２に打出されるプロジェクション３
の高さを少くともＱ、 ５ ｍ１１以上とし塗布まだは
貼付される接着剤の厚さを０．１〜Ｑ、２ｍｍ程度とす
ることにより帯状表面処理鋼板と鋼製リボンとの接触通
電が確実になり接着剤の塗布厚さにより溶接性能が影響
をうけることはなく溶接点間隔を適当に選ぶことにより
所要の接合強度が得られる。

帯状表面処理鋼板が塗料などの非電導膜で蔽われていて
も、プロジェクションの先端が鋭利であれば、被膜を破
壊するので、鋼製リボンが電極に接する面だけ導電性で
あれば溶接可能となる。

第３図はこの状態を示すものであって、鋼製リボン２に
設けられたプロジェクション３は、接着剤９および帯状
表面処理鋼″）ｆｊ、１の表面の非電導膜８を破ってそ
の鋼板１と導通状態と橙っている。

１０は鋼板リボン２０表面に塗布された非電導膜である
が、このようなものがあってもプロジェクション３を突
出させる際破壊除去できるので溶接の妨げとはならない
。

なお、プロジェクションの間隔が比較的大きい場合には
、第４図のように、ローラー形電極１１゜１１′ お
よび電気的に接続されたバックアップローラー１２ 、
１２’ を使用することにより、電極の往復動操作を
はふくことができる。

このようにしてプロジェクション溶接された広巾帯状表
面処理鋼板は、加熱装置に連続的に通されて加熱処理さ
れることにより接着剤が急速に硬化され気密。

水密性にすぐれた広巾表面処理鋼板として完成するＯ 前記態様例では鋼製リボン２を各帯状表面処理鋼板１の
接合部の上面に跨がるように供給しているが下面に跨が
るように供給してもよく、また接着剤として熱硬化性接
着剤、熱可塑性接着剤あるいは常温硬化性接着剤のいず
れを使用してもよい。

本発明によれば、単に同一面内で平行状態で前進移送さ
れる複数の帯状表面処理鋼板１の板面に跨がってあらか
じめ溶接用突起を設けた接続用鋼製リボンと接着剤を連
続的に供給し、次いでプロジェクション溶接を行なって
各帯状表面処理鋼板１と鋼製リボン２を溶接することに
より、所要の接合強度が得られ後続する接着剤硬化工程
をへて気密、水密性にすぐれた広巾帯状表面処理鋼板が
容易に得られる。

また、鋼製リボン２の方にプロジエクション３を設ける
ので、帯状表面処理鋼板の表面には溶接による痕跡がつ
かず、メッキ層の破損も生じない。

かつ塗装ずみ鋼板の接合も可能である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は帯状表面処理鋼板に接着剤つきの鋼製リボンを
あててプロジェクション溶接により接合している状態を
示す斜視図、第２図はプロジェクション溶接時の電流導
通状態を示す斜視図、第３図はプロジェクション溶接電
極付近の断面図、第４図はローラー形電極を用いた場合
の態様例を示す斜視図である。 １・・・帯状表面処理鋼板、２・・・鋼製リボン、３・
・・溶接用突起（プロジェクション）、５・・・押えロ
ール、６，６′ ・・・プロジェクション溶接機の電
極、７・・・バックバー、８，１０・・・非電導性被膜
、９・・・接着剤、１１，１１’ ・・・ローラー形
電極、１２゜１２’ ・・・バックアップローラー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同一面内で平行状態で前進移送される複数の帯状表
   面処理鋼板の接合部の板面に跨がってあらかじめ溶接用
   突起を設けた接続用鋼製リボンと接着剤とを連続的に供
   給し、次いで各帯状表面処理鋼板と鋼製リボンとの重合
   部をプロジェクション溶接することを特徴とする広巾帯
   状表面処理鋼板の連続製造方法。