JPS5817113Y2 - 自動車用窓ガラスの昇降装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は既製の自動車に増設される電動式の窓ガラス
昇降装置において、ドアの内張りに取付ける駆動ユニッ
トの取付安定性を改善するためのものである。

自動車のドアの内部から車内へ突出した窓ガラス昇降用
回転軸に取付けられている手動ハンドルを取り外し、こ
の回転軸を電動式駆動ユニットで駆動するようにした後
付は形の窓ガラス昇降装置は公知である。

一般に市販されている此種の製品は各種の車種に対して
容易に取付けができるようにするために、上記駆動ユニ
ットはドアの板金部には取付けられておらず、プレスポ
ードにレザー張りを施した脆弱なドアの内張りボードに
取付けられている。

また駆動ユニットと窓ガラス昇降用回転軸との結合には
車種別に用意された数種類のジヨイントブツシュを介在
させている。

しかしこのジヨイントブツシュと窓ガラス昇降用回転軸
との噛合嵌合長やジヨイントブツシュと駆動ユニットの
出力部と０噛合い嵌合長が短いためそＱ結合が外れる欠
点があった。

これは車体の振動やドア閉め時のショックなどによって
駆動ユニットを装着したドアの内張りが撓むことと、窓
ガラス昇降用回転軸はもともとなるべく突出量が少なく
なるよう設計されているので、ジヨイントブツシュとｎ
合嵌合長が少ないことに原因がある。

この考案は■ジヨイントブツシュを窓ガラス昇降用回転
軸に対して単に噛合嵌合させるだけでなく、ネジあるい
はスナップリング等の固定部材を用いて上記回転軸上に
固定して抜は止めを行うこと、■ジヨイントブツシュと
駆動ユニットの出力部（中空出力ボス）との噛合嵌合長
を十分長くして、内張りの撓みに対して嵌合が外れない
ようにすること、■上記嵌合長を十分長くするために駆
動ユニットの出力部を中空にし、駆動ユニットの全厚み
を有効に利用できるようにすることにより上述の欠点を
除去し、取付の安定性を向上したものである。

第１図は本考案−実施例装置の正面一部所面図、第２図
は第１図のものの細断面図である。

第２図において、１はドアの内部から車室側へ突出した
窓ガラス昇降用回転軸であり、該回転軸の先端には図示
しない手動・・ンドルと噛合嵌合していた歯形部２が設
げられている。

３は上記回転軸１の先端に設けられたネジ穴、４は上記
回転軸１の外周に設けられた環状溝であり、上記ネジ穴
３、環状溝４は実際にはいずれか一方が設けられている
。

これはもともとは図示しない手動ハンドルを回転軸１上
に固定するためのものであり、車種によってネジ穴３又
は環状溝４が設けられている。

５はその外周が第１図に示すとおりの角形形状をなした
ジヨイントブツシュであり、該ジヨイントブツシュの右
端と中央部には上記歯形部２と噛合嵌合する歯形部６と
中間壁７が設けられ、ネジ８又はスナップリング９によ
り上記回転軸１上に取付は固定されている。

１０はドアの周辺にホックで固定されているドアの内張
りであり、その丸穴１１から上記回転軸１が突出してい
る。

１２は駆動ユニットが取付けられているベース板、１３
は座板、１４は上記内張り１０をベース板１２と座板１
３との間で挾持するようにしてベース板１２を１１す１
０に固定する複数本のネジである。

第１図において、１５は両端に開口部を有するはｇ環状
のハウジングであり、該ハウジング内にはウオームホイ
ール又はへりカルギヤ等のホイールギヤ１６が収納され
ている。

１７はブラケット１８を介して複数のネジ１９により上
記ハウジング１５の外周面に固定された電動機、２０は
駆動ギヤ２１、従動ギヤ２２を介して上記電動機１７か
ら駆動されるウオーム軸であり、このウオーム軸には上
記ホイールギヤ１６と噛み合うウオームギヤ２３が一体
に設けられメタル２４．２５を介して上記ハウジング１
５内で支承されている。

２６は鋼球２７．２８を介して上記ウオーム軸２０をハ
ウジング１５とブラケット１８間で挾持する止めネジで
ある。

２９は上記ベース板１２に溶接されたＬ字形のスタッド
３０は上記ベース板１２に固定されノブ３１によって操
作されるスイッチであり、このスイッチは図示しない接
続回路によって上記電動機１７を正逆転駆動するための
ものである。

３２はリード線穴であり、上記内張り１０の裏側から図
示しないリード線が貫通し駆動ユニットに対する給電を
行うようになっている。

３３は上記ベース板１２の折曲部に設けたネジ穴、３４
は駆動ユニット全体を覆うカバー、３５．３５は上記カ
バー３４を取付けるネジである。

第２図にもどり、３６は複数のネジ３７により上記ハウ
ジング１５の開口部の一方を閉塞するように取付けられ
たギヤカバー、３８は複数のネジ３９により上記ハウジ
ング１５の開口部の他方を閉塞するように取付けられた
取付カバーであり、この取付カバーは第１図にも示すと
おり折曲部４０を有し、ネジ４１．４１により上記スタ
ッド２９に固定されている。

４２は上記取付カバー３８の中心部にカシメ付げされた
円筒状の軸受であり、上記ホイールギヤ１６はこの軸受
４２の外周面上に滑動的に支承されている。

４３は上記ジヨイントブツシュ５と噛合嵌合する角形断
面の中空穴を有する中空出力ボスであり、該中空出力ボ
スは鍔部４４、大径部４５、小径部４６、ネジ部４７、
平面部４８を備えていて、大径部４５は上記軸受４２内
にあって滑動的に支承されている。

５７はライニング４９が接着された入力円板であり、該
入力円板はその突起５０が上記ホイールギヤ１６の凹部
５１と噛み合うことによりホイールギヤ１６と一体に回
転するよう中空出力ボス４３の小径部４６上で滑動的に
支承されてい゛る。

５２は皿バネ５３、リングナツト５４により上記ライニ
ング４９に圧接された出力円板であり、該出力円板は上
記中空出力ボス４３の平面部４８に嵌合することにより
、中空出力ボス４３と一体に回転するようになっている
。

５５は上記出力円板５２と同様に平面部４８と嵌合し上
記中空出力ボス４３と一体に回転する回り止め板であり
、その外周の舌片５６を折曲げることにより上記リング
ナツト５４０回り止めを行っている。

このように構成されたものにおいて図示しない給電回路
を通じて電動機１７を正転又は逆転駆動すれば、駆動ギ
ヤ２１、従動ギヤ２２、ウオームギヤ２３を介してホイ
ールギヤ１６が回転し、その凹部５１と突起５０との係
合により入力円板５７、ライニング４９が回転する。

その結果、ライニング４９と出力円板５２間の摩擦トル
クによって出力円板５２が回転し中空出力ボス４３、ジ
ヨイントブツシュ５を介して窓ガラス昇降用回転軸１が
右又は左に回転し窓ガラスが昇降する。

窓ガラスの昇降完了によって回転軸１が停止すると電動
機１７への給電をやめるまでのしばらくの間は出力円板
５２とライニング４９との間でスベリが発生する。

そのスベリトルクはリングナツト５４のネジ込み量によ
ってあらかじめ調整されているものである。

なおスイッチ３０は駆動ユニット内に設けなくとも運転
席の近くに別付けしてもよい。

またウオーム軸２０は駆動ギヤ２１、従動ギヤ２２を介
さないで電動機１７から直接駆動するようにしてもよい
。

更にショック吸収トルクリミッタとして作動するリング
ナツト５４、皿バネ５３、出力円板５２、人力円板５７
、ライニング４９にかわって人力円板５７と出力円板５
２をゴム材の弾性カップリングを介して直結し電動機１
７の給電回路内には熱動過電流リレーを設げるようにし
てもよい。

このばあいは窓ガラス昇降完了時電動機１７への給電を
続けていると、電動機には抱束過大電流が流れるが、上
記熱動過電流リレーが作動して電動機の焼損を防止する
。

また窓ガラス昇降完了直後の慣性ショックは上記弾性カ
ップリングによって吸収される。

以上の説明で明らかなとおり本考案は動力伝達中縦用の
ジヨイントフッシュ５を回転軸１上に固定しているので
両者の噛合嵌合が外れることはない。

また中空出力ボス４３とジヨイントブツシュ５との噛合
嵌合長は、中空出力ボス４３のはｇ全長にわたって十分
長くされているので内張り１０の撓みによってその嵌合
が外れることはない。

なお回転軸１の突出量は車種によって異るため、第２図
に示すとおり中空出力ボス４３とジヨイントブツシュ５
は完全嵌合しない状態となる。

しかし中空出力ボス１３の端面が閉塞されていないので
その全長が有効に利用でき、少々の嵌合ずれに対しても
実用上問題のない嵌合長が確保できるものである。

その結果嵌合外れによる駆動不能現象やジヨイントブツ
シュの破損が発生せず、安心して使用できるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例装置の正面一部所面図、第２
図は第１図の側断面図である。 各図中１は窓ガラス昇降用回転軸、５はジヨイントブツ
シュ、８．９は固定部材であるネジとスナップリング、
１０はドアの内張り、１５はハウジング、１６はホイー
ルギヤ、１７は電動機、２３はウオームギヤ、４３は中
空出力ボス、５７．４９．５２゜５３．５４はショック
吸収装置を構成する入力円板、ライニング、出力円板、
皿バネ、リングナツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用ドアの内部から車内へ突出した窓ガラス昇降用
   回転軸の先端に噛合嵌合し、ネジ又はスナップリング等
   の固定部材によって上記回転軸上に取付は固定されるジ
   ヨイントブツシュ、ドアの内張りに対して取付固定され
   るハウジング内にあって、ウオームギヤから駆動される
   ホイールギヤ、上記ハウジングに固定され、上記ウオー
   ムギヤを駆動する電動機、上記ホイールギヤからショッ
   ク吸収装置を介して駆動され上記ジヨイントブツシュと
   噛合嵌合する中空出力ボスを備え、上記ジヨイントブツ
   シュと中空出力ボスとの噛合嵌合長は、ジヨイントブツ
   シュと上記回転軸との噛合嵌合長よりも長（設定されて
   いることを特徴とする自動車用窓ガラスの昇降装置。