JPS5814859B2 - 高磁束密度一方向性珪素鋼板の絶縁被膜形成方法 - Google Patents

高磁束密度一方向性珪素鋼板の絶縁被膜形成方法

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JPS5814859B2
JPS5814859B2 JP14274979A JP14274979A JPS5814859B2 JP S5814859 B2 JPS5814859 B2 JP S5814859B2 JP 14274979 A JP14274979 A JP 14274979A JP 14274979 A JP14274979 A JP 14274979A JP S5814859 B2 JPS5814859 B2 JP S5814859B2
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gas
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/12Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of articles with special electromagnetic properties

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高磁束密度一方向性珪素鋼板の表面にMgO
SiO系電気絶縁被膜を形成させる方法に関するもの
である。
従来、一万向性珪素鋼板の製造においては、最終板厚に
圧延された冷延珪素鋼板を水素一水蒸気を含む雰囲気中
で1〜10分間の脱炭焼鈍を施し、その帯鋼の表面にS
i02および鉄酸化物を生成させ、その生成層上にMg
Oを主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、しかる後にその
帯鋼を捲回し、これを水素〆囲気において1100〜1
300゜Cの温度範囲で仕上焼鈍することにより( :
I− 1 0 )( O O 1. )方位の2次再結
晶粒を選択的に発達させるとともに鋼板表面にMgO
S+02系絶縁被膜を形成させる方法が行なわれている
これに対じ特開昭49−61019号に示される磁束密
度の高い一方向性珪素鋼板の製造方法の発明は、磁化力
8 0 0 A/mにおける磁束密度を意味するところ
のB8が1..8 8 Tesla (旧表示wb/m
”)以上の高い値を示す製品を得るために、lco.0
6%以下、Si4.0%以下の溶鋼に正常粒成長を抑え
るためのいわゆる抑制剤(inhibi 一tor )
としてSb O.0 0 5 〜0.2 0%とS又は
Seの1種又は2種をo.1%以下含有せしめた珪素鋼
素材を熱延し、焼鈍工程と冷延工程を適宜繰返して最終
厚みとし、前述の従来工程同様に脱炭焼鈍を行ない、焼
鈍分離剤を塗布し、コイル状に巻取ったのち第1段階で
は、800〜9 2 0 0Cの?の一定温度で10〜
100時間加熱することにより、(110 )(1:0
01 )の方位を持つ2次再結晶粒を選択的に発達させ
、次いで第2段階では1000〜12000Cに昇温し
てS,Se,N等を鋼中から除去する2段階から成る高
温仕上焼鈍を行なうものである。
ところでこのような2段階の高温仕上焼鈍を従来の如く
水素雰囲気中で実施すると、生成するMgO−SiO系
ガラス被膜は著しく不均一であり、しかも鋼板に対する
密着性が弱いことが明らかになった。
特に珪素鋼素材が抑制剤として約0.01係以上のsb
と約0.01%以上のSeを含有する場合にはこの傾向
が顕著であって、しばしば全面的または部分的に鋼板と
の密着性の悪い帯白色の色調を呈した被膜が生成したり
、あるいはほとんど被膜のない部分が生ずることもあっ
た。
従って本発明の目的は第1に高温仕上焼鈍時に800〜
9200Cの範囲の一定温度にて長時間保持を行ない(
1 1 0 ) ( o o t ’:1方位を持つ
2次再結粒を選択的に発達させることにより得られる高
磁束密度一方向性珪素鋼板の表面に密着性の優れたMg
O St02系ガラス被膜をむらなく均一に生成させる
方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、正常粒成長抑制剤として0.00
5φ〜0.2係のsbとo.i%以下のSまたはSeま
たはその両者を含有する珪素鋼板を素材として、上記方
式の高温仕上焼鈍を採用することにより得られる高磁束
密度一方向性珪素鋼板の表面に密着性及び均一性の優れ
たMgO−SiO2系ガラス被膜を生成させる方法を提
供することにある。
本発明者は、この目的を達成するため種々検討し、sb
を含む珪素鋼板では、脱炭・焼鈍の際生成する酸化膜の
厚さが薄くなること及び前記二段階最終焼鈍における8
00〜920°Cでの長時間にわたる二次再結晶粒発達
過程においては、コイル層間が還元性になる可能性があ
り、そのため脱炭焼鈍の際に生成した酸化物層が還元さ
れる可能性のあることに注目し、従来と異なる鋼板表面
の酸化物層の正確な測定法を確立して、脱炭焼鈍時に生
成する鋼板表面の酸化被膜の生成量と高温仕上焼鈍で生
成するMgO−Si02系被膜の生成量とそれにおよぼ
す焼鈍雰囲気の関係を定量的に比較検討して本発明を完
成するに至ったものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
?ず本発明者の採用した珪素鋼板表面の酸化(物)層の
定量方法について述べる。
従来、酸化膜の量を評価するには試料の断面を研磨し、
光学顕微鏡で拡大して膜厚を測定する、或は化学的手段
で鉄素地のみを溶解し去って残渣即ち酸化膜部分を化学
分析する方法が一般的である。
しかし、珪素鋼の特に脱炭焼鈍時に生成する酸化膜は均
質な酸化物から構成されているのではなく、いわゆる内
部酸化層を多く包含したものであるため、膜厚のみの測
定では有効な酸化物の量を正しく評価したことにはなら
ない。
そのE酸化膜と地鉄の境界は内部酸化の進行のむらによ
って不規測に入り組んでいるため、膜厚の測定を正確に
行なうことは一般に困難である。
そのほか鋼中の非金属介在物分析におけると同様にヨウ
素或は臭素のアルコール溶液中で鉄素地を溶解し、酸化
膜中のSi02及びFeOを定量する方法も考えられる
が、この場合SiOは正確に抽出されるが、酸化鉄(F
ed)は溶解し易いので抽出したとしても確実性に欠け
る。
これらに対し、本発明者等は被膜の持つ全酸素(即ち各
種酸化物の酸素の和)を化学分析により求め、単位面積
当りの酸素目付量に換算して評価する方法を新たに採用
した。
この酸素目付量は具体的には鋼板を被膜(酸化層)付き
の状態と被膜(酸化層)を研削除去した状態で夫々通常
の酸素分析(例えばA.rガス抽出クーロン法)を行な
い両者の分析値の差に単位面積当りの鋼板重量を乗ずる
ことによって求められるものである。
本発明者等はこの酸素目付量を酸化膜の定量手段として
採用することにより以下のような実験事実を得、問題解
決への有力な手がかりを把んだ。
第1図aは本発明の対象である高磁束密度一方向性珪素
鋼板の高温仕上焼鈍の代表的加熱プログラム、第1図b
は通常の一方向性珪素鋼板のそれの代表例を示す。
第2図は脱炭焼鈍(iMgOを塗布してコイル状に巻取
り第1図a,bの両プログラムで室温からH2ガスを流
しながら高温仕上焼鈍を行なった実験において得られた
MgO S+02系ガラス被膜中のSiO2を化学分析
により求めて目付量に換算し、その量を脱炭焼鈍時の酸
化膜の酸素目付量に対してプロットしたものである。
得られたガラス被膜は加熱プログラムaによるものは帯
白色不均一で通常の加熱プログラムbによるものより明
らかに劣っていた。
ここで注目されるのは、同じ酸素目付量に対して生成す
る高温仕上焼鈍後のガラス被膜中の8102量が急速昇
温の場合には(プログラムb)酸素目付量のほぼ2倍で
あるのに860°CX50Hの定量保持が含まれる場合
(プログラムa)には2倍に達せず、かつばらつきが大
きいことである.ところでプログラムbの場合のS10
2生成量は丁度脱炭焼鈍酸化被膜中の0が8102に転
化した量に一致する。
従って脱炭焼鈍時に生成したS102及び酸化鉄中の酸
素が高温仕上焼鈍中にすべてSl02を構成する酸素へ
転化したことを意味すると考えられる。
これに対し860゜CX50Hの中間保持を行なった場
合(プログラムaの場合)、ガラス被膜中のSi02が
少なくなっているが、これは上述の考え方からすれば脱
炭焼鈍で生成した酸化膜の酸素の一部が860゜Cの保
持の過程で失なわれたことを示すものである。
本発明者等はこのような欠陥被膜を生ずる原因は、中間
保持の過程で下記(1)式による如く酸化膜中の鉄酸化
物が水素によって還元されたためであると推論し、 F eO + H2−+Fe +H20
−−{1)これを防市するために本発明の対象とする加
熱サイクルにおいて800〜920°Cの定温保持期間
中は窒素またはアルゴンの如き非還元性(中性)のガス
を焼鈍雰囲気として使用する方法を提案するに到った。
第3図はこれに基き、第1図aの加熱プログラムにおい
て860°CX50Hの定温保持終了まで窒素ガスを通
人し、その後水素ガスに切替えて焼鈍を行なった場合、
第2図と同様に酸化膜中の酸素量とガラス被膜のSiO
2生成量の関係を調べたものである。
得られたガラス被膜はいずれも灰色均一で前述の全期間
水素を通人した場合に比べて密着性もはるかに優れてい
た。
しかも図から明らかな如く、酸化膜の酸素目付量のほぼ
2倍のS i0 2が生成しており、脱炭焼鈍時に付与
された酸素が還元消失されることな<SI02を構成す
る酸素へ転化されたことを実証している。
か\る実1験結果に基き、本発明では、少くとも800
〜920゜Cの温度範囲の定温保定期間中は鉄および酸
化鉄に対して不活性の中性ガスを炉内に通人すること\
する。
本発明の対象とする算終焼鈍において、800〜920
゜Cの定温保定を行なう場合、水素気流中で焼鈍すれば
、良い被膜が生成ぜす、少くとも、定温保定期間を中性
雰囲気で焼鈍すれば、良い被膜が生成する具体的な構成
はよく4つからないが、多分定温保定期間中にはコイル
層間とコイル外周辺との圧力が平衡に達し、焼鈍雰囲気
がコイル層間に侵入しやすくなり、焼鈍雰囲気が水素の
場合には、先に示した(1)式によって脱炭焼鈍の際生
成した酸化鉄が還元されるのに対し、中性雰囲気を用い
た場合には、この反応が進行ぜす、脱炭焼鈍の際生成し
た酸化層のS i0 2への転化が完全に行なわれるた
めであろう。
特に定温保定の温度制御が精密でなく、例えば「オン・
オフ」方式による制御の場合には、コイルは保持期間中
微小な加熱と冷却の繰り返しを受けることになり、冷却
の際には水素を主とする炉内雰囲気ガスの侵入が助長さ
れ、これによって定温保持期間中の脱炭焼鈍により生成
した酸化物層の還元が一層進むものと考えられる。
理由はさておき、高いB8値を得るため、最終焼鈍にお
いて、800〜920°Cの温度で二次再結晶粒の成長
を行なわせる場合、焼鈍雰囲気を鉄及び酸化鉄に対して
不活性・中性のN2あるいはArの如きガスとすること
によって、脱炭焼鈍の際、鋼板表面に目付けられたOを
そのま5フオルステライト中S i02に転化させるこ
とができるのであり、脱炭焼鈍の酸化層の量に見合った
量のMgO−SiO2系被膜を均一にむらなく生成させ
ることができる。
本発明では更にこのようにして得られる均一なMgO−
Si02系ガラス被膜に実用的に充分優れた密着性を与
え、しかも対象とする高磁束密度方向性珪素鋼板の磁気
特性を実質的に損なわしめないために脱炭焼鈍時に生成
させる酸化膜の適正な量について広範囲の検討を行なっ
た。
その結果適用する素材の化学成分の違いに応じて次のよ
うに酸化膜の酸素目付量の範囲を設定して管理すればよ
いことを見出した。
即ち、素材に正常粒成長抑制剤として0.005〜0.
1係のsbと合計0.1%以下のSe+Sが添加されて
いる場合は、酸素目付量としてはinの鋼板の両面に与
えられた酸素の量で表わして、0.7〜2.FHJ/m
の範囲であることが必要である。
0.7g/m以下では密着性が実用水準に達せず、逆に
2.8g/m以上増加させても密着性の一層の向上は認
められず、占積率の低下を招く上、B8≧1.8 8
w b/mの高磁束密度が安定して得られなくなる。
なお好適な酸素目付量はSeの配合量によって若干異な
り、Seを0.01%以上含有する場合には1.6〜2
.2g/mが好適であり、一方Seが0.005%以下
の場合には0.9〜L8g/mが好適である。
なお密着性の優れたガラス被膜をむらなく生成させる方
法として特開昭50−71526号公報において本発明
者等は脱炭焼鈍の直前に酸洗を行なって表面を3 g
/ rri“以上除去することを提案したが、本発明に
おいても、磁気特性を損なわずに密着性のよい被膜を得
るには、既に述べたように脱炭焼鈍時の酸化量を厳密に
制御する必要があり、そのためには酸化の前処理として
脱炭焼鈍直前に酸洗し、3乃至10g/m程度鋼板の表
面層を除去し新鮮な地鉄を露出させておくことは非常に
効果がある。
酸化膜の量を制御する方法としては、従来同様脱炭焼鈍
の温度、時間、雰囲気の酸化性などの条?を処理設備の
実状に合わせて適宜選択し組合わせることによって行な
うが、その処理条件が適切か否かの判定と管理の手段と
して本発明において規定した酸素目付量の測定方法を適
用することは被膜形成の確実性の向上と品質の一定化に
極めてメリットが大きい。
次に本発明の高温仕上焼鈍における雰囲気ガス使用法に
ついて更に詳細に説明する。
第1図aに示す本発明の対象である高磁束密度一方向性
珪素鋼板の高温仕上焼鈍の代表的加熱プログラムにおい
てこの加熱プログラムをその加熱態様により、A,B,
C,Dなる記号を付した4つの加熱期間に区分すること
ができる。
A:二次再結晶温度直前までの急速加熱期間B:二次再
結晶のための定温保持直前の徐熱期間C:二次再結晶の
ための定温保持期間 D:定温保持期間に後続する高温純化焼鈍期間前記A−
D期間中D期間にはいづれの研究試料においても水素ガ
スだけを用い、A−C期間に用いるガスの種類の組合せ
を種々に変化させて、形成させたMgO−SiO系被膜
の性状を観察した3,この結果を第1表に示す。
同表中C加熱期間に窒素ガスを使用した試料扁4,5.
6が良好な被膜外観を呈し、かつ被膜に剥離を生じない
最小曲げ直径も小さいが、特にさらにB加熱期間におい
ても窒素ガスを使用した試料扁4,5は被膜外観ならび
に被膜剥離を生じない最小曲げ直径数値においても最良
であることがわかる。
すなわち少くとも定温保持期間Cにだけ焼鈍雰囲気を窒
素ガスの如き中性不活性ガスとすれば良好な被膜を得る
ことができる。
本発明において、定温保持に達するまでの初めの急熱期
間には雰囲気ガスとして酸化性を有しないものであれは
如何なるガスを使用してもよく、例えば水素を主とする
ガス、あるいは水素をもって希釈した窒素ガスまたはア
ルゴンガス、あるいは純窒素ガス、純アルゴンガスをも
用いることができる。
しかしながら後に続く定温保持の雰囲気ガスとしては非
酸化性かつ非還元性の不活性中性ガスが必要であり、ま
た中性ガスとしては窒素がアルゴン等に比して経済的で
ある点から、昇温過程においても窒素を用いることが有
利である。
さきにも述べ、また第1表からも判る如く、急速昇温期
間すなイつちA期間においては、還元性ガス、あるいは
中性ガスのいづれでも使用できることの理由は、コイル
層間内の雰囲気はこの期間にはコイルを囲繞する雰囲気
ガスの影響をほとんど受けないためである。
本発明では焼鈍分離剤としてのMgOの種類について特
に限定するものではないが、その選択に当ってはどちら
かと言えば高温焼成によって製造された低活性、従って
低水和性のMgOを採用することが望ましい。
分離剤として水利性の犬なるMgOを使用し、かつ焼鈍
炉内にコイルを装填した時の遊隙空間に比し導入ガス流
量が少ない場合には、コイル層間において発生する水蒸
気がコイル幅方向へ溢出してコイル幅端部を酸化する恐
れが起り得るから、供給するガス流量を多目とすること
は有利である。
定温保持期間、すなわちC期間の直前には、オーバーシ
ュートと称する一過性の温度上げ過ぎを避けるため、徐
熱期間Bを介挿することか好ましいが、このB期間にお
いては昇温速度を極めて小.さくする必要上炉内のコイ
ルを囲繞する雰囲気ガスがともするとコイル層間に侵入
しやすく、特にコイル端辺部に不良被膜を発生しやすい
から、このB期間に使用するガスはできるだけ水素を避
けることが有利である。
しかし水素を絶対に使用することが不利であるというこ
とではなく、第1表試料,466の試験によっても実証
されている如く昇温速度に対応して適宜使用してもよい
定温保持期間Cには、前述の如く焼鈍炉内雰囲気がコイ
ル層間雰囲気に大きく影響するため、非酸化性、非還元
性すなわち中性不活性ガスである窒素あるいはアルゴン
を用いることが有利である。
しかし必ずしも高純度の窒素、アルゴンでなくともよく
、IOOI)I)m程度の極く小量の酸素等を含有して
も特に大きな欠点は生じない。
所定時間定温保持した後絹織上二次再結晶が実質的に完
了すれば、引続いて鋼中不純物すなわち窒素および一次
再結晶抑制剤Se,S等を除去するための純化焼鈍を行
なう。
この純化焼鈍期間Dにおいて1100〜12000Cで
水素気流中数時間以上コイルを保持する。
したがって定温保持期間Bの終了後には、それまで用い
た中性ガスを水素へ切替えねばならない。
しかしこの切替はB期間終了後直ちに劃然と行なう必要
はないが、水素への切替え温度が950°C以上であっ
て、特に脱炭焼鈍時に形成されたSin2とFeOから
成る酸化膜の酸素目付量が約2.0g/rr.″以上と
多目の場合には、コイルの端部と外巻部は焼鈍雰囲気中
の微量の02により過剰酸化され、しかもその酸化層は
後で水素により還元されて被膜の欠除した直径0.1〜
27rLTLの光沢のある斑点を生じ、この斑点部は絶
縁抵抗が悪いから、950℃以下の温度で水素に切替え
るようにしなければならない。
また焼鈍分離剤MgOに助剤として酸化マンガン、酸化
クロムまたは酸化チタンを添加して塗布する方法につい
ても800〜920°Cの定温保持期間の雰囲気として
窒素又はアルゴンなどの不活性ガスを使用するならば、
それら助剤の効果を有効に利用することが可能で、ガラ
ス被膜の均一性、密着性の向上が認められた。
この場合、これら酸化物の添加量は分離剤重量の1〜1
2係が好ましく、15%以上では、仕上焼鈍の高温域で
還元されて鋼中に侵入するMn,Cr,Tiなどの金属
が過多となって磁気特性を劣化させるので避けるべきで
ある。
本発明を実施例について説明する。
実施例 I C O.030%,S i 2.90%, Sb0.0
30%, S e O.022%及び80.005%
を含有する珪素鋼鋼塊を分離熱延して3.C)mm厚に
仕上げ、これを950゜Cの中間焼鈍を挾む2回の冷延
によって、厚さ0.30mm,幅970mm、長さ約3
200mの銅帯に仕上げた。
圧延油を脱脂洗浄した後、820゜Cにて4分間H24
5%、露点60゜C、残部N2からなる雰囲気中で脱炭
焼鈍し、マグネシアを塗布後内径508mrnのコイル
に巻き上げた。
次で箱型の電気炉に装入し、N2ガスを通人しながら2
0゜C/Hの速度で昇温し、850℃において40時間
保持後、■−■2ガスに切替えて再び昇温し、1180
℃で10時間焼鈍後炉冷した。
脱炭焼鈍後の酸化膜の酸素目付量は約2.1g/ rr
i’、塗布後のマグネシアの強熱減量(水利量)は2.
1%、塗布量は片面lm当り7、O g/ tri:で
あった。
得られた銅帯の表面を観察したところ、コイルの最外層
から3巻きの部分を除いては全長にわたって濃灰色の被
膜が形成され、被膜の密着性は20mmφの屈曲でわず
かに変色する程度で非常に良好であった。
銅帯長さ方向中央部の磁気特性はB8は1.9 1 T
esla , Wl 7/ 5 0は1.0 8W/k
gと優秀であった。
実施例 2 C0.030係,Si2.90係,SbO.032係,
SeO.020fO及びS0.006%を含有する珪素
鋼鋼塊を実施例1と同様の過程を経て厚さ0.30朋、
幅970nm、長さ約3000mの鋼帯に仕上げ、脱脂
洗浄後濃度15%の硫酸浴にて80゜C30秒間酸洗を
行ない水洗乾燥後直ちに820゜Cにて4分間H255
係、露点60゜C、残部N2からなる雰囲気中で脱炭焼
鈍し、MgOに2%のT102を添加した焼鈍分離剤を
塗布し、内径508mmのコイル状に巻取った。
次で箱型電気炉に装入してN2ガスを通人しながら85
0°Cまで20゜C/Hの速度で昇温し、850’Cに
て40時間保持後再び昇温し、900゜Cに達した時H
2ガスに切替えて更に1130°Cまで15°C/Hに
て昇温し15時間保持後炉冷した。
脱炭焼鈍後の酸化膜の酸素目付量はL8g/rri”、
分離剤の強熱減量は2,5%、塗布量は片面in当り6
.!li’ / mであった。
得られた被膜の外観はコイル最外層から2巻きを除いて
全長にわたって濃灰色均一で、密着性は20闘φの屈曲
では全く変化なく15朋φにてわずかに変色する程度で
非常に良好であった。
鋼帯長さ方向中央部の磁気特性はB8:1.9 1 T
es Ia , W1 7/5 0 =1.1 2W/
kgであった。
?施例 3 C O.0 3 5% , Si 2.9 0%,Sb
O.030%,80.020%を含有する珪素鋼鋼塊を
実施例1と同様の過程を経て厚さ0.30mm、幅8
3 0 mm,長さ約3000mの鋼帯に仕上げ脱脂洗
浄後8200Cにて3分間、H260%、露点55°C
、残部N2からなる雰囲気中で脱炭焼鈍し、マグネシア
を塗布して内径5 0 8 mmのコイルに巻取った。
箱型電気炉に装入しH2ガスを通人しながら800゜C
まで25゜C/Hで昇温し、800゜Cから昇温速度を
5゜C/Hに下げるとともにN2ガスに切替え8500
Cに到って40時間の保持を行ない、次いで5℃/Hの
速度で昇温し900°Cに達した時再びH2ガスに切替
えて15゜C/Hの速度で昇温し、1180°Cにて1
0時間保持した。
脱炭焼鈍後の酸素目付量は1.2g/m、塗布後のマグ
ネシアの強熱減量は23%、塗布量は片面lm当り5.
5g/mであった。
得られた鋼帯表面にはコイル最外層から2巻きを除いて
全長、全幅にわたって濃灰色の被膜かむらなく生成し、
15朋φの屈曲で被膜の剥離も変色も認められず、極め
て密着性が優れていた。
銅帯長さ方向中央部の磁気特性はB8=1.90Tes
la,Wl 7/50=1.16W/kgであった。
【図面の簡単な説明】
第1図aは本発明の高磁束密度一方向性珪素鋼板の高温
仕上焼鈍の代表的加熱プログラムを示す図、第1図bは
通常の一方向性珪素鋼板の代表的加熱プログラムを示す
図、第2図は第1図a,bの両プログラムにおける脱炭
焼鈍酸化被膜の全酸素目付量とガラス被膜中のS r
0 2目付量との関係を示す図、第3図は第1図aの加
熱プログラムにおいて860℃X50Hの定温保持終了
まで窒素ガスを通人し、その後水素ガスに切替えて焼鈍
を行なった場合の脱炭焼鈍酸化被膜の全酸素目付量とガ
ラス被膜中のSiO目付量との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 I C0.06%以下、Si4.0%以下、sb0.
    005〜0.20係およびSe又はSを合計量で0.1
    0%以下含有する珪素鋼素材を熱延して、中間厚みの熱
    延板を得、前記熱延板に対し、焼鈍と冷延を適宜繰返し
    て最終厚みの冷延板を得、前記冷延板に湿水素を含む雰
    囲気中にて脱炭焼鈍を施し、MgOを主成分とする焼鈍
    分離剤を塗布し、コイル状に巻取ったのち、800〜9
    20°Cの一定温度で10〜100時間加熱して(11
    0)〔001〕の方位を持つ2次再結晶粒を選択的に発
    達させ、ついで1000〜12000Gに昇温して鋼中
    不純物を除去し、かつ鋼板表面にフォルス?ライト系被
    膜を形成させる最終焼鈍を行なって、B8値が1.88
    T以上の一方向性珪素鋼を製造する方法において、前記
    脱炭焼鈍時に鋼板の表面に表面酸化物層を生成させて酸
    素目付量を0.7〜2.8El/mとなし、かつ前記最
    終焼鈍において、少くとも800〜920゜Cの一定温
    度で保持する期間中、焼鈍箱中に、鉄および酸化鉄に対
    して不活性の中性ガスを通人することを特徴とする高磁
    束密度一方向性珪素鋼板の絶縁被膜形成方法。
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