JPS5814826B2 - 管の内面塗装方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は管の内面塗装、とくに水道管、各種パイプライ
ンのように埋設あるいは固定された管の内面塗装に関す
るものである。

管の内面塗装には静電塗装等の方法が用いられるが、長
尺管、固定管あるいは曲管部の内面に塗装することは非
常に困難か、不可能であった。

本発明の方法は、このような従来技術では困難または不
可能とされていた管の内面塗装、とくに水道管や各種パ
イプラインのように固定された管の内面塗装を可能とす
るものであって、管の内部にガスを供給して管内を旋回
しつつ進行するガス流を生ぜしめ、管内に供給された塗
料をこの旋回ガス流により管内面に吹きつけて塗膜を形
成することを特徴とするものである。

水道管や各種パイプラインでは、長期間使用すると内部
に水垢や夾雑物が堆積したり、錆がたまったりするので
内部を研掃する必要がある。

これらの管が内面塗装管の場合は、研掃により塗膜も除
去されるので、研掃後に内面塗装を施さなければならな
い。

このような管は埋設されていたり、固定されているし、
また、非常に長尺で曲管部も含まれているので、本発明
の方法を適用することによって顕著な効果を上げること
ができる。

以下、図面によって本発明の方法を説明する。

第１図は本発明の方法の原理を示す図である。

内面塗装すべき管１内に支管２からガスを供給し、管１
内に旋回しつつ進行（図においては右から左へ）する旋
回ガス流を生せしめる。

塗料は支管２より下流側にある支管３から管１内に供給
され、この旋回ガス流に乗って管１の内面に吹きつけら
れ、内面を塗装するのである。

第２図に本発明の方法の他の実施例を示す。

内面塗装すべき管１１内にガス供給管１２を挿入して管
１１内にガスを供給し、第２図の右方から左方へ進行す
る旋回ガス流を生せしめる。

管１２の管１１内へ挿入された部分の外周に套管１３を
設け、套管１３内へ支管１４から塗料を供給すると、ガ
ス供給（噴射）時の吸引効果によって塗料も左方に吸引
され、旋回ガス流に乗って管１１の内面へ吹きつけられ
る。

また、第１図においては、塗料は加圧されることなく、
いわゆるタレ流しの状態で支管３から管１内へ供給され
ているが、他の方法として、塗料に圧力を加えて管内に
設けられたノズルから塗料を噴霧状で供給し、これを支
管２からの旋回ガス流に乗せて管１の内面に吹きつけて
塗膜を形成させることもできる。

供給ガスはそれほど高圧である必要はなく、たとえばｌ
ｋｇ／．ｆｆｌ程度の圧力であっても、きわめて短時間
で長尺管の他端まで塗料を搬送して、管の全内面に塗装
することができる。

ガスは空気、窒素等の一般的なガスが使用されるが、乾
燥ガスを使用し、塗装後もしばらくの間この乾燥ガスを
支管２あるいはガス供給管１２から供給することによっ
て、塗膜を速かに乾燥させるという利点が得られる。

また、液体窒素をガス源とすれば、何らの乾燥装置なし
に、完全乾燥窒素ガスが得られ、塗膜の酸化防止も可能
である。

近時、水道管、パイプライン等の内部を研掃するのに、
窒素ガスで付勢された研磨剤によって管内を研掃する工
法が開発されたが、この工法で内部を研掃された管の内
面に塗装を施すのであれば窒素ガス源（液体窒素）がす
でに用意されているので、本発明の方法をきわめて容易
に、しかも好結果の得られる状態で実施できる。

第３図は、第１図に示す実施例の方法を好適に実施する
ための設備の１実施例の一部切欠側面図、第４図は同じ
く一部切欠平面図であり、本発明の方法はたとえば、こ
のような設備により好適に実施できる。

ガス供給用の支管２は図に示すように管１の両側面に取
つけられ、管１内の曲管部４によりガス方向を管１の軸
と同一方向に向ける。

しかし、ガス流は、曲管部４の先に取りつけられた短曲
管５，６により、一方は上方向、他方は下方向に向けら
れる。

このようにすることによって、支管２から供給されたガ
スは旋回しつつ管１内を進行（第３図では右から左へ）
する。

一方、塗料供給管７を支管２より下流側にある支管３か
ら管１内へ挿入する。

塗料供給管７の先端は図のようにやや曲げることによっ
て、管１の軸方向と一致させておくのが好ましい。

この設備を用いて管１の内面を塗装するには、つぎのよ
うに行えばよい。

まず、支管２をガス源（たとえば、液体窒素を気化させ
た乾燥窒素ガス供給源）につなぎ、支管３には塗料供給
管７を挿入し、供給管７先端の開口中心がほぼ管１の軸
と一致するような位置に固定する。

ついでガスおよび塗料の供給を開始すると、管１内には
旋回ガス流が生じ供給管７内を流下する塗料はその先端
部でガス流に乗って管１の内面に万遍なく吹きつけられ
て塗膜を形成する。

塗料の供給停止後もガスの供給を続けることによって、
塗膜は速かに乾燥される。

２層塗、３層塗のように厚い塗膜を必要とする場合、ま
たは異種の塗料により多層塗膜を形成させる場合には、
この作業を繰返すことによって目的を達することができ
る。

管１の内面にできるだけ均一に塗膜を形成させるには、
ガス供給用支管２の先端部にある短曲管５，６の曲率お
よび開口角度の調整により、旋回ガス流が管１の内面に
当る角度を調整すればよいが、その角度が鋭角、とくに
３０°以下の角度であることが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法の原理を示す略図、第２図は本発明
の他の実施例を示す断面図、第３図は第１図図示の例の
方法を好適に実施するための設備の具体例を示す一部切
欠側面図、第４図は同じく一部切欠平面図であり、図中
、１及び１１は塗装すべき管、２はガスを供給する支管
、３及び１４は塗料を供給する支管、４は曲管部、５，
６は短曲管、７は塗料供給管、１２はガス供給管、１３
は套管を夫々示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管の内面を塗装する方法であって、管の内部にガス
   を供給して管内を旋回しつつ進行するガス流を生ぜしめ
   、管内に供給された塗料をこの旋回ガス流により管内面
   に吹きつけて塗膜を形成する管の内面塗装方法。 ２ 管内に供給するガスが乾燥ガスである特許請求の範
   囲第１項記載の管の内面塗装方法。 ３ 乾燥ガスが窒素ガスである特許請求の範囲第２項記
   載の管の内面塗装方法。 ４ ガス流が管の内面に３０°以下の角度をなして当る
   特許請求の範囲第１項記載の管の内面塗装方法。