JPS5814775Y2 - 二重サツシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、断熱性能および遮音性能を飛躍的に向上さ
せた二重サツシに関する。

二重サツシは通常の一重のサツシに比して、断熱性能お
よび遮音性能に優れている。

とりわけ、内サツシと外サツシとを別体に形成し、これ
らの内外サツシを、その間に断熱性を有するシール材を
介在させて結合してなる二重サツシは、内サツシと外サ
ツシとの間の熱絶縁性が高く、外サツシが外気にふれて
低温となっても、内サツシは一定の温度を保って結露を
生じさせにくいため、好んで使用される傾向が強い。

しかし、このような二重サツシでも、従来のものは寒冷
地の厳冬期においては、その断熱性能は充分であるとは
いえなかった。

すなわち、このような低温期においては外気の温度が著
しく低下するので、内外サツシに建付けられた建具の間
に形成される空気層を断熱層とするだけでは、室内から
室外に向けての熱貫流が大きく、室内保温の目的は充分
に達成できないものであった。

また内サツシの室内側にブラインドまたはカーテン等を
吊持することは通常行なわれていることであるが、従来
はまぐさ等にブラインドボックスまたはカーテンボック
スを取付け、これらにブラインド、またはカーテンを吊
持していたので、フ゛ラインドまたはカーテンと内サツ
シの建具との間に生ずる空気層は室内空気と自由に連通
ずるため、熱の交換がなされ有効な断熱層とはなり得な
かった。

従ってこの場合も充分な保温効果を奏するものではなか
った。

この考案は上述の事情に鑑みてなされたものであり、断
熱性能を飛躍的に向上し、合わせて遮音効果をも向上さ
せた二重サツシを提供しようとするものである。

この考案は各別に組立てられた内サツシと外サツシとを
結合する型式の二重サツシにおいて、内サツシの室内側
に枠体を設け、この枠体内に断熱性を有するブラインド
もしくはカーテン又はその双方を開閉自在に吊持するこ
とにより、内サツシの建具とこれらのブラインドまたは
カーテンとの間に室内空気と隔絶された空気層を形成し
、これにより、室内から室外への熱貫流を格段に減少し
、断熱性能を向上させたものである。

また、前記枠体を構成する枠のうち金属製枠については
これに対応する内サツシの枠との間に断熱性シールを介
在させることにより、枠体への結露を完全に防止したも
のである。

以下、この考案の実施例を図に従って具体的に説明する
。

第１図はこの考案による二重サツシを概括的に示してお
り、Ａは外サツシ、Ｂはシール材Ｓ１を介して外サツシ
の室内側に連結される内サツシ、Ｃは内サツシＢの室内
側部に連結されて室内側に延出する枠体である。

外サツシＡおよび内サツシＢは通常の二重サツシと同様
に窓開口に取付けられており、枠体Ｃは上枠Ｃ１および
左右の縦枠Ｃ２゜Ｃ３よりなっている。

上枠Ｃ１は内サツシＢの上枠Ｂ１の室内側部に、断熱性
を有するシール材Ｓ２を介在させてねじＶで結合され、
室内縦枠Ｃ２，Ｃ３は前記上枠Ｃ１の長手方向両端側に
ビスホールＣ１７を用いて接続するとともに、内サツシ
の縦枠Ｂ２．Ｂ３に同様のシール材Ｓ２を介在させてね
じ止めにより連結されている。

こうして、枠体Ｃは上枠Ｃ１および縦枠Ｃ２，Ｃ３によ
り内サツシＢの室内側に、下方開ロコ字状に連続する。

そして、窓台１に取付けられ、かつ内サツシの下枠Ｂ４
から連なる通常の膳板りが前記縦枠Ｃ２，Ｃ３の下端を
結ぶように延長し、コ字状の枠体Ｃの下方を閉塞してい
る。

前記上枠Ｃ１の下面部には複数個の係止部ＣＩ６が適宜
の間隔をもって形成されている。

この係止部Ｃ１６にはブラインドボックスｂ１もしくは
カーテンボックスｂ２又はその双方が係止され、それぞ
れに断熱性を有するブラインドａ１．カーテンａ２が吊
持されている。

フ゛ラインドａ１．カーテンａ２は、前記枠体Ｃおよび
置板りの間に形成された開口部を開閉するものであり、
閉時には内サツシの建具とほぼ平行に垂下してその相互
間に空気層を形成する。

ブラインドとカーテンの双方を装備したときは二層の空
気層が形成される。

そして空気層は上下左右を前記枠体および置板で閉塞さ
れる。

すなわち、内サツシＢの室内側に室内空気と独立した空
気層が形成されるから、この考案による二重サツシは建
具、ブラインド、カーテンをすべて閉めたときは、それ
ぞれ独立した空気層を３層備え、かつブラインド、カー
テンの断熱層を有することになる。

なお、枠体Ｃを構成する上枠Ｃ１，縦枠Ｃ２゜Ｃ３は同
一断面を有するアルミニウム又は合成樹脂の押出材の長
尺物を適宜の長さに切断して用いたものである。

第２図以下の図面に基いてさらに詳細に説明する。

前記上枠Ｃ１は、その室外側より室内側に沿って順に、
水平な面を形成する連結部Ｃ１ｌ、その連結部の室内側
端より下方に延出する立上り部Ｃ１゜、立上り部の下端
より室内側に延出する水平部Ｃ１３、水平部Ｃ１３の室
内側端より下方に延出する垂直部Ｃ１４を有し、さらに
、前記水平部Ｃ１３の上面には上方に延出する突縁Ｃ１
５、水平部Ｃ１３の下面には複数の係止部Ｃ１６、Ｃ１
６・・・・・・を有し、加えて、数個のビスホールＣエ
フ、Ｃ１７・・・・・・を有している。

連結部Ｃ１□は後述するように内サツシの上枠Ｂ１に連
結する。

係止部Ｃ１６はブラインドトップレールもしくはブライ
ンドボックスｂ１とカーテンレールもしくはカーテンボ
ックスｂ２のいずれか一方又は双方を係止するためのも
のであり、逆子字形の断面をなして、水平部Ｃ１３の下
面に平行に並列して下方に延出している。

通常のブラインドボックス、カーテンボックスの断面は
矩形をなしているが、これらのものを係止部Ｃ１６に係
止するには、その上面を係止部Ｃ１６の下面に当接し、
その室内側および室外側の左右からコ字形の係止部材２
で゛、フ゛ラインドボックスｂ１またはカーテンボック
スｂ２と係止部Ｃ１６の水平部とを上下に一緒に挟持嵌
合して係止する。

この係止部材２は上枠Ｃの長手方向に長い左右一本づつ
の長尺のものでもよく、あるいは短寸のものとして数個
所で挟持嵌合してもよいが、いずれにしてもこれにより
ブラインドボックスｂ １．カーテンボックスｂ２は取
外し可能でかつ強固に係止することができる。

フ゛ラインドボックスｂ １．カーテンボックスｂ２に
は断熱性を有するブラインドａ１．カーテンａ２が吊持
される。

この吊持の方法は通常の吊持のしかたでよく、ブライン
ドａ１はスラットｓ、ｌを上下にまたは左右に、カーテ
ンａ２は左右に開閉できるように吊持される。

ここで断熱性を有するブラインドには一例としてプラス
チック材料その他の断熱材料で作られたスラットで構成
されたブラインド又は金属製スラットの一面に断熱材を
貼着したものなどがある。

後者の例について詳述すると、各スラットＳｌの室内側
面にフェルトｆを貼着し、ブラインドを閉じた状態にお
いて、そのフェル）ｆが全て室内側に向いて隣合うスラ
ットと連続して、ブラインドの室内外方向に沿った熱貫
流率を低下させるとともにフェルト面を室内側に表出さ
せて装飾効果を奏するようにしたものである。

また、断熱性を有するカーテンとは、通常のカーテンよ
りも厚いカーテンまたはとくに断熱性の高い材料を用い
て製作されたカーテンである。

これらのブラインド、カーテンは必要に応じてフ゛ライ
ンドのみ、カーテンのみ、またはフ゛ラインドとカーテ
ンの組合せのいずれかを選択的に採用すればよい。

垂直部Ｃ１４は前述のブラインドボックスｂ１．カーテ
ンボックスｂ２が室内から見えないようにこれを隠すた
めのものである。

従って、その高さは、フ゛ラインドボックスｂ工、カー
テンボックスｂ２の下端よりわずかに下方まで延出して
いればよい。

突縁Ｃ１５は、水平部Ｃ１３の上方の内装材３の下端見
切縁を受けるとともに室内より見えないようにするため
のものであり、適宜の高さを有して上方に延出していれ
ばよい。

また、上枠Ｃは、内装材３の室内側において、内サツシ
の上枠Ｂ１よりも左右に長く、内装材３に沿って延長さ
れ、この延長部がブラインドａ１．カーテンａ２の収納
スペースとされている。

以上の上枠Ｃ１は内サツシの上枠Ｂ１に連結される。

内サツシの上枠Ｂ１の上面にはリップ溝部Ｂ１□が形成
され、連結部Ｃ１□の下面はこのリップ溝部Ｂｌｌの上
面に当接して連結される。

リップ溝部Ｂ１□は上枠Ｂ１上面の室内側端より上方に
延出する側壁Ｂ１□、上面はぼ中央より上方に延出する
側壁Ｂ１３、およびこれらの側壁Ｂ１□、Ｂ１３の上端
より互いに向い合う方向に水平に延出する上壁Ｂ １４
、 Ｂ １５よりなり、上方に開口するリップ溝を形
成している。

そしてリップ溝内に両側壁Ｂ１□、Ｂ１３間の幅よりも
わずかにせまく、かつ両上壁Ｂ１４．Ｂ１ｓの開口幅よ
りも広い幅の板状体４を挿入し、さらに、リップ溝部Ｂ
ｌｌと連結部Ｃ１ｌとの間に断熱性のシール材Ｓ２を介
在させて、連結部Ｃ１□の上方よりビスＶを挿入し、板
状体４に螺合することにより、上枠Ｃ１を上枠Ｂ１に連
結している。

シール材Ｓ２はアスベスト、合成樹脂等断熱性を有する
ものであれば何でもよいが、均質性等の理由により軟質
の合成樹脂が好ましい。

縦枠Ｃ２，Ｃ３は同−構成であるのでその一方Ｃ３につ
いて説明する。

縦枠Ｃ３は基本的には上述した上枠Ｃ１と同様の構成で
あるが、上梓の水平部に該当する部分の中途に外方に延
出する部分を有すること、係止部、突縁を有しないこと
において異なる。

すなわち、その断面は室外側から室内側に向かって連結
部Ｃ２、。

その連結部室内側端より内方に延出する内方延出部Ｃ２
゜、内方延出部の内方端より室内側に延出する第１室内
側延出部Ｃ２３，その室内側端より壁材３に沿って外方
に延出する外方延出部Ｃ２４、その外方端より室内側に
延出する第２室内側延出部Ｃ２５、さらにその室内側端
よりわずかに内方に延出する縁部Ｃ２６よりなっている
。

連結部Ｃ２□は、上梓の連結部Ｃ１ｌと同様に内サツシ
の縦枠Ｂ２に連結され、縦枠Ｂ２も上枠Ｂ１と同様に外
方に開口するリップ溝部を有している。

以上のように、この考案によれば、内サツシの室内側に
方形に連続し、かつ室内方向に延出する枠体を備え、そ
の枠体内に断熱性ブラインドもしくはカーテン又はその
双方を開閉自在に吊持したから、昼間などブラインド、
カーテンを閉めないときは、従来の二重サツシと同様に
窓の透視、採光とともに室内保温が可能であるとともに
、寒さがとくに厳しくなる夜間はブラインド、カーテン
を閉めることにより、二層又は三層の断熱空気層が形成
されるから完べきな断熱効果が得られる。

しかも、断熱空気層は室内空気と独立しているから、室
内保温効果は格段に大きい。

また、内サツシと外サツシはその間に介在される断熱性
シール材で熱絶縁されるとともに、内サツシと枠体のう
ち金属製枠がその間に介在される断熱性シール材で熱絶
縁されているから、枠体への結露を完全に防止しうるか
ら、枠体から室内への結露水の滴下及び内装材への湿潤
による内装材のしみ発生、早期腐朽を防止しうる利点が
得られる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案による二重サツシの実施例を示し、第１図
は一部切欠斜視図、第２図は縦断面図、第３図は第２図
におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。 Ａ・・・・・・外サツシ、Ｂ・・・・・・内サツシ、Ｃ
・・・・・・枠体、ａｌ・・・・・・フ゛ラインド、ａ
２・・・・・・カーテン、ｂｌ・・・・・・フ゛ライン
ドボックス、ｂ２・・・・・・カーテンボックス、Ｄ・
・・・・・置板、２・・・・・・係止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内サツシと外サツシとをその間に断熱性シール材を介在
   させて熱絶縁して連結してなる二重サツシにおいて、内
   サツシに方形に連続しかつ室内方向に突出する枠体を連
   結するとともに、その枠体を構成する枠のうち金属製の
   枠については内サツシの対応する枠との間に断熱性シー
   ル材を介在させ、前記枠体内に断熱性を有するブライン
   ドもしくはカーテン、又はその双方を開閉自在に吊持し
   、窓に二重又は三重の断熱空気層を形成しうるようにし
   たことを特徴とする二重サツシ。