JPS5814597Y2 - トランス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は構成の簡素化を計す、シがも絶縁性が充分に維
持できるとともに漏洩磁束の少ないトランスを提供しよ
うとするものである。

従来におけるトランスとしては第１図〜第３図に示すよ
うに構成されていた。

すなわち、Ｕ字状の鉄心構成体１を２個突合せて口字状
の鉄心２を構威し、この鉄心２の両磁脚に１次コイル３
を巻装したコイルボビン４．２次コイル５を巻装したコ
イルボビン６を装着し、■次コイルボビン４の上側には
両端に鍔をもったコイルボビンを半分に切断したように
絶縁板７が組込まれ、この絶縁板７の一部は１次コイル
ボビン４の中心孔８にはまりこみ、他は鉄心構成体１の
共通磁脚を被うように組込まれており、さらに１次コイ
ルボビン４と２次コイルボビン６との間にも、周面に１
次コイルボビン側に突出する鍔９をもち、鉄心２をはめ
こむ方形孔１０の周囲にコ字状の鍔１１を形成した絶縁
スペーサ１２が配置され、鍔１１は１次コイルボビン４
の中心孔８に入りこんで鉄心２と１次コイル３との絶縁
性を保っている。

このように、■次コイル３と２次コイル５を異なる鉄心
２の磁腕位置に取付けることは絶縁対策が比較的容易に
なるが、構成部品が多くなす、シかも、第４図に示すよ
うにサーチコイル１３内に１３０００ガウスの磁束が発
生するトランスを配置して漏洩磁束によるサーチコイル
１３の誘起電圧をみると２Ｖにも達していた。

これは、１次コイル３と２次コイル５との結合係数が低
いため漏洩磁束が著しく多くなると考えられ、この漏洩
磁束は他の回路や製品に雑音としてピックアップされる
ことになり、実用上大きな問題となる。

本考案は以上のような従来の欠点を除去するものである
。

以下、本考案の実施例を図面第５図〜第１０図により説
明する。

１４は口字状をした鉄心で、この鉄心１４はＬ字状の鉄
心構成体を２組突合せて構成してもよく、またＵ字状の
鉄心構成体を２組突合せて構成してもよい。

この鉄心１４の両磁脚には、１次コイルあるいは２次コ
イルのいずれか一方のコイル（ここでは１次コイルとす
る）１５を巻装した内側ボビン１６が装着され、この内
側ボビン１６の外側には、他方のコイル（ここでは２次
コイルとする）１７を巻装した外側ボビン１８が装着さ
れている。

上記内側ボビン１６は、両側に鍔１９をもち、中央に鉄
心１４の磁脚をはめこむ中心孔２０をもち、この中心孔
２０の上端の内側を除く３面には中心孔２０を延長する
ようにコ字状の突出片２１が設けられ、残りの内側の一
面には中心孔２０より多少大きな開口をもつ段部２２が
形成されている。

さらに、中心孔２０の下端には中心孔２０より多少大き
な開口をもつ段部２３が形成されている。

また外側ボビン１８も、両端に鍔２４をもち、中央に内
側ボビン１６をはめこむ中心孔２５をもち、さらに、こ
の中心孔２５の上部には内側ボビン１６と同様に中心孔
２５の３面を延長するようにコ字状に突出片２６が設け
られ、残りの一面には中心孔゛２５より大きい開口とな
る段部２７をもち、中心孔２５の下面には中心孔２５を
狭め、内側ボビン１６の中心孔２０の下部の段部２３に
はまりこむ内鍔２８が一体に設けられている。

すなわち、外側ボビン１８に内側ボビン１６をはめこむ
と、外側ボビン１８の内鍔２８が内側ボビン１６の中心
孔２０の下部の段部２３にはまりこみ、両者位置決めさ
れて結合される。

また、内外側ボビン１６．１８の上部に設けた段部２２
．２７側には鉄心１４の共通磁脚がはまりこむ構成とな
っている。

このような構成において、内外側ボビン１６．１８の上
部には絶縁スペーサ２９が組込まれる。

この絶縁スペーサ２９は、内側ボビン１６の中心孔２０
の上部の段部２２にはまりこむ幅狭な下方への突片３０
と、外側ボビン１８の中心孔２５の上部の段部２７には
まりこむ幅広の下方の突片３１をもった平板３２で構成
されている。

この絶縁スペーサ２９を被せることによって、鉄心１４
の上部の共通磁脚と各コイル１５．１７とは充分な絶縁
距離を保って絶縁性を維持する。

第７図〜第９図は各コイルと鉄心１４あるいはコイルど
うしの絶縁距離を示し、トランスとしての絶縁性を保つ
上で充分な距離となっている。

なお、上記実施例のトランスを、第１０図に示すサーチ
コイル３３内に配置し、トランス自体に１３０００ガウ
スの磁束が発生するようにして、サーチコイル３３に現
われる誘起電圧をみると、０．２ Ｖで従来のｈであっ
た。

なお、上記実施例において、外側ボビン１８として、下
部に内鍔２８を設け、内側ボビン１６の下端の段部２３
にはめこむ構成についてのみ示したが、内外側ボビン１
６．１８の下部にも突出片２１．２６を設けるとともに
段部２２．２７を設け、下側にも絶縁スペーサ２９を組
込む構成としてもよい。

この場合部品点数が１つ増加することにはなるが、絶縁
性の向上や漏洩磁束の低減化といった効果は上述の実施
例と同様である。

以上のように本考案のトランスは構成されるため、簡単
な構成で絶縁性が充分に保て、内外にコイルを配置した
ため結合係数が大きくなって漏洩磁束が著しく少なくな
って、雑音の原因となることもなく、内外側ボビン間の
結合状態も一定となって特性面での安定化の計れ、巻線
有効断面積も、従来のものより１０％近く大きくするこ
とができる。

さらに、内側ボビンの突出片で鉄心のガイドが計れて、
組立てが容易となり、絶縁スペーサの形状も簡単となっ
て成型しやすくなるなどの利点をもち、実用的価値の大
なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランスの正面図、第２図は同分解斜視
図、第３図は同断面図、第４図は同トランスの漏洩磁束
検査状態を示す説明図、第５図は本考案のトランスの一
実施例を示す断面図、第６図は同分解斜視図、第７図〜
第９図は同要部の拡大断面図、第１０図は同トランスの
漏洩磁束検査状態を示す説明図である。 １４・・・・・・鉄心、１５・・・・・・一方のコイル
、１６・・・・・・内側ボビン、１７・・・・・・他方
のコイル、１８・・・・・・外側ボビン、１９・・・・
・・鍔、２０・・・・・・中心孔、２１・・・・・・突
出片、２２・・・・・・段部、２３・・・・・・段部、
２４・・・・・・鍔、２５・・・・・・中心孔、２６・
・・・・・突出片、２７・・・・・・段部、２８・・・
・・・内鍔、２９・・・・・・絶縁スペーサ、３０・・
・・・・突片、３１・・・・・・突片、３２・・・・・
・平板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口字状の鉄心の両磁脚それぞれに一方のコイルを巻装し
   た内側ボビンを装着し、この内側ボビンそれぞれの外側
   に他方のコイルを巻装した外側ボビンを装着し、上記両
   内側ボビンの鉄心の磁脚をはめこむ中心孔の少なくとも
   一端の内側を除く３面に中心孔を延長するコ字状の突出
   片を設け、残りの内側の１面に中心孔より大きな開口と
   なる段部を設け、上記両外側ボビンの内側ボビンをはめ
   こむ中心孔の少なくとも一端の内側を除く３面にも中心
   孔を延長するコ字状の突出片を設け、残りの内側の１面
   に中心孔より大きな開口となる段部を設け、上記内側ボ
   ビンをそれぞれはめこんだ両外側ボビンの端面の少なく
   とも一方に両内側ボビンの中心孔の段部にはまりこむ突
   片と両外側ボビンの中心孔の段部にはまりこむ突片をも
   った絶縁スペーサを組込んで構成したトランス。