JPS5812642B2 - ピツクアツプソウチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転駆動される円板状の記録媒体より走査手段
によって記録信号を再生するピックアップ装置に関する
もので、前記記録媒体の表面に帯電された静電気が再生
信号に与える悪影響を除去せんとするものである。

近年映像信号を、記録媒体の表面に設けられたら旋状の
案内溝の内面に凹凸として記録し、この案内溝に沿って
走査体を走行せしめ、前記凹凸に応じた走査体の機械的
な振動あるいは前記走査体と記録媒体間の電気的容量の
変化等を電気信号に変換して再生映像信号とするビデオ
ディスクシステムが開発され、その実用化が進められて
いる。

このビデオディスクシステムは、高周波数帯の映像信号
を対象とするため、従来の音声信号のみを対象とするＬ
Ｐレコードに比べ、記録媒体（ディスク）の回転数は例
えば１ ８ ０ ０ ｒ．ｐ．ｍあるいは４ ５ ０
ｒ．ｐ．ｍと高速であり、又前記案内溝の深さも２μｍ
以下の非常に浅いものであり、かつ、そのピッチも４μ
ｍ程度の非常に密なるものである。

これらの関係より走査体のコンブライアンスも従来のＬ
Ｐレコードの走査体のコンブライアンスに比べ約７０倍
以上の高いものであり、また、１００■以下の極めて低
い針圧で記録媒体に接するため、極めて小さな外力によ
り全ての方向に可動な構成になっている。

このような非常に高いコンブライアンス、低針圧の走査
体を使用する場合、従来の音声レコードの走査体におい
て問題にならなかった種々の問題が生じる。

その一つの問題として、再生時に走査体に前述の信号凹
凸によらない不要な振動が生じ、再生信号のＳ／Ｎを低
下せしめる問題がある。

この不要振動は、主として記録媒体の表面に帯電された
静電気によることが発明者の実験により確認された。

すなわち、ディスクは、ジャケットよりの出し入れある
いは再生前にレコードクリーナーで表面を拭くこと等に
より帯電され、また、再生時に高速回転駆動されるため
、空気との摩擦によっても帯電され、この帯電電圧は数
ＫＶにまで達することが実測されている。

この帯電電圧は、ディスク表面に不規則に分布し、電界
の方向も全く規則性を持たない。

このように不規則に帯電されたディスクをコンブライア
ンスの高い走査体で再生すると、走査体は前記ディスク
上の帯電により、不規則な方向に不規則な力を受けて振
動が発生し、この結果走査体により検出される信号出力
電圧の変動や、走査体の先端が案内溝から飛び出す等の
好ましくない現象が発生する。

本発明は、かかる不要振動を除去軽減する一手段を提供
するものであり、以下図面を参照してその実施例をあげ
説明する。

第１図および第２図において、１はディスクであり、２
は弾性材３を介してディスク１の径方向，に移動される
キャリツジ７に支持されたカンチレバー、４はピックア
ップ針であり、以上は従来のこの種のピックアップ装置
と同一である。

５は断面がコ字状に折曲された導電性の板であり、一端
は前記キャリツジ７に支持され、前記コ字状断面の両端
縁５ａ ，５ｂがディスク１の表面と例えば１ｍｍ程度
の一定の距離ｄを有して平行になるよう配設され、かつ
、ピックアップ針４の両側（ピックアップ針４のキャリ
ツジ７の移動にともなう移動方向に対して前後）に位置
するように設けられ，ている。

また、ピックアップ針４の両側に配設された導電性板５
の両端縁５ａ ，５ｂは、ディスクの信号凹凸より鋭角
的なカミソリの刃のように鋭どく構成されている。

なお、この導電板５の振動は前記弾性材３等に，よって
直接ピックアップ針４に伝達されないよう構成されてい
る。

この構成によれば、ピックアップ針４の両側において、
ディスク１と近接して導電体が位置されているため、ピ
ックアップ針４の両側のディスク１の表面に帯電されて
いる電荷によるピックアップ針４を含む走査体への吸引
力は前記導電体５で遮へいされた状態となり、電荷分布
の不均一による走査体の振動になくなるものである。

また、この構成において、ディスク１が回転し、前記導
電性板５の下を通過する際、前述したシールド効果の他
に、帯電電圧そのものを低下せしめる作用を有する。

すなわち、このようにディスクという平板とカミソリの
刃のような線状の電極との間隙においては、この導電性
の鋭い辺をもった板の端部に著しい電界の集中が起こり
、電圧がある値になると放電または暗電流を生じ前記デ
ィスクの帯電電圧を降下させ、前記ピックアップ針４に
不規則な力を及ぼさなくなる。

更に他の効果としてつぎのことかあげられる。

前記導電性の板のディスクに対向する辺が鋭いことによ
る電界の集中のため、導電性板の先端が平板状である場
合に比べ、帯電電荷が充分たまらない間に放電が起り、
放電が起った時与えられた熱エネルギーによる蒸発・溶
融等の損傷が生じても、この導電性の側に生じ、上記デ
ィスクには損傷を及ぼさないものである。

第３図、第４図は第１の実施例において、電荷の放電特
性を更に効果的になるよう構成した他の実施例を示すも
ので、ディスク１と対向する導電性板部に針状の導電体
６を密接して設けたものである。

この針状導電体６としては、特に極細（直径８μｍ程度
）のカーボン繊維が適当である。

何故なら先端に結晶状の突起を有して放電し易すく、し
かも放電により溶解せず炭酸ガスとなり、いつまでも前
記突起形状を保持するからである。

以上のように、本発明はディスク上に不規則に分布され
た電荷の電気力線より走査体を遮へいするものであるた
め、走査体に加わる電荷による吸引力は均一化され走査
体の振動は軽減するものであり、また、この遮へい物の
ディスクと対向する部分が鋭く構成されているので、こ
の遮へい物が平板状のものに比べディスク上に帯電され
る電荷が充分に帯電されない内に放電または暗電流とし
て放散されるため、充分に帯電が行なわれた後に放電さ
れる場合に比べ、放電時の熱エネルギーによる蒸発、溶
融等により、ディスクを損傷する度合は軽減されるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例のピックアップ装置を示す斜
視図、第２図は同正面図、第３図は本発明の他の実施例
を示す側面図、第４図は同正面図である。 １・・・・・・ディスク（記録媒体）、２・・・・・効
ンチレバー、３・・・・・・弾性材、４・・・・・・ピ
ックアップ針、５・・・・・・導電性板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転駆動される表面にら旋状の案内溝を有する円板
   状の記録媒体の前記案内溝に接し、かつ前記記録媒体の
   径方向に順次移動される走査体により、前記案内溝内に
   記録された信号を再生するピックアップ装置において、
   先端に前記走査体が設けられたカンチレバーの前記記録
   媒体の径方向の両側に近接して、先端部が前記記録媒体
   の信号凹凸より鋭角的な導電体を、その先端部が前記記
   録媒体に近接するとともに、前記カンチレバーの両側を
   遮へいするよう配設したことを特徴とするピックアップ
   装置。 ２ 導電体は複数本のカーボン繊維からなることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載のピックアップ装置
   。