JPH1193043A - 織機の回転数制御方法と、その装置 - Google Patents

織機の回転数制御方法と、その装置

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JPH1193043A
JPH1193043A JP25052697A JP25052697A JPH1193043A JP H1193043 A JPH1193043 A JP H1193043A JP 25052697 A JP25052697 A JP 25052697A JP 25052697 A JP25052697 A JP 25052697A JP H1193043 A JPH1193043 A JP H1193043A
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JP
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brake
loom
rotation speed
speed
braking force
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JP25052697A
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English (en)
Inventor
Zenji Tamura
善次 田村
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Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 織機を減速制御する際、減速に要する時間を
短くする。 【解決手段】 製織条件に対応して織機の回転数を設定
する回転数設定手段10と、織機を減速制御するとき、
ブレーキBを作動させるブレーキ制御手段20とを設け
る。ブレーキ制御手段20は、減速に必要な制動力Fを
算出し、ブレーキ信号SbとしてブレーキBに出力して
ブレーキBを作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ブレーキを用い
て減速制御し、織機を速やかに減速制御することができ
る織機の回転数制御方法と、その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多色緯入れを行なう場合、織機は、その
生産性を最大にするために、緯入れすべき緯糸の種別に
対応して最適の回転数に変速して運転することが好まし
い(たとえば特開平5−78955号公報)。強度の小
さい切れ易い緯糸は、その緯入れ速度を適正に制限しな
ければ正常な緯入れを実現することができず、また、エ
アジェットやウォータジェットにおいて、いわゆる飛び
難い糸は、大きな緯入れ速度を実現することが困難であ
るからである。なお、運転中の開口パターンも織機の回
転数を制限することがあり、上下に駆動される綜絖枠の
枚数に極端なアンバランスを生じるような開口パターン
にあっては、織機のフレームが振動し易く、回転数を小
さく制限する必要がある。
【0003】変速運転する織機は、インバータを介し、
主軸を駆動する駆動モータを変速するのが普通である。
すなわち、緯入れすべき緯糸の種別や、運転中の開口パ
ターンなどの製織条件に対応して織機の目標回転数を設
定し、この目標回転数を実現するように、インバータを
介して駆動モータを変速すればよい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、駆動モータは、織機を減速制御する際に、急激
な減速勾配を実現することができないため、必要以上に
長い減速時間を要し、生産性を十分に高くすることがで
きないという問題があった。インバータに付設する回生
電力吸収用のコンデンサは、その容量を必要十分に大き
くすることが難しく、したがって、駆動モータは、十分
に大きな減速トルクを発生することができないからであ
る。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、減速制御時にブレーキを併用すること
によって、急激な減速勾配を実現し、生産性を向上させ
ることができる織機の回転数制御方法と、その装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの出願に係る第1発明の構成は、製織条件に対応
して織機を減速制御するに際し、必要な制動力を算出
し、ブレーキを作動させることをその要旨とする。
【0007】第2発明の構成は、製織条件に対応して織
機の回転数を設定する回転数設定手段と、回転数設定手
段からの目標回転数に基づいて織機を減速制御すると
き、ブレーキを作動させるブレーキ制御手段とを備える
ことをその要旨とする。
【0008】なお、ブレーキ制御手段は、制動力を算出
する演算部と、演算部からの制動力をブレーキ信号とし
て出力する駆動部とを有することができる。
【0009】また、演算部は、回転数設定手段からの目
標回転数に基づいて制動力を算出してもよく、回転数設
定手段からの目標回転数に従って作動する駆動用のイン
バータの出力周波数に基づいて制動力を算出してもよ
く、また、回転数設定手段からの許容最高回転数に基づ
いて制動力を算出してもよい。
【0010】なお、ブレーキ制御手段には、設定部を付
設し、設定部には、減速制御の開始に先行してブレーキ
信号を出力するための先行量を設定することができる。
【0011】
【作用】かかる第1発明の構成によるときは、織機を減
速制御する際に、減速に必要な制動力を算出してブレー
キを作動させるから、減速時間を短くして速やかに所定
の目標回転数を実現することができる。すなわち、織機
は、製織条件が変わって高速運転から低速運転に移行す
るとき、減速制御の開始時点を遅くし、その分だけ高速
運転を長く継続することができる。ただし、ここでいう
製織条件とは、多色緯入れを行う場合の緯糸の種別や、
運転中の開口パターンなどのように、織機の回転数を制
限する任意の因子をいう。
【0012】第2発明の構成によるときは、ブレーキ制
御手段は、回転数設定手段からの目標回転数に基づいて
織機を減速制御する際に、ブレーキを作動させることに
よって、所定の低速回転数を速やかに実現することがで
きる。
【0013】演算部と駆動部とを有するブレーキ制御手
段は、演算部において減速制御に必要な制動力を算出
し、駆動部は、算出された制動力に基づいてブレーキ信
号を出力し、ブレーキを作動させることができる。
【0014】演算部は、回転数設定手段からの目標回転
数や、回転数設定手段からの目標回転数に従って作動す
るインバータの出力周波数に基づいて必要な制動力を正
確に算出することができる。算出される制動力は、織機
の回転数を所定の期間内に減速させるために必要な制動
力である。
【0015】演算部は、回転数設定手段からの許容最高
回転数に基づいて制動力を算出することにより、減速制
御に入る以前に制動力を算出することができ、ピックご
とに制動力を算出する必要がない。
【0016】設定部をブレーキ制御手段に付設するとき
は、設定部は、先行量を設定することにより、ブレーキ
の機械的な作動遅れを考慮して、駆動部においてブレー
キ信号を出力する時点を減速制御の開始時点より先行さ
せることができ、ブレーキの作動時期と減速制御の開始
時期とを一致させ、一層正確な減速制御を実現すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0018】織機の回転数制御装置は、回転数設定手段
10と、ブレーキ制御手段20とを備えてなり(図
1)、回転数設定手段10には、歩進信号発生手段30
が付設されている。
【0019】歩進信号発生手段30は、2個の近接スイ
ッチ31a、31bを織機の主軸MSの近傍に配設する
とともに、歩進信号発生部32を備えている。すなわ
ち、主軸MSに突設した作用片MS1 に対峙するように
して近接スイッチ31a、31bを配設し、その出力信
号を歩進信号発生部32に入力させることにより、歩進
信号発生部32は、正転パルス信号Sp1と逆転パルス信
号Sp2とを出力することができるものとする。ただし、
正転パルス信号Sp1、逆転パルス信号Sp2は、それぞれ
織機が正転方向、逆転方向に回転しているとき、主軸M
Sの1回転ごとに出力されるものとする。
【0020】回転数設定手段10は、データ設定部1
1、データ記憶部12、領域番号判別部13、データ処
理部14、カウンタ15、比較器16を備えている。
【0021】カウンタ15は、歩進信号発生部32から
の正転パルス信号Sp1、逆転パルス信号Sp2をそれぞれ
アップ端子U、ダウン端子Dに入力し、その出力は、現
在のピック番号pとして領域番号判別部13、データ処
理部14、比較器16に分岐入力されている。
【0022】データ設定部11の出力は、データ記憶部
12を介して領域番号判別部13、データ処理部14に
分岐接続され、領域番号判別部13の出力は、データ処
理部14に接続されている。比較器16には、データ記
憶部12の他の出力が併せ接続され、比較器16の出力
は、カウンタ15のリセット端子Rに接続されている。
【0023】データ処理部14の出力は、駆動モータM
の目標回転数Nを示す目標回転数信号Sn として、イン
バータINV、ブレーキ制御手段20に分岐入力されて
いる。駆動モータMは、図示しない織機の主軸MSを駆
動する原動用モータであって、インバータINVを介し
て電源ACに接続され、インバータINVによって変速
運転されている。
【0024】データ記憶部12、領域番号判別部13の
各出力は、それぞれ緯糸選択部41に分岐接続され、緯
糸選択部41の出力は、緯入れすべき緯糸の種別Yi を
示す緯糸選択信号Sy として、多色緯入れ装置WFに入
力されている。なお、多色緯入れ装置WFは、図示しな
い緯入れ機構を使用し、緯糸選択信号Sy によって指定
される緯糸を所定のタイミングに緯入れするものとす
る。
【0025】ブレーキ制御手段20は、演算部21と駆
動部22とからなる。
【0026】演算部21は、データ処理部14からの目
標回転数信号Sn を入力し、演算部21の出力である制
動力Fは、駆動部22を介し、ブレーキ信号Sb として
ブレーキBに導かれている。ブレーキBは、ブレーキ信
号Sb により、主軸MSに対して制動力Fを作用させる
ことができる。ただし、主軸MS上の作用片MS1 は、
ブレーキBの作用域以外に突設するものとする。
【0027】かかる織機の回転数制御装置の作動は、次
ぎのとおりである。
【0028】まず、データ記憶部12には、データ設定
部11を介して設定されるデータDが一括して記憶され
ている(図2)。
【0029】データDには、領域番号i(i=1、2…
n)によって区分される最小ピック番号pi1(i=1、
2…n)、最大ピック番号pi2(i=1、2…n)に対
応して、緯糸の種別Yi (i=1、2…n)と、許容最
高回転数Ni (i=1、2…n)とが含まれている。こ
こで、領域番号iとは、ピック番号pが、p11≦p≦p
n2からなる緯糸の選択パターンの一巡範囲(以下、1リ
ピートという)T内において、そのi番目の領域にある
ことを示す番号であり、最小ピック番号pi1、最大ピッ
ク番号pi2は、それぞれ領域番号iに対応する領域の区
切りを示すピック番号である。また、緯糸の種別Yi
は、領域番号iに対応する領域において緯入れすべき緯
糸を示し、許容最高回転数Ni は、緯糸の種別Yi によ
って決まる織機の回転数の最大許容値を示す。ただし、
図2において、p11=1、pi1=p(i-1)2+1である。
【0030】カウンタ15は、正転パルス信号Sp1と逆
転パルス信号Sp2とを入力するリバーシブルカウンタを
形成している(図1)。
【0031】カウンタ15の内容は、1リピートT内に
おける現在のピック番号pを示す。すなわち、データ設
定部11を介して入力されたデータDのうち、1リピー
トT内のピック番号pの最大値である最大ピック番号p
n2がデータ記憶部12から比較器16に入力されると、
比較器16は、最大ピック番号pn2と現在のカウンタ1
5の内容とを比較し、後者が前者を超えたときにカウン
タ15の内容を強制的に1にイニシャライズする。そこ
で、カウンタ15は、正転パルス信号Sp1を計数するこ
とにより、1リピートT内における現在のピック番号p
を出力することができる。ただし、カウンタ15は、不
良緯糸の口出し等のために織機を逆転したときは、逆転
パルス信号Sp2により、その内容を1ずつ減算し、p<
1となったときにp=pn2にプリセットするものとす
る。
【0032】領域番号判別部13は、カウンタ15から
の現在のピック番号pを入力すると、データ記憶部12
から最小ピック番号pi1、最大ピック番号pi2を順次読
み出し、ピック番号pと、最小ピック番号pi1、最大ピ
ック番号pi2とを比較した上、ピック番号pがpi1≦p
≦pi2となる領域を見出し、そのピック番号pに対応す
る領域番号iを特定してデータ処理部14に出力する。
データ処理部14は、領域番号iに対応させてデータ記
憶部12からデータD中の許容最高回転数Ni-1 、Ni
、Ni+1 を読み出し、許容最高回転数Ni-1 、Ni 、
Ni+1 に基づき、駆動モータMの目標回転数Nを決定し
てインバータINV、演算部21に出力する。一方、緯
糸選択部41は、領域番号判別部13からの領域番号i
に対応させてデータ記憶部12に記憶されているデータ
Dを参照し、領域番号iに対応する緯糸の種別Yi を特
定して、緯糸選択信号Sy として多色緯入れ装置WFに
出力することができる。
【0033】演算部21は、データ処理部14からの目
標回転数Nに基づいて、織機の実際の回転数を目標回転
数Nに一致させるために必要な制動力Fを演算する。す
なわち、演算部21は、目標回転数Nの変化率dN/d
tを求め、dN/dt<0のとき、すなわち減速時にお
いて、変化率dN/dtを実現するために必要な制動力
F=f(dN/dt)を求めることができる。また、駆
動部22は、演算部21からの制動力Fをブレーキ信号
Sb としてブレーキBに出力する。なお、関数f(dN
/dt)は、ブレーキBの性能、駆動モータMによって
実現可能な減速トルク、織機の慣性二次モーメント等を
因子として含む関数であって、実際には実験式として求
めてもよい。
【0034】データ処理部14は、領域番号判別部13
からの領域番号i、カウンタ15からのピック番号pが
更新される都度、それぞれ図3、図4のプログラムフロ
ーチャートに従って動作する。ただし、データ処理部1
4は、ピック番号pが更新されることによって領域番号
iが同時に更新されたときは、図3のプログラムを実行
した後、図4のプログラムを実行するものとする。
【0035】領域番号iが更新されると、図3のプログ
ラムがスタートする。プログラムは、まず、データ記憶
部12から、領域番号(i−1)、i、(i+1)に対
応する許容最高回転数Ni-1 、Ni 、Ni+1 を読み出す
(図3のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)
のように記す)。なお、i=nであるときは、i+1=
1とし、i=1であるときは、i−1=nとする。
【0036】次いで、プログラムは、ΔN1 =Ni −N
i-1 、ΔN2 =Ni+1 −Ni を演算し(2)、ΔN1 >
0のときは(3)、Δp1 =ΔN1 /α1 を演算し
(4)、そうでないときは(3)、Δp1 =0とする
(5)。ここで、ΔN1 >0は、現在の領域番号iに先
行する領域番号(i−1)から領域番号iにかけて、許
容最高回転数Ni-1 、Ni が増加する場合を示し(図6
(A))、このとき、プログラムは、駆動モータMの目
標回転数Nに対し、領域番号iの領域中に、その始期か
らスタートする移行区間Δp1 を設定するものとする。
また、移行区間Δp1における目標回転数Nは、ピック
番号pに対し、勾配α1 により直線的に増加させるもの
とする。
【0037】プログラムは、つづいて、ΔN2 <0のと
きは(6)、Δp2 =|ΔN2 |/α2 を演算し
(7)、そうでないときは(6)、Δp2 =0とする
(8)。すなわち、プログラムは、領域番号iから次ぎ
の領域番号(i+1)にかけて許容最高回転数Ni 、N
i+1 が減少するときは(図6(B))、領域番号iの領
域中に、その終期に一致する移行区間Δp2 を設定する
ものとし、移行区間Δp2 における目標回転数Nは、勾
配α2 により直線的に減少させるものとする。
【0038】次いで、データ処理部14は、ピック番号
pが更新されると、図4のプログラムフローチャートに
従い、ピック番号pに対応する駆動モータMの目標回転
数Nを算出する。
【0039】すなわち、プログラムは、まず、仮の目標
回転数Na 、Nb 、Nc を設け、Na =Nb =Nc =0
とした後(図4のプログラムステップ(1)、以下、単
に(1)のように記す)、Δp1 =0でないときは
(2)、現在のピック番号pが、pi1≦p≦pi1+Δp
1 であり、移行区間Δp1 内にあることを確認して
(3)、 Na =Ni-1 +α1 (p−pi1) を演算する(4)。また、以上のいずれにも該当しない
場合は((2)、(3))、プログラムステップ(5)
を実行する。すなわち、プログラムは、Δp2 =0でな
いときは(5)、ピック番号pが、pi2−Δp2 ≦p≦
pi2であり、移行区間Δp2 内にあることを確認して
(6)、 Nc =Ni+1 +α2 (pi2−p) を演算し(7)、次いで、Nb =Ni とする(8)。ま
た、以上のいずれにも該当しない場合も((5)、
(6))、同様にプログラムステップ(8)を実行す
る。
【0040】プログラムは、以上のようにして演算され
る仮の目標回転数Na 、Nb 、Ncの最小値を選択する
ことにより、目標回転数Nを、N=min (Na 、Nb 、
Nc)として算出する(9)。ただし、min (Na 、Nb
、Nc )は、仮の目標回転数Na 、Nb 、Nc のう
ち、その値がゼロのものを除いて、それらの最小値をと
るものとする。データ処理部14は、このようにして決
定する目標回転数Nを目標回転数信号Sn としてインバ
ータINV、演算部21に出力すればよい。なお、ここ
で、目標回転数Nとして、N=min (Na 、Nb 、Nc
)をとるのは、領域番号iに対応する領域の幅Δpi
=pi2−pi1が狭く、移行区間Δp1 、Δp2 が重なり
合う場合であっても(図6(C))、目標回転数Nが支
障なく連続するようにするためである(同図の実線)。
【0041】データ処理部14からの目標回転数Nは、
ピック番号pが更新されるごとに更新され、インバータ
INV、演算部21に分岐入力されている。そこで、イ
ンバータINVは、目標回転数Nとなるように駆動モー
タMを変速運転し、演算部21は、図5のプログラムを
繰り返し実行する。
【0042】プログラムは、目標回転数Nを読み込み
(図5のプログラムステップ(1)、以下、単に(1)
のように記す)、目標回転数Nの変化量dN/dtを算
出して、dN/dt<0のときは(2)、必要な制動力
F=f(dN/dt)を演算し(3)、ブレーキ信号S
b として駆動部22から制動力FをブレーキBに出力さ
せ(4)、そうでないときは(2)、ブレーキ信号Sb
の出力を停止させて(5)、終了する。なお、駆動部2
2からブレーキ信号Sb がブレーキBに出力されると、
ブレーキBは、主軸MSに制動力Fを作用させ、織機を
減速制御することができる。
【0043】以上のようにして、データ処理部14は、
製織の進行に従い、領域番号iに対応する許容最高回転
数Ni に基づく目標回転数NをインバータINV、演算
部21に出力することができ、しかも、このとき、目標
回転数Nが変動する途中の過程は、許容最高回転数Ni
が大きい方の領域内に移行区間Δp1 、Δp2 を設定す
ることができる(図7)。ただし、同図には、n=4か
らなる1リピートTが例示されている。領域番号i=1
のとき、N1 >N4 、N1 >N2 であるから、移行区間
Δp1 、Δp2 が領域番号i=1の領域内にある。ま
た、領域番号i=2のとき、N3 <N2 <N1 であるか
ら、移行区間Δp2 のみが領域内にある。すなわち、織
機は、許容最高回転数Ni による運転期間を最大に延長
することにより、最高の生産性を実現することができ
る。
【0044】移行区間Δp1 における目標回転数Nの勾
配α1 は、一般に、駆動モータMの速度制御系や、緯入
れに使用するエア圧の圧力制御系、緯入れのタイミング
制御系、経糸張力制御系等の追従応答特性により、その
許容上限値を採用すればよい。また、移行区間Δp2 に
おける勾配α2 は、主としてブレーキBの性能によって
決まるから、減速実験により許容上限値を定めればよ
い。なお、勾配α1 、α2 は、データ設定部11におい
て設定されるデータDに追加してデータ記憶部12に記
憶させ、データ記憶部12を介してデータ処理部14に
読み込めばよい。
【0045】なお、領域番号iに対応する領域の幅Δp
i が極端に狭いときは、それに対応する許容最高回転数
Ni が大きくても、各制御系の応答ができないために、
目標回転数Nは、前後の許容最高回転数Ni-1 、Ni+1
によって決まる値に留めるべきである。図4のプログラ
ムフローチャートは、N=min (Na 、Nb 、Nc )を
介して目標回転数Nを決定することにより、このような
事態に対しても適切に対応することができる。
【0046】以上の説明において、移行区間Δp1 、Δ
p2 は、勾配α1 、α2 に基づいて求めたが、勾配α1
、α2 の許容上限値内において実現可能な移行区間Δ
p1 、Δp2 を指定し、そのときの勾配α1 、α2 から
目標回転数Nを求めるようにしてもよい。
【0047】また、各移行区間Δp1 、Δp2 における
目標回転数Nは、直線変化に代え、他の任意の連続的な
曲線に従って変化させてもよいものとする。
【0048】なお、ブレーキBは、減速制御用に新設し
てもよく、織機停止用に用いられている既存のブレーキ
を減速制御用に兼用してもよい。
【0049】また、以上の説明は、多色緯入れ装置WF
を用いる際の織機の回転数制御について述べたが、この
発明は、開口パターンに基づく織機の回転数制御につい
ても、そのまま適用することができる。すなわち、綜絖
枠の上行枚数、下行枚数に着目し、開口パターンの種別
に応じて許容最高回転数を設定してもよい。このとき、
図1の緯糸選択部41、多色緯入れ装置WFを開口パタ
ーン選択部、開口装置に代えるとともに、図2の緯糸の
種別Yi を開口パターンの種別とすればよい。
【0050】
【他の実施の形態】演算部21は、インバータINVの
出力周波数Fr に基づいて制動力Fを算出することがで
きる(図8)。ただし、インバータINVは、回転数設
定手段からの目標回転数Nに従って作動し、出力周波数
Fr は、駆動モータMの駆動周波数である。なお、演算
部21は、電源ACからの周波数を駆動モータMの駆動
周波数に変換する指令信号を出力周波数Fr としてイン
バータINVから直接入力してもよく、インバータIN
Vの出力から入力してもよい。このとき、図5のプログ
ラムは、目標回転数Nに代えて、出力周波数Fr に基づ
いて必要な制動力Fを算出すればよい。
【0051】演算部21は、データ処理部14から許容
最高回転数Ni 、Ni+1 を入力し、許容最高回転数Ni
、Ni+1 に基づいて制動力Fを算出することもできる
(図9)。なお、駆動部22には、カウンタ15からの
ピック番号pを分岐入力しておく。
【0052】演算部21、駆動部22は、領域番号iが
更新され、許容最高回転数Ni が出力される都度、図1
0のプログラムフローチャートに従って動作する。すな
わち、許容最高回転数Ni が更新されると、プログラム
は、まず、データ処理部14からの許容最高回転数Ni
、Ni+1 を読み込む(図10のプログラムステップ
(1)、以下、単に(1)のように記す)。なお、i=
nであるとき、i+1=1とする。
【0053】次いで、プログラムは、ΔN=Ni+1 −N
i を演算し(2)、ΔN<0のときは(3)、必要な制
動力F=f(ΔN)を演算し(4)、そうでないときは
(3)、終了する。ここで、ΔN<0は、現在の領域番
号iから次ぎの領域番号(i+1)にかけて許容最高回
転数Ni 、Ni+1 が減少し、ブレーキBを作動させると
きを示す。
【0054】駆動部22は、カウンタ15からのピック
番号pを入力し、ピック番号pが移行区間Δp2 内にな
るまで待って(5)、制動力Fをブレーキ信号Sb とし
てブレーキBに出力する(6)。また、ブレーキ信号S
b は、ピック番号p≧pi2となるのを待って(7)、停
止させる(8)。すなわち、制動力Fは、許容最高回転
数Ni が更新されたときに算出され、ブレーキBは、そ
れを作動させる時点になったとき、制動力Fに基づいて
作動させる。
【0055】なお、領域番号iに対応する領域幅Δpi
が狭く、移行区間Δp1 、Δp2 が重なり合う場合は
(図6(C))、まず、領域幅Δpi ≦Δp1 +Δp2
であることから移行区間Δp1 、Δp2 が重なり合うこ
とを認識し、両方の移行区間Δp1 、Δp2 内における
目標回転数Nが一致する時点を算出して、その時点から
ブレーキ信号Sb を出力してブレーキBを作動させれば
よい。なお、この時点のピック番号pは、たとえば p=(α1pi1 +α2pi2 +α1Δp1−α2Δp2)/
(α1 +α2 ) として求めることができる。
【0056】ブレーキ制御手段20には、設定部23を
付設してもよい(図11)。設定部23には、ブレーキ
信号Sb を入力してからブレーキBが実際に制動を開始
するまでの機械的な動作遅れを先行量Δp3 として設定
する。
【0057】演算部21は、データ処理部14からの許
容最高回転数Ni 、Ni+1 を入力してΔN=Ni+1 −N
i を演算し、ΔN<0のとき、設定部23から先行量Δ
p3を読み込み、制動力Fとともに駆動部22に出力す
る。そこで、駆動部22は、ピック番号pがp=pi2−
(Δp2 +Δp3 )になった時点において、移行区間Δ
p2 における減速制御の開始に先行してブレーキ信号S
b を出力することができる(図12)。なお、このとき
のプログラムは、図10のプログラムステップ(5)に
おいて、Δp2 を(Δp2 +Δp3 )に代えればよい。
また、Δp3 が1ピックよりも小さい値となるときは、
Δp3 を時間または主軸MSの回転角度に換算して、ブ
レーキ信号Sb の出力時点を定めてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第
1発明によれば、織機の回転数を減速制御するに際し、
必要な制動力を算出してブレーキを作動させることによ
って、減速に要する時間を必要十分に短くして急激な減
速勾配を実現することができるから、製織条件に対応す
る許容最高回転数を長く維持することができ、生産性を
向上させることができるという優れた効果がある。
【0059】第2発明によれば、回転数設定手段と、減
速制御の際にブレーキを作動させるブレーキ制御手段と
を設けることによって、ブレーキ制御手段は、適切な制
動力を算出してブレーキを作動させることができ、第1
発明を容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体構成ブロック系統図
【図2】 記憶データを示す図表
【図3】 プログラムフローチャート(1)
【図4】 プログラムフローチャート(2)
【図5】 プログラムフローチャート(3)
【図6】 動作説明線図(1)
【図7】 動作説明線図(2)
【図8】 他の実施の形態を示す要部ブロック系統図
(1)
【図9】 他の実施の形態を示す要部ブロック系統図
(2)
【図10】 図9のプログラムフローチャート
【図11】 他の実施の形態を示す要部ブロック系統図
(3)
【図12】 図11の動作説明線図
【符号の説明】
B…ブレーキ INV…インバータ F…制動力 Fr …出力周波数 N…目標回転数 Ni …許容最高回転数 Δp3 …先行量 Sb …ブレーキ信号 10…回転数設定手段 20…ブレーキ制御手段 21…演算部 22…駆動部 23…設定部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製織条件に対応して織機を減速制御する
    に際し、必要な制動力を算出し、ブレーキを作動させる
    ことを特徴とする織機の回転数制御方法。
  2. 【請求項2】 製織条件に対応して織機の回転数を設定
    する回転数設定手段と、該回転数設定手段からの目標回
    転数に基づいて織機を減速制御するとき、ブレーキを作
    動させるブレーキ制御手段とを備えてなる織機の回転数
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ制御手段は、制動力を算出
    する演算部と、該演算部からの制動力をブレーキ信号と
    して出力する駆動部とを有することを特徴とする請求項
    2記載の織機の回転数制御装置。
  4. 【請求項4】 前記演算部は、前記回転数設定手段から
    の目標回転数に基づいて制動力を算出することを特徴と
    する請求項3記載の織機の回転数制御装置。
  5. 【請求項5】 前記演算部は、前記回転数設定手段から
    の目標回転数に従って作動する駆動用のインバータの出
    力周波数に基づいて制動力を算出することを特徴とする
    請求項3記載の織機の回転数制御装置。
  6. 【請求項6】 前記演算部は、前記回転数設定手段から
    の許容最高回転数に基づいて制動力を算出することを特
    徴とする請求項3記載の織機の回転数制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ブレーキ制御手段には、設定部を付
    設し、該設定部には、減速制御の開始に先行してブレー
    キ信号を出力するための先行量を設定することを特徴と
    する請求項6記載の織機の回転数制御装置。
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