JPH117194A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH117194A
JPH117194A JP17522297A JP17522297A JPH117194A JP H117194 A JPH117194 A JP H117194A JP 17522297 A JP17522297 A JP 17522297A JP 17522297 A JP17522297 A JP 17522297A JP H117194 A JPH117194 A JP H117194A
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JP
Japan
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developer
carrier
developing device
toner
developing
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JP17522297A
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English (en)
Inventor
Yutaka Kanai
豊 金井
Yasuaki Watanabe
靖晃 渡辺
Shigeru Inaba
繁 稲葉
Migaku Fukuhara
琢 福原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤
を用い、静電電位の差による潜像を可視化する現像装置
において、現像剤の劣化を防止するとともに、良好な画
質を安定して維持する。 【解決手段】 二成分現像剤を周面に磁気的に吸着して
周回搬送する現像剤担持体3を、潜像が形成される像担
持体2と対向して配置する。また、この現像剤担持体3
と対向するように現像剤循環移送部材5を設け、層規制
部材4をこの現像剤循環移送部材5と現像剤担持体3と
の間隙内に、先端を下流側から突き出すように設ける。
これにより、層規制部材上流側の現像剤の滞留が解消さ
れる。さらに、この層規制部材4が設けられた位置より
上流側では、現像剤担持体3に内蔵された磁石3bが、
隣接した同極性の二つの磁極を有し、反発磁界が形成さ
れてている。現像剤担持体上で搬送される現像剤はこの
反発磁界で攪拌され、トナー濃度のむらが解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式のプ
リンタ又は複写機等に使用される現像装置に係り、特に
磁性キャリアとトナーとを混合した二成分現像剤を使用
する現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いる従来の二成分現像
装置として、周面が周回可能に支持された像担持体と近
接対向するように現像剤担持体を配置したものが一般的
に知られている。この現像装置が有する現像剤担持体
は、周回駆動される薄肉円筒状のスリーブと、この内側
に配置された複数の磁極を有する磁石ロールとを備えて
おり、この磁石ロールの磁界によってスリーブ上に現像
剤を吸着し、キャリアが穂状に連なった磁気ブラシを形
成する。そして、スリーブの周回移動によってこの磁気
ブラシを像担持体に摺擦又は近接させ、現像剤担持体に
印加されるバイアス電圧により、トナーを像担持体上の
潜像に転移させて現像を行なう。このような現像装置に
おいては、像担持体と現像剤担持体との対向部に搬送さ
れる現像剤の量を調整するための層規制部材が、現像剤
担持体と所定の間隙を有して配置されている。
【0003】しかしながら、上記のように層厚規制部材
を用いた場合には、層厚規制部材の前面部すなわち現像
剤搬送方向の上流側で、現像剤が過度に充填された状態
となるため現像剤に強い圧縮力が作用する。また現像剤
が層厚規制部材と現像剤担持体との間隙を通過する際に
は、現像剤に強い摩擦力が作用する。このような力によ
って現像剤の劣化が生じる。
【0004】上記現像剤の劣化はトナーの劣化とキャリ
アの劣化とに大別され、双方とも圧縮力や摩擦力等によ
り発生するものであり、トナーおよびキャリアの代表的
な劣化形態とその影響は次のとおりである。一般にトナ
ーの劣化は、帯電性及び流動性向上のために加えられた
外添剤がトナー表面から剥離したり、トナーの樹脂中へ
埋没することによって生じる。このような劣化が進行す
ると摩擦帯電特性が変化し、トナーの電荷量分布は極め
て広く不安定となる。このため、電荷量の低いトナーお
よび所定の極性と逆極性に帯電したトナー(以降、逆極
性トナーと称す)が生じて背景部へのカブリが発生す
る。
【0005】また上記のようなトナーの劣化が生じる
と、トナーとキャリアとの接触面積が増大するために、
トナーとキャリアとの間の付着力は増大する。このた
め、トナーはキャリアの表面から剥離し難くなり、現像
されるトナー量は減少して画像濃度が低下してしまう。
特に非接触型二成分現像においては、トナーと像担持体
との間の付着力が存在しないために、トナーのキャリア
表面からの剥離は、電界によりトナーに作用するクーロ
ン力が、トナーとキャリアとの間の付着力より大きくな
った場合に発生する。従って、トナー劣化に伴うトナー
とキャリアとの間の付着力の増大により、画像濃度の低
下は顕著に表われる。このように、トナーの劣化による
画像欠陥が発生する状態となると、現像剤の寿命が尽き
たということであり、現像剤の交換が必要となる。
【0006】一方、キャリアの劣化は、キャリア表面へ
のトナー又はトナーの外添剤の固着によって発生する。
このような劣化が生じると、キャリア表面にトナーと同
種の材料が存在するために、トナーとキャリアとの摩擦
帯電序列の差は、劣化前に比べて小さくなる。従って、
キャリアの劣化に伴いトナーの電荷量は減少し、電荷量
の低いトナーおよび逆極性トナーが生じて、背景部への
カブリが発生することになる。
【0007】このような問題を解決する方法としては、
例えば特開昭63−217386号公報又は特開昭61
−65278号公報に開示されているものがある。特開
昭63−217386号公報に開示された現像装置は、
図10に示すように、永久磁石が内蔵された現像ロール
102の表面に現像剤層を担持して感光体ドラム101
表面の潜像を現像するものであり、現像ロール102の
周回方向における現像領域の上流側に、現像剤層の厚さ
を規制する層厚規制部材103と、この層厚規制部材1
03によって切り取られた現像剤を磁気的に吸着して移
送するための現像剤還流ロール104とが備えられてい
る。そして、層厚規制部材103によって切り取られ
て、その上流側に滞留した現像剤を現像剤還流ロール1
04によって現像剤貯留室105側へ移送し、トナーの
摩擦や凝集を防止しようとするものである。
【0008】特開昭61−65278号公報に開示され
た現像装置は、感光体と対向する位置に、現像用マグネ
ットローラが設けられており、その後方には攪拌ローラ
とが設けられている。また、現像用マグネットローラと
対向する位置に、このローラ上の現像剤をかき取るよう
にして層厚を規制する層規制部材が配設され、この層規
制部材によって規制された現像剤中のトナー濃度を検出
するトナー濃度検知センサが設けられている。そして、
このトナー濃度検知センサによる検知濃度に基づき、現
像剤中のトナー濃度を制御するようになっている。ま
た、前記現像用マグネットローラより弱い磁力を有する
余剰現像剤搬送用マグネットローラが前記層規制部材の
上流側に設けられており、余剰現像剤搬送用マグネット
ローラと現像用マグネットローラとの間隔が、層規制部
材と現像用マグネットローラとの間隔より広く設定され
ている。このような構成とすることにより、層規制部材
にかき取られて層規制部材の上流側で滞留した現像剤
を、余剰現像剤搬送用マグネットローラに担持して攪拌
ローラ側に貫流するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の現像装置では、次に記載するように現像剤
の劣化を防止する効果が十分に得られない。上記従来の
現像装置においては、現像ロール(現像用マグネットロ
ーラ)に担持されて層形成部まで搬送された現像剤は、
現像ロールに吸着されたまま現像領域まで搬送されるも
のと、層厚規制部材により穂切りされ、層形成部の上流
に滞留するものとに分離される。そして、滞留した現像
剤は後から搬送されてくる現像剤により圧縮力を受ける
とともに、滞留現像剤量が増加していき、ある量以上に
なると後から搬送されてくる現像剤に押し出されるよう
に現像剤還流ロール又は余剰現像剤搬送用マグネットロ
ーラに吸着され、滞留域から搬出される。すなわち、現
像剤還流ロール又は余剰現像剤搬送マグネットロールが
設けられていても、層形成部の上流に滞留する現像剤
は、後から搬送されてくる現像剤によって強い圧縮力を
受けるとともに、現像領域に搬送される現像剤との間に
強い摩擦力が働き、現像剤の劣化が生じることにはなん
ら変わりはない。
【0010】また、特開昭61−65278号公報に記
載の余剰現像剤搬送用マグネットローラは、この公報に
記載の発明の本来の目的である現像剤の濃度検知を安定
して行うことに対しては効果があるものの、現像剤は現
像用マグネットローラにより層厚規制部材へ圧縮されつ
つ運ばれ、現像剤の流れを改善し、ひいては現像剤の劣
化を防止するという観点からは十分ではない。
【0011】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、長期間にわたって現像
剤の劣化が防止され、良好な画質が安定して維持される
現像装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに請求項1に記載の発明は、 静電電位の差による潜
像が形成される像担持体と対向するように配置され、ト
ナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を周面に磁気
的に吸着して周回搬送する現像剤担持体と、該現像剤担
持体上に吸着され、穂状となった二成分現像剤の層厚を
規制する層規制部材とを有する現像装置において、 前
記現像剤担持体と間隙をおいて対向するように配置さ
れ、周面が前記現像剤担持体との対向位置で同方向に移
動するように駆動される現像剤循環移送部材を有し、
前記層規制部材は、前記現像剤担持体の周回方向下流側
から、対向する現像剤担持体と前記現像剤循環移送部材
との間隙内に先端を突き出すように支持され、 前記現
像剤循環移送部材は、前記層規制部材によって規制され
た現像剤を担持して移送するものであり、 前記現像
剤担持体は、 固定支持され、周面に沿って複数の磁極
を有する磁石と、この磁石の周囲で周回駆動されるスリ
ーブとを有し、 前記磁石の、トナー濃度が調整された
現像剤を前記スリーブに供給する位置に吸着磁極が設け
られ、 前記現像剤循環移送部材と対向する位置に層形
成磁極が設けられ、 前記吸着磁極と層形成磁極との間
に、スリーブ上に吸着された現像剤に攪拌を生じさせる
複数の磁極が設けられているものとする。
【0013】このような現像装置では、現像剤担持体上
に磁気的に吸着された現像剤は、磁性キャリアが穂状に
連なって起立した状態で、現像剤循環移送部材との対向
位置に搬送される。そして、現像剤の搬送方向の下流側
から先端を現像剤担持体と現像剤循環移送部材との間隙
内に突き出した層規制部材によって、現像剤の穂立ちが
切断され、現像剤担持体上の現像剤の層厚が規制され
る。切断された穂先の部分の現像剤は対向する現像剤循
環移送部材に担持され、周面の周回移動によって搬送さ
れる。したがって、層規制部材によって規制され、現像
領域に搬送されなかった現像剤が層規制部材の上流側で
滞留することがなく、大きな圧縮力や摩擦力が作用する
のが回避される。このため、現像剤の劣化が著しく低減
され、現像剤の劣化にともなうトナーの帯電不良、かぶ
りの発生、転写不良等が防止される。
【0014】また、上記現像装置のように現像剤担持体
に供給された現像剤が搬送中または層形成部で攪拌され
ることが少ない構成では、ベタ画像を連続して現像した
ときに、プロセス方向に伸びた幅1mm程度の筋状の低
濃度部が発生し易くなるが、上記現像装置では、現像剤
が現像剤担持体上に供給されてから層規制部材との対向
位置へ到達するまでに現像剤が磁気的に攪拌され、上記
筋状の低濃度部の発生が防止される。
【0015】このような低濃度部の発生原因およびこれ
を防止する作用は次のように考えることができる。現像
に供された現像剤はトナーが消費されるため、現像剤重
量に対するトナー重量の比すなわちトナー濃度が低下し
ており、現像剤担持体上に担持され現像剤は、現像領域
を通過した後、磁石ロールの同極性の磁極が隣接して配
置された部分で、反撥磁界の作用により一旦現像剤担持
体から剥離される。剥離された現像剤は、現像装置内の
現像剤混合・攪拌部で新たに供給されたトナーと混合・
攪拌され、所定のトナー濃度とトナー帯電量を得た後に
現像剤担持体上に供給される。供給された現像剤は層厚
規制部により層厚を規制され、再び現像に供される。現
像剤担持体から剥離された現像剤の大部分は以上の過程
をへて繰り返し使用されるが、履歴解消用の反撥磁極間
の距離が近くなると一部分の現像剤は現像剤担持体から
剥離された直後に再び現像剤担持体に吸着されてしま
う。このような現像剤は現像剤混合・攪拌部を経ていな
いためトナー濃度は低下したままである。この低トナー
濃度の現像剤が攪拌されないまま層形成部を通過し、現
像領域での現像に供されると、筋状の低濃度部が発生す
る。しかし、上記構成の現像装置では、現像剤担持体上
で内蔵する磁石の磁界によって攪拌され、ほぼ均一なト
ナー濃度となるので、筋状の低濃度部の発生が防止され
る。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の現像装置において、 前記スリーブ上に吸着された現
像剤に攪拌を生じさせる複数の磁極を、周方向に隣り合
う一対の同極性の磁極とする。
【0017】このような現像装置では、現像剤担持体に
内蔵された磁石の吸着磁極と層形成磁極との間に、周方
向に隣り合う一対の同極性の磁極が設けられているの
で、この部分のスリーブ表面付近に反撥磁界が生じる。
このため、スリーブの周回移動により搬送される現像剤
はこの部分で周方向ジャンプするように移動し、ブラシ
状の連鎖が一旦崩されて攪拌が生じる。このため、トナ
ー濃度はほぼ均一となり、画像に低濃度部が発生するの
が防止される。
【0018】請求項3に記載の発明は、 静電電位の差
による潜像が形成される像担持体と対向するように配置
され、トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を周
面に磁気的に吸着して周回搬送する現像剤担持体と、
該現像剤担持体上に吸着され、穂状となった二成分現像
剤の層厚を規制する層規制部材とを有する現像装置にお
いて、 前記現像剤担持体と間隙をおいて対向するよ
うに配置され、周面が前記現像剤担持体との対向位置で
同方向に移動するように駆動される現像剤循環移送部材
を有し、 前記層規制部材は、前記現像剤担持体の周回
方向下流側から、対向する現像剤担持体と前記現像剤循
環移送部材との間隙内に先端を突き出すように支持さ
れ、 前記現像剤循環移送部材は、前記層規制部材によ
って規制された現像剤を担持して移送するものであり、
前記現像剤担持体上に、トナー濃度が調整された現像
剤が供給される位置と、前記現像剤循環移送部材と対向
する位置との間には、該現像剤担持体上に吸着された現
像剤を攪拌する攪拌部材が前記現像剤担持体の周面と対
向するように設けられているものとする。
【0019】このような現像装置では、請求項1に記載
の現像装置と同様に、現像剤に作用する圧縮力や摩擦力
が軽減され、現像剤の劣化が著しく低減されるととも
に、現像剤担持体に現像剤が供給される位置と、層厚の
規制が行われる位置との間に、現像剤担持体と対向する
攪拌部材が設けられており、この攪拌部材により現像剤
担持体上の現像剤のトナー濃度がほぼ均一にされ、筋状
の低濃度部の発生が防止される。
【0020】上記攪拌部材は、請求項4に記載のように
現像剤担持体と接触して、この現像剤担持体に担持され
た現像剤を機械的に攪拌するものであってもよいし、請
求項5に記載のように現像剤担持体と対向するように配
置された磁石であってもよい。
【0021】上記磁石は固定支持されるものでも、例え
ば回転駆動されて変動磁界を形成するものでもよく、固
定支持されるものでは、現像剤担持体上で穂状となって
搬送される現像剤が前後または左右に揺動されるような
磁界を形成するものとする。そして、穂状となった現像
剤の揺動によって攪拌が行われる。
【0022】請求項6に記載の発明は、 請求項1から
請求項5までのいずれかに記載の現像装置において、
前記二成分現像剤の磁性キャリアは、導電性の芯材と導
電剤含む被覆層とを有し、このキャリア粒子の集合体の
抵抗率が108 Ω・cm以下であるものとする。
【0023】一般に、画像形成工程で現像剤担持体から
像担持体へのトナーの転移は、温度や湿度などの環境因
子の影響を受けやすい。すなわち、温度や湿度が変化す
ればトナーの帯電量が変動するため、現像剤中のトナー
濃度が一定に保たれていても、画像濃度の変化を避ける
ことは難しい。
【0024】しかし、上記構成の現像装置では、磁性キ
ャリアとして低抵抗磁性粒体が用いられているので現像
剤担持体表面に形成された磁気ブラシの電位が現像剤担
持体とほぼ等しくなる。このため現像バイアス電圧によ
る電界は磁気ブラシの先端付近と像担持体との間に生
じ、磁気ブラシの先端付近に吸着されたトナーのみが像
担持体に転移する。そして、この電界の作用範囲内にあ
るトナーの転移が飽和状態となるように現像バイアス電
圧を設定することにより、温度や湿度などの環境の変化
に左右されず、安定した良好な画像を形成することがで
きる。また、このような現像を行なうためには、常にほ
ぼ均一なトナー濃度が保たれていることが要求される
が、この現像装置では現像剤担持体上に供給された現像
剤を攪拌する手段を備えているので、現像領域に搬送さ
れるまでに現像剤担持体で現像剤の攪拌が行なわれ、ト
ナー濃度が均一化される。したがって、筋状の低濃度部
の発生や、濃度むらが防止され、安定して良好な現像を
行なうことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態である現像装置について説明する。図1は、請求項1
又は請求項2に記載の発明の一実施形態である現像装置
の概略構成図である。この現像装置1は、現像剤が収容
されるハウジングを備えており、このハウジングの感光
体ドラム2と対向する部位に開口部が設けられ、この開
口部に現像ロール3が配設されている。現像ロール3の
後方には、二成分現像剤を攪拌しながら搬送する二つの
攪拌搬送部材6,7が設けられており、この攪拌搬送部
材から現像ロール3に現像剤が供給されるようになって
いる。また、この現像剤の供給部より現像ロール3の回
転方向の下流側には現像剤循環移送部材5が現像ロール
3と対向するように配置され、さらにこの現像ロール3
と現像剤循環移送部材5との間隙内に下流側から先端を
突き出すように層規制部材4が支持されている。
【0026】上記現像ロール3は、回転可能に支持され
た現像スリーブ3aと、この現像スリーブ3aの内部に
収容され、複数の磁極を有する磁石ロール3bとから構
成されており、現像スリーブ3aと層規制部材4との間
隔が0.7mmとなるように配設されている。この現像
スリーブ3aには、導電性非磁性材料、たとえばアルミ
ニウムが用いられ、表面はブラスト処理により、十点平
均粗さRzで数ミクロンの微小凹凸が形成されている。
現像スリーブ3aには、図示しない電源から、Vp−p
=1.5KV,周波数f=6KHzの交流成分と、Vd
c=−500Vの直流成分が重畳された電圧が印加され
ており、また表面速度が300mm/secの速さで反
時計方向に回転駆動される。
【0027】上記磁石ロール3bは、固定支持されたほ
ぼ円筒状の磁石であり、感光体ドラム2と対向する現像
領域で現像剤の穂立ちを形成する現像磁極S1、この現
像領域を通過した後の現像剤を現像スリーブ3a表面か
ら剥離するために同極性の磁極が隣接配置された剥離磁
極N3およびN4、層規制部材4の近傍で現像剤の穂立
ちを形成する層形成磁極S2、現像スリーブ3aの表面
の現像剤を搬送するための搬送磁極N1およびN2、さ
らに剥離磁極N3から層形成磁極S2までの間に隣接配
置された同極性の磁極S3およびS4が着磁されてい
る。剥離磁極N3およびN4間の距離は現像スリーブ3
aに沿って15mmに設定されている。
【0028】上記現像剤循環移送部材5は、固定支持さ
れた磁石体5bと、その外側で周回する循環用スリーブ
5aとからなり、現像ロール3と2.4mmの間隔で対
向するように配置された循環用スリーブ5aの周面が、
対向する現像スリーブ3aと同じ速度で同方向に駆動さ
れる。そして、上記磁石体5bは、現像ロール3の層形
成磁極S2と対向する位置に、この層形成磁極S2極と
逆極性のN5極が着磁され、その後方に反撥極を形成す
るS4極およびS5極が着磁されている。上記循環用ス
リーブ5aには導電性非磁性材料、たとえばアルミニウ
ムが用いられ、表面にはブラスト処理により十点平均粗
さRzで数ミクロンの微小凹凸が形成されている。
【0029】層規制部材4は、板厚1mmのアルミニウ
ム板4aの先端に磁性体4bが接着されたもので、この
層規制部材4の先端が現像ロール3と現像剤循環移送部
材5の回転中心線上に位置し、現像ロール3及び現像剤
循環移送部材5の周面からそれぞれ0.7mmの間隙を
有して、回転中心線とほぼ垂直に配置されている。
【0030】感光体ドラム2は、現像スリーブ3aと
0.5mmの間隙をおいて対向するように配置され、表
面速度が150mm/secの速さで時計方向に回転し
ている。また、感光体ドラム2上には通常の電子写真プ
ロセスにより、露光部電位−200V、非露光部電位−
650Vの潜像が形成される。なお、この現像装置で用
いられるトナーおよびキャリアは、例えば次のものであ
る。このトナーは富士ゼロックス(株)製A−Colo
r635用トナーおよびキャリアであり、キャリアは粒
径が50μmのフェライトキャリアである。また、トナ
ーは粒径が7μmでポリエステルをバインダーとする非
磁性トナーであり、外添剤としてTiO2 ,SiO2
添加されている
【0031】次に上記構成の現像装置の動作について説
明する。現像剤は、攪拌搬送部材6,7の回転により、
現像剤収容室8,9内で攪拌されるとともに、攪拌搬送
部材の軸線方向に搬送される。現像剤収容室8,9は隔
壁10によって仕切られているが両端部で連通してお
り、図1の紙面奥側及び手前側にある現像剤受け渡し部
で、それぞれの現像剤収容室内にある現像剤が他方に受
け渡され、現像剤は二つの現像剤収容室8,9内で循環
するように移送される。そして攪拌搬送部材6からは現
像ロール3に現像剤が供給され、磁石ロール3bの磁極
N3の磁力により、現像スリーブ3aの表面に吸着され
る。この現像剤は現像スリーブ3aの回転により搬送さ
れ、層規制部材4が設けられた位置まで搬送されるが、
その間に隣り合う同極性の磁極S3およびS4が配置さ
れているため、現像スリーブ3aの表面付近に生じる反
撥磁界の作用により、現像剤は微小距離をジャンプする
ように移動する。これにより、現像剤のブラシ状の連鎖
が一旦崩されて攪拌が生じ、規定濃度の現像剤と低濃度
の現像剤とが混合され、均一なトナー濃度の現像剤とな
る。その際、低濃度の現像剤は一部分だけであるので、
トナー濃度が均一化されても、全体としてトナー濃度低
下はまったく無視できるレベルである。
【0032】このように攪拌された現像剤は、現像スリ
ーブ3aの回転により層形成磁極S2が設けられた位置
に搬送され、層形成磁極S2と現像剤循環移送部材5の
N5極の作用により、キャリアが鎖状に連なった穂立ち
を形成する。穂立ちを形成した現像剤は層規制部材4の
先端によって切断され、現像スリーブ3aの表面に磁気
的に保持されて現像領域へ搬送されるものと、循環用ス
リーブ5aの表面に磁気的に吸着されて移送されるもの
に分割される。
【0033】図2は、現像ロール3上の現像剤が層規制
部材4によって分割される様子を示す拡大図である。図
2(a)に示すように、現像スリーブ3aの回転により
層規制部材4近傍に搬送されてきた現像剤は、現像ロー
ル3の層形成磁極S2と現像剤循環移送部材5のN5極
による磁力線に沿って穂立ちを形成する。現像スリーブ
3aと循環用スリーブ5aは、その対向部においてほぼ
同速度で同方向に回転しているので、現像スリーブ3a
から起立された穂立ちは、双方のスリーブ間に架け渡す
ように連なった状態が維持されたまま搬送され、図2
(b)に示すように、層規制部材4の先端に接触する。
層規制部材4の先端に接触した穂立ちは、現像スリーブ
3aと循環用スリーブ5aの回転によりさらに搬送さ
れ、図2(c)に示すように、層規制部材4により穂先
が切断されて現像スリーブ3a表面に保持されるもの
と、循環用スリーブ5a表面に保持されるものとに2分
割される。切断部より循環用スリーブ5a側にある現像
剤は、図2(d)に示すように、循環用スリーブ5aの
表面に保持されて、さらに搬送され層規制部材の上流側
で滞留することなくこの領域から搬出される。
【0034】循環用スリーブ5aに担持されて搬送され
た現像剤は、磁石体の反撥磁極S4およびS5の作用に
より、循環用スリーブ5aから剥離され、現像剤収容室
へ還流される。一方、現像スリーブ3aに保持された現
像剤は、現像領域まで搬送され、現像に供される。その
後さらに搬送され、磁極N3および磁極N4の作用によ
り現像スリーブ3aから剥離されて現像剤収容室に戻さ
れる。
【0035】このような現像装置では、層規制部材4で
穂切りされた現像剤は、層規制部材4の上流側で滞留す
ることなく移送され、大きな圧縮力や摩擦力が作用する
ことがなく、現像剤の劣化はほとんど生じない。また、
現像剤が現像ロール3へ供給されてから、層規制部材4
との対向位置まで搬送される間に、反撥磁極S3および
S4の作用により、現像剤が微小距離をジャンプして攪
拌されるので、均一なトナー濃度の現像剤が得られる。
【0036】〈実験1〉次に、図1に示す現像装置の性
能を確認するために行なった実験について説明する。こ
の実験では、図1に示す現像装置を用い、連続して多数
の画像を現像したときのトナーの帯電維持性、非印字領
域へのトナーの付着(いわゆる”かぶり”)、転写性及
び画質維持性(筋状低濃度部の発生状況)を評価する。
これは、現像剤の劣化によってトナーの帯電性が変動す
る程度を調査するとともに、トナーの帯電性が低下する
ことにともなう”かぶり”の発生又は転写性の悪化を調
査するものである。さらに、現像領域を通過した後の低
トナー濃度の現像剤が撹拌されずに搬送されることによ
る筋状低濃度部の発生状況についても調査するものであ
る。なお、上記現像装置と比較するために、図3に示す
ような従来から知られている現像装置についても同様の
実験を行なった。
【0037】比較のために用いた従来の現像装置11
は、図1に示す現像装置と同様に、感光体ドラム12と
対向する位置に現像ロール13が配設され、その後方に
は、二成分現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材
16,17が設けられている。また、現像ロール13と
小さな間隙をおいて対向するように先端を突き出した層
規制部材14が設けられ、その上流側に現像剤循環移送
部材15が設けられている。
【0038】上記現像ロール13は、回転可能に支持さ
れた現像スリーブ13aとこの現像スリーブ13a内部
に固定支持された磁石ロール13bとから構成され、こ
の磁石ロール13bの層規制部材14と対向する位置に
S2極、層規制部と現像領域との間に一対のN1極およ
びS1極、現像領域の下流側に同極性のN3極およびN
4極、層規制部の上流側にN2極およびS3極が着磁さ
れている。また、上記現像剤循環移送部材15は、固定
支持された磁石体15bと、その外側で周回駆動される
循環用スリーブ15aとから構成され、磁石体15bに
は、磁石ロール3bのS2極と対向する位置にN極、こ
のN極の下流側にS極が着磁されている。
【0039】このような現像装置では、現像ロール13
の表面に吸着されて層規制部材14との対向位置まで搬
送された現像剤は、層規制部材14により層厚が規制さ
れ、穂切りされた余剰現像剤が層規制部材14の上流側
に滞留する。そして、後続して穂切りされる余剰現像剤
によって圧縮力を受けながら滞留現像剤量が増加してゆ
き、現像剤循環移送部材15の磁力がおよぶ範囲まで現
像剤量が増加すると、現像剤は現像剤循環移送部材15
に吸着されて搬送される。すなわち、層規制部材14上
流には現像剤の滞留部が発生し、後続する現像剤によっ
て押し出された現像剤が現像剤循環移送部材15に吸着
され、現像剤収容室へ還流されることになる。
【0040】なお、上記図1に示す現像装置及び図3に
示す現像装置を用いた実験では、現像剤中のトナー濃度
を8重量%、トナー消費率を15%とし、連続して現像
を行って20,000枚まで、2,000枚ごとに上記
項目の評価を行なった。トナーの帯電維持性についての
結果は図4に、また、非印字領域へのトナー付着(かぶ
り)、転写性及び筋状低濃度部の発生状況についての結
果を表1に示す。なお、表1において、トナーのかぶ
り、転写不良又は筋状低濃度部が発生しないものを〇、
若干発生はみられたものの許容範囲内と考えられるもの
を△、画質上問題となる発生がみられるものを×とし
た。
【0041】
【表1】
【0042】図4から明らかなように、従来例と比較し
てトナー帯電維持性は飛躍的に向上している。また、表
1に示されるように、転写不良及びかぶりの発生は、従
来例においてそれぞれ12,000枚、16,000枚
の現像で発生していたが、本願発明に係る現像装置で
は、20,000枚の現像でもまったく発生しなかっ
た。また、筋状低濃度部に関しても20,000枚の現
像でもまったく発生しなかった。
【0043】図5は、請求項3又は請求項4に記載の発
明に一実施形態である現像装置を示す概略構成図であ
る。この現像装置21は、図1に示す現像ロール3の隣
接する同極性の磁極S3及びS4に変えて、その部分に
磁極S3のみを着磁した現像ロール23を備えており、
該磁極S3と対向する位置に、現像ロール23の周面と
当接する櫛歯状の攪拌部材31が設けられている。この
櫛歯状の攪拌部材31は、隔壁10と連続する支持部材
31bの先端に、櫛歯型の弾性部材31aが装着された
ものであり、弾性部材31aの先端を現像ロール23の
周面と接触させ、現像剤が櫛歯の開口部を通過するよう
にして、現像スリーブ23aの軸方向に現像剤を移動さ
せるようにしたものである。なお、この現像装置の他の
構成は図1に示す現像装置と同じである。
【0044】このような現像装置では、図1に示す現像
装置と同様に、層規制部材24で穂切りされた現像剤
は、層規制部材24の上流側で滞留することなく移送さ
れるので、現像剤に強い圧縮力や摩擦力が作用すること
がなく、現像剤の劣化はほとんど生じない。また、現像
ロール23上に現像剤が供給された後、層規制部材24
によって層厚が規制されるまでの間に、現像剤が櫛歯状
の弾性部材31を通過することにより、磁気ブラシの連
鎖が崩れて攪拌される。このため、現像後に現像ロール
23から剥離されずにそのまま搬送される現像剤が一部
に混入していても、攪拌により現像剤のトナー濃度がほ
ぼ均一にされ、筋状の低濃度部の発生が防止される。
【0045】図6は、請求項3又は請求項5に記載の発
明に一実施形態である現像装置を示す概略構成図であ
る。この現像装置41は、図5に示す現像ロール23と
同じものが用いられているが、櫛歯状の攪拌部材31に
代えて、現像ロール42と近接対向するように磁石51
が配置されている。この磁石51は、図6(b)に示す
ように、N極とS極とが交互に複数列にわたって着磁さ
れたものであり、このような磁極の配置によって、現像
ロール上で穂状となって搬送される現像剤が前後又は左
右に揺動するような磁界が形成される。なお、この現像
装置の他の構成は図1に示す現像装置と同じである。
【0046】このような現像装置では、現像ロール43
上に現像剤が供給された後、層規制部材44によって層
厚が規制されるまでの間に、磁石51の磁界作用によっ
て現像ロール43上に担持された磁気ブラシが揺動さ
れ、現像剤の撹拌が行われる。このため、現像ロール4
3上の現像剤の一部に低トナー濃度の現像剤が混入して
いても、攪拌により現像剤のトナー濃度がほぼ均一にさ
れ、筋状の低濃度部の発生が防止される。
【0047】次に、請求項6に記載の発明の一実施形態
である現像装置について説明する。この現像装置は、現
像装置各部の構成は図1に示すものと同じであるが、現
像剤中のキャリアとして、低抵抗磁性化処理を施したも
のを用いている。このキャリアは、被覆層樹脂中に導電
性粉末を10体積%分散させた被覆材料で低抵抗磁性コ
アを0.8μmの膜厚に被覆したものである。低抵抗磁
性コアとしては平均粒径50μmのマグネタイト(MX
030A、富士電気化学社製)を、被覆層樹脂としては
スチレン−メタクリレート共重合体(共重合比20:8
0)を、導電性粉末としてはカーボンブラック(VXC
72、キャボット社製)をそれぞれ用いている。
【0048】このキャリアおよびマグネタイト単体の抵
抗は以下の方法で測定した。上記の現像装置をアルミニ
ウム板と0.5mmの間隔を有するように対向配置し、
この間にキャリアまたはマグネタイト粒子が充填された
状態で現像装置とアルミニウム板との間に直流電圧を印
加して電流値を測定する。この電流値から電界Eと電流
密度Jとの間に一般に知られる関係、logJ=E1/2
により抵抗値を求めた。この結果、104 V/cmの電
界でのキャリアの抵抗は106 Ω・cmであり、マグネ
タイト単体の抵抗は10-5Ω・cmであった。また、導
電基板を上記の被覆材料で0.8μmの厚さに被覆し、
この上に金属電極を蒸着し、電流−電圧特性から求めた
被覆層単体の抵抗は、100V/cmの電界下で105
Ω・cmであった。
【0049】上記のようなキャリアを用いた現像では、
現像バイアス電圧の上昇に対する現像トナー量の飽和特
性により、環境が変動しても安定して適切な濃度の画像
が得られる。これは次のように説明される。図7に示す
ように、現像コントラスト電圧Vs が上昇すると現像ト
ナー量は増加していくが、ある現像コントラスト電圧V
sa以上で現像トナー量がほとんど増加しない飽和領域に
到達する。この飽和状態となる領域に現像コントラスト
電圧Vs が入るように現像バイアス用の電位の直流成分
V bias および静電潜像の露光部の電位を設定すること
により、温度・湿度等の環境が変化し、像担持体の電位
が変動しても、現像トナー量は飽和領域にあるので、現
像量の変化はない。また、トナーの帯電量が変動して
も、現像剤中のトナー濃度が一定であれば、図7に示す
現像量曲線の飽和状態に至る傾きが変化するだけで、現
像トナー量に変化は生じない。このため、環境の変化や
像担持体の電位変動に対しても、現像濃度の変動のない
安定した画像を得ることが可能となる。
【0050】このような飽和現像特性を利用するために
は、磁性キャリアの抵抗率が低いことが必要となる。現
像剤担持体上には、図8に示すようにトナーを付着した
磁性キャリアが穂状に連なったいわゆる磁気ブラシが形
成されているが、磁性キャリアの抵抗率が低いと、磁気
ブラシ中が導電性に近く電界がゼロとなり、いわゆる仮
想現像電極の位置が像担持体に近接することになる。し
たがって、トナーを転移させる電界は磁気ブラシの先端
付近と像担持体の表面との間に形成される。その結果、
電界のおよぶ領域内のトナー量が磁気ブラシの先端付近
すなわち像担持体の近傍に存在するものに限られ、現像
に寄与するトナー量が制限されるので、ある電位以上で
は現像トナー量が飽和するようになる。そして、キャリ
アに付着しているトナー量すなわちキャリアに対するト
ナーの濃度が常に一定に維持されると、環境の変動等に
よってトナーの帯電量が変化しても、現像トナー量はほ
ぼ一定に保たれ、常に適切な濃度の現像が行なわれる。
【0051】このように環境が変動する場合にも安定し
た現像を行なうためには、トナー濃度を一定に維持する
ことが必要となるが、本実施形態の現像装置では、現像
ロール上に現像剤を供給した後、現像剤層が形成される
までの間に現像剤が攪拌されるので、現像領域に供給さ
れる現像剤のトナー濃度はほぼ均一となる。また、上記
のような現像トナー量の飽和特性を利用するには、キャ
リアの抵抗値を約108 Ω・cm以下とするのが望まし
い。そのため、上記現像装置においては、キャリアの抵
抗を経時的に低抵抗に保つ必要が新たに生じる。現像剤
の劣化は、キャリア被覆層の導電粉をトナーの外添剤が
覆ってしまうことより発生し、これによりキャリア抵抗
の上昇を招き、飽和特性を示さなくなる。したがって、
上記現像装置においては、現像剤の劣化防止が非常に重
要となってくるが、本実施形態では、トナー濃度を均一
にする際に現像剤に大きな負荷がかかるのを防止できる
ため、現像剤の寿命を延長することができる。
【0052】〈実験2〉上記のような体積抵抗率が10
6 Ω・cmのキャリアを図1に示す現像装置1に収容
し、〈実験1〉と同様の印字試験を行ったところ、カブ
リ、転写不良および筋状低濃度部の発生は見られず、良
好な画像が得られることが確認された。
【0053】また、現像コントラスト(V)と現像トナ
ー量との関係を、初期と20,000枚印字後で測定し
たところ、図9(a)に示すように、本実施形態の現像
装置では、初期と20,000枚印字後とで現像トナー
量にほとんど差は見られず、維持性が良いことが確認さ
れた。これに対し、図3に示す従来の現像装置では、図
9(b)に示すように、初期と20,000枚印字後と
で現像トナー量がかなり変動している。したがって、体
積抵抗率が106 Ω・cmのキャリアを用いることによ
って、画質維持性が非常に向上することが確認された。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る現
像装置では、現像剤担持体と現像剤循環移送部材との間
に、先端を現像剤の搬送方向下流側から突き出すように
層規制部材が支持されているため、現像剤担持体上の現
像剤の穂立ちは層規制部材によって一定の層厚に分断さ
れ、穂先部分の現像剤は現像剤循環移送部材に担持され
て搬送される。このため、分断された余剰の現像剤が、
層規制部材の上流側で滞留することがなく、強い圧縮力
又は摩擦力の作用による現像剤の劣化を防止することが
できる。したがって、長期の使用を行なった場合にもト
ナーの帯電性が維持され、かぶりの発生や転写不良の発
生が防止される。
【0055】また、現像剤担持体に現像剤が供給された
後、現像剤の層厚が規制されるまでの間に、現像剤担持
体上の現像剤が磁気的もしくは機械的に攪拌されるの
で、現像剤はほぼ均一なトナー濃度となり、例えばベタ
画像を連続して現像しても、筋状の低濃度部の発生がな
くなり、安定して良好な画像を得ることができる。
【0056】さらに、低抵抗磁性化処置を施した現像剤
を用いて画像形成を行う場合においては、現像装置内に
おける現像剤の高い攪拌性が要求され、トナー濃度が均
一でないと顕著に画像濃度が不均一となり、従来の現像
装置ではこのような現像剤の使用は困難であったが、本
願発明に係る現像装置では、現像剤担持体上に担持され
た現像剤の攪拌によりトナー濃度が均一されるので、低
抵抗磁性化処理されたキャリアを用いて環境の変動に対
しても安定して均一な濃度の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施形
態である現像装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す現像装置の現像ロール上の現像剤が
層規制部材によって分割される状態を示す拡大図であ
る。
【図3】図1に示す現像装置の効果を確認するために比
較例として実験に用いた従来の現像装置の概略構成図で
ある。
【図4】トナーの帯電維持性について行なった実験の結
果を示す図である。
【図5】請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形
態である現像装置を示す概略構成図である。
【図6】請求項3又は請求項5に記載の発明の一実施形
態である現像装置を示す概略構成図である。
【図7】コントラスト電圧に対する現像トナー量の飽和
領域を説明する図である。
【図8】感光体ドラムと現像ロールとの対向位置におけ
る磁気ブラシの状態を示す概略図である。
【図9】請求項6に記載の発明の一実施形態である現像
装置におけるコントラスト電圧に対する現像トナー量の
推移を示す図である。
【図10】従来の現像装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1,11,21,41 現像装置 2,12,22,42 感光体ドラム 3,13,23,43 現像ロール 3a,13a,23a,43a 現像スリーブ 3b,13b,23b,43b 磁石ロール 4,14,24,44 層規制部材 5,15,25,45 現像剤循環移送部材 5a,15a,25a,45a 循環用スリーブ 5b,15b,25b,45b 磁石体 6,7,16,17,26,27,46,47 攪拌
搬送部材 8,9,29,49 現像剤収容室 10,30,50 隔壁 31 攪拌部材 51 磁石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福原 琢 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電電位の差による潜像が形成される
    像担持体と対向するように配置され、トナーと磁性キャ
    リアとを含む二成分現像剤を周面に磁気的に吸着して周
    回搬送する現像剤担持体と、 該現像剤担持体上に吸着され、穂状となった二成分現像
    剤の層厚を規制する層規制部材とを有する現像装置にお
    いて、 前記現像剤担持体と間隙をおいて対向するように配置さ
    れ、周面が前記現像剤担持体との対向位置で同方向に移
    動するように駆動される現像剤循環移送部材を有し、 前記層規制部材は、前記現像剤担持体の周回方向下流側
    から、対向する現像剤担持体と前記現像剤循環移送部材
    との間隙内に先端を突き出すように支持され、 前記現像剤循環移送部材は、前記層規制部材によって規
    制された現像剤を担持して移送するものであり、 前記現像剤担持体は、 固定支持され、周面に沿って複
    数の磁極を有する磁石と、 この磁石の周囲で周回駆動
    されるスリーブとを有し、 前記磁石の、トナー濃度が
    調整された現像剤を前記スリーブに供給する位置に吸着
    磁極が設けられ、 前記現像剤循環移送部材と対向する
    位置に層形成磁極が設けられ、 前記吸着磁極と層形成
    磁極との間に、スリーブ上に吸着された現像剤に攪拌を
    生じさせる複数の磁極が設けられていることを特徴とす
    る現像装置。
  2. 【請求項2】 前記スリーブ上に吸着された現像剤に
    攪拌を生じさせる複数の磁極は、周方向に隣り合う一対
    の同極性の磁極であることを特徴とする請求項1に記載
    の現像装置。
  3. 【請求項3】 静電電位の差による潜像が形成される
    像担持体と対向するように配置され、トナーと磁性キャ
    リアとを含む二成分現像剤を周面に磁気的に吸着して周
    回搬送する現像剤担持体と、 該現像剤担持体上に吸着され、穂状となった二成分現像
    剤の層厚を規制する層規制部材とを有する現像装置にお
    いて、 前記現像剤担持体と間隙をおいて対向するように配置さ
    れ、周面が前記現像剤担持体との対向位置で同方向に移
    動するように駆動される現像剤循環移送部材を有し、 前記層規制部材は、前記現像剤担持体の周回方向下流側
    から、対向する現像剤担持体と前記現像剤循環移送部材
    との間隙内に先端を突き出すように支持され、 前記現像剤循環移送部材は、前記層規制部材によって規
    制された現像剤を担持して移送するものであり、 前記現像剤担持体上に、トナー濃度が調整された現像剤
    が供給される位置と、前記現像剤循環移送部材と対向す
    る位置との間には、該現像剤担持体上に吸着された現像
    剤を攪拌する攪拌部材が前記現像剤担持体の周面と対向
    するように設けられていることを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の現像装置において、 前記攪拌部材は、前記現像剤担持体と接触して、該現像
    剤担持体上の現像剤を攪拌する部材であることを特徴と
    する現像装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の現像装置において、 前記攪拌部材は、前記現像剤担持体と間隙をおいて対向
    するように配置され、複数の磁極が着磁された磁石部材
    であり、これらの磁極が該現像剤担持体の表面付近に、
    現像剤を攪拌する磁界を形成するものであることを特徴
    とする現像装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれか
    に記載の現像装置において、 前記二成分現像剤の磁性キャリアは、導電性の芯材と導
    電剤含む被覆層とを有し、このキャリア粒子の集合体の
    抵抗率が108 Ω・cm以下であることを特徴とする現
    像装置。
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