JPH11660A - 工業用循環水配管系内の閉塞防止剤および閉塞防止方法 - Google Patents

工業用循環水配管系内の閉塞防止剤および閉塞防止方法

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JPH11660A
JPH11660A JP16968297A JP16968297A JPH11660A JP H11660 A JPH11660 A JP H11660A JP 16968297 A JP16968297 A JP 16968297A JP 16968297 A JP16968297 A JP 16968297A JP H11660 A JPH11660 A JP H11660A
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zeolites
water
zeolite
alkali metal
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Yohei Hiyoshi
洋平 日吉
Hitoshi Koshimizu
仁 輿水
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Hiroshima Aluminum Industry Co Ltd
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HIROSHIMA ALUMINIUM KOGYO
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Hiroshima Aluminum Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウムやマグネシウム及び鉄等の成分の
堆積や赤錆の発生及び進行を効果的に抑制して、配管の
閉塞を防止することができる循環水用配管の閉塞防止剤
を提供する。 【解決手段】 アルカリ金属ゼオライトを有効成分とす
る工業用循環水配管系内の閉塞防止剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用循環水配管
系内の閉塞防止剤および閉塞防止方法、更に詳しくは、
工業用循環水配管系内の閉塞の原因となるカルシウムや
マグネシウムなどの硬水成分及び鉄成分の堆積や赤錆の
発生及び進行を効果的に抑制して、配管系内の閉塞を抑
制する工業用循環水配管系内の閉塞防止剤および閉塞防
止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルシウム、マグネシウム及び鉄等の成
分を含む水を冷却用循環水として用いる金型、冷却塔、
熱交換機等の配管では、冷却水の循環過程でカルシウ
ム、マグネシウムや鉄等の成分の堆積や、鉄鋼材料等の
金属部分の腐食生成物及びスライム等によって配管が関
塞するといった問題がある。
【0003】現在、この対策としては、腐食生成物やス
ライム等の堆積物を機械的、或いは人為的に取り除く方
法がとられている。また、機械的或いは人為的に取り除
くことができない細管部分では、こうした処理が行えな
いため、細管部分を含む部品の交換といった手段をとら
ざるを得ない。
【0004】その一方で、ある種の薬剤によるスケール
及びスライム抑制方法も提案されているが、一般に処理
薬剤のpHが高く、取扱い上人体に危惧がある。或いは
薬剤の濃度やpHを常に一定に保つため格別な設備が必
要となり工業的に有利でない。
【0005】また、特開昭54−17387号公報にも
あるように、ゼオライトA、ゼオライトX等のゼオライ
トの1種以上との混合物を硬水に加え、カルシウム、マ
グネシウム等の硬水成分をイオン交換によって封鎖し、
硬水を軟化する方法は周知のことであるが、工業用循環
水配管系内の閉塞防止剤として有用であるとの知見はこ
れまでにない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記課
題に鑑み、循環水用配管の閉塞防止剤および閉塞防止方
法について鋭意研究を重ねた結果、該循環水にアルカリ
金属ゼオライトを存在させ、配管内の閉塞の原因物質と
アルカリ金属ゼオライトとを接触させることにより、配
管系内の閉塞が効果的に抑制されることを知見し、本発
明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、循環水用配管系内の閉塞
の原因となるカルシウムやマグネシウム及び鉄等の成分
の堆積や赤錆の発生及び進行を効果的に抑制して、配管
の閉塞を防止することができる循環水用配管の閉塞防止
剤および閉塞防止方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が提供しようとす
る工業用循環水配管系内の閉塞防止剤は、アルカリ金属
ゼオライトを有効成分とすることを構成上の特徴とす
る。また、その閉鎖防止方法は、上記のアルカリ金属ゼ
オライトを有効成分とする閉塞防止剤と循環水とを接触
させることを構成上の特徴とする。
【0009】上記のアルカリ金属ゼオライトには、アル
カリ金属A型ゼオライトを用いるのが最も好ましい。ま
た、上記の閉鎖防止方法は、上記の閉塞防止剤を添加し
た循環水を配管系に循環させる方法、あるいは循環水
を、配管系の一部分に閉塞防止剤を充填した配管系に循
環させる方法が好ましい。
【0010】本発明は、循環水配管系内にアルカリ金属
ゼオライトを存在させ、配管系内の閉塞の原因物質とな
るカルシウム、マグネシウムなどの硬水成分と鉄成分と
を接触させることを特徴とするものである。
【0011】本発明のアルカリ金属ゼオライトによる配
管内の閉塞抑制機構については明らかでないが、アルカ
リ金属ゼオライトの吸着能、イオン交換能、およびpH
の緩衝作用により、効果的に水中のカルシウム、マグネ
シウムの硬水成分を除去して、軟水化し、同時に腐食生
成物をFe2+イオンのままで保持させて堆積物となるこ
とを抑制する。一方、すでに堆積沈降しているスケール
にいたっては、次第に不動態である黒錆に変化させ、腐
食の進行を抑制するものと考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう工業用循環水とは、基本的には金型や冷却
塔、熱交換器等で用いられる冷却水用の循環水で、カル
シウム、マグネシウムの硬水成分又は/及び鉄の成分等
を含有するものである。循環水の液組成としては、溶存
状態において、カルシウム、マグネシウムの硬水成分及
び鉄の成分が、金属として、多くの場合、1〜1000
ppm、好ましくはl〜100ppmの範囲のものであ
る。
【0013】また、循環水の液状態としては、カルシウ
ム、マグネシウム又は/及び鉄の成分が循環水中に溶存
状態で存在するもの、その生成物が配管系内に沈澱して
いる状態のもの、或いは配管系内の材質が赤錆により侵
食されている状態のものであっても、本発明に係る閉塞
防止剤は適用することができる。
【0014】なお、循環水中のカルシウム及びマグネシ
ウムの成分は、主に水に予め含有されているものである
が、一方、鉄の成分は、上記の他、主に配管材質の溶出
により循環水の循環過程で混入するものである。なお、
配管の材質としては、通常用いられる、例えば鉄、銅、
アルミニウム等の材質のものが挙げられる。
【0015】本発明で用いることができるアルカリ金属
ゼオライトの種類としては、A型ゼオライト、Y型ゼオ
ライト、P型ゼオライト、X型ゼオライト等のアルカリ
金属ゼオライトの1種又は2種以上が挙げられ、この
中、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属A型ゼオ
ライトが性能及び経済性の点から好適に用いられる。
【0016】アルカリ金属ゼオライトの粒度特性及び形
状については、特に限定はないが、例えば円柱状、球
状、立方体状、ペレット状、粉末状、顆粒状等であり、
その電子顕微鏡写真観察による一次粒子径が実質的に
0.1〜l0μm、好ましくはl〜5μmの範囲にある
ものが望ましい。この理由は、一次粒子径が0.lμm
より小さくなると、工業的に得ることが難しいため、実
用性に欠け、一方、10μmより大きくなると、比表面
積が小さくなって効果的に、カルシウム、マグネシウム
や鉄の成分との接触が行えず、分散性も悪くなる傾向が
あるので好ましくない。
【0017】また、A型ゼオライトは結晶学的には、等
軸晶系に属する結晶であるため、通常のものは角や稜線
の顕著な角砂糖型の立方体状の粒子であるが、本発明に
おいては、そのようなものを含むけれど、球状の結晶粒
子ないし立方体の角や稜線に相当する部分が消失して平
滑な曲面となって丸みのある立方体状をしたものの方が
分散性や比表面積が大きくなり、更には、機械的研磨性
が低いためより好ましい。
【0018】ナトリウムA型ゼオライトは、従来より、
洗剤用ビルダーとして多量に生産されているが、勿論こ
の種のものを用いても、上記のような物性を有していれ
ば差し支えない。
【0019】本発明で用いるアルカリ金属ゼオライト
は、履歴や製法の如何を問わないが、例えば、アルカリ
金属A型ゼオライトに関しては、珪酸ソーダ水溶液とア
ルミン酸ソーダ水溶液とをモル比SiO2 /Al23
が0.5ないし3の範囲において、バックミキシングの
ない状態で反応させゲルを得た後、該ゲルを熟成して結
晶化して得られるナトリウムA型ゼオライトは、粒径は
シャープな分布で、微細であり、形状も球状ないし丸み
のある立方体のものであるので好適である。その具体例
としては、特開昭56−59618号公報及び特開昭5
7−3713号公報に記載されているものが挙げられ
る。
【0020】本発明の閉塞防止剤には、上記のアルカリ
金属ゼオライト以外の配合できる他の成分として、カル
シウム及びマグネシウムの錯化剤を配合しても差し支え
ない。カルシウム及びマグネシウムの錯化剤としては、
例えば有機酸塩、水溶性高分子、無機酸塩等が挙げられ
る。
【0021】有機酸塩の種類としては、例えばポリカル
ボン酸塩、ヒドロキシモノカルボン酸塩、ヒドロキシポ
リカルボン酸塩、アミノカルボン酸塩、カルボキシアル
キルエーテル、ホスホン酸塩等が挙げられる。ポリカル
ボン酸塩の具体例としては、マレイン酸、メチレンマロ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のナト
リウム又はカリウム塩が挙げられる。ヒドロキシモノ及
びポリカルボン酸塩の具体例としては、グリコール酸、
乳酸、リンゴ酸、タルトロン酸、メチルタルトロン酸、
グルコン酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸、サリチ
ル酸、クルカン酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙
げられる。アミノカルボン酸塩としては、例えばグリシ
ン、グルシルグリシン、アラニン、アスパラギン、グル
タミン酸、アミノ安息香酸、イミノジ又はトリ酢酸、ヒ
ドロキシエチルイミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ
酢酸等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。カ
ルボキシアルキルエーテルの具体例としては、2,2−
オキシジ琥珀酸塩、エーテルポリカルボン酸塩のナトリ
ウム塩又はカリウム塩が挙げられ、特にカルボキシメチ
ルエーテル基を有するカルボン酸が望ましい。ホスホン
酸塩としては、アルカンポリホスホン酸、アミノアルカ
ンポリホスホン酸、ヒドロキシアルカンポリホスホン酸
等が挙げられ、具体的には、ニトリロトリスチレンホス
ホン酸、ニトリロトリスプロピレンホスホン酸、ニトリ
ロジエチルメチレンスルホン酸、ニトリロプロピルビス
メチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミンテトラプロピレンホスホ
ン酸、メタン−1−ヒドロキシ−l,1−ジホスホン
酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、
プロパン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸等の
ナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。
【0022】水溶性高分子としては、ポリアクリル酸ソ
ーダ、アクリル酸と無水マレイン酸との共重合体等が挙
げられる。
【0023】無機酸塩の種類としては、二珪酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、オルソリン酸ナトリウム等が挙げられる。上記に挙
げた以外のカルシウム及びマグネシウムの錯化剤として
は、オルト珪酸塩、セスキ珪酸塩等が挙げられる。
【0024】本発明に係る閉塞防止剤は、アルカリ金属
ゼオライトを有効成分として含有するものであり、アル
カリ金属ゼオライトだけで用いてもよく、あるいは上記
の様にアルカリ金属ゼオライトにアルカリ金属ゼオライ
ト以外の他の成分を配合して用いてもよく、この場合に
閉塞防止剤中のアルカリ金属ゼオライトの含有量は、1
0重量%以上、好ましくは60〜100重量%の範囲が
挙げられる。
【0025】本発明に係る工業用循環水配管系内の閉塞
防止方法は、配管系内の閉塞の原因となるカルシウムや
マグネシウム及び鉄の成分の堆積や赤錆の発生及び進行
を効果的に抑制して、配管系内の閉塞の防止を企図する
ものである。
【0026】この閉鎖防止方法において、上記のアルカ
リ金属ゼオライトを有効成分として含有する閉塞防止剤
を循環水と接触させ、循環水中の硬水成分又は/及び鉄
の成分と、上記のアルカリ金属ゼオライトとを接触させ
ることが重要な要件となる。
【0027】処理pHは、通常5〜12、好ましくは7
〜11である。処理温度は、処理目的にもよるが、通
常、5〜70℃の範囲である。特に、予め配管材質が赤
錆で侵食されているものを不動態である黒錆に変化さ
せ、腐食の進行を抑制する場合には、50〜70℃の範
囲で処理するこにより、効果的に腐食の進行を抑制する
ことができる。
【0028】閉塞防止剤の循環水用配管系での使用方法
は、循環水の状態や使用目的により適宜選択でき、例え
ば、カルシウムやマグネシウム及び鉄の成分の堆積や赤
錆の発生を防止する場合には、フィルターハウジング等
に上記閉塞防止剤を充填し、封入して冷却配管の途中に
設置して循環水をそのまま循環させるか、もしくは、循
環水に種々の形態(例えばペレット状又は粉末状)の閉
塞防止剤を直接添加し、浸漬させた状態で、循環水を循
環させればよい。また、すでに配管系内の材質に赤錆が
発生して侵食状態のものにあっては、循環水に上記の種
々の形態(例えばペレット状又は粉末状)の閉塞防止剤
を直接添加し、浸漬させた状態で、循環水を循環させれ
ばよい。
【0029】閉塞防止剤の使用量は、用いる循環水の使
用用途や、カルシウム、マグネシウム、鉄等の硬水成分
量にもよるが、通常は、閉塞防止剤と循環水との接触形
態により、フィルターハウジング等に上記閉塞防止剤を
充填し、封入して冷却配管の途中に設置して循環水をそ
のまま循環させて用いる場合には、循環水に対して、閉
塞防止剤中のアルカリ金属ゼオライトの量が通常0.0
00lwt%〜10wt%、好ましくは0.0025w
t%〜3wt%の範囲となる様に用いればよい。一方、
循環水にペレット状又は粉末状の閉塞防止剤を直接添加
し、浸漬させた状態で、循環水を循環させて用いる場合
には、循環水に対して閉塞防止剤中のアルカリ金属ゼオ
ライトの量が通常0.l〜10wt%、好ましくは1〜
3wt%の範囲となる様に用いればよい。
【0030】本発明の係る工業用循環水配管系内の閉塞
防止剤は、配管系内の閉塞原因となるカルシウム、マグ
ネシウム又は/及び鉄の成分の生成物が配管系内に沈澱
するのを効果的に抑制し、配管系内の材質が赤錆により
侵食されている状態のものであっても不動態である黒錆
に変化させて腐食を抑制するだけでなく、水苔等の藻類
の発生を効果的に抑制することができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例において本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】<循環水試料>循環水試料は、表1の組成
の循環水を用いた。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1 表1の組成の循環水試料200mLをポリ容器に入れ、
一次粒子径が2〜4μmの円柱状(3.2mmφ)のナ
トリウムA型ゼオライト成形体(ゼオスタ−NA−11
0L 日本化学工業株式会社製)を10wt%添加し、
よく撹拌した後、室温にて170時間静置した。
【0035】次いで、冷延鋼板(SPC){13mm×
40mm×2mm}をこのスラリーに浸漬して、常温で
30日後の金属片の腐食状態及び水の色を評価し、その
結果を表2にそれぞれ示した。なおこの際のpHは1
1.2であった。
【0036】実施例2 冷延鋼板(SPC)の代わりに、同じ大きさのアルミニ
ウム板(A5083)と銅板(Cl100)でSPC板
をボルト締めして挟み込んで、鋼板に腐食電位を発生さ
せ、より鋼板に赤錆が発生し易い条件にて、実施例1と
同様な操作で、30日後の金属片の腐食状態及び水の色
を評価し、その結果を表2にそれぞれ示した。なおこの
際のpHは11.1であった。
【0037】比較例1 表1の組成の循環水試料200mLをポリ容器に入れ、
次いで冷延鋼板(SPC){13mm×40mm×2m
m}をこの液に浸漬して、常温で30日後の金属片の腐
食状態及び水の色を評価し、その結果を表2にそれぞれ
示した。
【0038】比較例2 表1の組成の循環水試料200mLをポリ容器に入れ、
次いで同じ大きさのアルミニウム板(A5083)と銅
板(Cll00)でSPC板をボルト締めして挟み込ん
だものを用いた以外は、比較例1と同様な操作で、30
日後の金属片の腐食状態、水の色及び該水の各種成分の
濃度を評価し、その結果を表2にそれぞれ示した。
【0039】なお、表中の評価記号は、以下のことを表
す。 <金属片の腐食状態の評価> 評価A;赤錆の発生が全くない。 評価B;赤靖の不動体である黒錆が一部みられる。 評価C;赤錆の発生がわずかにみられる。 評価D;赤錆の発生が一部みられ、若干腐食がみられ
る。 評価E;赤錆が全体的にみられ、腐食が著しい。
【0040】<水の色の評価> 評価a;着色なし 評価b;薄褐色 評価c:赤褐色
【0041】
【表2】
【0042】上記の実施例1〜2及び比較例1〜2から
明らかなように、循環水にゼオライトを添加したもの
は、赤錆の発生が見られず、また、赤錆が発生したとし
てもSPC鋼板表面には見られず不動態となって沈殿
し、ガラス棒等で容易に移動する。一方、循環水にゼオ
ライトを添加してないものは、SPC鋼板表面が侵食さ
れた状態で赤錆が容易に発生し、腐食が著しい。
【0043】実施例3〜6 実施例1と同様な操作で、表1の組成の循環水に、表3
に示す量の一次粒子径が2〜4μmの円柱状(3.2m
mφ)のナトリウムA型ゼオライトを添加し、十分撹拌
した後、冷延鋼板(SPC){13mm×40mm×2
mm}を浸漬した。
【0044】常温で30日静置した後のSPC板の腐食
状態、及び濾過分別後の処理液の液組成を表3に示し
た。なお、循環水にゼオライトを添加してないものをブ
ランクとした。
【0045】
【表3】
【0046】表3において、ゼオライトの添加によりス
ケールの原因となるCaが減少していることが明らか
で、また、ゼオライトより放出されたNaイオン等によ
り鋼板の腐食が防止されていることが認められる。
【0047】実施例7 図1に示す様に、水槽5、ポンプ1、ナトリウムA型ゼ
オライトを添加した水槽2、ポンプ1を配管6で連結
し、一部分の配管が炭素鋼鋼管(SGP/黒管)3で配
管され、該炭素鋼鋼管は電気管状炉4により加熱される
構造を有する実験装置に基づいて、実験を行なった。
【0048】表1の組成の循環水試料30Lを、図1に
示した一部分の配管が炭素鋼鋼管(SGP/黒管)で配
管された実験装置に基づいて、一次粒子径が2〜4μm
の円柱状(3.2mmφ)のナトリウムA型ゼオライト
(ゼオスタ−NA−110L日本化学工業株式会社製)
を0.5wt%添加して、水温が60℃、流速lL/m
inで、系内を循環させ、150時間後の炭素鋼鋼配管
内の金属腐食の状態と循環水の色を評価し、その結果を
表4に示した。
【0049】実施例8 ナトリウムA型ゼオライトの添加量を3wt%に代えた
以外は、実施例7と同様な操作方法で、系内を循環さ
せ、150時間後の炭素鋼鋼配管内の金属腐食の状態と
循環水の色を評価し、その結果を表4に示した。なお、
循環水にゼオライトを添加してないものをブランクとし
た。
【0050】
【表4】
【0051】実施例9 表1の組成の循環水試料30Lを図1に示した一部配管
の内面が赤錆の発生した炭素鋼鋼管(SGP/黒管)で
配管された実験装置に基づいて、一次粒子径が2〜4μ
mの円柱状(3.2mmφ)のナトリウムA型ゼオライ
ト(ゼオスタ−NA−110L 日本化学工業株式会社
製)を3wt%添加して、水温が60℃、流速lL/m
inで、系内を循環させ、150時間後の炭素鋼鋼配管
内の金属腐食の状態を評価し、その結果を表5に示し
た。
【0052】実施例10 通水時間を600時間とした以外は、実施例10と同様
な操作条件で、600時間後の炭素鋼鋼配管内の金属腐
食の状態を評価し、その結果を表5に示した。なお、循
環水にゼオライトを添加してないものをブランクとし
た。
【0053】
【表5】
【0054】実施例11 図2に示す装置を用いて実験を行なった。Ca濃度18
ppm、Mg濃度3ppmを含む循環水20tを10t
/時で循環させて、冷却水として用いるダイカスト金型
用装置の冷却配管に、図2に示したように、一次粒子径
が2〜4μmの円柱状(3.2mmφ)のナトリウムA
型ゼオライト(ゼオスタ−NA−110L 日本化学工
業株式会社製)500gをフィルターケース中に封入し
たフィルターハウジング14を配管16の途中に設置
し、実際にダイカスト金型用装置を11000ショット
稼動させて、冷却水循環系配管を備えた鋳抜きピン13
中の配管系内の堆積物について評価した。なお、ゼオラ
イトを封入したフィルターハウジング14を設置してい
ないものをブランクとした。
【0055】フィルターハウジングを設置したものは、
配管系内の堆積物が見られなかったが、フィルターハウ
ジングを設置していないものは、Ca及びMg由来の堆
積物が見られる(ピン穴先端から70mm地点の堆積層
の厚さ657μm)ばかりでなく、水槽の内面に水苔の
発生も見られた。
【0056】
【発明の効果】上記したように、本発明の循環水用配管
系内の閉塞防止剤および閉塞防止方法によれば、アルカ
リ金属ゼオライトを使用することにより、配管系内の閉
塞の原因となるカルシウムやマグネシウム及び鉄の成分
の堆積や赤錆の発生を防止することができ、しかも、す
でに配管系内材質に赤錆が発生しているものにいたって
は、次第に不動態である黒錆に変化させ、腐食の進行を
抑制することができるので、循環水用配管系内の閉塞防
止方法として利用価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例7〜10で用いた実験装置の説
明図である。
【図2】本発明の実施例11で用いた実験装置の説明図
である。
【符号の説明】
1 ポンプ 2 ゼオライトを添加した水槽 3 配管用炭素鋼鋼管(SGP/黒管) 4 電気管状炉 5 水槽 6 配管 11 金型 12 鋳物 13 鋳抜きピン 14 ゼオライトを封入したフィルターハウジング 15 冷却管 16 冷却水用配管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属ゼオライトを有効成分とす
    ることを特徴とする工業用循環水配管系内の閉塞防止
    剤。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属ゼオライトはアルカリ金属
    A型ゼオライトである請求項1記載の工業用循環水配管
    系内の閉塞防止剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の閉塞防止剤と、循環水と
    を接触させることを特徴とする工業用循環水配管系内の
    閉塞防止方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の閉塞防止剤を添加した循
    環水を配管系に循環させる請求項3記載の工業用循環水
    配管系内の閉塞防止方法。
  5. 【請求項5】 循環水を、配管系の一部分に請求項1記
    載の閉塞防止剤を充填した配管系に循環させる請求項3
    記載の工業用循環水配管系内の閉塞防止方法。
JP16968297A 1997-06-12 1997-06-12 工業用循環水配管系内の閉塞防止剤および閉塞防止方法 Pending JPH11660A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6924317B2 (en) * 2002-04-04 2005-08-02 Bayer Aktiengesellschaft Process for producing coarse-particle anion-exchanger gels
JP2007007651A (ja) * 2005-02-23 2007-01-18 Kuritakku Kk 水質調整装置
JP2011147840A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Miura Co Ltd 水処理システム

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