JPH11507056A - グルタチオンアナログの代謝的効果 - Google Patents

グルタチオンアナログの代謝的効果

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JPH11507056A
JPH11507056A JP9501468A JP50146897A JPH11507056A JP H11507056 A JPH11507056 A JP H11507056A JP 9501468 A JP9501468 A JP 9501468A JP 50146897 A JP50146897 A JP 50146897A JP H11507056 A JPH11507056 A JP H11507056A
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エム. カウヴァー、ローレンス
リトル、マシュー、エイチ.
モーガン、アミー、エス.
ボーチ、リチャード、エフ.
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テラピン テクノロジーズ、インク.
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Abstract

(57)【要約】 式 ここにYCOはγ-glu又はβ-asp;G*はフェニルグリシン又はグリシン;ZはCH2,O又はS;及びXは1-20Cの炭化水素基である、で表されるの化合物若しくはそのエステル、アミド、エステル/アミド又はそれらの塩は、骨髄における造血の調節、化学療法剤による骨髄破壊作用を緩和、及び化学療法剤の障害性の増強において有用である。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 グルタチオンアナログの代謝的効果 技術分野 本発明は、少なくとも一つのグルタチオンS-トランスフェラーゼ類に 作用するある種のグルタチオンアナログに関する。より詳細に述べれば、本発明 は、骨髄及び血液における造血の調節や、その他この種のグルタチオンS-トラ ンスフェラーゼ阻害剤に対する有用な作用に向けられたものである。背景となる技 術 悪性腫瘍やその他の症状に対する治療に用いられる化学療法剤の副作用 が良く知られている。これらの副作用には、好中球、血小板及びリンパ球を含む 種々の血球細胞数の変化がある。これらの影響の結果、好中球減少、血小板減少 及び免疫抑制が一般に生じうる。これらの副作用は、不快感があるだけでなく、 癌治療の効果を減じると共に被検体に感染や制御できない出血といった重大な危 険をもたらす。 今日、これらの作用に対して実際的な治療法はほとんどないようである 。いくつかの試みがなされているが、協力的介護といったただ一時しのぎ的なも のである。その他では、抗生物質の大量投与のように、それ自身が副作用を有す るもの、又は移植のように高価であり、健康を損なうものであったりする。その 他の試みとしては、顆粒球コロニー促進因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコ ロニー促進因子(GMCSF)及び最近開発された因子たとえば巨核球生育発達因子 (MGDF)やトロンボポイエチン(TPO)などのような成長因子の投与があるが、 価格が高く、注射により投与しなければならない。これらはまた、それ自身の副 作用を有する。 化学療法的な方法と合わせてまた周期的及び特発的好中球減少、血小板 減少及び異型移植の影響のような造血の抑制をもたらすその他の要因に対応して 、骨髄を保護し、好中球、血小板及びリンパ球を増殖させうる分子量の小さな剤 、できれば経口投与できるものといったより単純な試みが明らかに必要である。 化学療法剤の副作用に対応し、さもなくば造血の抑制を取り扱うための 最新の試みと関連するこの問題は、グルタチオンS-トランスフェラーゼの種々 のアイソザイムの阻害剤であるある種の単純なトリペプチド化合物の生物活性に より少なくとも一部は解決される。 1995年3月30日に発行され、PCT/US94/10797に基づく、PCT出願WO95/08 563は、元の出願がここに優先権を主張しているが、グルタチオンの誘導体であ るこれらトリペプチド化合物を発表している。それらは一般にグルタチオンS- トランスフェラーゼ活性の阻害剤であり、このグループに含まれる種々の化合物 は、グルタチオンS-トランスフェ ラーゼアイソザイムに関連して多様な特異性を示す。 一般式 及びそのアミド及びエステルであるこれらアナログの一部は、ここにYC Oはγ-glu又はβ-asp;G*はフェニルグリシン又はグリシンであり、ZはCH2,O 又はS;Xは1-20Cの炭化水素基であるが、骨髄及び末梢血において造血を調節す る作用があり、従って造血系を破壊する化学療法剤が投与される場合、保護効果 を発揮することを見いだした。これらの化合物はまた、化学療法剤の望ましい効 果を増強する。このグルタチオン誘導体の同じ系統のものには、πクラス及びあ る場合には、他のクラスのグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)の阻害を示 す。発明の詳述 本発明は、一般に造血の調節に有用である化合物を供給し、毒性がなけ れば化学療法における有用な剤に関連して、造血系に対して保護効果を発揮させ る効果により、腫瘍の化学療法的な治療の助けとなる。これら化合物は、経口で も活性があり、骨髄や末梢血における造血過程を調節し、又は他の骨髄の過程を 調節する必要がある場合には、どの様な状況においても用いることができる。 従って、ひとつの見方として、この発明は、式 ここにYCOはγ-glu又はβ-asp; G*はフェニルグリシン又はグリシン; ZはCH2,O又はS; Xは1-20Cの炭化水素基である、 で表される化合物若しくはそのエステル、アミド、エステル/アミド又はそれら 塩の形で、当該骨髄、末梢血又は、それらの画分における造血を保護するのに有 効な量及び時間で、骨髄又は末梢血、若しくはこれらを含む前駆体の画分に接触 することを含む、前駆細胞からの造血を調節する方法を意図したものである。 他の観点からいえば、本発明は、照射を含む、被検体に投与される化学 療法剤の悪影響に対する保護効果や、そのような影響からの回復の促進が起きる ような作用機作を含む当該保護を発揮する方法に向けられており、その方法は、 当該保護効果を発揮するのに有効な量や時間に、当該被検体に式1の化合物を投 与することを含んでいる。 他の観点からいえば、本発明は、好中球減少、血小板減少、リンパ球減 少、及び化学療法、感染又は血液病によって起きる貧血症に対する、及び骨髄移 植中における細胞数の増大のための好中球、血小板及びリンパ球の産生の促進、 損傷した骨髄の回復、細胞障害性の治療からの骨髄の保護、並びに保護効果の増 強ための方法及び製剤に向けられている。さらに、本発明は、治療効果の増強さ せる腫瘍特異的な化学又は放射線増感剤、一般化された化学的保護剤としての本 発明による化合物の使用に向けられている。 本発明はまた、活性成分としては本発明化合物を含む薬剤組成物及び発 明化合物の合成法を含んでいる。 他の観点からいえば、本発明は、少なくとも1つのクラスのグルタチオ ンS-トランスフェラーゼアイソザイムを阻害し適度な薬量でπクラスのGSTを全 体的に阻害する化合物で骨髄、末梢血、又はそれらの適当な画分に接触すること を含む、造血を調節又は化学療法剤の有害な影響に対して保護効果を発揮する方 法に向けられる。図の簡単な説明 図1aは、種々の濃度のクロラムブチルで処理された腫瘍細胞の生存に及 ぼすTER199の効果を示す。 図1bは、TER199のHT4-1細胞に対する毒性作用を、その非エステル化形 のものとの比較で示す。 図2は、クロラムブチルの単独又はエタクリン酸又はTER199との組み合 わせの効果を示すグラフである。 図3は、TER199の処理24時間後のマウスGM-CFUにおける用量依存効果 を示すグラフである。 図4aは、骨髄GM-CFUに対するTER199の経口と静脈内投与の比較を示すグ ラフである。 図4bは、骨髄GM-CFUに対するTER199の経口と静脈内投与の比較を示すグ ラフである。 図5は、TER199を腹腔内に投与した際のGM-CFUの促進の経時変化を示す 。 図6は、TER199の好中球及び赤血球細胞数に及ぼす影響を示すグラフで ある。 図7は、トリペプチドのエステル化又はアミド化された形態のGN-CFU促 進との関連性を示すグラフである。 図8は、式1の"X"置換基の種類のGM-CFU促進に及ぼす影響を示すグラ フである。 図9aは、マウスにおける5-フルオロウラシル(5-FU)によるGM-CFU抑制に およぼすTER199の効果を示すグラフである。 図9bは、5-FUの投与24時間後のTER199の腹腔内投与の骨髄細胞の分化能 力の回復に及ぼす経時的効果を示すグラフである。 図9cは、5-FUによるGM-CFU抑制に及ぼすTER199(腹腔内)の前処理の効 果を示すグラフである。 図9dは、5-FUの投与24時間後TER199を経口及び腹腔内投与のマウスにお けるGM-CFU抑制に及ぼす効果を比較するグラフである。 図10は、シスプラチン(腹腔内)が引きおこすマウスにおけるGM-CFU抑 制に及ぼすTER199の効果を示すグラフである。 図11は、シスプラチンの経口投与力引きおこすマウスにおけるGM-CFU抑 制に及ぼすTER199の効果を示すグラフである。 図12は、カルボプラチンが引きおこすマウスにおけるGM-CFU抑制に及ぼ すTER199の効果を示すグラフである。 図13は、シクロフォスファミドが引きおこすマウスにおけるGM-CFU抑制 に及ぼすTER199の効果を示すグラフである。 図14は、5-FUで処理した後、TER199がラットにおける脊髄やリンパ系に 対して回復を促進し、毒性を消失させることを示す一連のグラフである。 図15a-15dは、5-FU単独又は5-FU+TER199を投与後の種々の血液細胞数 を示している。 図16は、CFU-GEMM及びBFU-Eとの関連で、CD34+++細胞の分化に及ぼすTE R199の効果を示している。 図17は、TER199の好ましい合成法を示している。本発明の実施の形態 本発明の方法で有用な多くの化合物は、グルタチオンS-トランスフェ ラーゼアイソザイムの少なくとも1つのアイソザイムのサブクラスの活性を阻害 する。これらの化合物はまた、通常なら造血を支えるのに必要な細胞の大部分を 破壊するような薬剤の存在下でも骨髄における造血を調節し、また骨髄や血液細 胞にその他の有用な効果を示す。これらの化合物は、式 で表され、ここにYCO,G*,Z及びXは上述のように定義される。インタクトな細 胞に作 用するため、生体内、又は試験管内で用いる場合、本発明の化合物は、アミド、 エステル又はアミド/エステルの複合体である方がよい。 本発明の化合物は、遊離の酸、塩、モノエステル、ジエステル、モノア ミド、ジアミド又はエステル/アミド複合体であってもよい。本発明で有用なア ミド及びエステルは一般に、アルキル(1-10C)、アルケニル(1-10C)、及びアリー ルアルキル(7-12C)のアルコール及びアミンのものである。従って、本発明で有 用な典型的なエステル及びアミドは、ジメチルエステル、ジエチルエステル、エ チル/プロピルエステル複合体、ジヘキシルエステル、ヘキシル/オクチルエス テル複合体、ジブチルエステル、ブテニル/ビニルエステル複合体、対応するア ミド及びこれらの類似物である。特に好ましいのは、式1の化合物のジエチルエ ステル体である。具体的には、ZはO又はS、特にSが好ましく、YCOはγ-glu が好ましい。 Xの炭化水素(1-20C)部分で好ましいのは、ヘキシル、ヘプチル、オク チル(octyl)、ベンジル及びナフチル基である。本発明の特に好ましい化合物は 、γE-C(octyl)-ψG;γE-C(Hx)-ψG;γE-C(naphthyl)-ψG;γE-C(Bz)-ψG;γE-C (octyl)-G;γE-C(Hx)-G及びγE-C(Bz)-G;及び特にそれらのジエステル類、さら に好ましくはそれらのジエチルエステル体である。特に、好ましいのは、γE-C( Bz)-ψGジエチルエステル(TER199)及びγE-C(octyl)-Gジチルエステル(TER183) である。 本発明のトリペプチドは1つ又は2つのキラル中心を有することは明か である。上に示した命名は、これらのキラル中心の存在によるジアステレオマー 類に向けられたものである。しかしながら、特に好ましいことに、YCO(γ-glu 又はβ-asp)で示されるアミノ酸は天然に存在するL配位であり、NHCH(CH2ZX)C Oで示されるシステイン又はシステインアナログもまた天然と同じL配位であり 、G*がフェニルグリシンの場合、フェニルグリシンは好ましくはD配位である 。従って、本発明のG*がフェニルグリシンである好ましい化合物は、LLL及びLL D体、特にLLD体である。"X"の性質によっては、さらなるキラル中心が含まれて いることが認められている。 本発明の化合物は、化学治療の添加剤やその他の指示薬として有用であ る特徴を有する。骨髄の破壊は化学療法剤の一般的な副作用であるが、本発明の 化合物は第一に骨髄における造血を調節する。GSTアイソザイムは腫瘍細胞では 特に広く認められているものであるが、化合物は通常、第二にπサブクラスをふ くむ少なくとも1つのクラスのGSTアイソザイムを阻害する。第三に、式1の化 合物は、化学療法剤が腫瘍細胞を破壊する効果を直接増大させる。この特性が組 み合わさって、本発明の化合物は、直接的には造血促進剤として、また化学療法 の否定的な効果を改良することで、また標的の細胞に対する毒性効果を強めるこ とで、有用となる。生体内又はインタクト細胞と接触させて使用するため製剤さ れる場合には、式1の化合物は、エステル、好ましくはジエステル、より好まし くは、1-5C、さらに好ましくは1-3Cを含む飽和アルコールのジエステル、最も好 ましくはジエチルエステルとして与えられる。 本発明のトリペプチドの合成は、技術的には良く知られている標準的な 方法で行うことができる。本発明のトリペプチドの合成のための特別な技術は、 上で引用したPCT出願WO95/08563に発表されている。特に好ましい合成経路はこ の出願で述べられている。 投与及び使用 「骨髄又は末梢血における造血を調節する」とは、コロニーすなわち分 化した細胞を作る能力により測定した血液細胞形成の割合を変えることを意味し ている。分化した細胞は、好中球、血小板、赤血球、リンパ球、マクロファージ 、顆粒球、顆粒球マクロファージ及びそれに類するものを含んでいる。この調節 の機構は明かではない。すなわち、細胞自身が本発明化合物により直接促進され るのかされないのか、又は分化した細胞のコロニーの数や大きさの変化が、優先 的に生き残ったり、アポトーシスを阻害したりするのか、又は多数の要因のどれ か1つによるかどうかについても明らかでない。本出願で使用したように、「骨 髄又は末梢血における造血の調節」は、本発明の化合物で処理した骨髄又は血液 が、処理されない骨髄の場合と異なったレベルでコロニー形成や分化した細胞の 産生を示す能力である。同様に、適当な前駆体を有する骨髄や末梢血の分画はこ の効果を示すだろう。ここで「末梢血」と述べているものには臍帯血を含んでい る。 造血を調節するのに加えて、本発明の化合物は骨髄細胞に直接作用し、 また骨髄細胞に対して骨髄由来のものよりも有用な効果を発揮する。例えば、こ れらの化合物は、造骨細胞の形成を促進し骨再生を助ける。従って、骨髄におけ るその有用な効果は、造血の調節自体に限られたものではない。 一般に、骨髄や血液の造血に典型的に悪影響を示す薬剤が用いられたと き、本発明の化合物は保護効果を発揮する。「保護効果」とは、化合物が投与さ れた場合、投与されない場合に比べて、骨髄又は血液に対して損傷を少なくする ことを意味する。損傷の正味の減少は、保護それ自体、すなわち、正常には起き るような又はそのような損傷からの早めの回復から由来する破壊的な影響を保護 することである。従って、「保護効果」には、達成された機構にかかわらず、こ のような望ましい結果を達成する効果を含んでいる。 多くの場合、本発明の化合物の保護効果は有用である。これらには、副 作用として、照射が引きおこす、又は引きおこすことが予想される場合、何らか の理由で被検体が免疫無防備状態になる場合、被検体が腎臓に障害を示す場合、 また被検体が化学療法を受ける場合などがある。さらに、本発明の化合物は、移 植の際の提供者の骨髄における細胞数を増やすために用いることができ、典型的 には、化合物は生体内又は生体外で投与できる。この設定の場合、本発明の化合 物は、提供者の末梢血への前駆細胞の移動を促し、したがって提供者における末 梢白血球の数を回復する。同様に、本発明の化合物は、被提供者における末梢白 血球数の回復を改善する。一般に、本化合物は、生体内又は生体外で化合物を処 理した後、移植された細胞が増殖するのを改善し、最終的に定着することを促進 する。本発明の化合物は、回復を早めるために提供を受けた者に直接用いること ができる。 さらに、腎臓透析を受けている患者には本発明の化合物により、血液を 再構成するのを助ける。化合物はまた骨の生育促進にも一般に有用である。 本発明の化合物は、生体内又は試験管内のいずれかで用いることができ る。例えば、同種又は異種移植に先立って、骨髄における造血細胞を増やすかさ もなくば調節するために用いることができる。生体外技術、その場合血管から比 較的未分化の多くの細胞を用いて被検体に処理することもできる。本発明の化合 物は生体内投与のためにも製剤化されている。 生体外投与が採用された場合、骨髄又は末梢血(臍帯血を含む)、又は その両方を発明化合物と接触させるか又は、これら材料の一部を適当な標的の前 駆細胞を含むようにして処理することができる。好ましい標的前駆細胞には、CD 34*細胞、GEMM又はBFU-Eがある。 生体内投与のための製剤は、Remington's Pharamaceutical Sciences,M ack Publishing Company,Easton,PAの最新号に述べらている標準的な方法を用い る。化合物は、注射、経口投与、粘膜下投与や皮下投与のような種々の方法のた めに製剤できる。注射は、静脈内、腹腔内、筋肉内投与又はその他の便利な経路 がある。下記に示すように、本発明化合物は、経口で投与された場合、直接血管 内に投与された場合、又は腹腔内に投与された場合有効である。 経口投与は、特に簡便であり、本発明の化合物は経口で投与しても有効 であることから、口からの投与に適した製剤が適している。そのような製剤には 、丸薬、錠剤、カプセル剤、シロップ、粉剤、香りのある液剤などが含まれる。 種々の製剤には、薬量単位で調製され、必要なら被検体が自分で投与できる。製 剤中における活性成分化合物(又は化合物の混合剤)の割合は、約0.5%w/wか ら95%W/Wまで広範囲に変えることができる。活性成分の好ましい割合は、製 剤それ自身の性質による。適当な賦形剤には、これらの製剤にフィルター、緩衝 剤、安定剤及びその類を含む。 注射による投与が必要なら、好ましい製剤には調和した生理溶液及びリ ポソームの成分が含まれる。 本発明の化合物の投与が有利な被検体は、単一の化合物かその混合物か は別にして、骨髄前駆細胞がその数や生理状態が不適当で、適切に分化を維持で きないような、脊椎動物の被検体、特に哺乳動物やヒトの被検体を含む。被検体 が骨髄に破壊作用のある毒剤、例えば化学療法剤、照射、環境中にある毒物など に曝されると、前駆細胞が必要な数のエフェクター細胞になることに失敗する。 また、骨髄を破壊する病気や症状が含まれる。従って、本発明の化合物を投与す るのに適切な被検体には、化学療法を受けている患者、免疫無防備の患者、貧血 、好中球減少、血小板減少、又は適切な量の血小板の欠如を示す患者や、細胞障 害剤での処理が見込まれる被検体が含まれる。本発明の化合物は、また、特に悪 性細胞について化学療法剤の細胞障害性を強めることから、造血系が化学療法の 処理で必ずしも損傷を受けていない場合でも、本発明の化合物による処理は有益 である。 上述のように、本発明の単一の化合物は、活性成分として含まれ、又は 処置によっては、これら化合物の混合物を用いることも含まれる。さらに、本発 明の化合物は、免疫賦活剤や成長因子などの他の有用な剤と混合し、又はこれに 加えられる。 必要な薬量は、被検体の状態、症状、投与の方法、治療する内科医や獣 医の判断による。適量の範囲は、これらの要素により調整される。一般に、患者 当たりの典型的な投与量は、0.1−100mg/kgの10−40日、より好ましくは、1−10 mg/kgで14−28日である。これらの範囲は単なる例示であり、正確な薬量は決め られた方法で決定される。 もし、発明化合物が、化学療法処理に関して保護剤として投与された場 合、投与のタイミングが関係している。しかし、タイミングは、使用した化学療 法剤の性質による。下記に示すように、例えば、5FUを化学療法で用いる場合、 5FUの投与約24時間後が良さそうである。他方、投与のタイミングはシスプラチ ンが化学療法剤として投与された場合は、シスプラチン投与の約24時間前が効果 的である。用いた化学療法剤に最適なタイミングを決めることは、明らかに通常 なし得る技術である。 例示的化合物 GSTアイソザイム阻害剤として有用な例示的化合物として、以下の物を 調製した。 γE-C(Bz)-ψG(TER117); γE-C(hexyl)-ψG(TER102); γE-C(naphthyl)-G(TER211);及び γE-C(octyl)-G(TER143)である。 これらの化合物の中で、TER117は、GST P1-1に対して、最も高い特異性 を示した。TER102もかなり特異的であった。従って、種々の、TER117の誘導体が 合成された。上述の全ての化合物の中で、γグルタミル及びシステイニル基が天 然のL配位にあり、TER117及びTER102ではフェニルグリシンがD配位である。 TER117の以下のエステル及びアミドを調製した。 TER199: γEエチルエステル-C(Bz)-R-(-)-ψGエチルエステル; TER278: γEエチルアミド-C(Bz)-R-(-)-ψGエチルアミド; 及び TER300: γEエチルアミド-C(Bz)-R-(-)-ψGエチルエステルである。 マウス血液中におけるTER199試験管内の半減期は1分より短く、ヒト血 液中では、約90分である。 これらの化合物の試験管内試験は、TER278及びTER300はマウス血液及び HT-29培養細胞では、TER199より長いことを示したが、ヒト血液での半減期は、 3つの化合物でほぼ同じである。 TER278はTER199に比べて、毒性が低く、クロラムブチルの効果を強める 力が低い。 TER300は、マウス血液中及びHT-29培養細胞ではTER199とTER278との中 間の割合で代謝される。クロラムブチルを可能にするには、TER300はTER199の4 倍量を必要とする。 以下の実施例は、本発明を例示するためであって、これに限るものでは ない。 実施例1 ヒト細胞における細胞障害性剤と相乗的に作用する発明化合物の使用例 この実施例では、1)本発明の化合物を含むGST阻害剤による、癌の化学 療法に最近用いられたある細胞障害性剤のヒト腫瘍細胞における相乗効果、及び 2)これらの化合物のエステル体の強められた細胞内効果、を示している。 HT-29(ヒト結腸腺悪性腫瘍)細胞は、ロベルト セリアニ博士(コントラ コスタカウンティ癌研究基金、ウオルナットクリーク、カリフォルニア)から得 たものであり、特に述べない限り、生育の対数期で用いた。クロラムブチル(CM B)はシグマ(セントルイス、ミズーリー)から得、100%エタノールに溶解した。 全てのGST阻害剤は、使用直前にエタノール、DMSO、又は水に溶解した。対照と して、同量の溶媒を培地に加えた。 細胞障害性のための修正クローン産生性試験では、細胞は溶媒単独又は 阻害剤を添加した無血清培地中に2×105細胞を懸濁させた。阻害剤は、溶媒単独 処理した細胞に比較して、阻害剤単独の存在下で90%以上生存した濃度で用いら れた。細胞は2時間培養し、CMBの濃度を変えて添加した。2回目の2時間の培 養後、血清を含む培地中に、細胞を7.5-10×103/mlに希釈し、マイクロテストII Iマイクロタイタープレートに200μl/ウェルの量を4反復で調製した。 プレートは6日間インキュベートし、修正メチレンブルー法でアッセイ した。簡単に述べると細胞をPBS中の1.25%グルタルアルデヒドで固定し、蒸留 水中の0.05%メチレンブルーで染色した。プレートを数回蒸留水で洗い、保持さ れない色素を取り去り、保持された色素は0.03N塩酸で再溶解させた。プレート は、Molecular Devices Vmaxプレートリーダー(Molecular Devices Vmax,Redwoo d City,CA)で650mmで測定した。その薬剤についてのIC50値(細胞の生存率を50 %にする阻害剤の濃度)を、濃度曲線から、阻害剤の存在又は非存在下において 求めた。薬量修正係数(DMF)、すなわち細胞障害を強める程度は、各阻害剤ご とに、阻害剤無処理区のCMBのIC50値を、阻害剤処理区のCMBのIC50値で割ること により得られる。 表1-3に示す結果は、GSHの阻害剤であることが見出されたいくつかのGS Hアナログは、種々のGSTに対する基質であるCMBにより培地中のヒト腫瘍細胞を 致死力を強めることを示している。HT29細胞におけるいくつかのGST阻害剤にお ける相乗効果試験を表1にまとめている。 表1に示されているように、この相乗効果は、GST阻害剤の取込を強め るようデザインされたエステル化により増強される。従って、γE-C(Bz)-ψGは1 00μMでは、CMBによる細胞致死を強めることはなく、1.08のDMFで、50%細胞致 死に必要なCMBの濃度を減らした。一方、γE-C(Bz)-ψGのジエチルエステル体(T ER199)は、わずか12.5μMで1.65の係数でCMBによる細胞障害性を強めた。 GSTアイソザイムP1-1がヒト腫瘍に対して優れていることが報告されて いる。本試験では、試験したいくつかのGST阻害剤のCMB協力効果を、ヒトのπク ラスGSTアイソザイムであるP1-1で直接比較し、表2に示した。 式(1)の化合物のエステル又はアミド化の、HT-29細胞におけるクロラム ブチル細胞障害性の相乗効果を測定した。DMFは、γE-C(Bz)-ψGのジエチルエス テル体、ジアミド体、エステル/アミド体について適当な濃度で測定した。ジエ ステル体は、12.5μMでクロラムブチル毒性に対し1.65±0.04のDMFを示した。 ジアミド体は、200μMでの1回の試験で1.0のDMFを示した。エステル/アミド 複合体は50μMの濃度で1.45±0.16のDMFを示した。ジエチルエステル体とエス テル/アミド複合体の結果は3回の実験の平均±標準偏差で示す。 γE-C(octyl)-G(TER183)及びγE-C(Bz)-ψG(TER199)のジエチルエステ ル体を3系統の細胞を用いて標準のクロノゲン試験を行った。すなわち、HT-29 のサブクローンであるHT-4、子宮癌のSKOV-3及びSKOV-3のビンブラスチン耐性変 異系のVLBである。4つの化学療法剤、クロラムブチル、アドリアマイシン、マ イトマイシンC及びドクソルビシンを毒剤として用いた。これらの試験で、6ウ ェルプレートに、本発明化合物のジエチルエステル体存在下で2mlの培地中に1 ウェル当たり300細胞を植え付けた。化合物は、対照群に比較して85%以上生存 する濃度で使用した。細胞が接着するように1-2時間培養した後、化学療法剤を 種々の薬量で加えた。各試験に対して、ウェルには少なくとも3通り植え付け、 プレートを2週間インキュベートした。コロニーは95%エタノール中で固定し、 コロニー数を数えるため、クリスタルバイオレットで染色した。IC50値は、本発 明化合物の存在、非存在下で化学療法剤に対して決定し、薬量修正係数は、本発 明化合物の非存在かにおけるIC50値を発明化合物の存在下におけるIC50値で除算 により計算した。各方法で得られた修正係数を表3に示す。 表3に示したように、クロラムブチルをTER199の25μMの存在下でHT4- 1細胞に対する薬剤として用いた場合、有意な変化が認められた。有意な変化は また、同じ化合物の25μMの存在下でのVLB細胞に、アドリアマイシン又はドク ソルビシンで処理した場合にも認められた。 図1aは、クロラムブチルの種々の薬量の結果とγE-C(Bz)-ψG(TER199) のジエチルエステル体の修飾効果を示している。空の四角(□)はクロラムブチル 単独を示し、閉じた円(●)は、発明化合物の存在下でのクロラムブチルを示す。 図1で見られるように、発明化合物が添加されると、生存率は著しく減少する。 図1bは、細胞に浸透するのに必要なジエチルエステルが必要であることを確かに 示している。γE-C(Bz)-ψG(TER117)(閉じた四角,■)又はそのジエチルエステ ル体(TER199)(閉じた円,●)いずれかの存在下でHT4-1細胞の生存試験をした。 非エステル体のTER117はこれら細胞にはほとんど影響しなかったが、ジエチルエ ステル体は明らかに毒性があった。 実施例2 生体内におけるメルファランの毒性の増強 雄のシッド(Scid)マウスの皮下にドナーマウスからHT4-1腫瘍を植え付 けた。 HT4-1はヒト結腸癌であるHT-29のサブクローンである。腫瘍が約100mm3に達した とき、マウスをランダムに6処理群に分け、7日間以下のように処理した。 1. 5mg/kgメルファラン 2. 10mg/kgエタクリン酸 3. 60mg/kgTER199 4. 5mg/kgメルファラン+10mg/kgエタクリン酸 5. 5mg/kgメルファラン+60mg/kgTER199 6. 溶媒単独 マウスは体重変化を観察し、腫瘍の容積をノギスで測定した。腫瘍の成 長は平均の腫瘍の大きさが、メルファランを除く全ての群で約1500mm3になるま で観察した。メルファランの群では72日後でもこの容積に達しなかった。 結果は、薬剤処理マウスにおける腫瘍の容積を対照群の容積(すなわち 、溶媒のみの投与群)に対する割合で表した。1群では、メルファランのみを投 与したが、腫瘍は対照群の約75%であった。5群では、TER199をメルファランと 共に投与したが、腫瘍の容積は対照の約55%であった。4群の、メルファランと エタクリン酸との混合投与では、その容積は対照の約35%であった。従って、エ タクリン酸及びTER199はメルファランの効果に対して相乗効果がある。(容積は 、対照群の腫瘍が1500mm3に達した時点で測定した。) 実施例3 発明化合物の代謝効果 HT-29細胞に対する本発明化合物の毒性に関連した代謝効果を、Molecul ar Devices,Inc.,Menlo Park,CAにより製作され、McConnell,H.M.et al.Scicnce( 1992)257:1906-1912及びWada,H.G.et al.AATEX(1992)1:154-164に述べられてい るサイトセンサーマイクロフィジオメーターを用いて試験した。培地のpHの変化 を、細胞代謝の機能として測定した。細胞の上を流れる少量の液体の酸性化の割 合は、反応室における生きている細胞の数に比例しており、酸性度の減少は生存 細胞の減少数を反映している。 この例示では、HT-29細胞は、10%ウシ胎児血清を含む培地中に4×105 細胞植え付けられた。16-18時間後、血清濃度を1%に減らし、細胞をさらに18 時間維持した。その後、細胞をエタクリン酸(50μM)、TER199(20μM)又は溶媒 (0.1%エタノール)のいずれかに曝した。その後、培地を無血清の低緩衝能培 地に代え、マイクロフィジオメーター分析を開始した。チャンバーの半分を100 μMクロラムブチルで処理し、残り半分を溶媒(0.1%エタノール)で処理した 。酸性化率は16時間観測し、データは基本(100%)酸性化率で示した。 結果を図2に示す。γE-C(Bz)-ψGのジエチルエステル(TER199)もエタ クリン酸 も単独では酸性化率に顕著な効果を示さなかったが、エタクリン酸の前処理及び TER199の前処理はクロラムブチルの効果に相乗効果を示した。図において、開い た記号はクロラムブチルの添加がないもの、閉じた記号はクロラムブチルを添加 したもの、四角は溶媒で前処理したもの、三角はエタクリン酸で前処理したもの 、円はTER199で前処理したものを示している。 実施例4 骨髄顆粒球マクロファージ(GM)前駆体の促進 本発明化合物は、細胞に透過できるようにエステル化すると、哺乳動物 に投与した場合骨髄にGM前駆体の生産を促進する。実際のアッセイでは、3頭の B6D2F1マウスを種々の薬量のベンジルPGで腹腔内に処理した。大腿骨骨髄を24時 間後に採取し、East,C.J.et.al.Cancer Chemother Pharmacol(1992)30:123-126 の方法でGM-CFUの試験を行った。コロニーの数が用量依存的にTER199の90mg/kg まで増加した。対照群では約140コロニー/104有核細胞であるのに対して、90mg /kgでは約275コロニー/104有核細胞が得られた。 実施例5 マウスGM-CFUに対するTER199の腹腔内及び経口投与の比較 20-24グラムの5週齢の雄B6D2F1マウスを3頭のマウスの群に分け、TER 199の種々の薬量で経口又は腹腔内に投与した。TER199は、滅菌ナノポアー水で 調製し、ガベージチューブと1ccのシリンジで経口投与又は28口径の針を付けた 1ccのシリンジを用いて食塩水で腹腔内に投与した。対照群のマウスは、水又は 食塩水を注射した。骨髄細胞は薬剤の投与24時間に採取し、メチルセルロース(0 .8%W/V),牛胎児血清(20%V/V),脱イオンBSA(1%W/V),アメリカヤマゴボ ウミトゲン加用脾臓細胞調整培地(PWM-SCCM)1(10%V/V)及びゲンタマイシン (50Tg/ml)で調整したアルファー最少培地(アルファーMEM)に加えた。 図4aは骨髄GM-CFUに対するTER199の経口と腹腔内の1回投与の影響を 示している。データは各群3頭の平均±標準偏差である。アスタリスクは、値が P<0.05で対照に比べ統計的に有意であることを示す。図4aに示すように、腹腔内 投与(閉じた四角、■)は、60-90mg/kgで最も効果が高く、経口投与(閉じた円 、●)は、120-180mg/kgで最も効果が高い。この結果は、本発明の化合物が、経 口投与の方が高い投与量が必要であるが、経口でも腹腔内でも投与可能であるこ とを示している。 図4bは付加的実験の結果を示し、静脈投与を含む。同様な結果が得られ た。 実施例6 骨髄マクロファージ(GM)前駆体のTER199刺激による経時変化 実施例5の方法を、0日目にTER199を60mg/kgで単回腹腔内投与し、投 与後種々の時間に骨髄細胞を採取して、繰り返した。TER199を投与したマウスの GM-CFUを対照と比較し、結果を投与後日数の関数として図5に示した。最大の刺 激は、2日目及び5日目に起こることが観察された。 実施例7 マウス及びヒト骨髄コロニー形成に及ぼすTER199の効果 TER199の、顆粒球−マクロファージ(CFU-GM)、赤血球(BFU-E)、及び多 能性(CFU-GEMM)前駆細胞によるコロニー形成に及ぼす効果を評価した。TER199は 、試験管内でヒト及びマウス前駆細胞の分裂増殖を促進した。効果は、多くの場 合GM-CSF,G-CFS,M-CFS,Flt3/Flk-2及びスチールファクター(ステム細胞ファク ター/c-kitリガンド)により刺激された細胞では、通常1.0から10μMの範囲で 薬量依存的であった。特に興味深いのは、TER199が、サイトカインとのコンビで コロニー形成を促進することが見いだされたことであった。さらに、促進効果は 、マウス骨髄よりもヒトでより促進されることである。これらの結果は、TER199 が骨髄ステム細胞及び前駆体の多くの系統に促進効果があることを暗示している 。ヒト骨髄により大きな効果があることは、ヒトGSTアイソザイムP1-1に対する 特異性と一致している。これらの実験の代表的な結果を表4−9に示す。 表8及び9は、TER199をヒト骨髄赤血球及び多能性前駆細胞に接触させた 場合にマウスの相当物で得られた結果と比較するために設計した実験結果を示す 。これらの表 に示すように、ヒト(表8)における生体外における効果は、マウス(表9)の対応 するもので示されるより本質的に大きい。 実施例8 TER199 の末梢血細胞に及ぼす影響 TER199(90mg/kg/日×5,腹腔内)の末梢血細胞数に及ぼす影響をスプラグ -ダウリー由来のラットで評価した。ラットを2つの群に分け、2つの群を別々 の日に採血した。平均の全白血球、完全な(absolute)リンパ球及び完全な好中球 の数は試験期間を通じて増加 した。代表的なデータをを図6に示す。TER199は、ラットにおける循環している 白血球細胞の数を2倍に増加させている。9日目の血小板数の平均値の増加を除 いて(データは示していない)、赤血球や血小板の有意な増加はなかった。さら に、TER199は、これらの動物に何らの悪影響も与えてないことが分かった。 実施例9 必要な構造 TER199の種々の誘導体及び構造的なアナログによる骨髄の分化に及ぼす 効果を、薬量との関係で試験した。骨髄は、化合物の投与24時間後に採取し、GM -CFUの量を前記の方法により測定した。図7はジエチルエステル体(TER199)が混 合エステルアミド体(TER300)より有意に効果が高く、対応するエステル化しない 化合物は効果がないことを示している。図7において、開いた円(○)は混合エ ステルアミド体(TER300)を示す。開いた四角(□)はジエチルエステル体であるTE R199の結果を示す。混合エステルアミド体のTER300はTER199より代謝されるのが ずっと遅いことが知られている。TER199の代謝により、TER117が生成する。図7 の結果は、TER117が細胞内に浸透することができないこと、TER300の代謝が遅い ことと一致している。 図8は、TER199とそのアナログでの同様の試験結果を示す。開いた四角 (□)はTER199を示し、開いた円(○)は、TER199におけるベンジル基はオクチルに 、ψGはGに置き換わったTER183を示す。開いた菱形(◇)と開いた三角形(△)は それぞれ不活性の化合物TER317及びTER206を示す。TER317においてはTER199のフ ェニルグリシンが(S+)フェニルグリシンに、TER206ではTER199のベンジルがナフ チル(naphthy)に、フェニルグリシンがグリシンに置き換わっている。TER183はP 1-1よりA1-1のより良い阻害剤であるが、これら結果は、表10に示すように、TER 199及びTER183によるP1-1 GSTアイソザイムの標的化と関連する。 実施例10 TER199 による化学療法剤の効果の改善 a) 5-フルオロウラシルによるGM-CFU抑制に対するTER199の単回腹 腔内投与の影響 実施例5で述べた雄B62F1マウスに、0.9%生理食塩水に調製した75mg/k gの5-フルオロウラシル(5-FU)を腹腔内に投与した。3頭づつのマウスの群には 生理食塩水中の60mg/kgのTER199を、5-FUと同時に、又は5-FU投与の24時間前、 1時間前、24時間後に腹腔内に注射した。対照群は、どちらの薬剤も投与しなか った。骨髄を採取し、GM-CFUは最後の注射後、24時間に測定した。総合的な結果 を図9aに示す。TER199@-24,@-1hr;@+24hrはそれぞれ、5-FUの投与24時間前、 1時間前、又は24時間後を意味する。5-FU処理だけがGM-CFUを対照のマウスの15 %に減少させている。TER199は、5-FUによるGM-CFUの抑制を有意に減少させてい る。TER199とフルオロウラシルの同時の注射は、フルオロウラシル単独の注射に 比較して、大腿骨当たりのGM-CFUの数を4倍に増加させる結果となった。フルオ ロウラシルの24時間後のTER199の注射は、大腿骨当たりのGM-CFU数が対照群より 大きくなっている。 上述のように、5-FUの投与24時間後のTER199の投与は、骨髄細胞の回復 を早め、最終的には5-FUを投与しなかった対照以上にこの能力を高める結果とな った。これらの結果は、図9bにまとめているが、5-FU投与4日後までに、5-FUの みを投与したマウス(閉じたバー、■)は対照群とほぼ等しいGM-CFUを示し、一 方5-FUを加えたTER199 の試験では、図9cに示すように、GM-CFUに効果を示さなかった。 b) 5-フルオロウラシルによるGM-CFU抑制に及ぼすTER199の単回経 口投与の効果 5-FUの注射24時間後のTER199を腹腔内に投与した効果が、TER199を経口 投与した場合に得られた。5-FUを腹腔内に75又は150mg/kgで投与48時間後に骨髄 を採取した。5-FU(75-150mg/kg腹腔内)投与24時間後に投与すると、TER199(150m g/kg,経口)は5-FUの低薬量投与で約2倍の増大を示し(90%対47%)、高投与量 では9倍に増加した(71%対8%)。図9d参照。値は各点当たり3頭のマウスの平 均±標準偏差である。 c) シスプラチンによるGM-CFU抑制に及ぼすTER199の効果 マウスにおけるTER199の単回経口又は腹腔内投与の効果を、シスプラチ ンによるGM-CFU抑制を減少する能力で評価した。TER199(60mg/kg,腹腔内)は、 シスプラチン(15mg/kg,腹腔内)の24時間前、1時間前、又は同時に投与した。 骨髄はシスプラチン投与24時間後に採取した。GM-CFUの値は各点当たり、3頭の マウスの平均±標準偏差である。図10は、TER199を前もって投与するとシスプラ チン単独投与に比べて、GM-CFUを増加 させることを示す(図10)。シスプラチンの24時間前にTER199を注射すると、シ スプラチン単独で注射した場合に比べて、大腿骨当たりのGM-CFUが2倍に増大す る(対照の31%に対して62%)。 図11に示す実験結果は、GM-CFU抑制をおこしたシスプラチンに対する24 時間前又は24時間後の経口投与の効果を示している。骨髄は2番目の薬剤の投与 24時間後に採取した。値は各点当たり、3頭のマウスの平均±標準偏差である。 シスプラチン(20mg/kg,腹腔内)の24時間前に経口投与すると、TER199(150mg/kg ,経口)は、GM-CFUを4倍近く増加させた(対照の14%に対して52%)。シスプラ チンの24時間後投与では、GM-CFUを2.5倍増加させる(40%対14%)。これらの結 果は、TER199がシスプラチンによる好中球減少の予防及び治療に有用であること を示している。 d) マウスにおけるカルボプラチンによるGM-CFU抑制に及ぼすTER1 99の効果 カルボプラチンによるGM-CFU抑制を減少させるTER199の効果を上述と同 様な実験で測定した。TER199(120mg/kg,腹腔内)を、カルボプラチン(90mg/kg, 腹腔内)の24時間前、24時間後又は同時に投与した。骨髄は2つ目の薬剤の投与 後24時間後に採取した。図12のパネルAは、マウスでTER199がカルボプラチンに より引きおこされたGMーCFUの減少を少なくすることを示している。値は各点当た り、3頭のマウスの平均±標準偏差である。図12のパネルBは、TER199(150mg/ kg経口)の経口投与がより効果的であることを示している。 e) マウスにおけるシクロフォスフアミドによるGM-CFU抑制に及ぼ すTER199の効果 図13パネルAは、シクロフォスフアミド(200mg/kg,腹腔内)の投与24時 間後にTER199(120mg/kg,腹腔内)の投与が、マウスにおけるGM-CFUの減少を軽減 することを示している。TER199(150mg/kg,経口)の経口投与も同様に効果的であ る(図13パネルB参照)。値は各点当たり、3頭のマウスの平均±標準偏差であ る。 f) マウスにおけるメルファラン誘導GM-CFU抑制に及ぼすTER199の 効果 メルファラン誘導GM-CFU抑制を減少させるTER199の効果を上述と同様な 実験で測定した。メルファラン(10mg/kg,腹腔内)単独の注射は、GM-CFUの残 存量がわずか2%となる。TER199(90mg/kg,腹腔内)をメルファランの1時間前 に与えると、GM-CFUを対照の4倍の8%に増大させる(データは示していない。 )。 実施例11 5-FU 処理±TER199に対する末梢血の応答 a) 5-FU処理±TER199の腹腔内投与 TER199について、5-FUにより生じる血液の抑制の程度を少なくし、その 持続を短くする能力について試験した。スプラーグ-ダウレー由来のラットを以 下に示すスケジュ ールに従って処理した(表11)。この試験の結果を図14に示す。 TER199を処理した群における白血球、好中球及びリンパ球レベルにおけ る反応は、5-FU処理した群より早く試験前のレベルに達し、12日目では試験前の レベルを超えた。TER199処理した群でのこれら細胞集団に対する反応におけるパ ターンは、5-FU処理した対照群とは有意に異なっていた(P<0.05)。これらのデー タは、5-FUにより抑制された末梢血中の白血球、好中球及びリンパ球の集団の量 は、プラセボ処理した動物との比較で、TER199処理した後回復し、試験前のレベ ルにまで達した。 TER199処理動物では、血小板の量は12日までの試験で正常なレベルに まで回復した。対照的に、5-FU対照動物の血小板のレベルは強く抑えられた状態 に留まった。TER199処理した群における血小板の反応は、5-FU処理の対照群とは 、明らかに異なっていた(P<0.05)。 赤血球細胞の数は、この試験期間を通して全ての群で常に減少した。観 察された減少は、5-FU処理対照動物に比較して、TER199処理した動物では軽かっ たが、減少傾向の遅れなのか、どん底における実際の減少なのかを見極めるには 、試験を早く終わり過ぎた。 b) 5-FU処理±TER199の経口投与 5-FUを150mg/kgで腹腔内に投与24時間後に、TER199の150mg/kg又は対照 としての溶媒を経口で投与し、48時間後にさらに5-FU投与を各群6頭のマウスで 繰り返した。マウスは眼窩叢から採血し、血液試料は血球数の変化を分析した。 図15a-15dは、5-FU単独投与(開いた円、○)又は5-FUとTER199との処理(閉じた円 、●)での各種類の血液細胞数を示す。図15aは、合計の白血球細胞数を示すが、 特に有意な差異は認められなかった。図15bは、好中球での結果を示すが、統計 的に有意な差違は、9日目にのみ得られた。図15cは、リンパ球での結果を示す が、差違は認められなかった。図15は、単球での 結果を示すが、9日目だけで統計的に有意な差違が認められた。 実施例12 サイトカイン産生の促進 ヒト間質培養細胞を、East,C.J.et al.,Blood 5:1172(1992)に記載され ているようにしてヒト骨髄から新たに得た。2日目に、細胞を100μMのTER199 に1時間処理し、培地を取り除き、新鮮な培地で置き換え、24及び48時間後に、 培地上清を集め、インターロイキン-1(IL-1)の存在を試験した。結果を表12に示 す。IL-1の量は24及び48時間とも、対照の2倍以上であった。 実施例13 種々のサイトカインの存在下におけるCD+++分化に及ぼすTER199の効果 ヒト臍帯血又は骨髄から得た高度に精製したCD34+++細胞を300細胞/ml で植え付け、種々のサイトカインの存在下で種々の濃度のTER199で処理した。図 16は、1単位/mlの組換え赤血球生成促進因子100単位/mlの組換えIL-3及び50ng/ mlの組換えスチール(steel)因子の存在下における、0.1μM-10μMの濃度のTER 199の、顆粒球-赤血球-マクロファージ-巨核球コロニー形成(CFU-GEMM)に及ぼす 影響を示す。図16はまた、1単位/mlの組換え赤血球生成促進因子及び100単位/m lの組換えIL-3の存在下における、これら濃度のTER199の赤血球前駆細胞(BFU-E) に及ぼす影響を示す。これらの濃度では、TER199の最低濃度(0.1μM)でも、CFU -GEMM及びBFU-Eの両方に対し中程度のプラスの効果を示す。これらの結果は、2 つの別のドナーについても一致していた。 実施例14 TER199 の好ましい合成法 TERの全体の合成法は図17に示す。 TER199は綿毛様の白色の粉末で、融点は145-150℃、システイン及びγ- グルタミル基は共に天然のL体を示し、フェニールグリシンはD体である。図17 で示された方法で合成されたとき、得られた産物を確認するため、通常の技術を 用いて分析される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,BB,BG ,BR,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IL, IS,JP,KG,KP,KR,LK,LR,LT,L V,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL ,RO,SG,SI,SK,TR,TT,UA,UZ, VN (72)発明者 モーガン、アミー、エス. アメリカ合衆国、カリフォルニア 94602、 オークランド、ウィスコンシン ストリー ト 3050 (72)発明者 ボーチ、リチャード、エフ. アメリカ合衆国、ニューヨーク 14642、 ローチェスター ボックス 704、エルム ウッド アベニュー 601 ユニバーシテ ィ オブ ローチェスター メディカル センター

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 式 ここに、YCOはγ-glu又はβ-asp; G*は、フェニルグリシン又はグリシン; Zは、CH2,O又はS;及び Xは、1-20Cの炭化水素基である、 で表される化合物若しくはそのエステル、アミド、エステル/アミド又はそれら の塩で、骨髄、末梢血又はそれらの画分における造血を調節するのに有効な量及 び時期に、当該骨髄、末梢血又は画分に接触することを含むことを特徴とする造 血の調節方法。 2. ZがSである請求項1の方法。 3. Xがヘキシル、ヘプチル、オクチル、ベンジル又はナフチルである請求項 1の方法。 4. Xがベンジル又はオクチルである請求項1の方法。 5. 式1の化合物がジエステルの形である請求項1の方法。 6. 式1の化合物が、γ-glu-C(Bz)-G,γ-glu-C(octyl)-G,γ-glu-C(Bz)-ψ G又はγ-glu-C(octyl)-ψGのジエステルである請求項1の方法。 7. 式1の化合物が、γ-glu-C(Bz)-ψG又はγ-glu-C(octyl)-Gのジエステル である請求項1の方法。 8. 式1の化合物が、γ-glu-C(Bz)-ψGのジエチルエステルである請求項7の 方法。 9. γ-glu及びC(Bz)残基が天然のL配位で、ψG残基がD配位である請求項 8の方法。 10. 式1の当該化合物又はその医薬的組成物を、造血を調節するために有効 な量で調 節の必要な被検体に投与することにより、当該接触が効果を示す請求項1の方法 。 11. 当該被検体がヒトである請求項10の方法。 12. 当該投与が、腹腔内、静脈内又は経口投与である請求項10の方法。 13. 式 ここにYCOはγ-glu又はβ-asp; G*はフェニルグリシン又はグリシン; ZはCH2,O又はS;及び Xは1-20Cの炭化水素基である、 で表される化合物若しくはそのエステル、アミド、エステル/アミド又はそれら の塩を下記保護効果を発揮するのに有効な量及び時期に、当該被検体に投与する ことを含むことを特徴とする、当該被検体に対して投与される破壊的な効果のあ る化学療法剤又は照射に対して保護的な効果を発揮する方法。 14. ZがSである請求項13の方法。 15. Xがヘキシル、ヘプチル、オクチル、ベンジル又はナフチルである請求 項13の方法。 16. Xがベンジル又はオクチルである請求項13の方法。 17. 式1の化合物が、ジエステルの形である請求項13の方法。 18. 式1の化合物がγ-glu-C(Bz)-G、γ-glu-C(octyl)-G、γ-glu-C(Bz)-ψ G又はγ-glu-C(octyl)-ψGのジエステルである請求項13の方法。 19. 式1の化合物がγ-glu-C(Bz)-ψG又はγ-glu-C(octyl)-Gのジエステル である請求項13の方法。 20. 式1の化合物がγ-glu-C(Bz)-ψGのジエチルエステルである請求項13の 方法。 21. γ-glu及びC(Bz)残基が天然のL配位であり、ψG残基がD配位である 請求項20の方法。 22. 当該被検体がヒトである請求項13の方法。 23. 当該投与が腹腔内、静脈内又は経口投与である請求項13の方法。 24. 式 ここにYCOはγ-glu又はβ-asp; G*はフェニルグリシン又はグリシン; ZはCH2,O又はS;及び Xは1-20Cの炭化水素基である、 で表される化合物、若しくはそのエステル、アミド、エステル/アミド又はそれ らの塩を、下記保護効果を発揮するのに有効な量及び時期に、被検体に投与する ことを含むことを特徴とする、当該被検体に対して投与される化学療法剤の効果 を増強する方法。 25. ZがSである請求項24の方法。 26. Xがヘキシル、ヘプチル、オクチル、ベンジル又はナフチルである請求 項24の方法。 27. Xがベンジル又はオクチルである請求項24の方法。 28. 式1の化合物がジエステルの形である請求項24の方法。 29. 式1の化合物がγ-glu-C(Bz)-G、γ-glu-C(octyl)-G、γ-glu-C(Bz)-ψ G又はγ-glu-C(octyl)-ψGのジエステルである請求項24の方法。 30. 式1の化合物がγ-glu-C(Bz)-ψG又はγ-glu-C(octyl)-Gのジエステル である請求項24の方法。 31. 式1の化合物がγ-glu-C(Bz)-ψGのジエチルエステルである請求項30の 方法。 32. γ-glu及びC(Bz)残基が天然のL配位であり、ψG残基がD配位である 請求項31の方法。 33. 当該被検体がヒトである請求項24の方法。 34. 当該投与が腹腔内、静脈内又は経口投与である請求項24の方法。 35. 活性成分として、式 ここにYCOはγ-glu又はβ-asp; G*はフェニルグリシン又はグリシン; ZはCH2,O又はS;及び Xは1-20Cの炭化水素基である、 で表される化合物若しくはそのエステル、アミド、エステル/アミド又はそれら の塩を、製薬的に可能な賦形剤との混合物として有効量を含むことを特徴とする 、単位服用の剤形にある医薬組成物。 36. 経口投与に適している請求項35の組成物。 37. 錠剤、丸薬、カプセル剤、シロップ、粉剤又はトニック剤の形である請 求項36の組成物。 38. 少なくとも1つのグルタチオンS-トランスフェラーゼアイソザイムの サブクラスを阻害する化合物を、下記調節又は保護効果を発揮する量及び時期に 、骨髄、末梢血又はそれらの画分に接触させることを含むことを特徴とする、造 血を調節し又は化学療法剤の 毒性作用に対して造血細胞を保護する方法。 39. 当該接触が、当該調節又は保護を必要とする被検体に対して当該式1の 化合物又はその医薬組成物を、当該調節又は保護を行うのに有効な量で投与する ことにより有効ならしむ請求項38の方法。 40. 当該被検体がヒトである。請求項38の方法。 41. 当該投与が腹腔内、静脈内又は経口投与である請求項38の方法。 42. 当該サブクラスがπサブクラスである請求項38の方法。
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