JPH11502718A - 単一微生物による発酵性炭素源の1,3−プロパンジオールへの生物転化 - Google Patents

単一微生物による発酵性炭素源の1,3−プロパンジオールへの生物転化

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JPH11502718A JP8534295A JP53429596A JPH11502718A JP H11502718 A JPH11502718 A JP H11502718A JP 8534295 A JP8534295 A JP 8534295A JP 53429596 A JP53429596 A JP 53429596A JP H11502718 A JPH11502718 A JP H11502718A
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Abstract

(57)【要約】 活性グリセロールデヒドラターゼ酵素または活性ジオールデヒドラターゼ酵素をコードする遺伝子を含有する微生物を用い、これらの生物を適当な発酵条件下で炭素基質と接触させることによる、単一の生物による炭素基質の、1,3−プロパンジオールへの生物転化のための方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 単一微生物による発酵性炭素源の 1,3−プロパンジオールへの生物転化 発明の技術分野 本発明は、単一微生物による発酵性炭素源の1,3−プロパンジオールへの生 物変換(bioconversion)に関する。 発明の技術背景 1,3−プロパンジオールは、ポリエステル繊維の製造およびポリウレタンお よび環状化合物の製造における潜在的用途を有するモノマーである。 1,3−プロパンジオールへの種々の化学的経路が知られている。例えば、エ チレンオキサイドは、ホスフィン酸、水、一酸化炭素、水素および酸の存在下で 触媒によって、アクロレインの触媒溶液相水和に続いて行われる還元によって、 あるいは、グリセロール等の炭化水素から、一酸化炭素および水素の存在下で、 周期表のVIII族の原子を有する触媒によって反応させることによって1,3−プ ロパンジオールへ変換することができる。1,3−プロパンジオールはこれらの 方法によって得ることが可能であるものの、それらは費用がかかり、かつ、環境 汚染物質を含有する廃物流を生ずる。 一世紀も前から、1,3−プロパンジオールがグリセロールの発酵から得られ ることが知られている。1,3−プロパンジオールを産生可能な細菌株が、例え ば、シトロバクター(Citrobacter)属、クトストリジウム(Clostridium)属、エン テロバクター(Enterobacter)属、イリオバクター(Ilyobacter)属、クレプシエラ (Kleobsiella)属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属およびペロバクター(Pelob acter)属において見出されている。研究されている各ケースでは、グリセロール は2工程の酵素触媒反応手順で1,3−プロパンジオールに変換される。 第1の工程では、デヒドラターゼ(dehydratase)が、グリセロールの、3−ヒド ロキシルプロピオンアルデヒド(3−HP)および水への変換(式1)を触媒す る。第2の工程では、3−HPが、NAD+連結オキシドレダクターゼ(NAD+-lin ked oxidoreductase)によって1,3−プロパンジオールへと還元される(式2 )。 グリセロール → 3−HP + H2O (式1) 3−HP+NADH+H+→ 1,3−プロパンジオール+NAD+ (式2) この1,3−プロパンジオールは、それ以上は代謝されず、その結果、高濃度で 培地に蓄積する。反応全体としては、補助因子(cofactor)の形態で還元当量の還 元されたβ−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)が消費され、 これは、酸化されてニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)になる 。 グリセロールからの1,3−プロパンジオールの製造は、一般に、嫌気性条件 下で、グリセロールを唯一の炭素源として用いて、他の外来の還元当量受容体の 不在下で行われる。これらの条件下では、例えば、シトロバクター、クロストリ ジウムおよびクレプシエラの菌株において、グリセロールについての平行経路が 働くが、この経路には、まず最初に、NAD+(またはNADP+)結合グリセロ ールデヒドロゲナーゼにより、グリセロールをジヒドロキシアセトン(DHA) へ酸化すること(式3)が包含される。このDHAは、続いてDHAキナーゼに よるジヒドロキシアセトンホスフェート(DHAP)へのリン酸化(式4)を行 うことによって、生合成に、そして、例えば、解糖を経由するATP生成の支援 に利用できる。この1,3−プロパンジオール経路とは対照的に、本発明の経路 は、炭素およびエネルギーを細胞に付与し、かつNADHを消費するのではなく 、NADHを生成する。 グリセロール+NAD+ → DHA+NADH+H+ (式3) DHA+ATP → DHAP+ADP (式4) クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)およびシトロバクター ・フロインディイ(Citrobacter freundii)では、グリセロールデヒドラターゼ、 1,3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ、グリセロールデヒドロゲナー ゼおよびジヒドロキシアセトンキナーゼの機能的に結合した活性(functionally linked activities)をコードする遺伝子(それぞれ、順に、dhaB、dhaT 、dhaD、dhaK)は、dhaレギュロンによって包含される。シトロバク ターおよびクレプシエラ由来のdhaレギュロンは大腸菌(Escherichia coli)内 で表現されており、かつ、グリセロールを1,3−プロパンジオールへと変換す ることが示されている。 グリセロール製造のための生物学的方法は公知である。圧倒的大多数のグリセ ロール産生者は酵母であるが、幾つかの細菌、他の真菌および藻類も知られてい る。細菌および酵母はともに、グルコースまたは他の炭水化物を、解糖における フルクトース−1,6−ビスホスフェート経路によって、あるいはエムデン−マ イヤーホフ−パルナス経路によって、グリセロールを産生するが、一方、特定の 藻類は、葉緑体内で、溶解した二酸化炭素または重炭酸塩をカルビン回路の3− 炭素中間体(3-carbon intermediates)へと変換する。一連の工程において、この 3−炭素中間体であるホスホグリセリン酸は、グリセルアルデヒド3−ホスフェ ートに変換され、これは、そのケト異性体であるジヒドロキシアセトンへ、そし て最終的にはグリセロールへと容易に相互変換することが可能である。グリセロ ールおよび1,3−プロパンジオールを製造する生物学的方法はそれぞれ公知で あるが、全体のプロセスが単一の生物によって達成可能であることは未だに証明 されていない。 1,3−プロパンジオール製造のための上記の化学的方法および生物学的方法 のどちらも、工業的規模での製造にはそれ程好適ではない。その理由は、化学的 方法はエネルギーを多く消費するものであり、生物学的方法は高価な出発原料で あるグリセロールを必要とするからである。低エネルギーの投入および安価な出 発原料しか必要としない方法が必要とされている。さらに望ましい方法は、炭水 化物または糖などの基本的な炭素源を所望の1,3−プロパンジオール最終生成 物へと変換する能力を有する微生物を取りいれたものであろう。 グリセロールまたはジヒドロキシアセトン以外の発酵性炭素源を1,3−プロ パンジオールへ単一生物を用いて転化することが望ましいが、そのような試みに は著しい困難を克服しなければならないことが実証されている。例えば、Gottsc halkら(欧州特許第373230号)は、1,3−プロパンジオール製造に有用な大部 分の菌株、例えば、シトロバクター・フロインディイ(Citrobacter freundii)、 クロストリジウム・オートブチリカム(Clostridium autobutylicum)、クロスト リジウム・ブチリカム(Clostridium butylcum)およびクレプシエラ・ニューモニ エ(Klebsiella pneumoniae)の増殖が、フルクトースやグルコース等の水素供与 体の存在によって阻害されることを教示している。ラクトバシルス・ブレビス(L actobacillus brevis)およびラクトバシルス・ブフナー(Lactobacillus buchner )の菌株は、グリセロールとフルクトースまたはグルコースとの共発酵(co-ferme ntations)において1,3−プロパンジオールを生産するが、グリセロールが唯 一の炭素源として供給された場合には増殖せず、かつ、休止細胞はグルコースま たはフルクトースを代謝できることがわかっているけれども、それらは1,3− プロパンジオールを産生しない(Viega DA Cunhaら、J.Bacteriol.174,1013, (1992))。同様に、イリオバクター・ポリトロパス(Ilyobacter polytropus)の菌 株は、グリセロールおよびアセテートが供給された場合には1,3−プロパンジ オールを産生するが、グリセロール以外の炭素基質(フルクトースおよびグルコ ースを含む)からは1,3−プロパンジオールを産生しない(Steib ら、Arch. Microbiol.140,139(1984))最後に、Tongら(Appl.Biochem.Biotech.34,1 49(1992))は、グリセロールデヒドラターゼをコードするdhaレギュロンで形 質転換された組換え大腸菌が、外来性グリセロール不在下ではグルコースからも キシロースからも1,3−プロパンジオールを産生しないことを教示している。 グリセロールからの1,3−プロパンジオールの収率を改善するための試みが 報告されており、そこにおいて、還元当量を提供することが可能な補助基質(co- substrates)、典型的には発酵性糖類、がその方法に含まれる。収率の改善は、 グリセロールとグルコースとを共発酵する(co-fermenting)シトロバクター・フ ロインディイおよびクレプシエラ・ニューモニエDSM4270 の休止細胞について 権利請求されている(Gottschalkら、前出;およびTran-Dinh ら、独国特許第37 34764 号)。しかし、権利請求されているのはグリセロールとグルコースとを共 発酵するクレプシエラ・ニューモニエATCC25955 の増殖細胞についてではなく、 それらは、1,3−プロパンジオールを全く産生しない(I-T.Tong,Ph.D.Thes is,University of Wisconsin-Madison(1992))。高い収率は、組換え大腸菌によ るグリセロールとグルコースまたはフラクトースとの共発酵について報告されて いる。しかし、1,3−プロパンジオールは、グリセロールの不在下では全く産 生されない(Tongら、前出)。これらの系において、単一の生物は、NADH生 成源として炭水化物を用いるが、細胞の維持または増殖のためのエネルギーおよ び炭素を供給しながらである。これらの開示は、糖類が、1,3−プロパンジオ ールを生成する炭素の流れに入らないことを示唆する。いずれの場合もグリセロ ールの外来性供給源の不在下においては、決して1,3−プロパンジオールは産 生されない。したがって、文献の重要性から、明らかに、単一の生物による1, 3−プロパンジオールの炭水化物源からの産生が不可能であることが示唆される 。 本発明により解決すべき問題は、単一の生物によるグルコースまたは他の糖類 のような安価な炭素基質からの1,3−プロパンジオールの生物学的産生である 。この1,3−プロパンジオールの生物学的産生は、グリセロールを、2工程の 連続反応のための基質として必要とし、その反応において、デヒドラターゼ酵素 (典型的には補助酵素B12依存性デヒドラターゼ)が、グリセロールを中間体で ある3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドへと変換し、さらにNADH(または NADPH)依存性オキシドレダクターゼによって1,3−プロパンジオールへ と還元される。補助因子の要件が複雑なので、1,3−プロパンジオール製造の ための本発明の反応手順を用いる工業的方法では全細胞触媒(whole cell cataly st)を用いることが必要となる。さらに、この方法を経済的に採算が合うように するために、グリセロールやヒドロキシアセトンよりも安価な原料が必要となる 。グルコースおよび他の炭水化物は好適な基質であるが、上述のように、1,3 −プロパンジオールの産生を阻害することがわかっている。その結果、単一の生 物では、グルコースを1,3−プロパンジオールへと変換しないことが示 されていた。 本出願人は、上述の問題を解決し、本発明は、単一の生物を用いて、発酵性炭 素源を1,3−プロパンジオールへ直接的に生物変換することを提供する。グル コースは、モデル基質として用いられ、この生物変換は、あらゆる既存の微生物 に適用可能である。デヒドラターゼに対する遺伝子を有する微生物は、グルコー スおよび他の糖類を、グリセロール分解経路を経て、1,3−プロパンジオール へ、良好な収率および選択性で変換することができる。さらに、本発明は、1) グリセロール、2)ジヒドロキシアセトン、または3)グリセロールの酸化状態 にあるC3化合物(例えば、グリセロール3−ホスフェート)または4)ジヒド ロキシアセトンの酸化状態にあるC3化合物(例えば、ジヒドロキシアセトンホ スフェートまたはグリセロアルデヒド3−ホスフェート)に容易に変換されるあ らゆる炭素基質に広く適用することができる。 発明の要旨 本発明は、デヒドラターゼ酵素を表現可能な遺伝子を少なくとも1種有する単 一な微生物による、炭素基質の1,3−プロパンジオールへの生物変換方法であ って、前記微生物を前記基質と接触させる工程による生物変換方法を包含する。 この微生物は、野生型であってもよく、あるいは遺伝的に改変されていてもよく 、例えば、組換え微生物または微生物の突然変異体が挙げられる。好ましくは、 上記デヒドラターゼ酵素は、グリセロールデヒドラターゼ酵素またはジオールデ ヒドラターゼ酵素である。 本発明は、さらに、上記方法の生産物を包含する。 本発明は、さらに、クレプシエラ・ニューモニエから単離された約35kbの DNA断片を含有するコスミドであって、前記断片が、図1の第1および第2カ ラムの制限消化を有する活性グリセロールデヒドラターゼ酵素をコードしている ことを特徴とするコスミドを包含する。このコスミドは、微生物に伝達されると 、炭素基質、特に、グルコース、の1,3−プロパンジオールへの代謝を可能に する。 本発明は、さらに、宿主微生物と、上記コスミドまたはグリセロールデヒドラ ターゼ酵素以外の活性機能性タンパク質をコードする上記コスミドのDNA断片 とを含有する形質転換された微生物を包含する。 本発明は、さらに、好適な条件下で、グリセロールを、デヒドラターゼ酵素を 発現可能な遺伝子を少なくとも1種有する単一の微生物と接触させる工程を具え る、1,3−プロパンジオールを製造するための生物変換方法であって、上記微 生物が、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、 ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、ピヒア(Pichia)属、クリベロミセ ス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula)属、デバ リオミセス(Debaryomyces)属、ムーコル(Mucor)属、トルロプシス(Torulopsis) 属、メチロバクター(Methylobacter)属、サルモネラ(Salmonella)属、バシルス( Bacillus)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、およびシュードモナス(Pseu domonas)属からなる群から選ばれることを特徴とする方法を包含する。 本発明は、さらに、好適な条件下で、炭素基質を、デヒドラターゼ酵素を表現 可能な遺伝子を少なくとも1種有する単一の微生物と接触させる工程を具える、 1,3−プロパンジオール製造のための生物変換方法であって、上記遺伝子がグ リセロールデヒドラターゼをコードし、かつクレプシエラ属、ラクトバシルス属 、エンテロバクター属、シトロバクター属、ペロバクター属、イリオバクター属 、およびクロストリジウム属からなる群から単離されることを特徴とする方法を 包含する。 本発明は、さらに、適当な条件下で、炭素基質を、デヒドラターゼ酵素を表現 可能な遺伝子を少なくとも1種有する単一の微生物と接触させる工程を具える、 1,3−プロパンジオール製造のための生物変換方法であって、上記遺伝子が、 グリセロールデヒドラターゼをコードし、かつクレプシエラ属およびサルモネラ 属からなる群から単離されることを特徴とする方法を包含する。 好ましい宿主微生物は、シトロバクター属、エンテロバクター属、クロストリ ジウム属、クレプシエラ属、エロバクター(Aerobacter)属、ラクトバシルス属、 アスペルギルス属、サッカロミセス属、ジゴサッカロミセス属、ピヒア属、クリ ベロミセス属、カンジダ属、ハンゼヌラ属、デバリオミセス属、ムーコル属、ト ルロプシス属、メチロバクター属、エシェリキア(Escherichia)属、サルモネラ 属、バシルス属、ストレプトミセス属およびシュードモナス属からなる群から選 ばれる。 本発明を具体化する組換え微生物は、「生物学的寄託の簡単な説明」で述べる 。 図面の簡単な説明 図1は、それぞれカラム1、2および4として標識したコスミドpkP1、p KP2およびpKP4の制限消化(EcoRI、BamHI、EcoRVおよび NotI)および0.8%アガロースゲル電気泳動での分離を示す。分子サイズ マーカーは、最後のレーンに装荷した。1および2として標識したカラムは、グ リセロールデヒドラターゼ酵素を含有するコスミドを表わす。 図2は、pKP1の部分的な物理的地図およびDNA配列に基づく遺伝子の位 置を示す。遺伝子は、ウイスコンシン大学の塩基配列分析ソフトウエアにより提 供されるTfastaプログラム[Genetics Computer Group,Version 7,April,199 1,575,Science Device、Madison,WI53711]を用いて、推定したオープン・リ ーディング・フレームを、ジーンバンク(Genbank)のデータベースと比較するこ とによって同定した。 生物学的寄託および配列表の簡単な説明 グリセロールデヒドラターゼ酵素をコードするクレプシエラゲノムの一部を含 有するコスミドpKP1を含有する形質転換した大腸菌DH5αは、ブダペスト 条約に基づき1995年4月18日付でATCCに寄託し、ATCC69789 に指定さ れた。ジオールデヒドラターゼ酵素をコードするクレプシエラのゲノムの一部を 含有するコスミドpKP4を含有する形質転換した大腸菌DH5αは、ブダペス ト条約に基づき1995年4月18日付でATCCに寄託し、ATCC69790 に指定され た。緑膿菌[シュードモナス・エルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa)]株PAO2 845:pDT9(dhaBオペロンを含有するプラスミドで形質転換されている)は、 ブダペスト条約に基づき1996年4月11日付でATCCに寄託し、ATCC5576 0 に指定された。ピヒア・パストリス(Pichia pastoris)株MSP42.81(dhaB 1、dhaB2、dhaB3およびdhaT遺伝子のための表現カセットを含有 する非複製性プラスミドで形質転換されている)は、ブダペスト条約に基づき1 996年4月11日付でATCCに寄託し、ATCC74363 に指定された。サッカロミセ ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株pMCK1/10/17(HM)#A(dhaB1 、dhaB2、dhaB3およびdhaTオペロンを含有するプラスミドで形質 転換されている)は、本国際出願の提出前に、1996年5月9日付でブダペス ト条約に基づきATCCに寄託し、ATCC74370 に指定された。ストレプトミセス ・リビダンス(Streptomyces lividans)株SL/14.2(dhaB1、dhaB2、d haB3およびdhaTオペロンを含有するプラスミドで形質転換されている) は、本国際出願の提出前に、1996年5月9日付でブダペスト条約に基づきA TCCに寄託し、ATCC98052 に指定された。バシルス・リヘニフォルミス(Bacil lus licheniformis)株BG188/pM26(クローン#8)(dhaB1、dhaB2、 およびdhaB3オペロンを含有するプラスミドで形質転換されている)は、本 国際出願の提出前に、1996年5月9日付でブダペスト条約に基づきATCC に寄託し、ATCC98051 に指定された。枯草菌[バシルス・サチリス(Bacillus su btilis)]株BG2864/pM27(クローン#1)(dhaB1、dhaB2、dhaB3 およびdhaTオペロンを含有するプラスミドで形質転換されている)は、本国 際出願の提出前に、1996年5月9日付でブダペスト条約に基づきATCCに 寄託し、ATCC98050 に指定された。アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )株TGR40-13(dhaB1、dhaB2、dhaB3およびdhaTオペロンを 含有するプラスミドで形質転換されている)は、本国際出願の提出前に、199 6年5月9日付でブダペスト条約に基づきATCCに寄託し、ATCC74369 に指定 された。「ATCC」とは、国際寄託機関である「アメリカン・タイプ・カルチ ャー・コレクション (American Type Culture Collection)」(所在地:12301 Parklawn Drive,Rockv ile,MD 20852 U.S.A.)をいう。「指定(desingations)」とは、寄託物質の受託 番号をいう。 本出願人は、「特許出願におけるヌクレオチドおよびアミノ酸配列の標準表記 のための規則(Ruls for the Standard Representation of Nucleotide and Amin o Acid Sequences in Patent Applications)」(「EPO長官の決定(Decision of the President of the EPO)」の別冊IおよびII)、および37C.F.R.1.821-1. 825 と追補AおよびB(「ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列を含有する 出願開示の要件(Requirements、for Application Disclosures Containing Nucl eotides and/or Amino Acid Sequences)」)に従って46種の配列を提供してい る。 発明の詳細な説明 本発明は、単一微生物における、1,3−プロパンジオールの、発酵性炭素源 からの生物学的製造方法を提供する。この方法は、炭素源と接触させるデヒドラ ターゼ酵素含有微生物を組み入れ、1,3−プロパンジオールは、増殖培地から 単離される。この単一の微生物は、野生型であってもよく、あるいは、デヒドラ ターゼ酵素をコードする遺伝子を含有する遺伝的に改変された生物であってもよ い。 本発明は、ポリエステルおよび他のポリマーの製造に有用な1,3−プロパン ジオールモノマーの、迅速で、安価で、かつ環境問題に責任を果たせる供給源を 提供する。 ここで用いられているように、請求の範囲および明細書を説明するために、以 下の用語を用いてもよい。 ここで用いられているように、「核酸」という用語は、一本鎖または二本鎖で あってもよく、糖と、リン酸と、プリンまたはピリミジンとを含有するモノマー (ヌクレオチド)からなる大きな分子をいう。「核酸断片」という用語は、特定 の核酸分子の断片である。高等植物では、デオキシリボ核酸(DNA)が遺伝物 質であり、一方、リボ核酸(RNA)がDNA中の情報のタンパク質への伝達に 関与している。「ゲノム」は、生物の各細胞に含有される遺伝物質の全体である 。「ヌクレオチド配列」という用語は、一本鎖または二本鎖であってもよく、D NAまたはRNAへの組み込みが可能な合成、非天然または改変ヌクレオチド塩 基を場合によっては含有するDNAまたはRNAのポリマーをいう。 ここで用いられるように、「本質的に類似する」とは、コードされたアミノ酸 における変化をもたらさない塩基の変化を含んでいてもよいDNA配列、あるい は、1個以上のアミノ酸を改変してもよいが、そのDNA配列によってコードさ れるタンパク質の機能的特性に影響を及ぼさない塩基の変化を含むDNA配列を いう。したがって、本発明は、具体的に例示した配列以上のものを包含すると理 解される。表面に現れない変化(得られるタンパク質分子の機能的特性に実質的 に影響を及ぼさない変化)を生ずる配列の修飾(例えば、配列における欠失、挿 入、または置換)も考慮される。例えば、遺伝子コードの縮退を反映する、ある いは最終的には特定の部位で化学的に同等のアミノ酸を産生する遺伝子配列にお ける改変が考慮される。したがって、アミノ酸のアラニン(疎水性アミノ酸)に 対するコドンは、別のより疎水性の弱い残基(例えば、グリシン)またはより疎 水性が強い残基(例えば、バリン、ロイシンまたはイソロイシン)をコードする コドンで置換してもよい。同様に、1個の負に帯電した残基の他の残基への置換 (例えば、アスパラギン酸からグルタミン酸への置換)、または1個の正に帯電 した残基の他の残基への置換(例えば、リジンのアルギニンへの置換)をもたら す変化により、生物学的に同等の生成物が産生されることが予想できるであろう 。タンパク質分子のN末端およびC末端部分の改変をもたらすヌクレオチドを変 化させても、タンパク質の活性が変わらないことも予想できるであろう。幾つか の場合では、事実、タンパク質の生物学的活性に対する改変の効果を研究するた めに、配列の突然変異体をつくることが望ましいかもしれない。提案された修飾 の各々は、十分に当業者の慣例手順の範囲内であり、例えば、コードされた生成 物において生物学的活性が保持されているか否かを測定することなどが挙げられ る。さらに、当業者であれば、本発明に包含される「本質的に同様の」配列は、 緊縮(ストリンジェント)条件下(0.1xSSC、0.1%SDS、65 ℃)で、ここにおいて例示した配列とハイブリッド形成する能力によっても定義 されることがわかる。 「遺伝子」とは、コード領域の前方(5′をコードしない)および後方(3′ をコードしない)の調節配列を含む、特定のタンパク質を表現する核酸断片をい う。「生の(native)」あるいは「野生型の」遺伝子とは、それ自身の調節配列を 有する、天然に見出される遺伝子をいう。 「遺伝的に改変された」または「遺伝的に改変された微生物」という用語は、 本発明における使用に適したあらゆる微生物であり、これは、該微生物の天然の 遺伝的機構の改変を受けているものである。微生物は、異種の核酸断片を含有す るベクターによる形質転換、突然変異誘発剤(例えば、UV光、エタンスルホン 酸)による突然変異誘発、または細胞ゲノムの安定な改変をもたらす他の方法に よって、遺伝的に改変されてもよい。 「構築」という用語は、あらゆる供給源に由来するプラスミド、ウイルス、自 律複製配列、ゲノム組込み配列、ファージまたはヌクレオチド配列、直鎖状また は環状の、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAであって、幾つかのヌクレオ チド配列が、選択した遺伝子生産物のためのプロモーター断片およびDNA配列 を適当な3′非翻訳配列と一緒に細胞に導入できる独特の構造に結合または組換 えられている。 「形質転換」または「トランスフェクション」という用語は、核酸の取込み後 の細胞における新たな遺伝子の獲得をいう。獲得した遺伝子は、染色体DNAに 組み込まれるか、あるいは、染色体外複製配列として導入されてもよい。「形質 転換体」とは、形質転換の生成物をいう。「遺伝的に改変される」とは、形質転 換または突然変異によって遺伝的物質を変化させる工程をいう。 「表現」という用語は、遺伝子生成物の配列をコードする遺伝子から該遺伝子 生成物への転写および翻訳をいう。 ここで用いられるような「プラスミド」または「ベクター」または「コスミド 」とは、細胞の中心的代謝の一部ではなく、かつ通常は環状の二本鎖DNA分子 の形態である、遺伝子をしばしば担持する染色体外のエレメントをいう。 「デヒドラターゼ酵素」という用語は、グリセロール分子を生成物である3− ヒドロキシプロピオンアルデヒドへと異性化または転化することが可能なあらゆ る酵素をいう。本発明の目的では、このデヒドラターゼ酵素としては、それぞれ グリセロールおよび1,2−プロパンジオールを好ましい基質とするグリセロー ルデヒドラターゼおよびジオールデヒドラターゼが挙げられる。 「炭素基質」または「炭素源」という用語は、微生物によって代謝され得るあ らゆる炭素供給源であって、少なくとも1個の炭素原子を含有し、グリセロール またはジヒドロキシアセトン以外のものを意味する。組換え生物の構築 炭素基質を1,3−プロパンジオールに転化するための酵素的経路をコードす る必要な遺伝子を含有する組換え生物は、当業界で周知の技術を用いて構築する ことができる。本発明では、デヒドラターゼ酵素をコードする遺伝子は、クレプ シエラ等の天然のままの宿主から単離し、これを用いて、大腸菌宿主株DH5α 、ECL707およびAA200 を形質転換した。 所望の遺伝子を細菌ゲノムから得る方法は、分子生物学の業界では周知慣用で ある。例えば、遺伝子の配列が既知の場合、制限エンドヌクレアーゼ消化によっ て適当なゲノムライブラリーを作成してもよく、所望の遺伝子配列に相補的なプ ローブを用いてスクリーニングしてもよい。いったん配列を単離したら、ポリメ ラーゼ・チェーン反応(PCR)(米国特許第4,683,202 号)のような標準プラ イマー誘導増幅方法を用いてDNAを増幅して、適当なベクターを用いた形質転 換に適した量のDNAを得てもよい。 あるいはまた、ゲノムDNAの大きなセグメント(34〜45kb)がベクタ ーにパッケージされていてもよいコスミドライブラリーを作成して、適当な宿主 を形質転換してもよい。コスミドベクターは、大量のDNAを収容可能である点 において独特である。一般に、コスミドベクターはcosDNA配列の少なくと も1個のコピーを有し、これは、外来DNAのパッケージングおよび続いて行わ れる環化に必要である。このcos 配列に加えて、これらのベクターは、複製起点 (例えば、ColE1)および薬剤耐性マーカー(例えば、アンピシリンまたは ネオマイシン耐性遺伝子)も含有する。好適な細菌宿主の形質転換のた めのコスミドベクターを用いる方法は、Sambrook,J らのMolecular Cloning:A Laboratory Manual .Second Edition(1989),Cold Spring Harbor Laboratory P ressに十分に記載されており、引用することにより本明細書の一部を構成するも のとする。 クローンコスミドに典型的に行われているように、外来DNAを単離し、適当 な制限エンドヌクレアーゼを用いてコスミドベクターのcos領域に隣接して連 結する。直鎖状にした外来DNAを含有するコスミドベクターは、次に、バクテ リオファージλ等のDNAパッケージングビヒクルと反応させる。このパッケー ジング工程を行う際に、cos部位を切り出し、外来DNAを細菌ウイルス粒子 の頭部にパッケージする。次いで、これらの粒子を用いて、大腸菌等の適当な宿 主細胞をトランスフェクトする。この外来DNAは、いったん細胞に注入される と、cos付着末端の影響で環化する。このようにして、外来DNAの大きなセ グメントを組換え宿主細胞に導入し発現することができる。 コスミドベクターおよびコスミド・形質転換方法は、本発明の文脈の範囲内で 用いて、グリセロールを1,3−プロパンジオールへと加工することができる遺 伝子を有することが知られている細菌の属由来のゲノムDNAの大きなセグメン トをクローニングした。具体的には、K.ニューモニエ由来のゲノムDNAを当 業界で周知の方法により単離して、コスミドベクターSupercosl(商標)へ挿入す るための制限酵素Sau3A で消化して、GigapackIIパッケージング抽出物を用いて パッケージングした。ベクターを構築した後、大腸菌XL1-BlueMR細胞をコスミド DNAで形質転換した。グリセロールを1,3−プロパンジオールに転化する能 力について、形質転換体を、グリセロールの存在下で細胞を増殖し、そして1, 3−プロパンジオールが形成されているか否か培地を分析することによってスク リーニングした。 1,3−プロパンジオール陽性形質転換体のうち2つを分析し、これらのコス ミドをpKP1およびpKP2と命名した。DNA配列決定により、C.フロイ ンディイ由来のグリセロールデヒドラターゼ遺伝子に対する広範囲の相同性が判 明し、これらの形質転換体がグリセロールデヒドラターゼ遺伝子をコードするD NA含有することが証明された。他の1,3−プロパンジオール陽性形質転換 体を分析し、これらのコスミドをpKP4およびpKP5と命名した。DNA配 列決定により、これらのコスミドがジオールデヒドラターゼ遺伝子をコードする DNA担持することが判明した。 本発明はクレプシエラのコスミド内から単離した遺伝子を用いたが、別のデヒ ドラターゼ遺伝子の供給源としては、シトロバクター、クロストリジウムおよび サルモネラが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。 1,3−プロパンジオールの生産に正の影響を与える他の遺伝子を適当な宿主 内で表現させてもよい。例えば、特定の酵素を、グリセロール分解経路および/ または他の経路において、野生型細胞において現在わかっているレベルよりもは るかに高いレベルで過剰表現させることは非常に望ましい。これは、それらの酵 素をコードする遺伝子を多コピープラスミドに選択的クローニングすることによ り、あるいはそれらの遺伝子を強力に誘導性または構成性プロモーター下に配置 することにより達成することができる。所望のタンパク質の過剰発現の方法は分 子生物学の業界では周知慣用であり、例としては前出のSambrookに見出すことが できる。さらに、当業者に公知の方法により或る遺伝子の特異的欠失は、1,3 −プロパンジオールの産生に正の影響を与える。かかる方法の例は、Enzymology ,Volume 217,R.Wu editor,Academic Press: San Diego(1993)の方法に見出 すことができる。突然変異体 例示の細胞に加えて、本発明の方法は、特に1,3−プロパンジオールの産生 を強化するように設計された単一または複数の突然変異を有する細胞を用いるこ とができると考えられる。通常は炭素原料を非生産性経路に流用する細胞、また は著しい異化代謝産物抑制を示す細胞は、突然変異させて、これらの表現型の欠 陥を回避してもよいであろう。例えば、多くの野生型細胞は、培地中のグルコー スおよび副生物からの異化代謝産物抑制に供され、グルコース抑制に耐性である 1,3−プロパンジオール産生能力をもつこれらの野生型生物の突然変異株が、 本発明においては特に有用であると考えられる。 突然変異株を作製する方法は当業界では周知慣用である。例えば、野生型細 胞を放射線または化学的突然変異誘発剤等の種々の作用因子に曝し、所望の表現 型をスクリーニングしてもよい。放射線によって突然変異を起こす場合、紫外線 (UV)またはイオン化放射線が用いられる。遺伝子突然変異に適した短いUV波 長は、200nm〜300nmの範囲であり、254nmが好ましい。この波長 でのUV照射は主に、核酸配列内での、グアニジンおよびシトシンからアデニン およびチミジンへの変化をもたらす。細胞は、全てたいていのUV誘発突然変異 を修復するDNA修復機構を有するので、カフェインおよび他の阻害剤などの薬 剤を添加して、この修復プロセスを阻止し、有効な突然変異の数を最大にしても よい。300nm〜400nmの範囲の光を用いた長波長UVによる突然変異も 可能であるが、DNAと相互作用するプソラレン(psoralen)染料等の種々の活性 化剤と共に用いない場合には、一般に短波長のUV光の場合程には効果的ではな い。 化学薬剤による突然変異誘発も、突然変異株を得るのに有効であり、一般に用 いられる物質としては、フレームシフト変異をもたらすことで著名な複製してい ないDNAに影響を及ぼす薬剤(例えば、HNO2およびNH2OH)、および複 製しているDNAに影響を及ぼす薬剤(例えば、アクリジン染料)が挙げられる 。放射線照射または化学薬剤を用いて突然変異を起こす具体的な方法は、当業界 では十分な資料により実証されている。例えば、Thomas D.Brock のBiotechnol ogy: A Textbook of Industrial Microbiology,Second Edition(1989)Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA.,またはDeshpande,Mukund V.,Appl.Bio chem.Biotechnol.,36,227,(1992)を参照されたい。これらは引用することに より、本明細書の一部を構成するものとする。 突然変異誘発が起きた後、所望の表現型を有する突然変異体は、種々の方法に よって選択することができる。ランダム・スクリーニングは最も一般的であり、 そこでは、突然変異誘発された細胞は、所望の生成物または中間体を産生する能 力について選択される。あるいはまた、突然変異体の選択的単離は、突然変異誘 発した母集団を耐性コロニーのみが発育することができる選択培地上で増殖する ことによって行うことができる。突然変異体の選択方法は、高度に発達しており 、微生物工業界では周知である。前出のBrock、DeMancilhaら、Food Chem., 14,313,(1984)を参照されたい。1,3−プロパンジオール生成経路における突然変異および形質転換 制限酵素経路:1,3−プロパンジオールのグルコースからの生産は、以下の 一連の工程によって達成できる。この一連の工程は、当業者にとって公知である 幾つかの経路の代表的なものである。グルコースは、一連の工程において、解糖 経路の酵素によって、デヒドロアセトンホスフェート(DHAP)および3−ホ スホログリセロアルデヒド(3−PG)へと転化される。次いで、グリセロール が形成されるが、これはDHAPを加水分解してジヒドロキシアセトン(DHA )とし、続いて還元するか、あるいは、DHAPを還元してグリセロール3−ホ スフェート(G3P)として、続いて加水分解することにより行われる。この加 水分解工程は、基質に関しては非特異性であることが知られている幾つかの細胞 性ホスファターゼによって触媒されてもよく、あるいは、この活性を組換えによ って宿主に導入してもよい。上記還元工程は、NAD+(またはNADP+)結合 宿主酵素によって触媒されてもよく、あるいは、この活性を組換えによって宿主 に導入してもよい。dhaレギュロンが、式3の可逆反応を触媒するグリセロー ルデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.6)を含有することには注目に値する。 グリセロール → 3−HP+H2O (式1) 3−HP+NADH+H+ → 1,3−プロパンジオール+NAD+ (式2) グリセロール+NAD+ → DHA+NADH+H+ (式3) 上記で詳細に証明したように、グリセロールは、中間体である3−ヒドロキシプ ロピオンアルデヒド(3−HP)を経て1,3−プロパンジオールへと転化され る。中間体3−HPは、宿主によってコードされうる、あるいは組換えによって 宿主に導入されうるデヒドラターゼ酵素によってグリセロールから製造される( 式1)。このデヒドラターゼは、グリセロールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.30) 、ジオールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.28)、あるいはこの形質転換を触媒するこ とができるいずれの酵素であってもよい。グリセロールデヒドラターゼ(ジオー ルデヒドラターゼではない)は、dhaレギュロンによってコードされる。1, 3−プロパンジオールは、NAD+(またはNADH+)結合宿主酵素によって、3 −HPから製造される(式2)か、あるいはこの活性は組換えによって宿主に導入 することができる。1,3−プロパンジオールの製造におけるこの最後の反応は 、1,3−プロパンジオールデヒドラターゼ(E.C.1.1.1.202)または他のアルコ ールデヒドロゲナーゼによって触媒することができる。 炭素チャネリングに影響を及ぼす突然変異および形質転換: 1,3−プロパ ンジオール生成経路に変異(variations)を含む種々の突然変異生物が本発明では 有用である。例えば、トリオースリン酸イソメラーゼ突然変異(tpi-)を本発明の 微生物に導入することは、突然変異を用いて炭素チャンネリングにより性能(per formance)を改善する一つの例である。この突然変異は、構造遺伝子に向けられ て酵素活性を弱めまたは向上するようにしてもよく、あるいは、調節遺伝子に向 けられて酵素活性の表現レベルを調整するようにしてもよい。 あるいはまた、形質転換および突然変異を組み合わせて、1,3−プロパンジ オール産生を促進するために特定の酵素活性を調節してもよい。したがって、1 ,3−プロパンジオール産生の増大をもたらす全細胞触媒の改変を予期すること は、本発明の範疇内である。培地および炭素基質 : 本発明における発酵培地は、適当な炭素基質を含有しなければならない。適当 な基質としては、グルコースおよびフルクトース等のモノサッカライド、ラクト ースまたはスクロース等のオリゴサッカライド、デンプンまたはセルロース等の ポリサッカライド、またはそれらの混合物、およびチーズ・ホエー・パーミエー ト、コーンスティープリカー、サトウダイコン糖蜜および大麦モルト等の再生可 能な原料からの非精製混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない 。さらに、炭素基質は、二酸化炭素等の1炭素基質、または主要な生化学的中間 体への代謝による転化が実証されているメタノールであってもよい。単一の炭素 源(例えば、メタノール、ホルムアルデヒドまたはギ酸エステル)からのグリセ ロール生産は、メチロトローフ酵母において(K.Yamadaら、Agric.Biol.,Chem .,53(2) 541-543(1989))および細菌において(Hunterら、Biochemistry,24 ,4148-4155,(1985))報告されている。これらの生物は、1炭素化合物を、メタ ンからギ酸エステル(formate)にわたる酸化状態において、同化し、グリセロー ルを産生することができる。炭素同化の経路は、リブロース一リン酸を経由して 、セリンを経由して、あるいはキシルロース一リン酸を経由してもよい(Gottsch alk,Bacterial Metabolism,Second Edition,Springer-Verlag: New York(198 6))。リブロース一リン酸経路は、ギ酸エステルとリブロース−5−リン酸とを 縮合して6炭糖を形成することを包含し、この6炭糖はフルクトースになり、最 終的には3炭素生成物であるグリセロアルデヒド−3−リン酸になる。同様に、 セリン経路は、1炭素化合物を、メチレンテトラヒドロホレートを経て解糖経路 へと同化する。 1および2炭素基質に加えて、メチロトローフ生物は、代謝活性のためにメチ ルアミン、グルコサミンなどの幾つかの他の炭素含有化合物をおよび種々のアミ ノ酸を利用することも知られている。例えば、メチロトローフ酵母は、メチルア ミンからの炭素を用いてトレハロースまたはグリセロールを形成することが知ら れて(Bellionら、Microb.Growth Cl Compd.,[Int.Symp.],7th(1993),415- 32.Editor(s): Murrell,J.Collin; Kelly,Don P.Publisher: Intercept,A ndover,UK)。同様に、Candida のいろいろな種はアラニンまたはオレイン酸を 代謝する(Sulterら、Arch.Microbiol.(1990),153(5),485-9)。したがって、 本発明で用いられる炭素の供給源は、広範囲にわたる炭素 含有基質を包含し、生物がどれを選択するかによって限定されるにすぎない、と 考えられる。 上記の炭素基質およびそれらの混合物の全部が本発明に適していると考えられ るが、好ましい炭素基質は、グルコース、フルクトース、スクロースまたはメタ ノールである。 適当な炭素源に加えて、発酵培地は、当業者にとって公知であり、培養の増殖 および1,3−プロパンジオール生産に必要な酵素経路の促進に適している、適 当な無機質、塩、補助因子(cofactors)、緩衝液および他の成分を含有しなけれ ばならない。Co(II)塩および/またはビタミンB12またはそれらの前駆体に特に 注意すべきである。培養条件 : 典型的には、細胞は30℃で適当な培地中で増殖させる。本発明において好ま しい増殖培地は、通常の商業的に調製された培地であり、例えば、ルリア・ベル タニ(Luria Bertni:LB)ブイヨン、サブロー・デキストロース(Sabouraud Dextrose:SD)ブイヨンまたは酵母培地(YM)ブイヨンなどが挙げられる。 他の定義された、あるいは合成の増殖培地も使用可能であり、特定の微生物の増 殖に適した培地は微生物学または発酵科学の当業者には公知であろう。異化代謝 産物抑制を直接的または間接的に調節することが知られている薬剤(例えば、環 状アデノシン2′:3′モノホスフェート)を反応培地に組み込んでもよい。同 様に、1,3−プロパンジオール生産の促進をもたらす、酵素活性を調節するこ とが知られている薬剤(例えば、メチルビオローゲン)を遺伝子操作と共働して 、あるいは遺伝子操作の代替として用いてもよい。 発酵に対する好適なpH範囲は、pH5.0〜pH9.0の範囲であり、pH 6.0〜pH8.0が初期条件としては好ましい。 反応は、好気性または嫌気性の条件下で行ってもよく、嫌気的または微好気性 の条件が好ましい。バッチ発酵および連続発酵 : 本発明の方法は、発酵のバッチ法を用いる。伝統的なバッチ発酵は密閉系であ り、そこでは、培地の組成が発酵の開始時に設定され、発酵を行っている間に人 為的な改変はしない。つまり、発酵の開始時に、培地を所望の一種または二種以 上の生物と共に接種して、系に何も添加しなくても発酵が起こるようにする。し かし、典型的には、「バッチ発酵(batch fermentation)」とは、炭素源の添加に 関してはバッチ式であり、pHおよび酸素濃度などの要因の調節がしばしば試み られている。バッチ系では、系の代謝産物およびバイオマスの組成は、発酵が停 止するまで、絶えず変化している。バッチ式培養では、細胞は増減して、静止遅 滞期(static lag phase)を経て高増殖対数期(high growth log phase)へ最終的 には増殖速度が低下または停止する定常期に至る。未処理の場合には、定常期に ある細胞は、最終的には死滅する。対数期にある細胞が通常最終生成物または中 間体の産生の大部分(bulk)を担っている。 標準的なバッチ系の1つの変形例は流加系(Fed-Batch system)である。さらに 流加発酵法も本発明では適しており、発酵が進行するに従って基質が増量して添 加される以外は典型的なバッチ系を含む。流加系は、異化代謝産物抑制が細胞の 代謝を阻害しやすい場合、および培地中の基質量を制限することが望ましい場合 に有用である。流加系における実際の基質濃度の測定は困難であり、したがって 、測定可能な因子(例えば、pH、溶存酸素、およびCO2等の廃ガスの分圧) の変化に基づいて推定される。バッチおよび流加発酵は、当業界において周知慣 用であり、その例が前出のBrock に見られる。 本発明はバッチモードで行われるが、本方法は連続発酵法に適合可能であると 考えられる。連続発酵は開放系であり、そこでは、決められた発酵培地が連続的 にバイオリアクターに添加され、処理のために等量のならし培地が同時に除去さ れる。連続発酵は、通常、培養物を細胞が主に対数期増殖をする一定の高密度に 保持する。 連続発酵は、細胞の増殖または最終生成物の濃度に影響を及ぼす1つの因子ま たは任意数の因子の調節を可能にする。例えば、1つの方法では、炭素源または 窒素レベルのような制限栄養素(limiting nutrient)を固定した速度に保持し、 かつ他の全てのパラメーターを増減させる。他の系では、培地の濁度によって測 定される細胞濃度を一定に保持したままで、増殖に影響を及ぼす幾つかの因子を 連続的に変化させることができる。連続系では、定常状態の増殖条件を保持しよ うと努力し、したがって、発酵中に、培地が排出されることによる細胞の損失は 、細胞増殖速度とバランスを取らなくてはならない。連続発酵プロセスのための 栄養素および増殖因子の調節方法は、生成物形成速度を最大するための技法と並 んで、工業微生物学の業界で周知であり、種々の方法が前出のBrock によって詳 述されている。 本発明は、バッチ法、流加法または連続法のいずれを用いて実施してもよく、 どのような発酵方法も適していると考えられる。さらに、細胞は、全細胞触媒(w hole cell catalysts)として基質に固定化して1,3−プロパンジオール産生の 発酵条件に供してもよい、と考えられる。1,3−プロパンジオールの同定および精製 発酵培地からの1,3−プロパンジオールの精製方法は、当業界において公知 である。例えば、プロパンジオールは、細胞培地から、反応混合物を有機溶剤に よる抽出、蒸留およびカラムクロマトグラフィーに供することによって得ること が可能である(米国特許第5,356,812 号)。この方法において特に良い有機溶剤 は、シクロヘキサンである(米国特許第5,008,473 号)。 1,3−プロパンジオールは、培地を高速液体クロマトグラフィ(HPLC) にかけることによって直接的に同定することができる。本発明において好ましい のは、発酵培地が、イソクラチック(isocratic)なやり方で0.01N硫酸の移 動相を用いた分析用イオン交換カラムで分析される方法である。細胞 本発明に適している細胞は、デヒドラターゼ酵素を有するものを含む。適して いる細胞は、原核または真核のいずれであってもよく、その活性デヒドラターゼ 酵素表現能力によってのみ限定される、と考えられる。本発明において特に有用 なものは、大規模な発酵方法に容易に適合し得る細胞である。か かる生物は、工業的バイオプロセッシングの業界で周知であり、その例は、「Re combinant Microbes for Industrial and Agricultural Applications」[Murook a et al.,eds.,Marcel Dekker,Inc.,New York,New York(1994)]に見られ、 発酵性細菌、さらには酵母および糸状菌が包含される。典型的には、該酵素は、 それぞれグリセロールまたは1,2−プロパンジオールに基質特異性を有するグ リセロールデヒドラターゼまたはジオールデヒドラターゼのいずれかである。デ ヒドラターゼ酵素は、グリセロールをヒドロキシプロピオンアルデヒド(3−H PA)に転化することができ、この3−HPAは次いで1,3−プロパンジオー ルへと転化される。この経路を含有する細胞は、シトロバクター、エンテロバク ター、クロストリジウム、クレプシエラ、サルモネラおよびラクトバシルス属に 属する突然変異または組換え生物を含む。発酵によってグリセロールを生産する 当業者にとって公知の微生物、例えば、アスペルギルス、サッカロミセス、ジゴ サッカロミセス、ピヒア、クリベロミセス、カンジダ、ハンゼヌラ、ジュナリエ ラ(Dunaliella)、デバリオミセス(DeBaryomyces)、ムーコル、トリロプシス(Tor ylopsis)、およびメチロバクテリア(Mathylobacteria)は、組換えデヒドラター ゼ酵素の宿主であり得る。本発明における宿主として好適な他の細胞としては、 バシルス、エシェリキア、シュードモナス、およびストレプトミセスが挙げられ る。理論に縛られるつもりはないが、上述の群に属する本発明に適している生物 は、天然に存在すると考えられる。 本出願人の実験研究に基づけば、非常に広範囲にわたる細胞が本発明で使用可 能であると考えられる。本出願人は、例えば、広範囲にわたって多様な遺伝子型 および表現型の組成を有する細胞が、適当な炭素基質を1,3−プロパンジオー ルへと生物転化し得ることを証明した。細胞の例としては、dha遺伝子構成性 K.ニューモニエ突然変異株、グリセロールデヒドラターゼまたはジオールデヒ ドラターゼのいずれかをコードする遺伝子を含有するクレプシエラ・ゲノムのエ レメントを含む組換え大腸菌株、および、同じくクレプシエラ・ゲノムのエレメ ントでトランスフェクトされ、かつトリオースフォスフェート・イソメラーゼ酵 素をコードする遺伝子に突然変異を有する組換え大腸菌(tpi-)株が挙げられる。 クレプシエラ・ニューモニエ由来のdhaレギロンを含有する大腸菌形質転換 体は、グルコースまたはキシロースの存在下であってもグリセロールを1,3− プロパンジオールへと転化することができたが(Tongら、Appl.Biochem.Biotec h.,34,149(1992))、グルコースのみの存在下では、これらの生物によって1, 3−プロパンジオールは全く検出されなかった。この開示と直接に対照的なのは 、本出願人は、クレプシエラ・ニューモニエ由来のdhaレギュロンを含有する 2種の独立して単離されたコスミドのいずれかを含有する大腸菌の3種の菌株が 、外来的に添加されたグリセロールの存在なしに、グルコースの供給材料(feed) から1,3−プロパンジオールを産生することを発見した。大腸菌株ECL707はK .ニューモニエのdhaレギュロンを含有するコスミドベクターpKP−1また はpKP−2を含有するが、この菌株は外来的に添加されたグリセロールの存在 なしに、グルコースからの1,3−プロパンジオールの、検出可能ではあるが、 小規模な産生を示した(実施例4)。代替宿主生物から構築した組換え大腸菌株 DH5α(これも、コスミドベクターpKP−1またはpKP−2を含有する) は、適当な条件下ではグルコースからの1,3−プロパンジオールの産生におい て、ECL707組換え体よりも有効であることがわかった(実施例3)。実施 例4の条件下でグルコースから1,3−プロパンジオールを生産するのに最も有 効なものは、コスミドベクターpKP−1またはpKP−2を含有する組換え大 腸菌株AA200(実施例2)である。大腸菌株AA200は、検出可能なトリ オースフォスフェート・イソメラーゼ酵素(tpi-)を含有する。 AA200−pKP−1の菌株は、形質転換反応からの独立した単離物のプー ルからさらに研究するために選別されたものであるが、これは、2段階反応でグ ルコースを1,3−プロパンジオールへと転化した。第1 段階では、菌株AA2 00−pKP−1−5を、グルコースおよびグリセロールの不在下で高細胞密度 まで増殖させた。第2段階では、グルコースは含有するが、グリセロールは全く 含有しない培地に懸濁した増殖細胞は、高い転化率および選択性でグルコースを 1,3−プロパンジオールへと転化した(実施例5)。免疫化学的、クロマトグ ラフィー的および遺伝学的には異なるが、補酵素(coenzyme)B12依存性 酵素であるグリセロールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.30)およびジオールデヒドラ ターゼ(E.C.4.2.1.28)は、グリセロールの、1,3−ヒドロキシプロピオンアル デヒドへの転化を触媒する。ジオールデヒドラターゼではなくグリセロールデヒ ドラターゼは、dhaレギュロンに含まれる(encompassed)。K.ニューモニエA TCC8724は、ジオールデヒドラターゼは含むがグリセロールデヒドラターゼは含 まないが、グリセロールを1,3−プロパンジオールへと転化する(Forageら、 J.Bacteriol.,149,413(1982))。組換え大腸菌株ECL707およびAA2 00は、ジオールデヒドラターゼの遺伝子をコードするコスミドベクターpKP 4を含むが、グルコースを1,3−プロパンジオールへと転化する(実施例2お よび実施例4)。 天然に発生する菌株から突然変異誘発によって調製したK.ニューモニエECL210 6(Ruchら、J.Bacteriol.124,348(1975))は、dhaレギュロンのグリセロー ル)の構成性表現を示す(Ruchら、前出;Johnson ら、J.Bacteriol.164,479( 1985))。同じ表現型を示すK.ニューモニエATCC25955 由来の菌株が同様にして調 製されている(Forageら、J.Bacteriol.149,413(1982))。クレプシエラdha 構造遺伝子の表現は、部分的ではあるが、リプレッサー(dhaRの産物)によって 制御される。(Sprengerら、J.Gen.Microbiol.135,1255(1989))。本出願人 は、dha構造遺伝子を構成するECL2106が、外来的に添加されたグリセ ロールの不在下で、グルコースの供給材料から1,3−プロパンジオールを産生 することを示した(実施例6)。これは、同じ条件下で、検出可能なレベルの1 ,3−プロパンジオールを産生しなかった野生型K.ニューモニエATCC25955 とは 異なる(実施例6)。 ECL2106におけるdha構造遺伝子の表現は、カタボライト異化代謝産 物表現によってさらに制御される(Sprengerら、J.Gen.Microbiol.135,1255 (1989))。異化代謝産物抑制を除くことは、C.freundiiから誘導される1,3− プロパンジオールオキシドレダクターゼ(dhaT)およびK.oxytoca ATCC8724から誘 導されるジオールデヒドラターゼについて証明されているように、必要な構造遺 伝子を代替プロモーター(alternate promoters)の制御下に配置することによっ て達成可能である(Danielら、J.Bacteriolo.177,2151(1995) およびTobimatsu ら、J.Biol.Chem.270,7142(1995))。このようにしてEC L2106から異化代謝産物抑制を除くことによって、外来性のグリセロール供 給源が存在しなくても1,3−プロパンジオールのグルコースからの生産の改善 が達成される。例えば、tpi-突然変異によって説明されているような適当な炭素 チャネリングによって、さらなる改善が得られる。 シトロバクター種およびクレプシエラ種のdhaレギュロンは驚くほど類似し ているので、当業者であれば、クレプシエラ種についての外来性のグリセロール 供給源の不在下でのグルコースからの1,3−プロパンジオールの産生が関係す る技術は、シトロバクター種にも適用される、と考えるであろう。さらに、C. ブチリカムによるグリセロールの代謝はK.ニューモニエに匹敵するので(Zeng ら、Biotechnol.And Bioeng.44,902(1994))、教示は、クロストリジア(Clostr idia)種にも及ぶ。 実施例 一般的方法 リン酸化、連結反応および形質転換の操作は、当業界では公知である。以下の 実施例で使用するのに適した技法は、Sambrook,J.らによるMolecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Pres s(1989)にある。 細菌培養物の維持および増殖に適した材料および方法は、当業界では公知であ る。以下の実施例で使用するのに適した技法は、Manual of Methods for Genera l Bacteriology (Phillipp Gerhardt,R.G.E.Murray,Ralph N.Costilow,Euge ne W.Nester,Willis A.Wood,Noel R.Krieg and G.Briggs Phillips,eds) ,American Society for Microbiology,Washington,DC.(1994)またはThomas D .Brock のBiotechnology: A Textbook of Industrial Microbiology,Second E dition(1989)Sinauer Associates.Inc.,Sunderland,MAにある。細菌細胞の増 殖および維持に用いられる全ての試薬および材料は、特に指示しない限り、Aldr ich Chemicals(Milwaukee,WI)、DIFCO Laboratories(Detroit,MI)、GIBCO/B RL(Gaithersburg,MD)、または Sigma Chemical Company(St.Louis,MO)から得た。 略記の意味は以下のとおりである。すなわち、「h」は時間を意味し、「mi n」は分を意味し、「sec」は秒を意味し、「d」は日を意味し、「mL」は ミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味し、「50amp」は50g/ mLのアンピシリンであり、「LB−50amp」は50g/mLのアンピシリ ンを含有するLuria-Bertani ブイヨンである。 表中、以下の略語が用いられる。すなわち、「Con.」は転化であり、「S el.」は炭素に対する選択性であり、「nd」は検出できなかったことを意味 する。酵素アッセイ 無細胞抽出物におけるグリセロールデヒドラターゼ活性は、1,2−プロパン ジオールを基質として用いて測定した。このアッセイは、アルデヒドとメチルベ ンゾ−2−チアゾロンヒドラゾンとの反応に基づくものであり、ForageおよびFo sterによって記載されている(Biochem.Biophys.Acta.569,249(1979))。1, 3−プロパンジオールオキシドレダクターゼ(しばしば、1,3−プロパンジオ ールデヒドラターゼという)の活性は、記載されているように、溶液中またはス ラブゲル中で、1,3−プロパンジオールおよびNAD+を基質として用いて測 定した(Johnson およびLin,J.Bacteriol.169,2050(1987))。1,3−プロパンジオールの単離および同定 グリセロールの1,3−プロパンジオールへの転化は、HPLCによってモニ ターした。分析は、標準的な技法およびクロマトグラフィーの分野に習熟した者 であれば入手可能な材料を用いて行った。1つの適した方法では、UV(210 nm)およびRI検出を使用するWaters Maxima 820HPLC 装置を用いた。サンプル は、Shodex SH-1011P プレカラム(6mm×50mm)を装備したShodex SH-10 11カラム(8mm×300mm、Waters社(Milford,MA)から購入)に注入した (温度は50℃に調節し、0.01NのH2SO4を移動相として用いて、0.5 mL/minの流量で行った)。定量分析が望まれる場合に は、サンプルは、既知量のトリメチル酢酸を外部標準として用いて調製した。典 型的には、グリセロールの保持時間(RI検出)、1,3−プロパンジオール( RI検出)、およびトリメチル酢酸(UVおよびRI検出)は、それぞれ20. 67分、26.08分、および35.03分である。 1,3−プロパンジオールの産生は、GC/MSによって確認した。分析は、 標準的な技法およびGC/MSの分野に習熟した者であれば入手可能な材料を用 いて行った。1つの適した方法では、Hewlett Packard 5971シリーズ・マス選択 的検出装置(mass selective detector)(EI)およびHP-INNOWaxカラム(長さ3 0m、内径0.25mm、膜厚0.25ミクロン)に結合したHewlett Packard 5890シリーズIIガスクロマトグラフを用いた。生成した1,3−プロパンジオー ルの保持時間および質量スペクトルは、確実な1,3−プロパンジオール(m/ e:57.58)と比較した。 GC/MSのもう1つの方法は、サンプルの誘導(derivatization)を含む。1 .0mLのサンプル(例えば、培養上清)に、30uLの濃縮(70%v/v) 過塩酸を添加した。混合後、そのサンプルを凍結乾燥した。ビス(トリメチルシ リル)トリフルオロアセトアミド:ピリジンの1:1混合物(300uL)を、 凍結乾燥物に添加し、激しく混合し、65℃で1時間にわたって放置した。この サンプルから遠心分離により不溶性物質を取り除いた。得られた液体を2つの層 に分離して、その上部層を分析に用いた。このサンプルを、DB−5カラム(4 8m、内径0.25mm、膜厚0.25um;L&W Scientific社製)でクロマト グラフして、培養上清から得られた1,3−プロパンジオール誘導体の保持時間 および質量スペクトルを、認証標準物質から得られたものと比較した。TMS 由来 の1,3−プロパンジオールの質量スペクトルは、205、177、130、お よび115AMUの特有のイオンを含有している。K.ニューモニエコスミドライブラリーの構築 K.ニューモニエ(ATCC25955)を、100mLのLB培地で8時間にわたって 37℃で通気しながら増殖させた。細菌(試験管(tube)1本あたり25mL)を 3,000rpmで15分間にわたり、DuPont Sorbvall GLC 2.B 遠心分離機 で、室温で遠心分離した。この細菌をペレット化し、上清をデカンテーションし た。この細菌細胞ペレットを−20℃で凍結した。染色体DNAを、以下に略述 するようにして、DNAに剪断作用がかからないように特別の注意を払いながら (すなわち、ボルテックス処理はせずに)単離した。試験管1本の細菌を、2. 5mLの50mM Tris-10mM EDTA 再懸濁し、500μgのリゾチーム(1mg/ml)を 添加した。このペレットを穏やかに再懸濁し、懸濁液を37℃で15分間にわた ってインキュベートした。ドデシル硫酸ナトリウムを添加して最終濃度を0.5 %にした。これにより、溶液は透明になった。プロテイナーゼK(50ug/m L)を添加し、懸濁液を55℃で2時間にわたってインキュベートした。この試 験管を取り出し、氷浴に移し、塩化ナトリウムを添加して、最終濃度を0.4M にした。2倍量のエタノールを該溶液に添加した。ガラス棒を界面に挿入して、 DNAを穏やかに巻き付けた。DNAを70%エタノールを含有する試験管に浸 漬した。減圧乾燥した後、そのDNAを500ulの水に再懸濁し、DNAの濃 度を分光光度計により測定した。希釈したDNAのアリコートを、0.5%アガ ロースゲルにかけて、DNAのそのままの性質(intact nature)を測定した。 この染色体DNAを、Sambrookら(前出)に略述されているようにしてSau3A で部分的に消化した。DNA(2ug)を2単位のSau3A(Promega 社,Madison,WI )で室温で全容量200μLで消化した。0、5、10および20分の時点で、 サンプル(50μL)を抜き取り、5umolのEDTAを含有する試験管に移 した。これらの試験管を70℃で10分間にわたってインキュベートした。1ア リコート(2μL)を抜き取り、0.5%アガロースゲル電気泳動で分析して、 消化のレベルを測定し、サンプルの残り(48μL)を−20℃で保存した。上 記ゲルをエチジウムブロマイドで染色して、UV下で可視化して、染色体DNA の部分消化を測定した。時間の増加に伴う染色体DNAのサイズの減少が観察さ れ、このことは、染色体DNAのサイズの減少が、Sau3A の作用によるものであ ることを示している。DNAを、標準プロトコール法(Sambrookら、前出)によ って残りのサンプルから抽出した。 部分的に消化されたK.ニューモニエ由来DNAのコスミド・ライブラリー は、Supercosコスミドベクター・キットおよびGigapack II パッケージング抽出 物を用い、Stratagene社(La Jolla,CA)から購入した試薬を用いて作製した。製 造業者により提供された指示に従った。パッケージされたK.ニューモニエは、大 腸菌XL1-Blue MR をトランスフェクトすることによって測定したところ4×104 〜1.0×105ファージ力価)を含有していた。 コスミドDNAは、6個の大腸菌形質転換体から単離し、DNAの大きな挿入 断片(25〜30kb)を含有することがわかった。 実施例1 1,3−プロパンジオールの発現のための大腸菌宿主細胞の コスミドDNAによるクローニングおよび形質転換 培地 合成S12培地を用いて、細菌の形質転換体の、1,3−プロパンジオール製 造能についてスクリーニングした。S12培地は、10mM硫酸アンモニウム、 50mMリン酸カルシウム緩衝液(pH7.0)、2mMのMgCl2、0.7 mMのCaCl2、50μMのMnCl2、1μMのFeCl3、1μMのZnC l、1.7μMのCuSO4、2.5μMのCoCl2、2.4μMのNa2Mo O4、および2μMの塩酸チアミンを含有する。 増殖および発酵に用いられる培地A は、10mMの硫酸アンモニウム、50m MのMOPS/KOH緩衝液(pH7.5)、5mMのリン酸カルシウム緩衝液(pH7 .5)、2mMのMgCl2、0.7mMのCaCl2、50mMのMnCl2、 1μMのFeCl3、1μMのZnCl、1.72μMのCuSO4、2.53μ MのCoCl2、2.42μMのNa2MoO4、2μMの塩酸チアミン、0.0 1%酵母エキス、0.01%のカザミノ酸、0.8μg/mLのビタミンB12、 および50ampから構成されていた。培地Aは、0.2%グリセロールまたは 0.2%のグリセロール+0.2%D−グルコースのいずれかを補足した。細胞 クレプシエラ・ニューモニエECL2106(Ruchら、J.Bacteriol.124,348(1975) )(これは、文献では、K.エロゲネス(K.aerogenes)またはエロバクター・エロ ゲネス(Aerobacter aerogenes)としても知られている)は、E.C.C.Lin(Harvard Medical School,Cambridge,MA)から入手し、実験室の培養物として保持した。 クレプシエラ・ニューモニエATCC 25955は、American Type Culture Collecti on(Rockville,MD)から購入した。 大腸菌DH5αは、Gibco/BRL から購入し、グリセロールデヒドラターゼ酵素 またはジオールデヒドラターゼ酵素のいずれかをコードする遺伝子を含有するク レプシエラ・ニューモニエATCC 25955から単離したコスミドDNAで形質転換し た。グリセロールデヒドラターゼを含有するコスミドは、pKP1およびpKP 2として同定され、ジオールデヒドラターゼ酵素を含有するコスミドは、pKP 4として同定された。形質転換したDH5α細胞は、DH5α−pKP1、DH 5α−pKP2およびDH5α−pKP4として同定された。 大腸菌ECL707(Sprengerら、J.Gen.Microbiol.,135,1255(1989))は、E.C .C.Lin(Harvard Medical School,Cambridge,MA)から入手し、同様にして、 クレプシエラ・ニューモニエ由来のコスミドDNAで形質転換した。これらの形 質転換体は、ECL707−pKP1およびECL707−pKP2(グリセロールデヒドラ ターゼ遺伝子を含有)およびECL707−pKP4(ジオールデヒドラターゼ遺伝子を含 有)として同定された。 tpi 遺伝子における突然変異を含有する大腸菌AA200(Andersonら、J.Ge n Microbiol.,62,329(1970))は大腸菌 Genetic Stock Center,Yale Universi ty(New Haven,CT)から購入し、クレプシエラ・コスミドDNAで形質転換して 、組換え生物AA200−pKP1およびAA200−pKP2(グリセロール デヒドラターゼ遺伝子を含有)およびAA200−pKP4(ジオールデヒドラ ターゼ遺伝子を含有)を得た。DH5α : K.ニューモニエDNAでトランスフェクトされた大腸菌XL1-Blue MR のおよ そ1,000個のコロニーを含有する6枚の形質転換プレートを、5mLのLB 培地で洗浄し、遠心分離した。細菌をペレット化し、5mLのLB培地+グリセ ロールに再懸濁した。アリコート(50μL)を、0.2%グリセロール+40 0ng/mLのビタミンB120.001%酵母エキス+50ampを有するS1 2合成培地を含有する15mL 容試験管に接種した。この試験管を、上部まで培 地で満たし、パラフィルムで覆い、30℃でインキュベートした。わずかな濁り が48時間後に観察された。上記のようにして78時間および132時間の時点 で生成物の分布を分析したアリコートは、1,3−プロパンジオールについて陽 性であり、それ以降の時点では1,3−プロパンジオールの含有量は増加してい た。 1,3−プロパンジオール産生に陽性であることがわかった細菌は、段階的に 希釈し、LB−50ampプレートに拡げて、単一コロニーを単離した。48個 の単一コロニーを単離し、1,3−プロパンジオール産生について再度チェック した。コスミドDNAは、6個の独立したクローンから単離し、大腸菌株DH5 αに形質転換した。この形質転換体は、1,3−プロパンジオール産生について 再度チェックした。2種の形質転換体をさらに特徴付けして、DH5α−pKP 1およびDH5α−pKP2と命名した。 pKP1から得た12.1kbのEcoRI-SalI断片は、pIBI31(IBI Biosystem,New Ha ven,CN)にサブクローニングし、配列決定し、pHK28-26(配列番号1)とした。 配列決定により、グリセロールデヒドラターゼおよび調節に必要な遺伝子をコー ドするdhaオペロンの関連するオープン・リーディング・フレームの遺伝子座 が明らかになった。 配列番号1について言えば、ジヒドロキシアセトンキナーゼをコードするdh aKのオープン・リーディング・フレームの断片が1〜399番目の塩基に見出 され、グリセロールジヒドロゲナーゼをコードするdhaDのオープン・リーデ ィング・フレームが983〜2107番目の塩基に見出され、リプレッサーをコ ードするdhaRをコードするオープン・リーディング・フレームが 2209〜4134番目の塩基に見出され、1,3−プロパンジオールオキシド レダクターゼをコードするdhaTのオープン・リーディング・フレームが50 17〜6180番目の塩基に見出され、アルファ・サブユニットのグリセロール デヒドラターゼをコードするdhaB1のオープン・リーディング・フレームが 7044〜8711番目の塩基に見出され、ベータ・サブユニットのグリセロー ルデヒドラターゼをコードするdhaB2のオープン・リーディング・フレーム が8724〜9308番目の塩基に見出され、ガンマ・サブユニットのグリセロ ールデヒドラターゼをコードするdhaB3のオープン・リーディング・フレー ムが9311〜9736番目の塩基に見出され、未知の機能のタンパク質をコー ドするdhaBXのオープン・リーディング・フレームが9749〜11572 番目の塩基に見出される。 パッケージされたK.ニューモニエ由来のコスミドDNAでトランスフェクト された大腸菌XL1-Blue MR の単一コロニーを、200uLのS15培地(10m Mの硫酸アンモニウム、0.1mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、5 0mMのMOPS/KOH緩衝液(pH7.0)、2mMのMgCl2、0.7mMのC aCl2、50uMのMnCl2、1uMのFeCl3、1uMのZnCl、1. 72uMのCuSO4、2.53uMのCoCl2、2.42uMのNa2MoO4 、および2uMの塩酸チアミン)+0.2%のグリセロール+400ng/mL のビタミンB12+0.001%の酵母エキス+50ug/mLのアンピシリンを 含有するマイクロタイター・ウエルに接種した。マイクロタイター・ウエルに加 えて、LB−50ampを含有するマスターのプレートにも接種した。96時間 後、100uLを抜き取り、0.2ミクロンのナイロン製メンブランフィルター を含有するRaininマイクロフュージ・チューブ(microfuge tube)で遠心分離した 。細菌を保持し、濾液をHPLC分析用に処理した。約240個のコロニーをス クリーニングして1,3−プロパンジオール産生を示す陽性のクローンを同定し た。3個の陽性のコロニーを同定し、その中の2個はLB−50amp上で増殖 したものであり、もう1個は増殖しなかったものである。単一のコロニーを、L B−50amp上で増殖した上記2個の陽性のコロニーの一方から単離し、かつ 1,3−プロパンジオール産生を実証し、これ をpKP4と命名した。コスミドDNA、pKP4を含有する大腸菌株から単離 し、大腸菌株DH5αを形質転換した。独立した形質転換体(DH5α−pKP 4と命名した)は1,3−プロパンジオールを産生することが実証された。ECL707 大腸菌株ECL707は、pKP1、pKP2、pKP4およびSupercosベクター単 独に対応するコスミドK.ニューモニエDNAで形質転換して、それぞれをECL7 07-pKP1、ECL707-pKP2、ECL707-pKP4 およびECL707-sc と命名した。ECL707は、 それぞれATP依存性グリセロールキナーゼ、NAD+結合グリセロールデヒド ロゲナーゼ、およびホスホエノールピルベート依存性ホスホトランスフェラーゼ 系のジヒドロキシアセトンに対する酵素IIをコードするglpK、gldおよびptsDが 欠損している。 各コスミドによる形質転換の20個の単一コロニーおよびSupercosベクター単 独(負のコントロール)の形質転換の5個のコロニーを、LB−50ampプレ ートから単離し、マスターのLB−50ampプレートへ移した。これらの単離 体についても、グリセロールを1,3−プロパンジオールへ転化する能力につい て試験して、それらがデヒドラターゼ活性を含んでいるかを調べた。形質転換体 は、滅菌した楊枝(toothpick)で、0.2%グリセロールまたは0.2%グリセ ロール+0.2%D−グルコースのいずれかを補足した200μLの培地Aを含 有するマイクロタイタープレートに移した。48時間にわたって30℃でインキ ュベートした後、該マイクロタイタープレートのウエルの内容物を、0.45μ のナイロン製フィルターで濾過し、HPLCでクロマトグラフィーした。これら の試験結果を表1に示す。 AA200 大腸菌株AA200 は、pKP1、pKP2、pKP4およびSupercosベクター単独に対応する コスミドK.ニューモニエDNAで形質転換して、それぞれをAA200-pKP1、AA20 0-pKP2、AA200-pKP4およびAA200-scと命名した。菌株AA200 は、トリオースフォ スフェートイソメラーゼを欠損している(tpi-)。 各コスミドによる形質転換の20個の単一コロニーおよびエンプティ(empty) ベクターによる形質転換の5個のコロニーを、大腸菌株ECL707について記載した のと同様にして、単離し、グリセロールを1,3−プロパンジオールへ転化する 能力について試験した。これらの試験結果を表2に示す。 実施例2 デヒドラターゼ活性を含むクレプシエラ・ニューモニエDNAで 形質転換した大腸菌株AA200 による D−グルコースの1,3−プロパンジオールへの転化 ガラス製血清ビンを、培地(101μg/mLのカナマイシンおよび0.2% のD−グルコースを補足し、さらに0.5〜1.0mMの環状アデノシン2′: 3′−モノホスフェート(cAMP)を補足した、あるいは補足していない、実施例 1で定義した約14mLの培地A)で容量いっぱいまで満たし、それに、K.ニ ューモニエdhaレギュロン・コスミドpKP1またはpKP2、K.ニューモニエpdu オペロンpKP4またはSupercosベクター単独を含有する大腸菌株AA200 から単離し た選択した単一コロニーを植菌した。グリセロールと接触しないようにするため に、植菌は、LB−50ampの寒天培地または同じ培地の液体培養のいずれか から行った。反応物を、250rpmで攪拌しながら、約72時間にわたって3 0℃でインキュベートした。増殖は、600nmでの吸光度の変化によって測定 し、そこにおいて、初期のOD600は0.020AUであった。グルコースの消 費(depletion)および生成物の分布の程度は、HPLCによって測定した。単一 コロニーの単離物は、番号付けした接尾語「−x」によって同定した(例えば、 AA200-pKP1-x)。累積した結果を表3および表4に示す。 実施例3 デヒドラターゼ活性を含有するクレプシエラ・ニューモニエDNAで 形質転換された大腸菌株DH5αによる D−グルコースの1,3−プロパンジオールへの転化 K.ニューモニエのdhaレギュロン・コスミドpKP1またはpKP2を含有する大 腸菌株DH5αを、実施例2に記載したようにして、D−グルコースを1,3− プロパンジオールに転化する能力について試験した。結果を表5に示す。 実施例4 デヒドラターゼ活性を含有するクレプシエラ・ニューモニエDNAで 形質転換された大腸菌株ECL707による D−グルコースの1,3−プロパンジオールへの転換 大腸菌株ECL707は、K.ニューモニエのdhaレギュロン・コスミドpKP1また はpKP2、K.ニューモニエ pduオペロンpKP4あるいはSupercosベクター単独を含 有しており、これらを、D−グルコースを1,3−プロパンジオールへ転化する 能力について実施例2に記載したのと同様にして試験した。それぞれの場合にお いて、転化は定量的に行った。結果を表6に示す。 実施例5 大腸菌AA200-pKP1-5による D−グルコースの1,3−プロパンジオールへの2段階転化 50mLのLB-amp培地を含有するバッフル付フラスコ(buffled flasks)(25 0mL)に、AA200-pKP1-5の単一コロニーを植菌した。細胞を、二重反復で(in duplicate)、一夜にわたって30または37℃で攪拌しながら(250rpm) 増殖させた。 増殖した培養物を回転させ(10分間、10,000rpm、4℃)、微量の 金属類A(0.08μMのCoCl2、0.06μMのCuCl2、7μMのFeSO4、2μ MのH3BO4、0.2μMのMnCl2、0.1μMのNa2MoO4、0.08μMのNiCl2、 0.3μMのZnSO4、および0.03mMのチアミン)または微量の金属B(0 .7mMのCaCl2、2.53μMのCoCl2、1.72μMのCuSO4、 1.0μMのFeCl3、2mMのMgCl2、2.42μMのNa2MoO4、1.0μMのZnC l2、および0.03mMのチアミン)のいずれかを含有するグルコース非含有生 成培地(10mMの(NH42SO4、5mMのリン酸カルシウム緩衝液(pH7. 5)、50mMのMOPS(pH7.5)、0.01%の酵母エキス、0.01 %のカザミノ酸、0.8μg/mLのビタミンB12、および50μg/mLのア ンピシリン)に再懸濁した。、細胞を2秒間にわたって攪拌し、D−グルコース を含有する50mLの新たな生成培地に再懸濁し、60mL容血清ビンに小分け し、そのビンをキャップし、ブチルゴム製隔膜(septa)で密閉した。このビンを 攪拌し(250rpm)、シリンジで該隔膜を通してサンプルを抜き取り、0. 2μのフィルターで濾過した後で分析した。結果を表7および表8に示す。残留 したグルコースは、酵素的分析(Biochemistry Analyzer,Yellow Springs Instr uments Co.,Inc.)によって測定し、1,3−プロパンジオールをHPLCによ り分析した。 実施例6 クレプシエラ・ニューモニエ ATCC25955ではなく クレプシエラ・ニューモニエECL2106 による D−グルコースの1,3-プロパンジオールへの転化 容量いっぱい(約14mL)まで培地で満たしたガラス製血清ビンを、K.ニ ューモニエECL2106 またはK.ニューモニエATCC25955 を含有するLB寒天プレ ートからかるく植菌した。この培地は、50mMのグルコース、3mMの(NH4 2SO4、0.9mM CaCl2、4μMのCoCl2、0.06μMのCuCl2、7μMのFe SO4、2μMのH3BO4、0.8mMのMgSO4、0.2μMのMnCl2、0.1μMのNa2 MoO4、0.08μMのNiCl2、0.3μMのZnSO40.1mg/mLのDL−シ ステイン、10μMのエチレンジアミン四酢酸、0.8μg/mLのビタミンB12 、表9に示すリン酸カルシウム、および50mMのHEPES または50mMのM OPS緩衝液(pH7.5)のいずれか一方を含有していた。反応物を250r pmで攪拌しながら、47時間にわたって30℃でインキュベートした。それ以 外は反応物を実施例2に記載した通りに行った。結果を表9 に示す。 実施例7 組換えピヒア・パストリスによる1,3−プロパンジオールの生産 汎用目的の表現プラスミドの構築 pHIL-D4(Phillips Petroleum,Bartlesville,OK)中の0.9kbのEcoRI/Xba l断片を、pAO815(Invistrogen,SanDiego,CA)の0.9kbのEcoRI/Xbal断片 と置き換えて、以下のエレメントを含有するプラスミドpHIL-D4B2 を得た。すな わち、このプラスミドは、5′AOX1(P.パストリス メタノール誘導性アルコ ールオキシダーゼI(AOX1)プロモーター)、AOX1 term(P.pastoris AOX1転写 終結領域)HIS4(his4 宿主における選択用のP.パストリス ヒスチジノールデ ヒドロゲナーゼ・コード遺伝子)、kan(アミノグリコシド 3′−ホスホトランスフェラーゼをコードし、非常に多様な宿主にカナマイシン 、ネオマイシンおよびG418耐性を付与し、かつカセットコピー数の指示物として 有用な、トランスポソンTn903 由来の配列)、3′AOX1(部位指向性(site-direct ed)ベクター組込みのための5′AOX1との結合に用いられる、AOX1の下流にあるP .パストリス配列)、ori(大腸菌におけるプラスミド操作を可能にする、pBR322 のDNA複製の起点)、およびamp(アンピシリンに対する耐性を付与するpBR322 由来のβ−ラクタマーゼ遺伝子)を含有していた。PHIL-D4B2 のもう1つの特徴 は、Bgl2/Xbal 断片上のカセットをBamH1/Xbal部位にサブクローニングすること によって複数の表現カセット(5′AOXI-gene-AOXIterm)を1つのプラスミドに 容易に配置できることである。dhaB1 およびdhaB2 の同時表現のためのプラスミドの構築 dhaB1 およびdhaB2 のオープン・リーディング・フレームは、コスミドpKP1か ら、PCR によって、5′末端にEcoRI 部位が組込まれているプライマー(それぞ れ、dhaB1 およびdhaB2 として配列番号3を有する配列番号2および配列番号5 を有する配列番号4)を用いて増幅した(10mM Tris (pH8.2)、50 mM KCl、1.5mM MgCl2、0.0001%ゼラチン、200μM dATP、2 00μM dCTP、200μM dGTP、200μM dTTP、1μMの各プライマー、 1〜10ng標的DNA、25単位/mL Amplitaq(登録商標)DNAポリメラ ーゼ(Perkin Elmer Cetus,Norwalk CT)。PCR ラメータは、94℃で1分間、5 5℃で1分間、72℃で1分間を35サイクルであった。その生成物を、pHIL-D 4B2 のEcoRI 部位にサブクローニングして、それぞれdhaB1 およびdhaB2 を含有 する表現プラスミドpMP19 およびpMP20 を得た。 pMP19 から得たBgl2/Xbal 断片にあるdhaB1 表現カセットを、pMP20 のBamH1/ Xbal部位へサブクローニングして、pMP21 を得た。プラスミドpMP21 は、dhaB2 およびdhaB1 の両方の表現カセットおよびHIS4選択性マーカーを含有する。dhaB3 およびdhaTの同時表現のためのプラスミドの構築 dhaTおよびdhaB3 のオープン・リーディング・フレームは、PCR により、コス ミドpKP1から、5′末端にEcoRI 部位を有するプライマー(それぞれdhaTおよび dhaB3 として配列番号7を有する配列番号6および配列番号9を有する配列番号 8)を用いて増幅した。この生成物をpHIL-D4B2 のEcoRI 部位にサブクローニン グして、それぞれdhaTおよびdhaB3 を含有する表現プラスミドpMP17 およびpMP1 8 を得た。 このpMP1から得たBgl2/Xbal 上にあるdhaT表現カセットを、pMP18 のBamH1/Xb al部位にサブクローニングして、dhaTおよびdhaB3 の両方に対する表現カセット を含有するpMP22 を得た。 SUC2を含有する4.1kb のEcoR1 断片を、pRK20 (Phillip Petroleum,Bartles sville,OK)から欠失させて、pMP2を得た。SUC2は、ピヒアにおける第2の選択 マーカーとして用いることができるインベルターゼをコードしている。LacZを含 有する4.0kb のHind3 断片をpMP2から欠失させて、pMP3を得た。pHIL-D4 から得 たAOX1 term を含有する0.4kb のHind3 断片を、pMP3のHind3 部位にサブクロー ニングして、pMP10 を得た。 pMP10 にある2.0kb のBgl12/Xbal断片を、pMP22 から得たdhaB3 およびdhaT表 現カセットを含有する5.0kb のBgl2/Xbal 断片と置き換えて、pMP23 を得た。pR K20 から得たSUC2を含有する5.4kb のPst1/Bgl2 断片を、pSP73(Promega 社,Ma dison,WI)のPst1/Bgl2 部位にサブクローニングして、pMP11aを得た。プラスミ ドpMP11aをEcoR1 で切断し、T4DNA ポリメラーゼで満たして、再結合して、pMP1 1bを得た。pMP10 にある1.1kbのPst1/Bgl2 断片を、pMP11bから得たSUC2を 含有する5.4kb のBgl2/Pst1 断片で置き換えて、pMP12 を得た。 pMP23 にある1.0kb のScal/Bgl2 断片を、pMP12 から得たSUC2を含有する5. 2kbのScal/Bgl2 断片で置き換えて、pMP24 を得た。プラスミドpMP24 は、dh aTおよびdhaB3 の両方の表現カセットおよびSUC2選択性マーカーを含有する。dhaB1/dhaB2 表現プラスミドpMP21 によるP.パストリスの形質転換 P.パストリス菌株GTS115(his4)(Phillips Petroleum,Bartlesville,OK) を、1〜2ugのBgl2一直鎖化プラスミドpMP21 で、Cregg ら(Mol.Cell. Biol.5,3376,(1985))により記載されているスフェロプラスト形質転換法を用 いて形質転換した。細胞は、ヒスチジンを含有しないプレート上で3〜4日間に わたって30℃で再生した。プラスミドDNAを染色体に組込んだ後で、全ての 形質転換体が生じた。形質転換体をYPD(1%Bacto 酵母エキス、2%ペプトン、 2%グルコース)マスタープレートにパッチした(patched)。dhaB1 およびdhaB2 についてのP.パストリス形質転換体のスクリーニング 染色体DNAは、上記のhis+形質転換体から調製し、dhaB1 およびdhaB2 に特 異的であるプライマーを用いたPCR 分析に供した。高コピー数の菌株を、dhaB1 およびdhaB2 の両方を含有する形質転換体から、2000μg/mL以下の高濃 度のG418(sigma社,St.Louis,MO)を補充したYPD 培地での増殖によって選択し た。高濃度のG418に対する耐性は、表現カセットの顕著な複製を示唆する。P.パストリスのdhaB3/dhaT表現プラスミドpMP24 による2次形質転換 上記の高濃度のG418に対する耐性を有する形質転換体を、プラスミドpMP24 用 いて、スフェロプラスト形質転換法を用いて再形質転換した。細胞は、まず最初 に非選択性プレート上で2日間にわたって30℃で再生し、その後で、再生した 細胞を含有する上部の寒天を該プレートから削り取り、20mLの水の中で広く 渦動処理した。4つ折りにしたチーズクロスを通過させた後、該細胞を遠心分離 によりペレット化し、10mLの水に再懸濁した。200μLのアリコートをス クロース・プレートに拡げ、2日間にわたって30℃でインキュベートした。全 ての形質転換体は、プラスミドDNAを染色体に組込んだ後で生じた。形質転換 体は、小さなコロニーの背景の中に大きなコロニーとして出現し、単離が必要と なる。Msu 培地(1L当たり、13.4gの酵母窒素ベースw/o アミノ酸、10 gのスクロース、0.4gのビオチン)中で30℃で攪拌しながら24時間増殖 させた後、形質転換体をMsu プレート(Msu 培地+15g/Lの寒天)に縞状に 塗布し、2日間にわたって30℃で増殖させた。大きな単離コロニーをYPD マス タープレートにパッチした。dhaB1 、dhaB2、dhaB3 およびdhaTのP.パストリス二重形質転換体のスクリーニ ングおよびそれらの対応する酵素活性 染色体DNAを上記のsuc+二重形質転換体から調製し、dhaB1、dhaB2。DhaB3 およびdhaTに特異的なプライマーを用いたPCR 分析に供した。このようにして、 全4種のオープン・リーディング・フレームの存在が確認された。 活性グリセロールデヒドラターゼ(dhaB)および1,3−プロパンジオールオキ シドレダクターゼ(dhaT)の存在は、in vitro酵素アッセイを用いて実証した。さ らに、ウエスタン・ブロット解析により、全4種のオープン・リーディング・フ レームからのタンパク質表現が確認された。これらのタンパク質の特徴決定のた めの無細胞抽出物を以下のようにして調製した。すなわち、dhaB1、dhaB2、dhaB 3 およびdhaTを含有する二重形質転換体を、MGY(1L当たり、13.4gの酵母 窒素ベース(アミノ酸なし)、0.4mgのビオチン、10mLのグリセロール )中で2日間にわたって30℃で攪拌しながら好気的に増殖させた。この細胞を 遠心分離によってペレット化し、MM(1L当たり、13.4gの酵母窒素ベース (アミノ酸なし)、0.4mgのビオチン、5mLのメタノール)中に再懸濁し 、上記したようにしてインキュベートした。約24時間後、その細胞を収集し、 緩衝液(0.1Mのトリセン(tricene)/KOH 緩衝液(pH8.2)、50mMの KCl ,および2%の1,2−プロパンジオール)に再懸濁し(ガラス製ロッドを 用いてガラスビーズの存在下で渦動処理しながら)、機械的に粉砕し、遠心分離 した。 全4種(dhaB1、dhaB2、dhaB3 およびdhaT)のオープン・リーディング・フレー ムの存在について陽性を示し、かつそれらの対応する活性を示した1つの菌株を MSP42.81と命名し、これをさらなる研究用に選択した。組換えピヒア・パストリスを用いた1,3−プロパンジオールのin vivo 生産 P.パストリスMSP42.81(ATCC74363)を、8.5g/LのKH2PO4と、2.1 g/Lの(NH4)2SO4と、10g/Lのグリセロールと、2.3g/LのMgSO4・7H2 Oと、0.18g/LのCaSO4・2H2Oと、0.29mL/LのPTMIとを含有する1 .5Lの最少培地を含有するBuostat B 発酵槽(B.Braun Biotech, Inc.)で増殖させた。PTMIは、24mMのCuSO4、4.8mMのKI、18mMのMn SO4、0.8mMのNa2MoO4、0.3mMのH3BO3、2.1mMのCoCl2、70mM のZnSO4、26mMのH2SO4、234mMのFeSO4、および0.8mMのビオチン を含有する保存無機溶液である。この発酵槽は、2MのNH4OH を用いてpH5.0 に、および攪拌コントロールにより30%の溶存酸素圧力に制御した。YMブイヨ ン中30℃で増殖させたP.パストリス MSP42.81 の培養物を接種材料として用 い、20mLの該培養物を用いて上記発酵槽に接種した。 グリセロールが枯渇したことが示されたら(接種から24時間後)、メタノー ル供給材料の添加によりAOX プロモーターの誘発を開始した。この供給材料は、 1リットルのメタノールと、5mLのPTMIと、0.2g/L(水中)として調製 された5mLの保存ビオチン溶液とを含有していた。このメタノール溶液を手操 作で添加して、0.5%(HPLC解析で決定)の平均濃度を維持した。誘発か ら50時間後に50mLの細胞(OD600=20AU)を上記反応槽から取り出 した。 この50mLの細胞懸濁液をペレット化し、12.5mLの窒素吹込みしたベ ース培地6.7g/Lの酵母窒素ベース、3.0g/Lの酵母エキス、1.0g /LのK2HPO4、1.0g/LのKH2PO4、3.0g/Lの(NH4)2SO4、pH7.2 に滴定し、濾過滅菌したもの]に再懸濁した。補酵素B12は、窒素吹込みした水 に溶解した2mg/mLの保存溶液として調製し、これを、上記細胞懸濁液に添 加して、20μg/mLの最終濃度にした。3種の培地保存溶液を調製して1% のグルコース、0.5%のグルコースと0.5%(w/v)のグリセロール、および 1.0%(w/v)のグリセロールを含有するベース培地とした。クロロキン(chlo roquine)の保存溶液(1.06g/50mL、pH7.2)も調製した。 表10に記載した最終濃度になるように調製した2mLの上記培地保存溶液お よびクロロクインと水との混合物1mLとを10mL容の圧着密封した血清ビン に入れ、窒素吹込みしてから1mLの細胞と補酵素B12との混合物を添加した。 この血清ビンを30℃で振盪しながらインキュベートした。細胞を添加した直後 および24時間インキュベートした後に取り出したサンプルをHPLCで分 析した。結果を表10に示す。 実施例8 D−グルコースからの1,3−プロパンジオール生産のための ピヒア・パストリス二重形質転換体の使用 P.パストリス MSP42.81 をBiostatB発酵槽(B.Braun Biotech,Inc.)内で 1.5Lの最少培地(8.5g/LのKH2PO4、2.1g/Lの(NH4)2SO4、10 g/Lのグルコース、2.3g/LのMgSO4・7H2O、0.18g/LのCaSO4・2H2O および0.29mL/LのPTMIを含有)で増殖させた。それ以外は、発酵および 誘発条件は、実施例7に記載のものと同一であった。誘発の15時間後に反応槽 から50mLの細胞を取り出した。 改変したベース培地(6.7g/Lの酵母窒素ベース、1.0g/LのKH2PO4 、1g/LのK2HPO4、3g/Lの(NH4)2SO4、pH7.2に滴定し、濾過滅菌し た)を用いた以外は実施例7に記載した通り細胞懸濁液を処理した。この改変ベ ース培地でも3種類の培地保存溶液を調製した。他の溶液は全て同一であった。 反応混合物を記載のようにして調製し、30℃で振盪しながらインキュベートし た。細胞添加直後および75時間インキュベートした後で取り出したサンプルを HPLCで分析した。炭素源としてのグルコースおよび5mMクロロキンを含有 する反応物(reaction)では、0.17mMの1,3−プロパンジオールが得られ た。 実施例9 形質転換のためのプラスミド構築および サッカロミセス・セレビシエにおけるdhaBおよびdhaTの表現 汎用の表現プラスミドの構築 2種類の表現プラスミドを作製した。すなわち、組換えによって染色体に組込 み可能なものと、複製エピゾームエレメントとして存在可能なものである。各種 類の普遍的表現(general expression)プラスミドでは、酵母プロモーターが存在 し、酵母転写ターミネーターから、1種以上の制限エンドヌクレアーゼに対する 認識部位を含有するDNAの断片によって分離した。各種の普遍的表現プラスミ ドは、アンピシリン含有培地における大腸菌の選択のためのβ−ラクタマーゼの 遺伝子、大腸菌でのプラスミド保持のための複製起点、および2ミクロンのエピ ゾーム・エレメントの複製起点または染色体に導入されたDNAの組換えおよび 組込みのためのS.セレビシエ染色体で見られるものと相同な配列の一方も含有し ていた。酵母で用いられ、かつ表現プラスミド上に存在する選択性栄養素マーカ ーは、イミダゾールグリセロールホスフェートデヒドラターゼをコードするHIS3 遺伝子、オロチジン5′−ホスフェートデカルボキシラーゼをコードするURA3遺 伝子、N−(5′−ホスホリボシル)−アントラニレートイソメラーゼをコード するTRP1遺伝子、およびβ−イソプロピルマレートデヒドロゲナーゼを コードするLEU2遺伝子のうちの1つである。用いられる酵母プロモーターはADH1 またはGAL1であり、転写ターミネーターはADH1、CYC1、またはAOX1であり、後者 はピヒア・パストリス由来である。 プラスミドpGADGH(Clontech社,Palo Alto,CA)をHindIII で消化し、その 1本鎖末端を、HindIII-XmnIおよびEcoRI-XmnIアダプター(New England Biolab s 社,Berverly,MA)との結合反応によってEcoRI 末端に変換した。正しいEcoR I 末端を有するプラスミドの選択は、プラスミドpUC4K(Pharmacia Biotech 社, Uppsala)から得たEcoRI 断片上のカナマイシン耐性遺伝子との結合反応、大腸菌 株DH5αへの形質転換および25μg/mLのカナマイシンを含有するLBプ レート上での選択によって達成した。得られたプラスミド(pGAD/KAN2)を、Sna BI およびEcoRI で消化し、ADH1プロモーターを有する1.8kbの断片を単離 した。プラスミドpGBT9(Clonetech 社,Palo Alto,CA)をSnaBI およびEcoRI で 消化し、1.5kbのADH1/GAL4 断片を、pGAD/KAN2 からSnaBI およびEcoRI に よる消化によって単離した1.8kbのADH1プロモーター断片で置き換えた。得 られたベクター(pMCK11)は、ADH1プロモーターと、ターミネーターと、TRP1マ ーカーとを有する、酵母における複製プラスミドである。 プラスミドpGADGHを、SnaBI およびHindIII で消化し、ADH1プロモーターを含 有する1.8kbの断片を単離した。この断片を、あらかじめSmaIおよびHindII I で消化したベクターpRS405(Staratagene 社,La Jolla,CA)に結合した。陽 性のクローンは、プラスミド・コード化lacZアルファ・ペプチドの挿入不活性化 (insertional-inactivation)およびADH1プロモーター断片の存在により同定した 。得られたプラスミド(pMCK4)は、ADH1プロモーターおよびLEU2マーカーを含 有していた。 pDH1ターミネーターを含有するpGBT9 由来の約0.2kb(〜0.2kb)の NaeI-EcoRI断片は、EcoRI-HincII消化pRS403(Stratagene 社,La Jolla,CA)に 結合して、約4.8kbのプラスミドpRVN5 を得た。ADH1プロモーターを含有す るpGAD/KAN2 由来の約2.0kbのSnaBI-EcoRI 断片を、SmaI-EcoRI消化pRVN5 に結合して、ADH1プロモーターと、ターミネーターと、中間に独自のEcoRI ク ローニング部位とを有する約6.8kbのプラスミドpRVN6 を得た。 もう1つのXmnI部位を含有するpGADGH由来の0.4kbのHindIII 断片を欠失 させ、このベクターを再度結合して、7.0kbのベクターpGAD-D3 を得た。ベ クターpGAD-D3 を、XmnIで消化して、ADH1プロモーターと、ターミネーターと、 介在するHindIII クローニング部位とを含有する約2.4kbの断片を精製した 。pRS404ベクター(Starategene 社,La Jolla,CA)をPvuII で消化し、TRP1を 有する大きい方の3.8kbの断片を精製し、pGAD-D3 から得たXmnIプロモータ ーおよびターミネーター断片に結合して、プラスミドpRVN11を得た。 dhaT、dhaB3 およびdhaB1 のためのオープン・リーディング・フレームは、pH K28-26(配列番号1)から、PCR により、プライマー(dhaT、dhaB3 およびdhaB 1 の各々について、それぞれ配列番号7と配列番号6、配列番号8と配列番号9 、および配列番号2と配列番号3)を用いて、EcoRI 部位を5′末端に組込んで 増幅した[10mM Tris (pH8.3)、50mM KCl、1.5mMMgCl2、 0.0001%ゼラチン、200μM dATP、200μM dCTP、200μM dGT P、200μM dTTP、1μMの各プライマー、1〜10ng標的DNA、25単 位/mL Amplotaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer Cetus 社,Nor walk CT)]。PCR パラメーターは、94℃で1分間、55℃で1分間、および7 2℃で1分間で35サイクルであった。生産物を、pHIL-D4(Philips Petroleum 社,Bartlesville,OK)のEcoRI 部位へサブクローニングして、dhaT、dhaB3 お よびdhaB1 をそれぞれ含有するプラスミドpMP13、pMP14 およびpMP15 を得た。dhaT 表現用プラスミドの構築 複製プラスミドpGAD/KAN2 をEcoRI で消化してカナマイシン耐性断片を取り除 き、脱リン酸化し、pMP13 から得たdhaT EcoRI断片に結合した。得られたプラス ミド(pMCK13)は、ADH1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されて いるdhaTを有しており、かつLEU2マーカーを含有していた。 プラスミドpRNV6 をEcoRI で消化し、pMP13から得たdhaT EcoRI断片に結合し た。得られたプラスミド(pRVN6T)は、ADH1プロモーターからの転写に対して正 しい方向に挿入されているdhaTを有しており、かつHIS3マーカーを含有していた 。dhaB1 表現用プラスミドの構築 複製プラスミドpGADGHをHindIII で消化し、脱リン酸化し、pMP15 から得たdh aB1 HindIII 断片に結合した。得られたプラスミド(pMCK10)は、ADH1プロモータ ーからの転写に対して正しい方向に挿入されているdhaB1 を有しており、かつLE U2マーカーを含有していた。dhaB2 表現用プラスミドの構築 複製プラスミドpMCK11をEcoRI で消化、脱リン酸化し、pMP20 から得たdhaB2 EcoRI 断片に結合した。得られたプラスミド(pMCK17)は、ADH1プロモーターから の転写に対して正しい方向に挿入されているdhaB2 を有しており、かつTRP1マー カーを含有していた。 プラスミドpRS403をSmaIで消化し、pMCK17から得たSnaBI-NaeI dhaB2 断片に 結合した。得られたプラスミド(pMCK21)は、ADH1プロモーターからの転写に対 して正しい方向に挿入されているdhaB2 を有しており、かつHIS3マーカーを含有 していた。dhaB3 表現用プラスミドの構築 複製プラスミドpYES2(Invitrogen社,San Diego,CA)をEcoRI で消化、脱リン 酸化し、pMP14 から得たdhaB3 EcoRI 断片に結合した。得られたプラスミド (pMCK1)は、GAL1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されているd haB3 を有しており、かつURA3マーカーを含有していた。 複製プラスミドpGAD/KAN2 をEcoRI で消化し、脱リン酸化し、pMP14 から得た dhaB3 EcoRI 断片に結合した。得られたプラスミド(pMCK15)は、ADH1プロモー ターからの転写に対して正しい方向に挿入されているdhaB3 を有しており、かつ LEU2マーカーを含有していた。 プラスミドpRS404をPst およびHincIIで消化し、pMCK15から得たPstI/EcoRV d haB3 断片に結合した。得られたプラスミド(pMCK20)は、ADH1プロモーターか らの転写に対して正しい方向に挿入されているdhaB3 を有しており、かつTRP1マ ーカーを含有していた。dha 表現プラスミドによるS.セレビシエの形質転換 S.セレビシエ株YPH499(ura3-52 lys2-801 ade2-101 trip1-de163 his3-de12 00 leu2-de11)(Stragagene社,La Jolla,CA)を1〜2μg のプラスミドDN Aにより、Stratagene社から発行されているLiCl/ ポリエチレングリコール・プ ロトコール(カタログ番号217406)を用いて形質転換した。あるいはまた、形質 転換は、Zymo Research 社(Orange,CA)の凍結−EZ酵母形質転換キット(カタ ログ番号T2001)を用いて達成した。コロニーは、補足最少培地(SMM-0.67 %の酵母窒素ベース(アミノ酸なし)、2%のグルコース)で3〜4日間にわた って29℃で、以下の添加物の1種以上を用いて増殖させた。すなわち、アデニ ンサルフェート(20mg/L)、ウラシル(20mg/L)、L−トリプトフ ァン(20mg/L)、L−ヒスチジン(20mg/L)、L−ロイシン(30 mg/L)、L−リジン(30mg/L)の添加物である。コロニーを選択プレ ート(選択培地)に縞状に塗布し、液体培地への接種に用いた。使用するベクタ ーに応じて、コロニーは、プラスミドDNAの組込みの後に得られたもの、ある いはエピゾームの複製から得られたもののいずれかであった。単一の種類のプラ スミドによる形質転換に加えて、2種以上のプラスミドによる同時形質転換を行 った。形質転換したS.セレビシエにおけるdhaB活性の表現 プラスミドpMCK1、pMCK10およびpMCK17により形質転換した菌株YPH499を、補 足最少培地(アミノ酸を含有しない0.67%の酵母窒素ベース、2%のグルコ ース、2%のラフィノース、20mg/Lのアデニンサルフェート、30mg/ LのL−リジン、20mg/LのL−ヒスチジンを含有)で増殖させた。細胞を ホモジナイズし、抽出物をdhaB活性についてアッセイした。0.021ユニット /mgの比活性が得られた。 実施例10 S.セレビシエの形質転換体に対する代替複製および 組換えプラスミドの構築 汎用の表現プラスミドは、SnaBI/EcoRI ADH1プロモーター断片をpGAD/KAN2 か ら単離し、この断片を、HincIIおよびEcoRI で予め消化しておいたベクターpRS4 06(Stratagene 社,La Jolla,CA)に結合する。陽性のコロニーは、プラスミド によってコード化されるlacZアルファペプチドの挿入不活性化およびADH1プロモ ーター断片の存在により同定する。得られたプラスミド(pMCK3)をEcoRI およびS maIで消化し、プラスミドpGBT9 をEcoRI およびNaeIで消化することにより遊離 させた0.2kb のADH1ターミネーター断片に結合する。得られたプラスミド(pMCK5 )は、ADH1プロモーターおよびターミネーターの双方の配列とURA3マーカーとを 含有する。DhaT 表現用プラスミドの構築 ベクターpMCK5 を、EcoRI で消化し、脱リン酸化した。dhaT遺伝子を、プラス ミドpMP13 からEcoRI 断片として切り出し、pMCK5 に結合する。得られたプラス ミド(pMCK7)は、ADH1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されて いるdhaTを有しており、かつURA3マーカーを含有している。 組込みベクターpRS404をKpnIおよびSacIで消化する。フランキング・プロモー ターおよびターミネーターを有するdhaT遺伝子は、プラスミドpMCK7から KpnI/SacI 断片として切り出し、pRS404に結合する。得られたプラスミドは、AD H1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されているdhaTを有してお り、かつTRP1マーカーを含有している。dhaB1 表現用プラスミドの構築 ベクターpMCK5 をEcoRI で消化し、脱リン酸化する。dhaB1 遺伝子を、プラス ミドpMP15 からEcoRI 断片として切り出し、pMCK5 と結合する。得られたプラス ミド(pMCK8)は、ADH1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されて いるdhaB1 を有しており、かつURA3マーカーを含有している。 組込みベクターpRS403をClaIおよびAatII で消化する。フランキング・プロモ ーターおよびターミネーターを有するdhaB1 遺伝子を、プラスミドpMCK8 からCl aI/AatII断片として切り出し、pRS403に結合する。得られたプラスミドは、ADH1 プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されているdhaB1 を有してお り、かつHIS3マーカーを含有する。 複製プラスミドpYES2 をHindIII およびSnaBI で消化し、GAL1プロモーター・ エレメントを、pGADGHからSnaBI およびHindIII で消化したADH1プロモーター断 片による結合によって置き換える。pMP19 から得たdhaB1 HindIII およびXbaI断 片を、改変したADHIプロモーターバージョンのpYES2 のそれらの部位に結合する 。得られたプラスミドは、ADH1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿 入されたdhaB1 を有し、かつURA3マーカーを含有する。 ベクターpMCK4 をHindIII で消化し、脱リン酸化する。dhaB1 遺伝子を、プラ スミドpMP15 からHindIII 断片として切り出し、pMCK4に結合する。得られたプ ラスミドは、ADH1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されたdhaB 1 を有し、かつLEU2マーカーを含有する。dhaB2 表現用プラスミドの構築 ベクターpRS404、pRS405およびpRS406をSmaIで消化する。フランキング・プロ モーターおよびターミネーターを有するdhaB2 遺伝子を、プラスミドpMCK17から SnaBI/NaeI断片として切り出し、組換えベクターの各々に結合する。得られたプ ラスミドは、ADH1プロモーターからの転写に対して正しい方向に挿入されている dhaB2 を有しており、かつLEU2、TRP1またはURA3マーカーのいずれかを含有する 。 実施例11 S.セレビシエのdha 形質転換体についてのスクリーニングおよび D−グルコースの1,3−プロパンジオールへの転化 S.セレビシエのdha 遺伝子についてのスクリーニング Ura+、His+、Trp+またはLeu+形質転換体(実施例9および10に記載の通り構 築したもの)から得た染色体DNAを、PCR により、ピヒア・パストリスについ て記載したような各遺伝子に特異的なプライマー(配列番号2〜9)を用いて分 析する。dha 遺伝子で形質転換したS.セレビシエによるD−グルコースからの1,3− プロパンジオールの生産 dhaT、dhaB1、dhaB2 およびdhaB3 を含有する形質転換体(実施例9および1 0に記載の通り構築したもの)を、振盪しながら、29℃で、20mg/Lのア デニンサルフェート、30mg/LのL−リジン、1mg/L のビタミンB12を補足 したSMM 中で、好気的または嫌気的に増殖させる。増殖は、定常期に達するまで 継続し、1,3−プロパンジオールの存在をHPLCによって測定する。形質転換体 S.セレビシエpMCK1/10/17(HM)#A は寄託し、ATCC と命名した。 実施例12 水素雰囲気下でのクロストリジウム・パストリアナム (Clostridium pasteurianum)(ATCC6013) による D−グルコースからの1,3−プロパンジオールの生産 クロストリジウム・パストリアナムに一般的な増殖条件 クロストリジウム・パストリアナムATCC6013を、特記しない限り10mLの培 地を含有する60mL容の圧着密封した血清ビン内で増殖させた。培地を含有す るこの圧着ビンに窒素を無菌的に吹込んだ後で、植菌した。ベース培地(培地A )(pH7.2に調整したもの)は、以下の成分(g/L):1.4のKH2PO4、 0.69のNaH2PO4、1.8〜2.5のNH4Cl、0.50のKCl、0.50のMgSO4 ・ 7H2O、0.025のCaCl2、1.0の NaCl、2.0の酵母エキス、0.50の システイン・HCl、2.5の重炭酸ナトリウム、0.0080のp−アミノ安息 香酸、0.000040のビオチン、0.10のクエン酸ナトリウム・2H2O、0 .050のFeSO4・7H2O、0.010のCoCl2・6H2O、0.0010のMnCl2・4H2O、 0.00050のZnCl2、0.0025のNa2MoO4・2H2O、0.010のNiCl2・6H2 O、および0.0050のCuSO4・5H2Oを含有しており、そこに、炭素成分を以下 に示すように添加した。全てのインキュベーションは、30℃で、250rpmで振盪 しながら行った。 5%グルコースを補足した培地Aの10mL容バッチに、約15%(v/v)のグ リセロールを含有するクロストリジウム・パストリアナムATCC6013の凍結保存物 1mLを2連で接種した。96時間後、0.5mLの増殖細胞懸濁液を10mL の新たに調製した培地に継代し、増殖を継続した。24時間後、新たに接種した ビンの中の雰囲気を水素を用いて30psi の気圧に保ち、インキュベーションを さらに96時間にわたって継続した。その水相を、最後の96時間の最初と最後 にサンプリングし、一般的方法の欄に記載されているようなHPLCによる分析に供 した。結果を表11に示す。 実施例13 メチルビオローゲン存在下でのクロストリジウム・パストリアナムATCC6013 によるD−グルコースからの1,3−プロパンジオールの生産 実験1.全細胞を実施例12のプロトコールにしたがって増殖させた。10m L容バッチの5%グルコースを補足した培地A(実施例12に記載のもの)に、 1mLのクロストリジウム・パストリアナムATCC6013の凍結保存(約15%(v/v )のグリセロールを含有)を2連に接種した。96時間後、0.5mLの増殖細 胞懸濁液を10mLの新たに調製した培地に継代し、増殖を継続した。24時間 後、メチルビオローゲン(1,1′−ジメチル−4,4′−ビピリジニウムジク ロライド)を、新たに接種したビンに1mM の最終濃度で添加して、インキュベー ションをさらに96時間にわたって継続した。水相を、最後の96時間の開始時 および最後にサンプリングして、一般的方法の欄に記載のようなHPLCによる分析 に供した。結果を表12に示す。 実験2: 1%(v/v)グリセロール+1%(w/v)グルコースを補足した培地Aを 、クロストリジウム・パストリアナムATCC6013の凍結ストック(約15%(v/v) のグリセロールを含有)で培地20mL当たり凍結ストックを0.2mLの比率 で接種した。48時間後、10mLの細胞懸濁液を90mLの新たに調製した培 地に添加して、増殖を24時間にわたって継続した。100mLの細胞懸濁液を 氷上で冷却し、嫌気的条件下で遠心分離によって細胞を集めた。この細胞を嫌気 的緩衝液(50mMリン酸緩衝液(pH7.2)+0.5g/Lシステイン・HC l、予めN2を吹込み、N2下でオートクレーブ処理したもの)で3回洗浄し、嫌気 的緩衝液に再懸濁して8mLとした。2連の実験では、1mLのこの細胞懸濁液 を、10mLの培地A(1%グルコースおよび0mM、1mM、5mMまたは1 0mMのメチルビオローゲンを補足したもの)に接種し、240時間にわたって インキュベートした。最後の240時間の開始時と最後に水相をサンプリングし て、一般的方法の欄に記載のようなHPLCによる分析に供した。結果を表13に示 す。 実験3: クロストリジウム・パストリアナニウムATCC6013を最初にチオグリ コレート培地(Difco(登録商標))に保持し、続いて行われる全ての研究用とし て、0.4%グルコースを補足した培地Aに移した。後者の培地に数回移した後 、保存培養物の1mLのアリコートを10mLの上記の培地中で一夜増殖させる ことによって、接種材料を調製した。新たに調製した培地のビン中にメチルビオ ローゲンを表14に記載のような濃度で含有する一連の血清ビンに、1mLの上 記一夜の培養物を接種し、表14に記載の時間にわたって再度インキュベートし た。ビンは、グルコース利用性(glucose utilization)を測定するために一定時 間毎にサンプリングし、1,3−プロパンジオールおよびグルコースの存在を 一般的方法の欄に記載のようにしてHPLCにより分析した。表14には、その分析 結果をまとめる。 実施例14 バシルス、ストレプトミセスおよびシュードモナス種の 形質転換に使用するための汎用表現プラスミドの構築 表現ベクターpTacIQ 大腸菌表現ベクターであるpTacIQは、pBR322(Sutcliffe ら、Cold Spring Ha rb.Symp.Quant.Biol.43,77(1979))のEcoRI に挿入されたlacIq 遺伝子(Fa rabaugh,Nature 274,5673(1978))およびtac プロモーター(Amannら、Gene 25 ,167(1983))を含有する。複数のクローニング部位およびターミネーター配列( 配列番号10)は、pBR322配列を、EcoRI からSphIへと置き換える。グリセロールデヒドラターゼ遺伝子(dhaB1,2,3)のサブクローニング dhaB3 遺伝子に対するオープン・リーディング・フレームを、pHK28-26から、 PCR により、プライマー(配列番号41および42)を用いて、EcoRI 部位を5 ′末端に、およびXbaI部位を3′末端に組込んで増幅した。生成物をpLitmus29( New England Biolab社,Inc.,Beverly,MA)にサブクローニングして、dhaB3 含 有するプラスミドpDHAB3を得た。 pHK28-26から得たdhaBオペロンの4 種の遺伝子に対する全コード領域を含有す る領域を、制限酵素KpnIおよびEcoRI を用いてpBluescriptII KS+(Stratagene社 ,La Jolla,CA)にクローニングして、プラスミドpM7 を調製した。 このdhaBX 遺伝子は、dhaB(1,2,3,4)を含有するプラスミドpM7 を、ApaIおよ びXbaIで消化すること(dhaB3 の部分およびdhaBX の全部を欠失すること)によ って取り出した。得られた5.9kb の断片を精製し、プラスミドpDHAB3(dhaB3遺 伝子を再保存している)から得られた325bp のApaI-XbaI 断片に結合して、dhaB (1,2,3)を含有するpM11を調製した。 dhaB1 遺伝子に対するオープン・リーディング・フレームを、pHK28-26から、 PCRにより、プライマー(配列番号11および12)を用いて増幅し、HindIII部 位およびコンセンサスRBS リボソーム結合部位を5′末端に、およびXbaI部位を 3′末端に組込んだ。この生成物を、pLitmus28 (New England Biolab,Inc.) にサブクローニングして、dhaB1 を含有するプラスミドpDT1を得た。 dhaB1 遺伝子、dhaB2 遺伝子およびdhaB3 遺伝子の一部を含有するPM11から得 たNotI-XbaI 断片をpDT1に挿入して、dhaB表現プラスミドを作製した。pDT2から 得たdhaB(1,2,3)遺伝子を含有するHindIII-XbaI断片をpTacIQに挿入して、pDT3 を調製した。1,3−プロパンジオールデヒドラターゼ遺伝子(dhaT)のサブクローニング 完全な1,3−プロパンジオールデヒドラターゼ(dhaT)遺伝子を含有する、pH K28-26のKpnI-SacI 断片を、pBluescriptII KS+にサブクローニングして、プラ スミドpAH1を構築した。このdhaT遺伝子を、鋳型DNA としてpAH1から、PCR によ り、合成プライマー(配列番号13と配列番号14)を用いて増幅して、XbaI 部位を5′末端に、およびBamHI 部位を3′末端に組込んだ。この生成物をpCR- Script(Stratagene社)のSrfI部位にサブクローニングして、dhaTを含有するプ ラスミドpAH4およびpAH5を得た。プラスミドpAH4は、dhaT遺伝子を、pCR-Script におけるlac プロモーターからの表現に対して正しい方向に含有し、pAH5は、dh aT遺伝子をその逆方向に含有する。dhaT遺伝子を含有するpAH4から得たXbaI-Bam HI断片を、pTacIQに挿入して、プラスミドpAH8を得た。RBS およびdhaT遺伝子を 含有するpAH8から得たHindIII-BamHI 断片をpBluescriptII KS+に挿入して、pAH 11 を構築した。RBS を含有するpAH8から得たHindIII-SalI断片、dhaT遺伝子お よびターミネーターをpBluescriptII KS+に挿入して、pAH12 を作製した。dhaB(1,2,3) およびdhaTの表現カセットの構築 dhaB(1,2,3)およびdhaTのための表現カセットは、上記のdhaB(1,2,3)およびdh aTサブクローンの各々から、標準的な分子生物学的方法を用いてアセンブリした 。RBS を含有するPAH8から得たSpeI-KpnI 断片、dhaT遺伝子およびターミネータ ーをpDT3のXbaI-KpnI 部位に挿入して、pAH23 を作製した。pAH23 のdhaB3遺伝 子とdhaT遺伝子との間にあるSmaI-EcoRI断片を除去して、pAH26 を作製した。pP DT2 由来のEcoRI 部位を含有するSpeI-NotI 断片を用いて、pAH26 のSpeI-NotI 断片を置き換えて、pAH27 を得た。dhaT およびdhaB(1,2,3)の表現カセットの構築 dhaTおよびdhaB(1,2,3)の表現カセットを、前述のdhaB(1,2,3)およびdhaTサブ クローンの各々から、標準的な分子生物学的方法を用いてアセンブリした。pDT3 由来のdhaB(1,2,3)遺伝子を含有するSpeI-SacI 断片をpAH11 のSpeI-SacI部位に 挿入して、pAH24 を作製した。 実施例15 組換えストレプトミセス・リビダンスによる1,3−プロパンジオールの生産 グルコースイソメラーゼ・プロモーターのサブクローニング ベクターpCOs121 (配列番号15)またはpCO121low(配列番号16)から得た グルコースイソメラーゼ・プロモーターの2 種類のバージョンをPCR によって、 プライマー(配列番号17および18)を用いて増幅して、SpeIおよびEcoRI位 を5′末端に、およびHindIII 部位を3′末端に組込んだ。この生成物をpLitmu s29(New England Biolabs,Inc.,Berverly,MA)にサブクローニングして、プラ スミドpDT7およびpDT8を得た。dhaB(1,2,3) およびdhaTの表現カセットの構築 pAH27 (実施例14)由来のdhaB(1,2,3)およびdhaTのための4.1kb の表現カ セットを、制限酵素HindIII およびSalIを用いてpDT7またはpDT8に挿入して、pD T11 およびpDT12 をそれぞれ得た。ストレプトミセスにおけるdhaB(1,2,3)およびdhaTの同時表現用のプラスミドの 構築 4.3kb のdhaB(1,2,3)およびdhaTの表現カセットを、EcoRI およびSalIによる 消化によりpDT11 またはpDT12 から取り出した。ベクターpIJ488-101を制限酵素 EcoRI およびXbaIで消化した。この表現カセットおよびベクターをSal-Xba リン カー(配列番号19および20)と共に結合し、pDT13 およびpDT14 をそれぞれ 作製した。 pIJ488-101は、ストレプトミセス・リビダンス(Kendall およびCohen,J.Ba cteriol.170,4634(1988))から得たpIJ101からの複製起点および大腸菌から得 たpUC18 から構成される。これらの配列は、以下に由来する。すなわち、1〜2 086番目の塩基はpIJ101(1〜2086)由来であり、7688〜8437番 目の塩基はpIJ101(8080〜8830)由来である。2087〜3368番目 の塩基は、S.アズレウス(S.azureus)(Thompsonら、Gene,20,51 (1982))からのチオストレプトン耐性遺伝子由来である。3369〜7687番 目の塩基は、KpnI部位に挿入されたS.エリスレウス(S.erythreus)(前出のThom psonら)からのエリスロマイシン耐性遺伝子を含有するpUC18 由来である。ストレプトミセス・リビダンスのdhaB(1,2,3)およびdhaTによる形質転換 プラスミドpDT13 またはpDT14 を、標準的な原形質形質転換技術(Hopwoodら 、Genetic Manipulation of Stretomces,The Johns Foundation(1985))を用 いてストレプトミセス・リビダンスTK23に形質転換した。形質転換体は、50μ g/mL)のチオストレプトンを含有する培地(plate)上で選択して、30℃で インキュベートした。形質転換体から得た胞子を再度培地に拡げて、純粋な培養 物を得た。グリセロールデヒドラターゼ活性の検出 ストレプトミセス形質転換体を25mLのTSB (トリプトンソイブロス;Difc o,Detroit,MI;さらに、1%グルコース、2%グリセロール、1mg/Lビタ ミンB12、50μg/mLチオストレプトンを補足したもの)で30℃で3日間 にわたって増殖させた。細胞を遠心分離により収集し、1mLの100mMトリス 緩衝液(pH7.4)に再懸濁した。細胞をフレンチプレス(20,000ps i)を用いて破砕し、細胞抽出物を、一般的方法の欄に記載のようにしてグリセ ロールデヒドラターゼについてアッセイした。pDT13 またはpDT14 のいずれかに より形質転換したS.リビダンスTK23(それぞれ、クローン番号8またはクロー ン番号2)から得た細胞抽出物は、0.1U/mgの比活性を有するグリセロー ルデヒドラターゼを含有していた。組換えストレプトミセス・リビダンスにおける1,3−プロパンジオールの生産 S.リビダンスTK23/pDT14(クローン番号2)(ATCC 、S.リビダンス 株SL14.2としても同定される)をTSA プレートから接種し、250mL容のフラ スコに入れた25mLのTSB(トリプトンソイブロス,Difco,Detroit,MI;さら に、1%グルコース、2%グリセロール、1mg/LビタミンB12、50μg/ mLチオストレプトンを補足したもの)中で増殖させた。振盪フラスコを30℃ で激しく振盪しながら3日間にわたってインキュベートし、その後、一般的方法 の欄に記載のようにして、上清のGC-MS 分析(TMS 誘導体)により、3mg/L の1,3−プロパンジオールを検出した。 実施例16 組換えストレプトミセス・リビダンスを用いたD−グルコースからの 1,3−プロパンジオールの生産 1,3−プロパンジオール生産を証明するための、pDT13 またはpDT14 を含有 するストレプトミセス・リビダンスTK23における増殖は、30℃で振盪フラスコ 培養(エルレンマイヤー・フラスコ、液体体積:全容積の1/10)で好気的に 行う。 富培地(rich media)の振盪フラスコにおける培養は、2日経過したTSA プレー ト(トリプチダーゼソイ寒天、BBL #11043)から接種することにより開始する 。豊富培地は、TBS(トリプチカーゼソイブロス;BBL#11768)、液体ブイヨン(1 L当たり、16gのトリプトン、10gの酵母エキス、および5gのNaClを含有 )、培地B(1L当たり、10.0gのグルコース、NTA をクエン酸に置き換え た2mLの改変バルヒ(Balch)微量元素溶液、2.0gのNa2CO3、4.0gのK2H PO4、1mgのビタミンB12を補足したTSB、最終pH=7.2)、または培地C (培地B、pH6.4)のいずれかである。改変バルヒ微量元素溶液の組成は、Methods for General and Molecular Bacteriology (P.Gerhardt ら編、p.158 ,American Society for Microbiology,Washington,D.C.(1994))に見出すこ とができる。最少培地振盪フラスコ内での培養は、2日経過した液体TSB 培養物 から、1/30(v/v)の接種材料を用いて接種することにより開始する。最少培地は 、MM322(1L当たり、12.0gのグルコース、11.3gのK2HPO4、1.0g の(NH4)2SO4、0.2gのDifco 酵母エキス、0.1gのNaCl、2mg のビタミンB12、および10mLの上記のように改変した改変バルヒ微量元素溶 液を含有、最終pH6.7(HCl))、培地D(1L当たり2gのNa2CO3を補足した 培地MM322、最終pH7.2)、または培地E(培地D,最終pH6.4)であ る。培地BおよびCおよび最少培地は、濾過滅菌し、他の培地はオートクレーブ 処理する。 振盪フラスコを、30℃で激しく振盪しながら2日間にわたってインキュベー トし、その後、それらをサンプリングして、上清をHPLC分析に供する。グルコー スを添加し、培養物を1時間にわたって好気的条件下でインキュベートし、その 後、培養物を25mL容のガラス管(ほとんど上まで一杯になる)に移す。続い て、これらの管を嫌気的条件下で30℃でインキュベートする。2〜5日間イン キュベートした後、上清中の1,3−プロパンジオールをHPLCによって一般的方 法の欄に記載の通り検出する。 実施例17 汎用プラスミド、バシルスでのdhaB(1-3)およびdhaTの過剰表現用 プラスミドの構築、および組換えB.リヘニフォルミスおよびB.サチリス による1,3−プロパンジオールの生産 汎用表現プラスミドの構築 複製性高コピー数シャトルベクターpVSO2 を用いて、dhaB(1-3)およびdhaTを バシルス中で同時表現させる。pVSO2 は、B.サチリスapr プロモーターに融合 したバシルス・レンタス(Bacillus lentus)由来のアルカリセリンホスファター ゼを担持するEcoRI/BamHI 断片を、pBS19 にクローニングすることによって構築 した。pBS19 は、pBS42(BandおよびHenner,DNA 3,17(1984))の誘導体であり、 そこにおいて、EcoRI/BamHI 断片が、pUC19(Boehringer Mannheim)由来のEcoRI/ HindIII ポリリンカーで置き換えられている。配列決定およびPCR 反応を促進す るために、45bpの合成リンカー(配列番号21)を、PCR によってプロテアーゼ 遺伝子の終点と転写ターミネーターとの間に導入した。 複製性低コピー数シャトルベクターpSS15-Bを用いて、dhaB(1-3)および dhaTをバシルス中で同時表現させる。プラスミドpSS15-B は、プラスミドpHP13 (Haima ら、Mol.Gen.Genet.209,335(1987))をHindIII/SalI(ポリリンカ ーに存在する部位)で消化し、その末端をT4DNA ポリメラーゼで充填(平滑化) し、再度結合して、pSS13 を得た。PVSO2 から得た2kb のEcoRI/BamHI 断片を、 プラスミドpSS13 のEcoRI/BamHI 部位に挿入して、pSS15-B を作製した。dhaB(1-3) およびdhaTカセットの過剰表現用プラスミド dhaTの5′末端にバシルス・コンセンサス・リボゾーム結合部位を作製するた めに、合成プライマー(配列番号22と配列番号23)をアニーリングすること により得たEcoRI/Xba リンカーを、pAH23 のEcoRI/XbaI部位に挿入して、pM17を 得た。HindIII/BglII リンカーを、合成プライマー(配列番号24と配列番号2 5)を用いて、プラスミドpM17 のHindIII/bglII 部位に添加して、dhaB1の5 ′末端のSalI部位を導入して、pM20を作製した。プラスミドpM20から得た0.3 kbのMluI/KpnI 断片を、プラスミドpAH4から得たMluI/KpnI 断片と置き換えて 、HindIII 部位を導入して、pM21を作製した。 SalI-XbaI リンカー(配列番号26および27)を、制限酵素SalI-XbaI で消 化してあるpAH5に挿入して、pDT15 を作製した。このリンカーは、XbaI部位を破 壊してリーディング・フレームを変化させてdhaT遺伝子がプラスミドpSS15-B お よびpVS2のプロテアーゼ・コード配列のオープン・リーディング・フレームと融 合するようにした。pDT5から得た1kb のSalI-MluI 断片を、pAH24 に挿入し、既 存のSalI-MluI 断片と置き換えて、pDT17 を作製した。 SalI-XbaI リンカー(配列番号28および29)を、制限酵素SalI-XbaI で消化 したpAH5に挿入して、pDT16 を作製した。このリンカーは、XbaI部位を破壊して リーディング・フレームを変化させてdhaT遺伝子がプラスミドpUSH1(Schon およ びSchuman、Gene 147,91(1994))のポリ−His コード配列のオープン・リーディ ング・フレームと融合するようにした。pDT16 から得た1kb のSalI-MluI 断片を 、pAH24 に挿入し、既存のSalI-MluI 断片と置き換えて、pDT18 を作製した。 プラスミドpDT4(dhaB(1-3)を含有)は、pDT2から得た2.7kb のEcoRI/XbaI断 片を、EcoRI/XbaI で消化したpUC18(Boehringer Mannheim)に導入することによ って構築した。バシルスにおけるdhaTおよびdhaB(1-3)カセットの過剰表現用プラスミド pDT17をSacIで消化し、末端をT4DNA ポリメラーゼで充填し、このDNAをSal Iで消化して、dhaTおよびdhaBを含有する断片を遊離した。この断片を、HindIII (末端はT4DNA ポリメラーゼで平滑化してある)およびSalI消化したpSS15-B に結 合して、pM27を作製した。lac をベースとする誘導体を用いたバシルスにおけるdhaB(1-3)の過剰表現用プ ラスミド プラスミドpDT4から得たdhaB(1-3)を含有する2.7kb のBglII/HindIII 断片を 、pUSH1 のポリリンカーにあるHindIII/BamHI 部位にクローニングして、pM26を 作製した。このdhaB1 遺伝子をpUSH1 のポリHis コード配列のオープン・リーデ ィング・フレームに融合させた。プラスミドのバシルスへの形質転換 プラスミドpM26 およびpM27を、自然の形質転換(McCuenおよびThome,J.Ba cteriol.107,635-645(1971))によりB.リヘニフォルミスBG307 に形質転換し 、それぞれ、10ug/mL カナマイシンおよび30ug/mL クロラムフェニコールで選択 した。同じプラスミドを、標準的な原形質形質転換技法(Pragaiら、Microbiolo gy,140,305(1994))を用いてB.リヘニフォルミス株BG188 に形質転換し、上 記のようにして選択した。B.サチリス株BG2864を、自然の形質転換により、プラ スミドpM27で形質転換した。プラスミドを含有する形質転換体を、10ug/mL のク ロラムフェニコールを含有するLAプレート上で選択した。 プラスミドpM26も、B.サチリス株1E62(Saito ら、Mol.Gen.Genet.,170,1 17(1979))に形質転換し、プラスミドを含有する形質転換体を、10ug/mL のエリ スロマイシンおよび20ug/mL のカナマイシンを含有するLAプレート上で選択した 。 全ての形質転換体を30℃で増殖させた。グリセロールデヒドラターゼ活性の検出 pM26で形質転換したB.リヘニフォルミス株BG188 (クローン番号8)を、25mL のLB(Difco)+1%グルコースおよび10ug/mL のカナマイシン中で、30℃で一 夜増殖させた。この細胞を遠心分離により収集し、1mL の0.1Mトリシン/KOH緩衝 液(pH8.2)、50mMのKCl、1mM のジチオスレイトールおおび200uM のフェニルメ チルスルホニルフルオライドに再懸濁した。細胞をフレンチプレス(20,000PSI) で破砕することにより細胞抽出物を得、一般的方法の欄に記載されている通りグ リセロールデヒドラターゼについての分析を行った。0.036U/mgの比活性が得ら れた。1,3−プロパンジオールデヒドラターゼの比活性は、一般的方法の欄に 記載の通り測定したところ、0.2U/mg であった。組換えバシルスにおける1,3−プロパンジオールの産生 pM26で形質転換したB.リヘニフォルミス株BG188(クローン番号8)(ATCC )を、25mLのLB(Difco)+1%グルコースおよび10ug/mL のカナ マイシンを含有する振盪フラスコ内で30℃で一夜、激しく振盪させながら増殖 させ、その後、1mL を用いて、25mLのLB+1%グルコース、1%グリセロール、0. 33ug/mL ビタミンB12、および10ug/mL カナマイシンを含有する250mL 容フラス コに接種した。振盪フラスコを30℃で激しく振盪しながらインキュベートし、9 時間増殖させた後、一般的方法の欄に記載の通りGC/MS(TMS 誘導)により、300ug /L の1,3−プロパンジオールが検出された。 PM27で形質転換したB.サチリス株BG2864(クローン番号1)(ATCC )を 、25mLのLB+1%グルコース、1%グリセロール、0.33ug/mL ビタミンB12、およ び10ug/mL のクロラムフェニコールを含有する振盪フラスコ(250mL 容)内で増 殖させた。振盪フラスコは、30℃で激しく振盪しながらインキュベートし、4 3時間増殖させた後、1,3−プロパンジオールを検出した。組換えバシルスにおける3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドの産生 バシルスの発酵を、全容量15.5L のBiolafitte発酵槽内で、処理体積が最初は 7リットルとし、操作を行う間に9.5 リットルまで上昇させた。好気的条件は、 空気を、7リットル/分の速度で、羽根車速度が650rpmで、および背圧が0.8bar で通気させることにより確実にした[好気的条件は、溶存酸素(DO)の%(100%の DOを大気圧で定義した)で定義し、インストールしたDOプローブを用いて測定し 、最少値35%のDOを好気的であると考えた]。pHは、10% H2SO4または28% N H4OH の自動的添加により6.70に保持した。温度は30℃に保持した。 下記の化合物をタンクにバッチ添加し121℃で30分間滅菌した:(g/l )で6 NaH2PO4・1H2O、10 K2HPO4、1.5 NaCl、10(NH4)2SO4、0.2 FeCl3、1.5 トリプトン、6酵母エキス、10mLバルヒ改変微量元素溶液(Methods for Gen eral and Molecular Bacteriology (P.Gerhardt ら編)、p.1518,American So ciety for Microbiology,Washington,DC(1994))、および2MAZUDF204(特注消泡 剤)。滅菌後、350gの50%グルコース供給材料をカナマイシンおよびクロ ランフェニコール(ともに最終濃度10mg/l以下)とともに添加した。 0.6Lの24時間経過したバシルス・リヘニフォルミスBG188/pM26(クローン番 号8)[振盪フラスコで、LBG 1%(=10g トリプトン、5g酵母エキス、5g NaCl1 0g グルコース)中で増殖させたもの]を用いて、上記発酵槽に接種した。この 培養物を増殖させ、グルコースを排出した。pHが目標の6.60よりも高くなると、 グルコースの供給を開始した(50% グルコース、オートクレーブ処理、0.7g/ 分 の速度)。45時間後、栄養物の添加を行った(50mlのバルヒの微量元素溶液、 14g のK2HPO4、14g の酵母エキス、14mLのビタミン溶液、pHを6.60に設定、濾過 滅菌)。70時間後、ビタミンB12を、最終濃度が10mg/Lになるまで添加した。 最初の92時間は、%DO を好気性レベルに保持した。グルコースは、操作を行って いる間中、(多少)過剰に存在した[好気的部分の間(最初の92時間)では0.2 〜12g/L、O2制限部分(92〜164 時間)の間では、0.2 〜36g/L)。87時間後に取 り出したサンプルでは、3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドの存在が疑われた ので、上清サンプルを還元剤である水素化ホウ素ナトリウムで処理した後、1, 3−プロパンジオールの検出により確認した。 実施例18 バシルスにおけるdhaTおよびdhaB(1-3)カセットの 過剰表現用のプラスミド バシルスにおけるdhaTおよびdhaB(1-3)の過剰表現用プラスミド プラスミドpM21から得たSalI/HindIII断片(dhaB(1-3)およびdhaTを含有)を5 kb のSal/HindIII pVSO2 ベクターと結合して、pM22を作製する。PM22は、dhaB およびdhaTを、高コピー数ベクター内でapa プロモーター下に有する。 プラスミドpM21から得たSalI/HindIII断片を、pSS15-B から得た5.8kb のSal/ HindIII 断片と結合して、pM23を作製する。PM23は、低コピー数ベクター内でap a プロモーター下にdhaBおよびdhaTを有する。バシルスにおけるdhaTおよびdhaB(1-3)カセットの過剰表現用プラスミド pDT17 SacIで消化し、末端をT4ポリメラーゼで充填し、このDNA をSalIで消化 して、dhaTおよびdhaBを含有する断片を放出する。この断片を、HindIII (末 端をT4DNA ポリメラーゼで平滑化した)およびSalIで消化したpVSO2 と結合して 、pM25を得る。lac をベースとする誘発系を用いたバシルスにおけるdhaTおよびdhaB(1-3)の過 剰表現用プラスミド pDT18 をSacI で消化し、末端をT4ポリメラーゼで充填し、このDNA をSalIで 消化して、dhaTおよびdhaB(この両方の遺伝子は、バシルス・コンセンサス・リ ボゾーム結合部位を含有)を含有する断片を放出する。この断片を、HindIII ( 末端をT4DNA ポリメラーゼで平滑化した)およびSalIで消化したpVSO2 と結合し て、pM24を得る。 実施例19 組換えバシルスによるD−グルコースの1,3−プロパンジオールへの転化バ シルスの増殖条件 バシルス・リヘニフォルミスおよびバシルス・サチリスによる1,3−プロパ ンジオール産生を証明するための増殖は、(指示するように)30℃または35 ℃で、振盪フラスコ培養(エルレンマイヤー・フラスコ)中および15.5L (全容 積)容のBiolafitte発酵槽(処理容積:7〜10L)中で好気的に進行する。 LBG (1L当たり、16g のトリプトン、10g のグルコース、10g の酵母エキス、 および5gのNaClを含有)振盪フラスコ中での培養は、1日経過のTSA プレート( トリプチカーゼソイ寒天、BBL#11043)から接種することから開始する。これらの 振盪フラスコを用いて、発酵槽または振盪フラスコのいずれかに接種し、そこに おいて、D −グルコースの1,3−プロパンジオールへの転化に固有の証拠が示 される。振盪フラスコでのバッチ培養 富培地は、TSB (トリプチカーゼソイブロス;BBL#11768)、LBG、培地B(1L 当たり、10.0g のグルコース、2mL のNTA がクエン酸で置き換わっている改 変バルヒの微量元素溶液、2.0gのNa2CO3、4.0gのK2HPO4、1mg のビタミンB12補 足したTSB、最終pH =7.2)、または培地C (培地B、pH6.4)のいずれかであ る。改変バルヒの微量元素溶液の組成は、改変バルヒ微量元素溶液の組成は、Me thods for General and Molecular Bacteriology(P.Gerhardt ら編、p.158,Am erican Society for Microbiology,Washington,D.C.(1994))に見出すことが できる。最少培地は、MM322 (1L当たり、12.0g のグルコース、11.3gのK2HPO4 、1.0gの(NH4)2SO4、0.2gのDifco 酵母エキス、0.1gのNaCl、2mgのビタミンB1 2 、および10mLの上記のように改変した改変バルヒ微量元素溶液を含有、最終pH 6.7(HCl))、培地D (1L当たり2gのNa2CO3を補足した培地MM322、最終pH7.2 )、または培地E (培地D,最終pH6.4)のいずれかである。培地BおよびCおよ び最少培地は、濾過滅菌し、他の培地はオートクレーブ処理する。 振盪フラスコを、30℃で激しく振盪しながら1日間にわたってインキュベート し、その後、それらをサンプリングして、上清をHPLC分析に供する。グルコース を添加し、培養物を1時間にわたって好気的条件下でインキュベートし、その後 、培養物を25mL容のガラス管(ほとんど上まで一杯になる)に移す。続いて、こ れらの管を嫌気的条件下で30℃でインキュベートする。1〜5日間インキュベ ートした後、上清中の1,3−プロパンジオールをHPLCによって一般的方法の欄 に記載の通り検出する。発酵槽内でのバッチ培養および添加バッチ培養 振盪フラスコからの全容量600ml の培養物(LBG 培地)を用いて、発酵槽に6. 4Lの培地を接種し、1バッチとし、30分間(最少培地)または45分間(富培地) にわたってオートクレーブ処理する。この発酵槽における典型的な最少培地は培 地D であり、典型的な「富(rich)」培地は、さらに50g の酵母エキス(/L)を含有 する培地D である。オートクレーブ処理してある濾過滅菌した添加物(ビタミン B12、または栄養要求に対する補償物質)の添加を、発酵槽の蓋にあるシリンジ (syringue)および隔膜ポートを用いて発酵後に行う。 背圧(BP、0.1 〜0.5bar)、通気(1 分間当たりの空気の量(L)、0.4 〜1vvm) 、攪拌(rpm、200 〜600)、温度(T、30〜37℃)、溶存酸素 (%DO)、およびpH (5.8 〜7.2、NH4OH およびH2SO4またはH3PO4の添加)をモニ ターし、指示通りの所望の値に調整する。 接種を行った後、細胞をバッチ内で最初の14時間にわたって増殖させ、その後 、グルコースの供給を開始する。嫌気的な増殖/産生では、指示通りrpm および BPのいずれかを低下させ、さらに流入する空気をN2で置き換えることにより%DO が0%になるようにする。 発酵槽および振盪フラスコをサンプリングして、我々の標準的な手順にしたが って(一般的方法の欄に概説されている)、上清をOD550の読取(増殖)およ び酵素的グルコース・アッセイに供し、上清をさらにHPLC分析用に調製する。上 清には、1,3−プロパンジオールが存在する。 実施例20 dhaB(1,2,3) およびdhaTによるシュードモナスの形質転換および 1,3−プロパンジオール産生の実証 シュードモナスにおけるdhaB(1,2,3)およびdhaTの同時表現用プラスミドの構築 pAH27 から得たdhaB(1,2,3)およびdhaTのための4.1kb の表現カセットを、制 限酵素EcoRI およびSalIを用いて、ベクターpMMB66EH(Fuste ら、Gene,48,11 9(1986))およびpMMB207(Moralesら、Gene,97,39(1991))に挿入して、pDT10 およびpDT9をそれぞれ作製した。pDT9 表現プラスミドによるP.エルギノーサPAO2845 の形質転換 P.エルギノーサPAO2845 細胞は、L−ブイヨン中で、37℃で、200rpmで振 盪しながら一夜増殖させることにより形質転換用に調製した。この培養物の1:25 の接種を25mLの新たに予備加温し予備通気したL−ブイヨンに行った。この新た な培養物を、初期対数期まで、37℃、200rpmで2〜3時間インキュベートした 。遠心分離により回収した細胞を、10mLの氷冷した0.15M MgCl2(5%ジメチルスル ホキシドを含有)で2 回洗浄し、2mL のジメチルスルホキシド溶液に再懸濁し た。この細胞懸濁液(0.2mL)を、100 〜200ng のpDT9 DNAと合わせ、氷上に60分 間にわたって静置した。この反応混合物に37℃で2分間にわたって熱ショック を与え、氷に5分間にわたって移した。L−ブイヨン(0.5mL)を添加し、細胞を 20分間にわたって37℃でインキュベートした。37.5ug/Lのクロラムフェニコ ールを補足した栄養寒天プレートから単一コロニーを得た。pDT10 のP.エルギノーサPAO1への接合転移(conjugal transfer) プラスミドpDT10を、FigurskiおよびHelinskiの方法(Proc.Natl.Acad.Sci .U.S.A.,76,1648(1979))によりPAO1に交配した(mated)。pDT10 を大腸菌AC8 0(Chakrarty ら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,75,3109(1978))に形質転 換して、ドナー菌株を作製した。ヘルパー菌株は、pRK2013 (FugurskiおよびHe linski、前出)を含有する大腸菌HB101 であった。受容菌株は、シュードモナス ・エルギノーサPAO1(Royleら、J.Bacteriol.,145,145(1981))」であった。上 記菌株の各々の培養物(5mL)をLB中で37℃で一夜増殖させた。細胞を0.9%NaCl で洗浄し、200 μL に再懸濁した。この細胞を一緒に混合して、LAプレート(Lui ra Agar,Difco)に拡げた。このプレートを、37℃で6 時間にわたってインキ ュベートした。細胞をプレートから取り出し、250 μg/mLのカルベニシリンを含 有するPIA(Difco)プレートに移し、一夜増殖させた。同じ培地から単一コロニー を単離した。グリセロールデヒドラターゼおよび1,3−プロパンジオールデヒドラターゼの 活性の検出 シュードモナス・エルギノーサPAO1/pDT10を、25mLの2XYT (16g/L の酵母エ キス、16g/L のトリプトン、5g/LのNaCl)(250μg/mLのカルベニシリン、0.1mM のIPTGを補足したもの)で37℃で一夜増殖させた。細胞を遠心分離により収集 し、1mL の100mM トリス緩衝液(pH7.4)に再懸濁した。細胞をフレンチプレスで1 5,000psi で破砕した。粗抽出物を、標準的なアッセイを用いて、グリセロール デヒドラターゼおよび1,3−プロパンジオールデヒドラターゼの活性について アッセイした。タンパク質の測定は、Bio-Rad(Bradford)Protein Assayにより 行った。グリセロールデヒドラターゼの比活性は5U/mg であった。1,3−プロ パンジオールデヒドラターゼの比活性は20U/mgであった。同様にして調製した、 pDT9で形質転換したP.エルギノーサPAO2845 の粗抽出物は、0.05U/mgのグリセロ ールデヒドラターゼ活性を含有していた。プラスミドpDT9を含有するシュードモナス・エルギノーサによる1,3−プロパ ンジオールの産生 pDT9プラスミドを含有するシュードモナス・エルギノーサPAO2845(ATCC 55760 )を、37℃で一夜、200rpmで振盪させながら、25μg/mLのクロラムフェニコー ルを補足した2XYT培地中で増殖させた。一夜増殖させた後、細胞懸濁液のアリコ ートを、増殖培地(3部の2XYT培地+1 部のHEPES0.1培地;0.25%(w/v)のグルコ ース、0.2%(w/v)のKNO3、25μg/mLのクロラムフェニコール、50mg/Lの酵母エキ ス、および80mg/Lの栄養ブロスを補足したもの)に移し、OD660が0.5 〜0.8AU の細胞懸濁液を得た。HEPES0.1培地は以下の成分を含有する。すなわち、NH4Cl 9.52mM;MgCl2・6H2O 0.523mM;K2SO4 0.276mM ;HEPES (N-[2-ヒドロキシエチ ル]ピペラジン-N- [2-エタンスルホン酸])40mM;トリシン(N-トリス(ヒド ロキシメチル)メチルグリシン)4mM ;FeSO4・7H2O 0.010mM;K2HPO4 0.132mM; および以下の成分の最終濃度(g/L)を付与する微量の無機質:クエン酸ナトリ ウム・6H2O 0.001、FeSO4・7H2O 0.0005、CoCl2・6H2O0.0001、MnCl2・4H2O 0.0000 1、ZnCl2 0.000005、Na2MoO4・2H2O 0.000025、NiCl2・6H2O 0.0001、CuSO2・2H2O 0.00005である。30℃で250rpmで振盪しながら約1 時間増殖させた後、0.5mM のIPTG(イソプロピル−β-D- チオガラクトシド)をその増殖培地に添加し、細 胞の増殖を継続した。さらに約5 時間にわたって増殖させた後、細胞を遠心分離 によって室温で回収した。細胞を産生培地(0.25%(w/v)のグルコース、0.2%(w/v )のKNO3、25μg/mLのクロラムフェニコール、50mg/Lの酵母エキスおよび80mg/L の栄養ブロスを補足したHEPES0.1培地)で3回洗浄した。2連で、洗浄した細胞 を、0.2%(v/v)のグリセロールを含有する産生培地に最初に回収した体積になる よう再懸濁した。細胞懸濁液を窒素雰囲気下で30℃で250rpmで振盪しながらイ ンキュベートした。約1 時間後、5μg/mL の補酵素B12(5,6−ジメチル−ベンズイミダゾリルコパミド5−デオキシア デノシン)をその細胞懸濁液に添加し、インキュベートを30℃で250rpmで振盪 しながら継続した。細胞懸濁液のサンプルを一定期間毎に集め、生成物の分析に 供した。回収に際して、細胞を、サンプルから遠心分離によって除去し、水系の 上清を分析するまで凍結保存した。 認証標準物質に基づく検定を伴うHPLCによる分析により、これらの細胞懸濁液 が1,3−プロパンジオールを産生したことを示した。この結果を表15に示す 。産生物の同定は、一般的方法の欄に記載の通りGC/MS により確認した。 実施例21 シュードモナス・エルギノーサを用いたD −グルコースからの1,3−プロパン ジオールの産生 PGSC(Pseudomonas Genetic Stock Center,East Carolina School of Medici ne,Greenville,NC)からのシュードモナス・エルギノーサ株PAO2845 をベース 培地HEPES0.1で増殖させる。この培地は以下の成分であった。すなわち、NH4Cl 9.52mM;MgCl2・6H2O 0.523mM;K2SO4 0.276mM ;HEPES (N-[2-ヒドロキシエチ ル]ピペラジン-N- [2-エタンスルホン酸])40mM;トリシン(N-トリス(ヒド ロキシメチル)メチルグリシン)4mM ;FeSO4・7H2O 0.010mM;K2HPO40.132mM ; および以下の成分の最終濃度(g/L)を付与する微量の無機質:クエン酸ナトリ ウム・6H2O 0.001、FeSO4・7H2O 0.0005、CoCl2・6H2O 0.0001、 MnCl2・4H2O 0.00001、ZnCl2 0.000005、Na2MoO4・2H2O 0.000025、NiCl2・6H2O0.0 001、CuSO2・2H2O 0.00005である。HEPES0.1は全ての実験に用いる。補足成分が ある場合には特記する。遺伝子分断によるP.エルギノーサPAO2845 のグリセロール陰性突然変異体の構 P.エルギノーサPAO2845 は、栄養ブロス(Difco、Detroit,MI)で37℃で20 0rpmで振盪させながら一夜増殖させる。細胞を遠心分離により回収し、DNA を細 胞から標準的なアルカリ溶菌操作(Sambrook 1989)により抽出する。glpR(グリ セロール代謝調節タンパク質遺伝子、Genbank ACCESSION#M60805)のオープン・ リーディング・フレームを、P.エルギノーサPAO2845 から、PCR により、プライ マーJJ-gplR-5′およびJJ-glpR-3′(それぞれ配列番号30および31)を用い て増幅し、EcoRI 部位を5′末端に組込む。このDNA 断片を、プラスミドpARO18 0(Parke,Gene 93,135,(1990))に、その特異的なEcoRI 切断部位に結合して、 プラスミドpJJ10 を得る。pJJ10 結合反応混合物から得たDNA で形質転換した大 腸菌を、50μg/mLのアンピシリンおよび0.08mg/mL のXgal(5−ブロモ−4−ク ロロ−3−インドリル−β−ガラクトシド)を含有する栄養寒天(Difco,Detroi t,MI)に拡げる。白色のコロニーはglpR挿入の可能性が高いことを示すものであ り、これを拾い上げて、50μg/mLのアンピシリンを補足したLB培地に移す。37 ℃で200rpmで振盪させながら一夜増殖させた後回収した細胞から、pJJ10DNAを回 収する。 pUC4K (Pharmacia Cat.No.27-4958-01)から得たカナマイシン・カセット 領域をPCR により、適当に設計したプライマー(配列番号32および33)を用 いて、該領域を増幅して、フラグメントの末端を制限酵素Styl(Promega社,Madi son,WI)に適合するように修飾して、4kb の断片pUC4K-stylを得る。このpUC4K- stylDNA 断片を、プラスミドpJJ10 のglpR遺伝子内にあるStyl部位にサブクロー ニングして、プラスミドpJJ11 を得る。PJJ11 結合反応混合物から得たDNA で形 質転換した大腸菌を、25μg/mLのカナマイシンおよび50μg/mLのアンピシリンを 補足したLB培地に拡げる。5〜20個の単離コロニーから得たDNA をそれ ぞれ回収して、続いて25μg/mLのカナマイシンおおび50μg/mLのアンピシリンを 補足したLB培地で37℃で一夜増殖させる。所望のプラスミドDNA の存在をゲル 電気泳動により確認する。 P.エルギノーサPAO2845 を標準的なプロトコールに従ってpJJ11DNAで形質転 換する。簡単に述べると、P.エルギノーサの細胞を、L−ブイヨンで37℃で一 夜、200rpmで振盪しながら増殖させることにより、形質転換用に調製する。この 一夜の培養物の1:25の接種を25mLの新たに予備加温し予備通気したL−ブイヨン で行う。この新たな培養物を、37℃、200rpmで2〜3時間(初期対数期まで) インキュベートする。細胞を遠心分離し、上清をデカンテーションする。回収し た細胞を、10mLの氷冷した無菌0.15M MgCl2 (5%ジメチルスルホキシドを含有) に再懸濁し、氷上で5〜10分間にわたって保持する。細胞を遠心分離し、上清 から分離し、10mLの氷冷した無菌0.15M MgCl2 (5%ジメチルスルホキシドを含有 )に再懸濁し、氷上で5〜10分間にわたって保持する。最後の遠心分離および 上清からの分離を行った後、細胞を2mLの氷冷した無菌0.15M MgCl2 (5%ジメチ ルスルホキシドを含有)に再懸濁する。この冷細胞濃縮物の0.2mL のアリコート を、100 〜200ng のpJJ11 DNA と一緒に合わせて、予め冷却しておいた1.5mL容 のポリプロピレン製遠沈管に入れ、この混合物を氷上に60分間にわたって保持 する。この遠沈管を迅速に37℃の水浴に2分間にわたって移し、直ちに氷中に 5 分間にわたって戻す。約0.5mL のL−ブイヨンを添加し、細胞を0.3 〜1時間 にわたって穏やかに振盪しながら37℃でインキュベートする。回収インキュベ ーションに続いて、この細胞懸濁液の10μL および50μL のアリコートを、50μ g/mLのカナマイシンを補足した栄養寒天プレートに拡げる。選択培地上に現れた コロニーを、1%のコハク酸または1%のグリセロールを補足したHEPES0.1培地を用 いた寒天プレート上での増殖についてスクリーニングする。グリセロール上では 増殖できないが、コハク酸上では増殖可能なコロニーを、15% グリセロール中に 凍結することにより、後の使用のために保存する。pDT9によるgplR−P.エルギノーサPAO2845 の形質転換 P.エルギノーサを、上記の方法により、形質転換用に調製する。0.2mL の冷 細胞濃縮物を、100 〜200ng のpDT9 DNAと一緒に合わせて、予め冷却しておいた 1.5mL 容のポリプロピレン製遠沈管に入れ、この混合物を氷上に60分間にわた って保持する。この遠沈管を迅速に37℃の水浴に2分間にわたって移し、直ち に氷中に5分間にわたって戻す。約0.5mL のL−ブイヨンおよび細胞を0.3 〜1 時間にわたって穏やかに振盪しながら37℃でインキュベートする。回収インキ ュベーションに続いて、この細胞懸濁液の10μL および50μL のアリコートを、 37.5μg/mLのクロラムフェニコールを補足した栄養寒天プレートに拡げる。gplR −P.エノレギノーサPAO2845 形質転換体のpDT9の存在についての スクリーニング 上記から得た形質転換体を、37.5μg/mLのクロラムフェニコールを補足した栄 養寒天プレートに拡げ、37℃で一夜増殖させる。これらの選択培地上に現れたコ ロニーから、約20個を拾い上げ、37.5μg/mLのクロラムフェニコールを含有する 10mLの栄養ブロス(Difco,Detroit,MI)に移し、37℃で200rpmで振盪させな がら一夜増殖させる。選択した形質転換体においてpDT9プラスミドの存在を確認 するために、プラスミドDNA を抽出し、精製し、EcoRI(Promega 社,Madison,W I)で切断する。直鎖状にしたDNA の分子量を、ゲル電気泳動により分析する。さ らに、dhaT、dhaB1、dhaB2 およびdhaB3 に共通する配列を有するプライマー対 (それぞれ、配列番号34と35、36と37、8と9)を用いたPCR 増幅、続 いて行われるゲル電気泳動を用いた断片の分子量の特徴付けを用いて、所望の遺 伝子の存在を確認する。pDT9 により形質転換したglpR−P.エルギノーサの代謝スクリーニング 1〜20個のコロニーを、上記の陽性の形質転換体から選び出して、さらなる 特徴付けに供する。細胞を、37.5μg/L のクロラムフェニコールを補足した栄養 ブロスで、30℃で250rpmで振盪しながら一夜、好気的に増殖させる。細胞を、 1:8 の希釈率で1.5mM のIPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトシド)を有 する同じ培地に移し、4〜6時間にわたって増殖させる。細胞を遠心分離により 回収し、10g/L のグリセロール、0.03g/L の牛肉エキス、0.05g/L のペプトン、 0.05g/L の酵母エキス(全て、Difco 製、Detroit,WI)および0.2%のKNO3を補 足したHEPES0.1培地で1 回洗浄する。この細胞を、最初の体積の1/5 で、空気の 隙間がないようにして、小さなビン中で再懸濁し、30℃で100rpmで振盪しなが ら18〜72時間にわたってインキュベートする。細胞を遠心分離により除去し 、上清を、HPLCにより、1,3-プロパンジオールの存在について分析する。さらに 、1,3-プロパンジオールの化学的同定を、ガスクロマトグラフィー−質量ペクト ル測定により確認する。pDT9 により形質転換したglpR−P.エルギノーサPAO2845(ATCC55760)による グルコースからの1,3−プロパンジオールの産生 上記のスクリーニング操作から、グリセロールから最大量の1,3-プロパンジオ ールを産生する1〜5個のコロニーを、37.5μg/L のクロラムフェニコールを補 足した栄養ブロスで、30℃で250rpmで振盪しながら一夜、好気的に増殖させる 。細胞を、1:8 の希釈率で1.5mM のIPTGを有する同じ培地に移し、4〜6時間に わたって増殖させ、遠心分離により回収し、10g/L のグルコース、0.03g/L の牛 肉エキス、0.05g/L のペプトン、0.05g/L の酵母エキスおよび0.2%のKNO3を補足 したHEPES0.1培地で1 回洗浄する。この細胞を、最初の体積の1/5 で、空気の隙 間がないようにして、小さなビン中で再懸濁する。細胞を、30℃で100rpmで振 盪しながら約36時間にわたってインキュベートする。細胞を遠心分離により除 去し、上清を、HPLCにより、1,3-プロパンジオールの存在について分析する。さ らに、1,3-プロパンジオールの化学的同定を、ガスクロマトグラフィー−質量ペ クトル測定により確認する。 実施例22 アスペルギルス・ニガーにおけるdhaB1、dhaB2、dhaB3 およびdhaTの 表現用の表現セットの構築 汎用表現カセット(pAEX) プラスミドpGPTpyrG(Berka ら、“The development of gene expression sysmtems for filamentous fungi”,Biotechnol.Adv.7:127-154(1989))から 得た、アスペルギルス・ニガーglaAプロモーターおよびターミネーターの適切な 調節に十分な部分を含有する1.4kb のSpeI-EcpRI断片を、pLITMUS39 (New Engl and Biolabs 社,Beverly,MA)のポリリンカーにあるSpeIおよびEcoRI 部位に 結合した。A.ニガーの各クローン表現カセット 各クレプシエラ・ニューモニエdhaBサブユニットおよびdgaTのオープン・リー ディング・フレーム(ORF's)を、同じクローニング戦略を用いて、クローニング し、汎用プラスミドベクター(pAEX)に結合した。 dhaB ORFおよびdhaT ORFの各々を PCR増幅するためのプライマー対は、全遺伝 子オペロンの既知の配列に基づいて、各ORF の5′末端および3′末端の配列に 合致(マッチ)するように設計した(dhaB1、dhaB2、dhaB3 およびdhaT:それぞれ 、配列番号38と12、39と40、41と42、45と46、43と44)。 合致配列に加えて、各ORF の5′末端に対するプライマーは、EcoRI 切断部位、 続いてBglII 切断部位を配列の5′最末端に、さらに各ORF の最初のATG の上流 に5 個の塩基配列CAGCA を含有するように設計した。各ORFの3′末端に合致す るように設計されたプライマーは、クローンの3′最末端に、翻訳停止コドンの 下流にXbalI 切断部位を配置していた。 dhaBおよびdhaT ORFに対する各クローン断片を、PCR により、プラスミドpHK2 6-28(全部のK.ニューモニエdha オペロンを含有)から、上記のプライマーを用 いて増幅した。各ORF クローン断片は、それらの分子量(dhaB1 =1540bp、dhaB 2 =607bp、dhaB3 =448bp、dhaBX =1846bp、dhaT=1187bp)に基づいて単離し た。PCR プライマーにおいて設計された特異的EcoRI およびXbal切断部位を用い て、dhaBおよびdhaT ORF断片の各々を、pLITMUS29 (New England Biolabs 社) のポリリンカーにあるEcoRI およびXbal切断部位に結合した。pLITMUS29 にある dhaB2 およびdhaB3 クローンは、塩基配列決定により、正しいことが確認された 。pLITMUS29 にあるdhaB1 クローンのコード領域から得られた特異的1363bpNcol -EcoRV切断断片を除去し、pHK26-28から得られた対応する切断 断片で置き換えた。pLITMUS29 にあるdhaTクローンのコード領域から得られた特 異的783bp Tth111I-MluI切断断片は、pHK26-28から得られた対応する切断断片で 置き換えた。pLITMUS29 にあるdhaBX クローンのコード領域から得られた特異的 1626bpEcoRV 切断断片は、pM7 (K.ニューモニエ dhaB オペロンを含有)から得 られた対応する切断断片で置き換えた。dhaB1、dhaBX およびdhaTクローンの5 ′および3′末端の配列(約250pb、置換された断片からの幾つかの配列を含有 )は、塩基配列決定により、正しいことが確認された。 pLITMUS29 にあるdhaB1、dhaB2、dhaB3、dhaBX およびdhaTクローンのORFを含 有する特異的BglII-Xbal切断断片を、個別に、汎用表現ベクターpAEXにあるBglI I-Xbal切断部位に結合し、各クローンの表現をA.ニガーglaAプロモーターおよび ターミネーターの制御下においた。得られたベクターは、それぞれ、各ORFによ って、pAEX:dhaB1、pAEX:dhaB2、pAEX:dhaB3、pAEX:dhaBXおよびpAEX:dhaTと命 名した。A.ニガーに対する二重表現カセットベクター dhaB1 表現カセットを含有する特異的SnaBI-Stul切断断片(A.ニガーglaAプロ モーター、dhaB1 ORF、およびターミネーターから構成される)を、ベクターpAE X:dhaB1から単離し、pAEX:dhaB2ベクターの特異的SnaB1 切断部位に結合した。p BH2(Wardら、Exp.Myc.,13,289,(1989))から得られた約2.2kb のScal-Smal 切断断片(アスペルギルス・ニジュランスpyrG栄養要求選択マーカーを含有す る)を、dhaB1 およびdhaB2 表現カセットを含有するベクターにある特異的Stul 制限部位に結合した。このベクターを、pAEX:B1+B2と命名した。 dhaB3 およびdhaTの全表現カセットを含有するユニークなSpel-HindIII切断断 片を、pAEX:dhaB3ベクターおよびpAEX:dhaT ベクターからそれぞれ単離した。こ の2種の表現カセット断片を、ベクターpUC18にある特異的HindIII 切断部位に 、同時に、一列に並べて結合した。このベクターをpAEX:B3+T と命名した。アスペルギルスにおけるdhaBおよびdhaT遺伝子の形質転換、形質転換体の単離、 表現カセットの組込みの確認および表現 アスペルギルス・ニガー株FS1(pyrG−)を、Campbellらの方法(Campbell、“ Improved transformation efficiency of A.niger using homologous niaD gen e for nitrate reductase”,Curr.Genet.,16:53-56,(1989))を用いて、2種 の表現ベクターpAEX:B1+B2およびpAEX:B3+T と共に同時形質転換した。形質転換 体を、ウリジンを含有しない選択培地での増殖能力によって選択した。形質転換 体のゲノムDNA を、HindIII およびSpelで消化して、予期した分子量の断片を放 出し、無傷の表現カセットが組込まれたことを実証した。各表現カセットの検出 は、サザン(Southern)解析によって、各遺伝子を別個に用いてプローブして行っ た。DhaB2 タンパク質の存在は、ウエスタン解析により、抗dhaB抗体を用いて検 出した。 各ORF の表現は、形質転換体(pAEX:B1+B2ベクターおよびpAEX:B3+T ベクター が組込まれている)を、種培養として、10%CSL培地[コーン・スティープ・リカ ー(50%固形分)、10%(w/v);NaH2PO4・H2O 1.0g/L;MgSO4 0.50g/L ;マルトース1 00.0g/L;グルコース10.0g/L ;およびMazu 消泡剤0.003%(v/v)]中で増殖させ 、次に、1/10体積の該種培養をMBM 炭素培地[NaHPO4 0.70g/L;K2HPO40.70g/L ;KH2PO4 0.70g/L;MgSO4・7H2O 1.40g/L;(NH4)2SO4 10.5g/L ;CaCl2・2H2O 0.7 0g/L;NH4NO3 3.50g/L;クエン酸ナトリウム 14g/L;FeCl2・4H2O 1.0mg/L;ZnCl2 5.87mg/L;CuCl2・2H2O 0.42mg/L ;MnCl2・4H2O 0.21mg/L ;Na2B4O7・10H2O 0. 07mg/L;葉酸0.174mg/L ;ピリドキシンHCl 6.21mg/L;リボフラビン 1.83mg/L ;パントテン酸23.60mg/L ;ニコチン酸26.66mg/L ;ビオチン0.49mg/L;チアミ ンHCl 1.39mg/L;マルトース120.0g/L;カルベニシリン0.035mg/L ;ストレプト マイシン0.035mg/L ;ツイーン80 0.07%(w/v);およびMazu消泡剤0.14%(v/v)] に移してglaAプロモーターの誘発を行うことにより試験した。mRNA を、形質転 換体の培養物から単離し(Fast Track2Kit,Invitrogen Corp.)、化学ルミネセ ンス(Genius(登録商標)System,Boehringer-Mannheim)を用いてノーザン解析を 行って、各遺伝子から転写されたメッセージを検出した。振盪フラスコ培養物中 のdhaB1、dhaB2、 dhaB3 およびdhaT遺伝子の同調転写は、ノーザン・ハイブリダイゼーションによ り、dhaBおよびdhaTのORF の各々の遺伝子断片でプローブして、証明した。 形質転換された遺伝子の全てを転写することが証明された単離コロニーを選ん で、pAEX:dhaBXでさらに形質転換した。これらの単離物は、pAEX:dhaBXおよびpA A10 (3.2kb、アスペルギルス・ニジュランスamdS選択マーカーをpUC18 中に含 有するAccl-Asp718 切断断片)で同時形質転換した。これらの新たに形質転換し た培養物は、アセトアミドを単一の炭素源として含有する培地上で選択した。ア セトアミドを単一の炭素源として利用することが可能な形質転換体のコロニーは 、プライマーKpdhaBX-5′およびKpdhaBX-3′(配列番号45および46)を用い たゲノムDNA からのdhaBX ORF のPCR 増幅により組込まれたdhaBX のORF を有す ることが証明された。A.ニガー株FSI によるグリセロールの産生 アスペルギルス・ニガー株FS1 を、種培養として10%CSL培地で増殖させ、1:10 希釈物としてMBM 炭素培地+12%マルトースに移した。培養上清は、アスペル ギルスにより産生された6g/Lのグリセロールを含有することが証明された。グリ セロールの分析は、HPLCにより行った。組換えA.ニガーによる1,3−プロパンジオールの産生 アスペルギルスの発酵は、全15.5L 容のBiolafitte発酵槽で、処理体積が最初 に8L、業の間に11L まで増加させて行った。好気的条件は、空気を10L/分の速度 で、羽根車速度が700 〜800rpmで、および背圧が1.1barで通気させることにより 確実にした[好気的条件は、溶存酸素(DO)の%(100%のDOを大気圧で定義した) で定義し、インストールしたDOプローブを用いて測定し、最少値35%のDOを好 気的であると考えた]。pHは、10% H3PO4または28% NH4OH の自動的添加によ り5.60に保持した。温度は32℃に保持した。 以下の化合物を一回分としてタンクに入れ、121 ℃で30分間にわたって滅菌 した。すなわち、2g/LのNaH2PO4・H2O、17g/L の(NH4)2SO4、1g/LのMgSO4、2g/L のツイーン80、45g/L のPromosoy-100(70% タンパク質の大豆濃縮物)、6g/Lの コーン・スティープ・リカー(50% 固形分)、10g/L のマルトース、および2g/L のMAZU DF204(特注の消泡剤)。滅菌後、500gの50%Maltrin 150供給材料を添加 し、それと一緒にカルベニシリンおよびストレプトマイシン(共に、最終濃度を 10mg/Lまで)を添加した。 2種類の表現ベクターpAEX:B1+B2およびpAEX:B3+T で形質転換し、10%CSLを含 有する振盪フラスコで増殖させた45時間経過したアスペルギルス・ニガー株( 菌株TGR40)の1Lを用いて、発酵槽に接種した。培養物をバッチ式で、十分に好 気的に、28時間にわたって増殖させた後に、供給材料(50% マルトリン(Maltri n 150 溶液、加熱滅菌)を0.8 〜1.0g/ 分の速度で開始した。この培養物をさら に20時間にわたって処理し、その間に、%DO は事実上ゼロまで下降した。これ は、細胞のO2要求によるものである(培養物は、処理の間ずっと、ゼロ〜5%の ままであった)。その後(つまり、接種の48時間後)、8時間にわたってグリ セロールを供給し、最終のグリセロール濃度が163g/Lになるまで行った。マルト リンの供給は、接種の97時間後に停止し、背圧および通気をそれぞれ0.2barお よび4L/分まで低減した。培養物が122時間経過したら、ブロスを回収し、遠 心分離し、0.2Lのエタノールを1Lの上清に添加した。 1Lの無細胞発酵ブロスを減圧蒸留して、約60mLの暗色のスラリーを得た。この スラリーを遠心分離し、約40mLの液体上清を回収した。この液体を、40mLのエタ ノールで処理して、残留固形分を析出させた。この析出物を遠心分離により除去 した。デンカンテーションした液体の少量のサンプルをHPLCにより分析し、1, 3−プロパンジオールを含有することがわかった。このプロパンジオールの同定 は、GC/MS によって確認した。 出願人は、dhaB(1-3)、dhaBx およびdhaTをコードするDNA を含有する組換え アスペルギルス・ニガー株TGR40-13を寄託している(ATCC )。 実施例23 組換えA.ニガーを用いたマルトースからの1,3−プロパンジオールの産生 アスペルギルスの発酵を、全容量15.5L のBiolafitte発酵槽内で、処理体積が 最初は8リットルとし、操作を行う間に11リットルまで上昇させて行う。好気的 条件は、空気を、10リットル/分の速度で、羽根車速度が700 〜800rpmで、およ び背圧が1.1barで通気させることにより確実にする[好気的条件は、溶存酸素(D O)の%(100%のDOを大気圧で定義した)で定義し、インストールしたDOプローブ を用いて測定し、最少値35%のDOを好気的であると考える]。pHは、10%H2S O4または28% NH4OH の自動的添加により5.60に保持した。温度は32℃に保持す る。 以下の化合物を一回分としてタンクに入れ、121 ℃で30分間にわたって滅菌 した。すなわち、2g/LのNaH2PO4・H2O、17g/L の(NH4)2SO4、1g/LのMgSO4、2g/L のツイーン80、45g/L のPromosoy-100(70% タンパク質の大豆濃縮物)、6g/Lの コーン・スティープ・リカー(50% 固形分)、10g/L のマルトース、および2g/L のMAZU DF204(特注の消泡剤)。滅菌後、500gの50%Maltrin 150供給材料を添加 し、それと一緒にカルベニシリンおよびストレプトマイシン(共に、最終濃度を 10mg/Lまで)を添加する。 dhaB1、dhaB2、dhaB3、dhaB4 およびdhaBT 遺伝子で形質転換し、10%CSL(実 施例22で定義したもの)を含有する振盪フラスコで増殖させた40〜48時間 経過したアスペルギルス・ニガー株の1Lを用いて、発酵槽に接種した。培養物を 30〜35時間にわたって増殖させた後に、供給(50% マルトリン(Maltrin 15 0 溶液、加熱滅菌)を1g/分の速度で開始する。この培養物をさら に5時間にわたってO2を制限した条件下(%DO がゼロ、十分な通気下)で処理 する。その後、マルトリンの供給を停止し、測定した上清中のグルコースが事実 上ゼロになったら、rpm を150 に下げ、BPを0.2 にし、通気を停止する。発酵槽 を嫌気的気体混合物(5% H2、5%CO2、90%N2)で7L/ 分の速度で30分間にわた って洗う。気体導入口および排出口を閉じ、BPを0.4barに保持し、補酵素B12を 添加して最終濃度を5mg/L とする。全体を通して、ブロスサンプルを遠心分離し 、HPLCおよびGC分析用に上清を調製する。1,3−プロパンジオールは、上清に 検出される。 実施例24 ラクトバシルス・レウテリ(Lactobacillus reuteri)(ATCC23272)による グリセロール以外の基質からの1,3−プロパンジオールの産生 ラクトバシルス・レウテリ(ATCC23272)を、MRS(Difco 、Detroit,MI)プレ ートに保持した。プレートから得られたコロニーを用いて、250mL 容エルレンマ イヤー・フラスコ内の、25mM NaHCO3を補足した70mLのラクトバシルスMRS ブイ ヨン(Difco,#088-17)に接種した。このフラスコを、嫌気的雰囲気下(5〜7 %H2、2〜8%CO2、85〜93%N2)でインキュベートした。 ラクトバシルスMRS ブイヨンのHPLC分析は、グリセロールの保持時間を有する 成分を示した。ラクトバシルスMRS ブイヨンを、アルカリ沸騰により処理し、グ リセロールについてHPLCおよび酵素アッセイにより分析した。多くとも、最初の 培地からは0.25g/L のグリセロールが検出できた。このグリセロールの全部が1 ,3−プロパンジオールに転化された場合、0.21g/L のプロパンジオールがグリ セロールから生産されていると言えるであろう。 10日間のインキュベーション後、ラクトバシルス・レウテリ培養フラスコから 得たサンプルを取り出し、HPLCおよびGC-MS により分析し、最初の培地サンプル と比較した。培地中に存在するグリセロールについて補正すると、1.35g/L の1 ,3−プロパンジオールがラクトバシルス・レウテリによってグリセロール以外 の基質から産生されたことになる。
【手続補正書】 【提出日】1997年12月8日 【補正内容】 請求の範囲 1.適当な条件下で、グリセロールまたはジヒドロキシアセトン以外の炭素基質 を、デヒドラターゼ酵素を表現できる少なくとも1つの遺伝子を有する単一の微 生物に接触させることを特徴とする1,3−プロパンジオールを製造するための 生物転化方法。 2.適当な条件下で、グリセロールを、デヒドラターゼ酵素を表現できる少なく とも1つの遺伝子を有する単一の微生物に接触させる工程を具えることを特徴と する1,3−プロパンジオールを製造するための生物転化方法であって、前記微 生物が、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロミセス(Saccharomyces属 、ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、ピヒア(Pichia)属、クリベ ロミセス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenul a)属、デバリオミセス(Debaryomyces)属、ムーコル(Mucor)属、トルロプシ ス(Torulopsis)属、サルモネラ(Salmonella)属、バシルス(Bacillus)属、 ストレプトミセス(Streptomyces)属およびシュードモナス(Pseudomonas)属 からなる群から選ばれることを特徴とする生物転化方法。 3.前記遺伝子が、グリセロールデヒドラターゼをコードし、かつクレプシエラ (Klebsiella)属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属、エンテロバクター(E nterobacter)属、シトロバクター(Citrobacter)属、ペロバクター(Pelobact er)属、イリオバクター(Ilyobacter)属およびクロストリジウム(Clostridiu m)属からなる群から単離されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 4.前記遺伝子が、ジオールデヒドラターゼをコードし、かつクレプシエラ属お よびサルモネラ属からなる群から単離されることを特徴とする請求項1に記載の 方法。 5.前記デヒドラターゼ酵素が、グリセロールデヒドラターゼ酵素またはジオー ルデヒドラターゼ酵素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 6.前記微生物が、dhaB1、dhaB2 およびdhaB3 および/またはdhaTをコードす る少なくとも1種のDNA 断片で形質転換されることを特徴とする請求項1に記載 の方法。 7.前記微生物が、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Ent erobacter)属、クロストリジウム(Clostridium)属、クレプシエラ(Klebsiel la)属、エロバクター(Aerobacter)属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属 、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、ジ ゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、ピヒア(Pichia)属、クリベロミ セス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、デバリオミセス(Debaryomyces)属、ムコール(Mucor)属、トルロプシス (Torulopsis)属、メチロバクター(Methylobacter)属、エシェリキア(Esche richia)属、サルモネラ(Salmonella)属、バシルス(Bacillus)属、ストレプ トミセス(Streptomyces)属およびシュードモナス(Pseudomonas)属からなる 群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。 8.前記微生物が、グリセロールデヒドラターゼ酵素をコードする遺伝子または ジオールデヒロラターゼ酵素をコードする遺伝子のいずれかによって形質転換さ れた組換え微生物、および1,3−プロパンジオールの産生を促進する表現型を 有する突然変異微生物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載 の方法。 9.前記微生物が、クレプシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター (Enterobacter)属およびシトロバクター(Citrobacter)属からなる群から選 ばれるか、あるいは組換えエシェリキア(Escherichia)属の細菌からなる群か ら選ばれることを特徴とする請求項7に記載の方法。 10.前記微生物が組換え大腸菌であることを特徴とする請求項9に記載の方法 。 11.前記微生物が、組換えストレプトミセス エスピー(Streptomyces s.p. )、バシルス エスピー(Bacillus s.p.)、シュードモナス エスピー(Pseu domonas s.p.)、サッカロミセス エスピー(Saccharomyces s.p.)、アスペル ギルス エスピー(Aspergillus s.p.)、ラクトバシルス エスピー(Lactobac illus s.p.)、およびピヒア エスピー(Pichia s.p.)からなる群から選ばれ 、かつ前記組換え微生物が、dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTを コードする少なくとも1つのDNA 断片によって形質転換されて、前記生物が活性 なデヒドラターゼ酵素を表現し、かつ前記炭素基質がモノサッカライドであるこ とを特徴とする請求項8に記載の方法。 12.前記微生物が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )、枯草菌(バシルス・サチリス;Bacillus subtilis)、ピヒア・パストリス (Pichia pastoris)、およびバシルス・リヘニフォルミス(Bacillus lichenif ormis)からなる群から選ばれ、かつ前記組換え微生物が、dhaB1、dhaB2、およ びdhaB3 および/またはdhaTをコードする少なくとも1つのDNA 断片によって形 質転換されて、前記生物が活性なデヒドラターゼ酵素を表現し、かつ前記炭素基 質がモノサッカライドであることを特徴とする請求項11に記載の方法。 13.前記微生物が、クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) 由来のグリセロールデヒドラターゼ遺伝子を含有する組換え大腸菌であることを 特徴とする請求項1または10に記載の方法。 14.前記炭素基質が少なくとも単一の炭素原子を有し、該炭素基質がグリセロ ールまたはジヒドロキシアセトン以外であることを特徴とする請求項1に記載の 方法。 15.前記炭素基質が、モノサッカライド、オリゴサッカライドおよびポリサッ カイライドからなる群から選ばれることを特徴とする請求項14に記載の方法。 16.前記炭素基質がグルコースであることを特徴とする請求項15に記載の方 法。 17.前記炭素基質がアルコールであることを特徴とする請求項14に記載の方 法。 18.前記微生物を前記炭素基質と接触させる工程の前に、さらに、前記微生物 を培地中で増殖させる工程を具えることを特徴とする請求項1に記載の方法。 19.請求項1〜15のいずれかに記載の方法によって製造される1,3−プロ パンジオール。20. クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)から単離した約 35kbのDNA 断片を包含し、該DNA 断片が図1の第1欄および第2欄の制限酵 素消化を有する活性グリセロールデヒドラターゼ酵素をコードしているコスミド 。 21.宿主微生物と請求項20に記載のコスミドとを含有することを特徴とする 形質転換微生物。 22.前記宿主微生物が大腸菌であり、前記微生物がATCC受託番号第69789 号に 指定されていることを特徴とする請求項21に記載の形質転換微生物。 23.宿主微生物と、クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) から単離される第1 のDNA 断片と、クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella p neumoniae)から単離される少なくとも1 種の第2 のDNA 断片とを含有し、前記 第1のDNA 断片が、図1の第1欄および第2欄の制限酵素消化を有する活性グリ セロールデヒドラターゼ酵素をコードし、かつ、前記第2 のDNA 断片が、グリセ ロールデヒドラターゼ酵素以外の活性機能性タンパク質をコードすることを特徴 とする形質転換微生物。 24. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第55760 号に指定されていることを特徴とする組換 えシュードモナス エスピー(Pseudomonas s.p.)。 25. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第74363 号に指定されていることを特徴とする組換 えピヒア・パストリス。 26. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする 組換えサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株pMCK1/10/ 17(MH)#A。 27. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 をコードするDNA 断片を含有し、かつATCC 受託番号第 号に指定されていることを特徴とする組換えバシルス・リ ヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)株BG188/pM26(クローン#8)。 28. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする 組換えバシルス・サチルス(Bacillus subtilis)株BG2864/pM27(クローン#1 )。 29. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 およびdhaTをコードするDNA 断片を含有し 、かつATCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする組換えス トレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)株SL14-2。 30. dhaB1、dhaB2、dhaB3 およびdhaTをコードするDNA 断片を含有し、かつA TCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする組換えアスペル ギルス・ニガー(Aspergillus niger)株TGR40-13。 31.デヒドラターゼ酵素を表現する組換え真核微生物。 32.酵母および糸状菌からなる群から選ばれることを特徴とする請求項31に 記載の組換え真核微生物。 33.さらに、1,3−プロパンジオールを回収する工程を具えることを特徴と する請求項1に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 7/18 C12P 7/18 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AU,BB,BG,BR ,CA,CN,CZ,EE,GE,HU,IS,JP, KP,KR,LK,LR,LT,LV,MG,MK,M N,MX,NO,NZ,PL,RO,SG,SI,SK ,TR,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ラッフェンド,リサ,アン アメリカ合衆国 19703−2422 デラウェ ア州 クレイモント マウント ヴァーノ ン ドライブ 2 (72)発明者 ナガラジャン,ヴァサンサ アメリカ合衆国 19807−3131 デラウェ ア州 ウィルミントン ディキンソン レ ーン 13 (72)発明者 ナカムラ,チャールズ,エドウィン アメリカ合衆国 19703−2422 デラウェ ア州 クレイモント マウント ヴァーノ ン ドライブ 2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.適当な条件下で、炭素基質を、デヒドラターゼ酵素を表現できる少なくとも 1つの遺伝子を有する単一の微生物に接触させることを特徴とする1,3−プロ パンジオールを製造するための生物転化方法。 2.適当な条件下で、グリセロールを、デヒドラターゼ酵素を表現できる少なく とも1つの遺伝子を有する単一の微生物に接触させる工程を具えることを特徴と する1,3−プロパンジオールを製造するための生物転化方法であって、前記微 生物が、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロミセス(Saccharomyces属 、ジゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、ピヒア(Pichia)属、クリベ ロミセス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenul a)属、デバリオミセス(Debaryomyces)属、ムーコル(Mucor)属、トルロプシ ス(Torulopsis)属、サルモネラ(Salmonella)属、バシルス(Bacillus)属、 ストレプトミセス(Streptomyces)属およびシュードモナス(Pseudomonas)属 からなる群から選ばれることを特徴とする生物転化方法。 3.前記遺伝子が、グリセロールデヒドラターゼをコードし、かつクレプシエラ (Klebsiella)属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属、エンテロバクター(E nterobacter)属、シトロバクター(Citrobacter)属、ペロバクター(Pelobact er)属、イリオバクター(Ilyobacter)属およびクロストリジウム(Clostridiu m)属からなる群から単離されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 4.前記遺伝子が、ジオールデヒドラターゼをコードし、かつクレプシエラ属お よびサルモネラ属からなる群から単離されることを特徴とする請求項1に記載の 方法。 5.前記デヒドラターゼ酵素が、グリセロールデヒドラターゼ酵素またはジオー ルデヒドラターゼ酵素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 6.前記微生物が、dhaB1、dhaB2 およびdhaB3 および/またはdhaTをコードす る少なくとも1種のDNA 断片で形質転換されることを特徴とする請求項1に記載 の方法。 7.前記微生物が、シトロバクター(Citrobacter)属、エンテロバクター(Ent erobacter)属、クロストリジウム(Clostridium)属、クレプシエラ(Klebsiel la)属、エロバクター(Aerobacter)属、ラクトバシルス(Lactobacillus)属 、アスペルギルス(Aspergillus)属、サッカロミセス(Saccharomyces)属、ジ ゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)属、ピヒア(Pichia)属、クリベロミ セス(Kluyveromyces)属、カンジダ(Candida)属、ハンゼヌラ(Hansenula) 属、デバリオミセス(Debaryomyces)属、ムコール(Mucor)属、トルロプシス (Torulopsis)属、メチロバクター(Methylobacter)属、エシェリキア(Esche richia)属、サルモネラ(Salmonella)属、バシルス(Bacillus)属、ストレプ トミセス(Streptomyces)属およびシュードモナス(Pseudomonas)属からなる 群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。 8.前記微生物が、グリセロールデヒドラターゼ酵素をコードする遺伝子または ジオールデヒロラターゼ酵素をコードする遺伝子のいずれかによって形質転換さ れた組換え微生物、および1,3−プロパンジオールの産生を促進する表現型を 有する突然変異微生物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項7に記載 の方法。 9.前記微生物が、クレプシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Entero bacter)属およびシトロバクター(Citrobacter)属からなる群から選ばれるか 、あるいは組換えエシェリキア(Escherichia)属の細菌からなる群から選ばれ ることを特徴とする請求項7に記載の方法。 10.前記微生物が組換え大腸菌であることを特徴とする請求項9に記載の方法 。 11.前記微生物が、組換えストレプトミセス エスピー(Streptomyces s.p. )、バシルス エスピー(Bacillus s.p.)、シュードモナス エスピー(Pseu domonas s.p.)、サッカロミセス エスピー(Saccharomyces s.p.)、アスペル ギルス エスピー(Aspergillus s.p.)、ラクトバシルス エスピー(Lactobac illus s.p.)、およびピヒア エスピー(Pichia s.p.)からなる群から選ばれ 、かつ前記組換え微生物が、dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTを コードする少なくとも1つのDNA 断片によって形質転換されて、前記生物が活性 なデヒドラターゼ酵素を表現し、かつ前記炭素基質がモノサッカライドであるこ とを特徴とする請求項8に記載の方法。 12.前記微生物が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )、枯草菌(バシルス・サチリス;Bacillus subtilis)、ピヒア・パストリス (Pichia pastoris)、およびバシルス・リヘニフォルミス(Bacillus lichenif ormis)からなる群から選ばれ、かつ前記組換え微生物が、dhaB1、dhaB2、およ びdhaB3 および/またはdhaTをコードする少なくとも1つのDNA 断片によって形 質転換されて、前記生物が活性なデヒドラターゼ酵素を表現し、かつ前記炭素基 質がモノサッカライドであることを特徴とする請求項11に記載の方法。 13.前記微生物が、クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) 由来のグリセロールデヒドラターゼ遺伝子を含有する組換え大腸菌であることを 特徴とする請求項1または10に記載の方法。 14.前記炭素基質が少なくとも単一の炭素原子を有し、該炭素基質がグリセロ ールまたはジヒドロキシアセトン以外であることを特徴とする請求項1に記載の 方法。 15.前記炭素基質が、モノサッカライド、オリゴサッカライドおよびポリサッ カイライドからなる群から選ばれることを特徴とする請求項14に記載の方法。 16.前記炭素基質がグルコースであることを特徴とする請求項15に記載の方 法。 17.前記炭素基質がアルコールであることを特徴とする請求項14に記載の方 法。 18.前記微生物を前記炭素基質と接触させる工程の前に、さらに、前記微生物 を培地中で増殖させる工程を具えることを特徴とする請求項1に記載の方法。 19.請求項1〜15のいずれかに記載の方法によって製造される1,3−プロ パンジオール。 20.図1の第1欄および第2欄の制限酵素消化を有する活性グリセロールデヒ ドラターゼ酵素をコードするDNA 断片を含有するクレプシエラ・ニューモニエ( Klebsiella pneumoniae)から単離した約35kbのコスミド。 21.宿主微生物と請求項20に記載のコスミドとを含有することを特徴とする 形質転換微生物。 22.前記宿主微生物が大腸菌であり、前記微生物がATCC受託番号第69789 号に 指定されていることを特徴とする請求項21に記載の形質転換微生物。 23.宿主微生物と、クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) から単離される第1 のDNA 断片と、クレプシエラ・ニューモニエ(Klebsiella p neumoniae)から単離される少なくとも1 種の第2 のDNA 断片とを含有し、前記 第1のDNA 断片が、図1の第1欄および第2欄の制限酵素消化を有する活性グリ セロールデヒドラターゼ酵素をコードし、かつ、前記第2 のDNA 断片が、グリセ ロールデヒドラターゼ酵素以外の活性機能性タンパク質をコードすることを特徴 とする形質転換微生物。 24. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第55760 号に指定されていることを特徴とする組換 えシュードモナス エスピー(Pseudomonas s.p.)。 25. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第74363 号に指定されていることを特徴とする組換 えピヒア・パストリス。 26. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする 組換えサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株pMCK1/10/ 17(MH)#A。 27. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 をコードするDNA 断片を含有し、かつATCC 受託番号第 号に指定されていることを特徴とする組換えバシルス・リ ヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)株BG188/pM26(クローン#8)。 28. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 および/またはdhaTをコードするDNA 断片 を含有し、かつATCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする 組換えバシルス・サチルス(Bacillus subtilis)株BG2864/pM27(クローン#1 )。 29. dhaB1、dhaB2、およびdhaB3 およびdhaTをコードするDNA 断片を含有し 、かつATCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする組換えス トレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)株SL14-2。 30. dhaB1、dhaB2、dhaB3 およびdhaTをコードするDNA 断片を含有し、かつA TCC受託番号第 号に指定されていることを特徴とする組換えアスペル ギルス・ニガー(Aspergillus niger)株TGR40-13。 31.デヒドラターゼ酵素を表現する組換え真核微生物。 32.酵母および糸状菌からなる群から選ばれることを特徴とする請求項31に 記載の組換え真核微生物。 33.さらに、1,3−プロパンジオールを回収する工程を具えることを特徴と する請求項1に記載の方法。
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