JPH11501877A - インクジェットプリント用インク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 液体インクを基材表面にプリントするプリント方法。インクは、媒体と、インクに溶解された着色剤を含んでいる。インクが基材上で固化するとき、固化されたインクに実質的に不溶な着色剤は、該表面に移行し固着して該表面に実質的に不変の判読可能な色を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】 インクジェットプリント用インク 背景技術 本発明は、インクジェットプリント用インクに関する。 インクジェットプリント、たとえば、ドロップ・オン・デマンドインクジェッ トプリントは、１つ以上のノズルを有するプリンターヘッドからインク滴を噴射 することにより基材上に符号を形成するステップを含む。インクとしては、常温 では固体であるが噴射温度では液体になるホットメルトインクを用いることがで きる。噴射されたホットメルトインクは、固化した後、たとえばこすれや引っか き、曲げによって、部分的にまたは全体にわたって、基材表面から徐々に減少さ れ得る。 インクジェットプリンターは、キャンディバーやミルク箱、その他の食品のよ うな消費製品用の包装材上に、また同様に、ＰＶＣパイプや電線、プラスチック ボトル等のような数種の製品上に直接、コード（たとえば、製造および／または 満了日、ロット番号、製造場所）をプリントするのに用いることができる。 発明の要旨 本発明は、インク媒体が基材から徐々に減っていくときにも、基材上に実質的 に不変の色を付与する、インクジェットプリント用インクに関する。 本発明に関しては多数の形態がある。 １つの形態においては、本発明は、基材に固着可能な着色剤を有するホットメ ルトインクを使用するステップを含むホットメルトインクジェットプリントを特 徴とする。着色剤は、インクが液体であるときには実質的にインクに可溶である が、インクが固化するときには該インクに比較的不溶である。基材の表面にプリ ント後インクが固化するとき、十分な量の着色剤がインクから基材表面に移行し て基材表面に固着し、そこに実質的に不変の判読可能な色を付与する。 ここで用いられる基材表面への「固着」とは、基材表面上にインク下において 実質的に不変の色が得られるように、着色剤が基材の材料に（たとえば、水素結 合、イオン結合、酸−塩基相互作用、ファンデルワールス力、ロンドン分散等に より）着座することを意味する。 ここで用いられる「実質的に不変の」色とは、インク媒体（およびインク媒体 中に含まれ基材表面に固着しなかった成分）がプリント後３ヶ月以内に基材から こすり取られた後、暗所に周囲条件下に保管される少なくとも６ヶ月間（好まし くは少なくとも１年間）、その色が（たとえば、フェザーリングから）分解能を それほど失わないことを意味する。周囲条件とは、たとえば、常温（２２℃〜２ ５℃）および大気圧である。 ここで用いられる「判読可能な色」とは、通常の視力をもつ人が通常の光条件 下で一義的に判読できる色を意味する。 他の形態においては、本発明は、実質的に不変の判読可能な色徴を有するプリ ントされた製品を特徴とする。該製品は、基材と、該基材の表面上にインクマー ク徴を画成する固体インクを有する。インクは着色剤を有し、製品は、さらに、 基材表面に固着されて一般にインクマーク徴に対応する実質的に不変の判読可能 な色徴を付与する十分な量の着色剤を有する。 他の形態においては、本発明は、周囲温度では固体であるが昇温により溶融す るホットメルトインク組成物を特徴とする。ホットメルトインクは、媒体と、イ ンクが液体であるときには実質的に該インクに可溶であるが周囲条件のインクに は比較的不溶である着色剤とを有している。インクがポリアミド表面に噴射され た場合に、十分な量の着色剤が基材表面に移行し固着して実質的に不変の判読可 能な色を付与する。 他の形態においては、本発明は、液体インクを表面にプリントするステップを 含むプリント方法を特徴とする。インクは媒体と着色剤を含み、その着色剤は液 体インク中に実質的に溶解されている。この方法は、さらに、表面上でのインク の固化ステップを含む。固化は、インクがたとえばホットメルトインクである場 合には、液体インクの冷却ステップを含んでいてもよく、また、インクが、たと えば紫外線、熱、および／または他の硬化に必要な添加剤により硬化可能なモノ マーやプレポリマーを含む場合には、液体インクの硬化ステップを含んでいても よい。着色剤は、インクから表面に移行し該表面に固着して比較的不変の判読可 能なマークを付与する。 他の形態においては、本発明は、オイル可溶アントラキノン染料と、該染料が 周囲条件で比較的不溶な非極性のワックス媒体とを有するホットメルトインク組 成物を特徴とする。 他の形態においては、本発明は、製品を包装するのに用いられる包装材（たと えば、ラッピング材）の表面上に、または製品自身の表面上にコード符号（たと えば、日付、場所、ロット番号等）をマークする方法を特徴とする。この方法は 、液体インクを該表面上にコード符号の形態でプリントするステップを含む。イ ンクは媒体と実質的に液体インク中に溶解されている着色剤とを有している。イ ンクは、該表面上に吸着し固化する。着色剤は、固化されたインクに比較的不溶 であり、該着色剤は該表面上に一般にコード符号に対応する実質的に不変の判読 可能な色を付与する。 基材上に実質的に不変の判読可能な色を付与することのできるインクは、特殊 な基材表面に固着する着色剤を選択すること、および、インクが固化するときそ の着色剤が比較的不溶である媒体を選択することにより、設計できる。表面は、 たとえば、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリエステル、アイオノマー、エチ レン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩 化ビニリデン／アクリロニトリル、ポリスチレン、アクリレート、ポリプロピレ ン、ポリエチレンまたはこれらの混合物から形成すればよい。インクは、固化に 際し低い収縮を呈し、ぬぐい去られなければ、高解像度で鮮明な画像を付与する 。 本発明の他の特徴および効果は、望ましい実施態様および請求の範囲の記述か ら明らかになるであろう。 望ましい実施の態様 好ましいインクは、ワックス媒体、酸化防止剤および着色剤を含むホットメル トインクである。インクは、好ましくは、少なくとも１０５℃の温度で、好まし くは１１５℃〜１６５℃にて、より好ましくは１３０℃〜１４０℃にて、少なく とも５ｃｐｓ、好ましくは少なくとも１０ｃｐｓ、より好ましくは１５ｃｐｓ〜 ２５ｃｐｓの溶融粘度を有する。 ワックス媒体は、着色剤の搬送体である。代表的には、このワックス媒体は、 インクに適当な融点、耐久性、柔軟性、基材接着性等を付与するワックスのブレ ンドを含有する。好ましくは、このワックス媒体は、インクジェットプリンター が作動する温度よりも一般に低い融点を有する。インクは、好ましくは、重量比 で約５０％〜約９８％の間のワックス媒体を含む。 ワックスの例として、ステアリン酸、ラウリル酸、線状ポリエチレン、ベヘン 酸、ステアロン、カルナウバワックス、微晶ロウ、パラフィンワックス、ポリエ チレンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、フィッシャー−ト ロプシュワックス、ビスアミドワックス、アミドワックス、水素添加キャスター 油、合成エステルワックス、酸化ポリエチレンワックス、オレアミド、ステアラ ミド、エルカミド、グリセロールエステル、塩素化ワックス、ウレタン変成ワッ クス、およびその他の合成および天然ワックスが挙げられる。 ワックス媒体は、インクの他の成分の特性を考慮して、着色剤が溶融インクに は可溶であるが固化したインクには比較的不溶となるように選定される。一般法 則として、極性の着色剤は固化した非極性の媒体に不溶であり、非極性の着色剤 は固化した極性の媒体に不溶である。このように、着色剤が極性である場合には 、ワックス媒体は好ましくは実質的に非極性である。 酸化防止剤は、インク成分の酸化を阻止する。酸化を阻止するためには十分な 酸化防止剤が含有されるべきであるが、インクの他の特性に悪影響を及ぼさない ようあまり多量に含有されるべきでない。インクは、好ましくは、重量比で約０ ．１％と約５％の間の、より好ましくは約０．５％と約３％の間の酸化防止剤を 含有する。適切な酸化防止剤には、従来から用いられているもの、たとえば、ジ ブチルヒドロキシトルエン化合物が含まれる。 着色剤は、インクが基材にプリントされる際には該基材に実質的に不変の不透 明の色を付与する。着色剤は、インクが使用されるべき基材材料に固着しなけら ばならない。好ましい着色剤として、基材表面への固着が可能な基を有するオイ ル可溶アントラキノン（たとえば、ニトロファストブルー２Ｂ）のような染料が 挙げられる。インクは、インクが適切な色を有し、かつ、適切な着色剤が固化イ ンクから基材表面に移行可能なように、十分な量の着色剤を含むべきである。好 ましくはインクは重量比で約０．１％から約１０％の間の、より好ましくは約１ ％から約３％の間の着色剤を含有する。 インクは、場合によっては、樹脂や柔軟性付与剤／可塑剤のような従来の他の ホットメルトインク成分を含んでいてもよい。樹脂の例としては、脂肪族ハイド ロカーボン、芳香族ハイドロカーボン、エチレン酢酸ビニル、ロジン誘導体（ガ ム、タル油、木材ロジンを含む）、ポリアミド、およびその他の合成、天然樹脂 が挙げられる。柔軟性付与剤／可塑剤の例としては、芳香族スルホンアミド、フ タレート、酢酸塩、アジペート、アミド、アゼレート、エポキサイド、グルタレ ート、ラウレート、オレイト、セバセート、ステアレート、スルホネート、タレ ート、およびトリメリテートが挙げられる。望ましい特性を付与するために、十 分な量の随意の成分が含有される。 ホットメルトインクは一般に、ワックス媒体と酸化防止剤を混合し、この混合 物をその融点に加熱し、液化混合物が均一になるまでゆっくりと攪拌することに よって作製される。そして、着色剤が攪拌されながらその混合物に添加される。 その後、溶融インクは、サイズ１ミクロン以上の粒子を除くために濾過される。 ホットメルトインクは、”パラフィンＳＰワックス１３０／１３５”（ストラ ール・アンド・ピッシュから得ることが可能）２０部、”ポリワックス５００” （ペトロライトポリマーズから得ることが可能）３８部、”ＡＣ６１７”（アラ イドシグナルから得ることが可能）４２部、”イルガノックス１０１０”（チバ ガイギーから得ることが可能）１部、および”ニトロファストブルー２Ｂ”（サ ンドズから得ることが可能）１部を含有するように作製された。この”ＡＣ６１ ７”（１３５℃における粘度：３．８ｃｐｓ）もポリエチレンのホモポリマーで あり、上記”パラフィンＳＰワックス（１３５℃における粘度：３ｃｐｓ〜５ｃ ｐｓ）の脆性を低減する。 その他の実施の形態も、次の請求の範囲内である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．液体インクを非多孔質表面上に噴射し、該インクが前記非多孔質表面上に吸 着するとともに冷却されながら固化し、 前記インクは、該インクが液化されているときには実質的に該インク中に可溶 であるがインクが固化したときには実質的にインクに不溶となる着色剤を有し、 前記着色剤は、前記非多孔質表面に移行し固着して該非多孔質表面に比較的不 変の判読可能な色を付与する、 ホットメルト噴射インクプリント方法。 ２．前記表面が、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリエステル、アイオノマー 、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、 ポリ塩化ビニリデン／アクリロニトリル、ポリスチレン、アクリレート、ポリプ ロピレン、ポリエチレンまたはこれらの混合物からなる群から選ばれたポリマー からなる、請求項１のプリント方法。 ３．前記着色剤が染料からなる、請求項１のプリント方法。 ４．前記染料がオイル可溶アントラキノン染料からなる、請求項３のプリント方 法。 ５．前記インクがワックスを含む、請求項１のプリント方法。 ６．前記インクが酸化防止剤を含む、請求項１のプリント方法。 ７．前記インクが少なくとも１０５℃の温度で溶融する、請求項１のプリント方 法。 ８．前記インクが液化状態で少なくとも５ｃｐｓの粘度を有する、請求項１のプ リント方法。 ９．非多孔質表面を有する基材と、 着色剤を有し、前記非多孔質表面上にインクマーク徴を画成する固体インクと 、 前記非多孔質表面上に固着されて一般に前記インクマーク徴に対応する実質的 に不変の判読可能な色徴を付与する十分な量の着色剤と、 を有する、実質的に不変の色徴をもつ製品。 １０．前記表面が、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリエステル、アイオノマ ー、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン 、ポリ塩化ビニリデン／アクリロニトリル、ポリスチレン、アクリレート、ポリ プロピレン、ポリエチレンおよびこれらの混合物からなる群から選ばれたポリマ ーからなる、請求項９の製品。 １１．前記固体インクが昇温により溶融するホットメルトインクからなる、請求 項９の製品。 １２．前記ホットメルトインクが１０５℃よりも高い温度で溶融する、請求項１ １の製品。 １３．前記ホットメルトインクがワックスを含む、請求項１１の製品。 １４．前記ホットメルトインクが酸化防止剤を含む、請求項１１の製品。 １５．前記着色剤は、前記ホットメルトインクが液体であるときには実質的に該 インク中に可溶であるが前記インクが固化されているときには比較的該インクに 不溶である、請求項１１の製品。 １６．前記着色剤は、前記インクが固化されているときには比較的該インクに不 溶である、請求項９の製品。 １７．前記着色剤が染料からなる、、請求項９の製品。 １８．前記染料がオイル可溶アントラキノン染料からなる、請求項１７の製品。 １９．前記色徴が印刷された符号であり、前記判読可能な色徴もその符号である 、請求項９の製品。 ２０．周囲温度では固体であるが昇温により溶融し、インクジェットプリントの 使用に適したホットメルトインク組成物であって、該インク組成物は、媒体と、 前記昇温条件では実質的にインクに可溶であるが周囲条件では比較的インクに不 溶である着色剤とを有し、該着色剤は、前記インク組成物がポリアミド表面に小 滴として噴射された場合に、ポリアミド表面を有するポリプロピレンフィルムに 移行し固着して実質的に不変の判読可能な色を付与する、ホットメルトインク組 成物。 ２１．前記着色剤が染料からなる、請求項２０のホットメルトインク組成物。 ２２．前記染料がオイル可溶アントラキニノン染料からなる、請求項２１のホッ トメルトインク組成物。 ２３．前記媒体がワックスからなる、請求項２０のホットメルトインク組成物。 ２４．前記ホットメルトインク組成物が少なくとも１０５℃の温度で溶融する、 請求項２０のホットメルトインク組成物。 ２５．液体インクを非多孔質表面上にプリントし、該液体インクは前記非多孔質 表面上に吸着し、前記インクは媒体と着色剤を有し、該着色剤は実質的に前記液 体インク中に溶解されており、 前記インクを前記非多孔質表面上で固化させ、前記着色剤は固化されたインク に比較的不溶であり、前記着色剤は前記非多孔質表面に移行し固着して実質的に 不変の判読可能な色を付与する、 プリント方法。 ２６．前記表面が極性である、請求項２５のプリント方法。 ２７．前記表面が非極性である、請求項２５のプリント方法。 ２８．前記表面が、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリエステル、アイオノマ ー、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン 、ポリ塩化ビニリデン／アクリロニトリル、ポリスチレン、アクリレート、ポリ プロピレン、ポリエチレンまたはこれらの混合物からなる群から選ばれたポリマ ーからなる、請求項２５のプリント方法。 ２９．前記液体インクがインクジェットプリンターを用いて前記表面上にプリン トされる、請求項２５のプリント方法。 ３０．オイル可溶アントラキノン染料と、周囲条件で前記オイル可溶アントラキ ノン染料が実質的に不溶である非極性のワックス媒体とを有するホットメルトイ ンク組成物。 ３１．製品を包装するのに用いられる包装材の表面上に、または製品の表面上に コード符号をマークする方法であって、 液体インクを前記表面上にコード符号の形態でプリントし、前記インクは媒体 と着色剤を有し、該着色剤は実質的に前記液体インク中に溶解されており、 前記インクを前記表面上に吸着させて固化し、前記着色剤は固化されたインク に比較的不溶であり、前記着色剤は前記表面上に前記コード符号に対応する実質 的に不変の判読可能な色を付与する、 マーキング方法。 ３２．前記符号が日付からなる、請求項３１の方法。 ３３．前記符号が製造場所からなる、請求項３１の方法。 ３４．前記符号がロット番号からなる、請求項３１の方法。 ３５．前記符号が図形からなる、請求項３１の方法。 ３６．前記符号が製品表示からなる、請求項３１の方法。 ３７．前記包装材の表面が、ポリアミド、ニトロセルロース、ポリエステル、ア イオノマー、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリ塩化ビ ニリデン、ポリ塩化ビニリデン／アクリロニトリル、ポリスチレン、アクリレー ト、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはこれらの混合物からなる群から選ばれ たポリマーからなる、請求項３１の方法。 ３８．前記製品が食品からなる、請求項３１の方法。