JPH11351338A - 潤滑油の保持に優れたチェーン - Google Patents

潤滑油の保持に優れたチェーン

Info

Publication number
JPH11351338A
JPH11351338A JP16531098A JP16531098A JPH11351338A JP H11351338 A JPH11351338 A JP H11351338A JP 16531098 A JP16531098 A JP 16531098A JP 16531098 A JP16531098 A JP 16531098A JP H11351338 A JPH11351338 A JP H11351338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bush
lubricating oil
chain
roller
hygroscopic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16531098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3280312B2 (ja
Inventor
Masaru Morimoto
優 森本
Doshaame Leon
レオン・ドウシャーメ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsubakimoto Chain Co
US Tsubaki Inc
Original Assignee
Tsubakimoto Chain Co
US Tsubaki Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsubakimoto Chain Co, US Tsubaki Inc filed Critical Tsubakimoto Chain Co
Priority to JP16531098A priority Critical patent/JP3280312B2/ja
Publication of JPH11351338A publication Critical patent/JPH11351338A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3280312B2 publication Critical patent/JP3280312B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chain Conveyers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブシュとピンの間やブシュとローラの間の潤
滑油の漏れ出しを防止して、その潤滑油を保持すること
ができるチェーンを提供すること。 【解決手段】 チェーン10は、N個の内リンク組立体
20及びN個の外リンク組立体30が交互に連結されて
なる。内リンク組立体20は、平行に離間する一対の内
プレート21,21と、その前後端に圧嵌された中空円
筒状のブシュ22,22とを有する。外リンク組立体3
0は、平行に離間する一対の外プレート31,31と、
その前後端に圧嵌されたピン32,32とを有する。ブ
シュ22の周囲には、スプロケットに噛み合うローラ2
3が回転自在に設けられている。ブシュ22とローラ2
3の間の潤滑油を保持するために、潤滑油が漏れ出す経
路に吸湿材11を設けている。吸湿材11は、ピン32
とブシュ22の間の潤滑油を保持するために、ブシュ2
2のそれぞれの端面を取り囲むように内プレート21と
外プレート31との間に設けられている。吸湿材11
は、内プレート21又は外プレート31に接着されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピンとブシュとの
間、ブシュとローラとの間に潤滑油を保持できるように
したチェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチェーン、例えば、実開昭56−
71545号公報に記載される動力伝動用のローラチェ
ーンは、平行に離間する一対の内プレートと、その前後
端に圧嵌された中空円筒状のブシュとを有する内リンク
組立体と、平行に離間する一対の外プレートと、その前
後端に圧嵌されたピンとを有する外リンク組立体とが交
互に連結されてなる。また、それぞれのブシュの周囲に
はスプロケットに噛み合うローラが設けられている。こ
のようなチェーンでは、ブシュとピンとの間が滑り接触
となる。また、ブシュとローラとの間が滑り接触とな
る。そのため、ブシュとピンの間、及び、ブシュとロー
ラの間に、潤滑油が塗布されたり、充填されたりしてい
る。この潤滑油がチェーンの運転中に漏れだすと、ブシ
ュとピンの間、及び、ブシュとローラの間で、潤滑油不
足により急激な摩耗が発生する。前記公報記載のローラ
チェーンでは、内プレートと外プレートの対向面間にブ
シュの端面に接触するように弾性体のOリングが圧縮さ
れて設けられている。また、ブシュの外側面とローラの
内周面又は端面との間に弾性体のOリングが圧縮されて
設けられている。これらのOリングは、ブシュとピンの
間、及び、ブシュとローラの間の潤滑油が外部に漏れだ
すことを防止する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、潤滑油を保
持するために、Oリングが内プレートと外プレートとの
間で圧縮され、又は、ブシュとローラとの間で圧縮され
る。そのため、Oリングの圧縮力が大きいと、チェーン
の屈曲運動によってOリングは早期に摩耗して潤滑油を
保持することができなくなり、ブシュとピンの間、及
び、ブシュとローラの間で、摩耗が進行する。一方、O
リングの圧縮力が小さいと、潤滑油を保持する機能が低
下する。そのため、潤滑油がブシュとピンの間、及び、
ブシュとローラの間から漏れ出しやすく、潤滑不良を生
じる。また、Oリングの圧縮力が大きいと、チェーンの
屈曲運動に対する抵抗や、ローラの回転抵抗が大きくな
り、チェーンの運転時に動力の伝動ロスが大きくなる。
従って、内プレートと外プレートとの対向面間の隙間、
及び、ブシュの外周面とローラの内周面との間の隙間を
厳密に管理して、Oリングに適切な圧縮力が与えられる
ようにしなければならない。このため、各部品の寸法精
度を向上させなければならず、しかも、各部品の組立精
度を向上させなければならない。
【0004】本発明の目的は、ブシュとピンの間やブシ
ュとローラの間の潤滑油の漏れ出しを防止し、且つ、そ
の潤滑油を保持することができるチェーンを提供するこ
とである。本発明の他の目的は、チェーンの屈曲運動が
良好な状態で、ブシュとピンの間やブシュとローラの間
で潤滑油を保持できるチェーンを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、チェーンを構成する各部品
の製造及びこれらの部品の組立が容易で、ブシュとピン
の間やブシュとローラの間で潤滑油を保持できるチェー
ンを提供することである。本発明のさらに他の目的は、
ブシュとピンの間やブシュとローラの間に潤滑油を補給
することができるチェーンを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のリンク
組立体が連結されてなるチェーンであって、隣合うリン
ク組立体の一方が、前記チェーンの長手方向と直交する
方向に離間する第1の一対のプレートと、該第1の一対
のプレートに圧嵌された中空円筒状ブシュとを有し、前
記隣合うリンク組立体の他方が、前記第1の一対のプレ
ートの外側で前記チェーンの長手方向と直交する方向に
離間する第2の一対のプレートと、前記ブシュを貫通し
て該第2の一対のプレートに圧嵌されたピンとを有し、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとの対向面の
間に、前記ブシュと前記ピンの間の潤滑油を保持する吸
湿材を配設したチェーンを提供する。吸湿材は、フェル
ト、不織布又はスポンジであることが好ましい。これに
より、吸湿材は、潤滑油の吸収及び補給ができる。ま
た、これらの材質は、変形性が大きく、且つ、復元力が
小さく、チェーンに寸法誤差がある場合でも、チェーン
の屈曲抵抗を大きくすることなく、潤滑油の漏出経路に
おいて潤滑油を保持することができる。吸湿材に予め潤
滑油が含浸されていることが好ましい。これにより、チ
ェーン内に大量の潤滑油を保持させておくことができ、
長期に亘りチェーンに潤滑油を供給することができる。
必要に応じ、吸湿材が前記対向面の一方に接着されてい
ることが好ましい。吸湿材を予め内プレート又は外プレ
ートに接着しておくことにより、吸湿材を内プレート又
は外プレートに位置決めでき、吸湿材を別部品として組
み立てる必要がなく製造が容易である。そして、前記第
1の一対のプレートが内プレートであり、前記第2の一
対のプレートが外プレートであり、前記外プレートの内
側面に前記ブシュを囲繞する空間を残して吸湿材が接着
されていることが好ましい。また、前記ブシュが焼結金
属からなり、前記ブシュに潤滑油が含浸されていること
が好ましい。吸湿材に潤滑油を含浸させることに加え
て、焼結金属のブシュに潤滑油を含浸させておくことに
より、さらに大量の潤滑油をチェーン内に保持させてお
くことができ、チェーンの摩耗寿命が向上する。
【0006】本発明は、さらに、複数のリンク組立体が
連結されてなるチェーンであって、隣合うリンク組立体
の一方が、前記チェーンの長手方向と直交する方向に離
間する第1の一対のプレートと、該第1の一対のプレー
トに圧嵌された中空円筒状ブシュとを有し、前記隣合う
リンク組立体の他方が、前記第1の一対のプレートの外
側で前記チェーンの長手方向と直交する方向に離間する
第2の一対のプレートと、前記ブシュを貫通して該第2
の一対のプレートに圧嵌されたピンとを有し、前記ブシ
ュの周囲にローラが設けられており、前記第1の一対の
プレートの内側に、前記ローラに接触させた状態又は非
接触の状態で前記ブシュと前記ローラの間の潤滑油を保
持する吸湿材を配設したチェーンを提供する。このチェ
ーンによると、ブシュとローラの間に塗布又は充填され
た潤滑油を吸湿材によって保持しておくことができる。
また、前述のピンとブシュの間に塗布又は充填された潤
滑油を吸湿材によって保持しておくチェーンと併用する
ことで、チェーンの寿命を一層を向上させることができ
る。1つの実施形態のチェーンでは、吸湿材は第1の一
対のプレートに接着され、そのプレートの内側で対峙し
ている。そして、吸湿材はローラの外周面に接触して、
ブシュとローラの間の潤滑油を保持する。他の実施形態
のチェーンでは、ローラがその両端部の内周面に一対の
環状段部を有し、前記吸湿材が前記環状段部に配設され
ている。吸湿材は、ブシュとローラの間の潤滑油の漏出
経路を塞ぐように、ブシュとローラとに接触する。又
は、吸湿材は、ブシュとローラの間の潤滑油の漏出経路
を塞ぐように、第1の一対のプレートとローラとに接触
する。特に、ローラの厚みより薄く、ローラの端面から
突出し、第1の一対のプレートの内側に接触する吸湿材
を用いることが好ましい。こうすることにより、ローラ
をブシュに装着することが容易であり、しかも、潤滑油
を確実に保持でき、チェーンの運転時に動力の伝動ロス
が小さくなる。なお、この実施形態のチェーンでは、吸
湿材をチェーン部品に接着する必要がない。従って、チ
ェーンの組み立てが容易である。
【0007】
【実施例】図1は本発明が適用されるチェーンの斜視図
である。本発明の対象となるチェーン10は、多数のリ
ンク組立体が環状に連結されてなる。図1に示されたチ
ェーン10は、鎖線内に示された部分を除き、N個の内
リンク組立体20及びN個の外リンク組立体30が交互
に連結されてなる。鎖線内に示されたリンク40は、チ
ェーン全長を調節するためのオフセットリンク組立体で
ある。また、チェーンは、複数のオフセットリンク組立
体が連結されて構成されるものもある。内リンク組立体
20は、平行に離間する一対の内プレート21,21
と、その前後端に圧嵌された中空円筒状のブシュ22,
22とを有する。外リンク組立体30は、平行に離間す
る一対の外プレート31,31と、その前後端に圧嵌さ
れたピン32,32とを有する。外リンク組立体30の
ピン32は内リンク組立体20のブシュ22内を貫通し
ており、これにより、それぞれのリンク組立体は交互に
連結される。また、それぞれのブシュ22の周囲には、
スプロケットに噛み合うローラ23が回転自在に設けら
れている。ピン32とブシュ22の間、ブシュ22とロ
ーラ23の間は滑り接触となるので、これらの間に潤滑
油が塗布又は充填されている。このうち、ブシュ22は
潤滑油の保持力を良好に保つために焼結金属から製造さ
れている。
【0008】さらに、本発明では、ピン32とブシュ2
2の間の潤滑油を保持するために、及び、ブシュ22と
ローラ23の間の潤滑油を保持するために、潤滑油が漏
れ出す経路に吸湿材11を設けている。図2に示す吸湿
材11は、ピン32とブシュ22の間の潤滑油を保持す
るために、ブシュ22のそれぞれの端面を取り囲むよう
に内プレート21と外プレート31との間に設けられて
いる。吸湿材11は、内プレート21又は外プレート3
1に接着されており、内プレート21と外プレート31
との間の隙間に略等しい厚みである。ブシュ22は内プ
レート21の外側面より突出しており、内リンク組立体
20が外リンク組立体30の間でチェーン10の長手方
向の直交する方向に移動しても、吸湿材11が存在でき
る隙間が確保されている。
【0009】吸湿材11は、フェルトが好ましい。フェ
ルトの例として、羊毛製フェルトや、合成繊維製フェル
トがある。合成繊維製フェルトについては、耐油性及び
耐熱性に優れたナイロン製フェルトやPTFE製(テフ
ロン製)フェルトが好ましい。また、フェルトの他に、
不織布やスポンジのような変形量が大きく復元力が小さ
い吸湿材を利用することができる。フェルト等を内プレ
ート又は外プレートに接着するには、合成ゴム系、又
は、酢酸ビニル樹脂エマルジョンなどの接着剤を利用
し、中でも、比較的粘度が高くフェルトに浸透しない程
度の粘度の接着剤を利用することが好ましい。
【0010】このような吸湿材を潤滑油が漏れ出す経路
に設けることにより、例えば、ピン32とブシュ22の
間の潤滑油が内プレート21と外プレート31との間か
ら外部へ漏れ出そうとすると、潤滑油は吸湿材11に吸
収されてチェーン外部に漏れ出すことが防止される。吸
湿材を潤滑油が漏れ出す経路に設けることにより、この
吸湿材は、潤滑油を内部に保持するだけでなく、滑り接
触となる部分に外部から異物が侵入することを防止す
る。吸湿材のシール機能により、塵埃の多い劣悪な雰囲
気でチェーンを使用する場合、チェーンの寿命の向上を
図ることができる。また、フェルトのように圧縮自在な
繊維を利用することで、潤滑油の吸収機能の他に、チェ
ーンの屈曲抵抗を低く維持することができる。すなわ
ち、フェルトは、それを圧縮せずとも潤滑油を保持する
機能を有することに加えて、復元力も小さいことからチ
ェーンの屈曲抵抗にも悪影響を及ぼさない。従って、O
リング等を利用して潤滑油を保持する場合に比べて、内
プレート21と外プレート31の隙間の許容差が大き
く、チェーンの各部品を、必要以上に高精度に製造した
り、高精度に組み立てたりすることなく、潤滑油を必要
な部分に保持させておくことができる。
【0011】また、吸湿材11に予め潤滑油を含浸させ
ておくことが好ましい。潤滑油を含浸した吸湿材11
は、ピン32とブシュ22の間に潤滑油不足が生じたと
き、含浸している潤滑油をピン32とブシュ22の間に
補給するように機能し、潤滑油切れによるチェーンの急
激な摩耗を抑制する。特に、ブシュ22が焼結金属から
なる場合、吸湿材11からブシュ22に潤滑油を補給す
ることができ、潤滑油切れによるチェーンの摩耗を抑制
することができる。
【0012】図3及び図4は、例えば、外プレートに吸
湿材を設ける場合の実施例を示している。図3は、ピン
孔33と同心上に吸湿材11を外プレート31に接着し
た例である。チェーンが組み立てられた場合、吸湿材1
1はブシュの周囲を囲繞して、ピンとブシュの間に塗布
又は充填された潤滑油の漏出経路を塞ぐ。図4は、ブシ
ュが配置される空間を残した一枚の吸湿材12を外プレ
ート31に接着した例である。図3の吸湿材と同様に、
同図の吸湿材12も、ピンとブシュの間に塗布又は充填
された潤滑油の漏出経路を塞ぐが、図4の吸湿材の方
が、部品点数が少なくなり、成形性及び組立性に優れて
いる。チェーンの組立前の状態において、このように吸
湿材を内プレート又は外プレートに接着することによ
り、吸湿材を位置決めしながらチェーンを組み立てる必
要がなく、チェーンの組立性が向上する。
【0013】図5は、ブシュ22とローラ23との間の
潤滑油を保持するために、ローラ23のそれぞれの端面
を取り囲むように内プレート21の内側面に吸湿材13
が対峙突出するように接着されている。吸湿材13は、
内プレート21の両端においてそれぞれが独立してロー
ラ23を取り囲むような一対の吸湿材でもよく、内プレ
ート21の内側面全面に接着されて、ローラ23が配置
される空間を残した一枚の吸着材でもよい。吸湿材13
はローラ23と非接触状態にあり、ブシュ22とローラ
23の間から潤滑油が漏れ出すと、ローラ23の外周面
と吸湿材13の内周面との間に達した潤滑油は、吸湿材
13により吸収されて保持される。また、ローラ23の
両端面にフェルト製等の復元性の吸湿材を接着したり、
ローラの両端面に対向する内プレート21の内側面にフ
ェルト製等の復元性の吸湿材を接着したりしてもよい。
【0014】図6は、ブシュ22’とローラ23’との
間の潤滑油を保持するための他の実施例を示している。
ローラ23’は、両端部の内周面に、吸湿材14の全部
又は一部を収納するための環状段部24を有する。吸湿
材14は、内プレート21’、ブシュ22’、及び、ロ
ーラ23’で区画される空間と略同じ断面形状を有して
おり、それぞれの部材に接触している。そして、吸湿材
14を環状段部24に配設するだけで、吸湿材14をい
ずれかの部材に接着させることなく、チェーンを組み立
てることができる。なお、吸湿材14を、ブシュ22’
に接触させることなく、ローラ23’に保持した状態で
内プレート21’に接触させておくことが好ましい。ま
た、ローラ23’は、内プレート21’の間隔より短
く、吸湿材14をローラ23’の端面から突出させてお
くことが好ましい。こうすることにより、ローラ23’
が軸方向に移動しても、ローラ23’の端面が内プレー
ト21’の内側面に接するので、吸湿材14は環状段部
24内に没入して大きな変形を生じることがない。ま
た、吸湿材14は内プレート21’に軸方向で接触する
ので、摩擦による伝動ロスが極小となり、チェーンの伝
動ロスを著しく軽減する構造となる。
【0015】以上の実施例では、内プレートと外プレー
トとの間に吸湿材を設けた例、内プレートの内側に吸湿
材を設けた例をそれぞれ説明したが、ピンとブシュの間
とともにブシュとローラの間の潤滑油を保持するために
は、図2及び図5に例示した吸湿材をチェーンに両方設
けることが好ましい。
【0016】
【発明の効果】以上のように、フェルトのような吸湿材
を利用してチェーンにおける潤滑油の漏出経路を塞ぐこ
とにより、潤滑油が漏れだしたときには、吸湿材がその
潤滑油を吸収して、例えば、ピンとブシュとの間に潤滑
油を保持してチェーンの屈曲運動を長期に亘り維持す
る。ピンとブシュの間の潤滑油が枯渇しそうなときは、
吸湿材から潤滑油が補給され、ピンとブシュの間の急激
な摩耗を防止できる。フェルトのように変形量が大きく
復元力が小さい吸湿材を利用することにより、内プレー
トと外プレートの厳密な隙間管理が不要となり、チェー
ンの各部品に多少の製作誤差があってもフェルトが収縮
して潤滑油の漏出経路を塞ぐ。また、フェルトを圧縮し
てもそのフェルトは復元力が小さいので、チェーンの屈
曲抵抗が大きくなることもなく、チェーンの伝動ロスも
小である。フェルトはそれ自体が多孔性であり、潤滑油
の吸収機能を有するので、非接触状態で内プレート又は
外プレートに設けても、その潤滑油は触れるだけでフェ
ルトに吸収される。そして、予めフェルトに潤滑油を含
浸させておくことで、ピンとブシュの間に潤滑油を単に
塗布又は充填する場合に比べて大量の潤滑油をチェーン
に供給できる状態になり、摩耗寿命を大幅に向上させる
ことができる。さらに、ブシュが焼結金属からなる場
合、吸湿材からブシュを通じてピンとブシュの間に潤滑
油を補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるチェーンの分解斜視図。
【図2】 組み立てられたチェーンにおけるピンの中心
線を含む断面図。
【図3】 吸湿材を接着した外プレートの正面図。
【図4】 他の吸湿材を接着した外プレートの正面図。
【図5】 組み立てられた他のチェーンにおけるピンの
中心線を含む断面図。
【図6】 組み立てられたさらに他のチェーンにおける
ピンの中心線を含む断面図。
【符号の説明】
10 チェーン 11,12,13,14 吸湿材 20 内リンク組立体 21,21’ 内プレート 22,22’ ブシュ 23,23’ ローラ 24 環状段部 30 外リンク組立体 31 外プレート 32 ピン 33 ピン孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 595164202 301 E. Marquardt Dri ve, Wheeling, IL 60090, U.S.A. (72)発明者 森本 優 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 (72)発明者 レオン・ドウシャーメ アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01040−1308 ホーリーオーク、セントラ ル・パーク・ドライブ 166

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のリンク組立体が連結されてなるチ
    ェーンであって、 隣合うリンク組立体の一方が、前記チェーンの長手方向
    と直交する方向に離間する第1の一対のプレートと、該
    第1の一対のプレートに圧嵌された中空円筒状ブシュと
    を有し、 前記隣合うリンク組立体の他方が、前記第1の一対のプ
    レートの外側で前記チェーンの長手方向と直交する方向
    に離間する第2の一対のプレートと、前記ブシュを貫通
    して該第2の一対のプレートに圧嵌されたピンとを有
    し、 前記第1のプレートと前記第2のプレートとの対向面の
    間に、前記ブシュと前記ピンの間の潤滑油を保持する吸
    湿材を配設した、チェーン。
  2. 【請求項2】 複数のリンク組立体が連結されてなるチ
    ェーンであって、 隣合うリンク組立体の一方が、前記チェーンの長手方向
    と直交する方向に離間する第1の一対のプレートと、該
    第1の一対のプレートに圧嵌された中空円筒状ブシュと
    を有し、 前記隣合うリンク組立体の他方が、前記第1の一対のプ
    レートの外側で前記チェーンの長手方向と直交する方向
    に離間する第2の一対のプレートと、前記ブシュを貫通
    して該第2の一対のプレートに圧嵌されたピンとを有
    し、 前記ブシュの周囲にローラが設けられており、 前記第1の一対のプレートの内側に、前記ブシュと前記
    ローラの間の潤滑油を保持する吸湿材を配設した、チェ
    ーン。
  3. 【請求項3】 前記吸湿材がフェルトである、第1項又
    は第2項のチェーン。
  4. 【請求項4】 前記吸湿材に予め潤滑油が含浸されてい
    る、第1項乃至第3項のいずれかに記載のチェーン。
  5. 【請求項5】 前記ブシュが焼結金属からなり、前記ブ
    シュに潤滑油が含浸されている、第1項乃至第4項のい
    ずれかに記載のチェーン。
JP16531098A 1998-06-12 1998-06-12 潤滑油の保持に優れたチェーン Expired - Lifetime JP3280312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16531098A JP3280312B2 (ja) 1998-06-12 1998-06-12 潤滑油の保持に優れたチェーン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16531098A JP3280312B2 (ja) 1998-06-12 1998-06-12 潤滑油の保持に優れたチェーン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11351338A true JPH11351338A (ja) 1999-12-24
JP3280312B2 JP3280312B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=15809911

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16531098A Expired - Lifetime JP3280312B2 (ja) 1998-06-12 1998-06-12 潤滑油の保持に優れたチェーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3280312B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009034784A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Tsubakimoto Chain Co. 潤滑油及び無給油チェーン
WO2009075131A1 (ja) * 2007-12-12 2009-06-18 Tsubakimoto Chain Co. チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン
WO2016031428A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 株式会社椿本チエイン チェーン
TWI550210B (zh) * 2015-07-01 2016-09-21 The pin of the chain, the manufacturing method of the pin and the chain of the chain Manufacturing method
CN108757836A (zh) * 2018-05-04 2018-11-06 泰兴市神力链条有限公司 一种防锈链条及其制造方法
DE102006051127B4 (de) 2005-12-20 2019-02-28 Tsubakimoto Chain Co. Feststoffgeschmierte ölfreie Kette
CN109442001A (zh) * 2018-11-21 2019-03-08 柯宁 一种利用离心力实现自动润滑调节的链条套筒

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006051127B4 (de) 2005-12-20 2019-02-28 Tsubakimoto Chain Co. Feststoffgeschmierte ölfreie Kette
WO2009034784A1 (ja) * 2007-09-13 2009-03-19 Tsubakimoto Chain Co. 潤滑油及び無給油チェーン
JP2009067895A (ja) * 2007-09-13 2009-04-02 Tsubakimoto Chain Co 潤滑油及び無給油チェーン
US8795112B2 (en) 2007-09-13 2014-08-05 Tsubakimoto Chain Co. Lubricant and oil-free chain
JP4480748B2 (ja) * 2007-09-13 2010-06-16 株式会社椿本チエイン 潤滑油及び無給油チェーン
CN101802153A (zh) * 2007-09-13 2010-08-11 株式会社椿本链条 润滑油及无油链条
CN101896587A (zh) * 2007-12-12 2010-11-24 株式会社椿本链条 链条用润滑剂组合物以及链条
US8771119B2 (en) 2007-12-12 2014-07-08 Tsubakimoto Chain Co. Lubricant composition for chains, and chain
JP2009144005A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Tsubakimoto Chain Co チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン
WO2009075131A1 (ja) * 2007-12-12 2009-06-18 Tsubakimoto Chain Co. チェーン用潤滑剤組成物及びチェーン
WO2016031428A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 株式会社椿本チエイン チェーン
US9964179B2 (en) 2014-08-29 2018-05-08 Tsubakimoto Chain Co. Chain
TWI550210B (zh) * 2015-07-01 2016-09-21 The pin of the chain, the manufacturing method of the pin and the chain of the chain Manufacturing method
CN108757836A (zh) * 2018-05-04 2018-11-06 泰兴市神力链条有限公司 一种防锈链条及其制造方法
CN109442001A (zh) * 2018-11-21 2019-03-08 柯宁 一种利用离心力实现自动润滑调节的链条套筒

Also Published As

Publication number Publication date
JP3280312B2 (ja) 2002-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100334471B1 (ko) 윤활유의 유지에 우수한 체인
TWI489044B (zh) A guide plate for a sports guide
JP3454502B2 (ja) 潤滑油供給装置及びこれを用いた転動体ねじ装置
JP4927564B2 (ja) 運動案内装置及び運動案内装置の潤滑方法
US6290394B1 (en) Linear motion guide unit with lubricating means
JP3280312B2 (ja) 潤滑油の保持に優れたチェーン
JP4035241B2 (ja) 潤滑装置を備えた直動案内ユニット
US20020134622A1 (en) Dust preventing structure of guide unit
US8251586B2 (en) Lubricating member for linear motion rolling guide unit and slider for linear motion rolling guide unit
JP3346029B2 (ja) リニアガイド装置のインナーシール付ボール保持器
JP2739452B2 (ja) 組立て型リニヤベアリング及びその組立て方法
JP2004084676A (ja) 摺動部材および密封装置
JP4274744B2 (ja) 潤滑油供給装置及びこれを用いた直線案内装置
WO2021008199A1 (zh) 运动引导装置以及在运动引导装置中使用的润滑路径部件
JP4086960B2 (ja) 直線運動装置の保護スクレーパ及び直線運動装置
JPH07158644A (ja) 軽量ミニアチュアリニアガイド装置
JP3105419B2 (ja) シールチェーン装置
JP4425612B2 (ja) ボールねじの潤滑シール装置
JP4515750B2 (ja) ボールねじの潤滑シール装置
JPH1019040A (ja) 直線案内装置
JPH10267134A (ja) 密封装置及び密封装置の製造方法
JPH11294453A (ja) 直線運動装置の防塵部材及び直線運動装置
JPS59190512A (ja) 動圧形すべり軸受装置
JP2009264438A (ja) チェーン
JP2005083429A (ja) シールチェーン

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080222

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term