JPH11351231A - 締結具および締結部保護装置 - Google Patents

締結具および締結部保護装置

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JPH11351231A
JPH11351231A JP17225898A JP17225898A JPH11351231A JP H11351231 A JPH11351231 A JP H11351231A JP 17225898 A JP17225898 A JP 17225898A JP 17225898 A JP17225898 A JP 17225898A JP H11351231 A JPH11351231 A JP H11351231A
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JP
Japan
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covering member
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cylinder
protruding
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JP17225898A
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Shigeo Okada
成生 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 故意に緩脱されることがない信頼性の高い締
結具を得る。 【解決手段】 対象物に取り付けられるべき連結ナット
72と、コインロックキー51の鍵操作と連動するカム
機構によって突出位置および引っ込み位置のいずれか一
方の位置を選択的にとり得るプッシュ金具62とを有す
る本体部2と、本体部2を被覆しているときに突出位置
にあるプッシュ金具62と係合することによって本体部
2から取り外されなくなり得る、本体部2のうち少なく
とも連結ナット72を被覆するガードシリンダ3とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト、ナットな
どの締結具および締結部保護装置に関し、締結具が故意
に緩脱されるのを防止するために用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】ビス、ボルトおよびナットなどの締結具
は、締結後、時間の経過に伴って次第に緩み、最後には
脱落してしまうことがある。こういった締結具の経時的
理由による緩脱を防止するための装置が、従来より多数
開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
緩脱防止装置は、人為的に締結具が緩脱されることに対
しては有効に機能しない。すなわち、従来の緩脱防止装
置は、例えばいたずらなどによってボルトやナットが故
意に緩脱されることに対しては無防備であるのが現状で
ある。特に近年は、鉄道や鉄塔といった大規模建造物に
用いられているボルトやナットが故意に緩められる事件
が頻発しており、かかる事件を未然に防止することが強
く要請されている。
【0004】そこで、本発明の目的は、故意に緩脱され
ることがない信頼性の高い締結具および締結部保護装置
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の締結具は、対象物に取り付けられる
べき締結部を有する本体部と、前記本体部の少なくとも
前記締結部を被覆するための被覆部材と、前記本体部が
前記被覆部材で被覆されているときに、前記本体部から
前記被覆部材が取り外されるのを選択的に禁止するため
の禁止手段とを備えている。
【0006】請求項1の締結具によると、本体部から被
覆部材が取り外されるのを選択的に禁止するための禁止
手段を備えているために、被覆部材が取り外されて締結
部が露出するのを選択的に禁止することができる。従っ
て、本体部の締結部と対象物との締結が解除されて本体
部が対象物から故意に緩脱されるのを防止することが可
能である。なお、本体部に設けられる締結部は、取り付
けられるべき対象物に応じて、ねじ、ビス或いはその他
公知の締結部のいずれであってもよい。また、禁止手段
としては、例えば鍵機構などの、本体部と被覆部材とを
選択的に係合させてこれらが相対的に動かないようにす
る装置が用いられてよい。
【0007】また、請求項2の締結具は、対象物に取り
付けられるべき締結部と、外部からの操作によって選択
的に動作する施錠動作部とを有する本体部と、前記本体
部を被覆しているときに前記施錠動作部と協働すること
によって、前記本体部から取り外されなくなり得る、前
記本体部の少なくとも前記締結部を被覆する被覆部材と
を備えている。
【0008】請求項2の締結具によると、外部からの操
作によって選択的に動作する施錠動作部を本体部が有し
ているので、施錠した際には、本体部から被覆部材が取
り外されなくなる。従って、正当な使用者以外によって
被覆部材が取り外されて締結部が露出することがない。
よって、本体部の締結部と対象物との締結が解除されて
本体部が対象物から故意に緩脱されるのを防止すること
が可能である。
【0009】また、請求項3の締結具は、対象物に取り
付けられるべきねじ部と、外部からの鍵操作によって突
出位置および引っ込み位置のいずれか一方の位置を選択
的にとり得る可動突出部とを有する本体部と、前記本体
部を被覆しているときに突出位置にある前記可動突出部
と係合することによって前記本体部から取り外されなく
なり得る、前記本体部の少なくとも前記ねじ部を被覆す
る被覆部材とを備えている。
【0010】請求項3の締結具によると、外部からの鍵
操作という簡易な操作によって、可動突出部を突出位置
として本体部から被覆部材が緩脱されないようにでき
る。従って、鍵を有する正当な使用者以外によって被覆
部材が取り外されてねじ部が露出することがない。よっ
て、本体部のねじ部が回されて本体部が対象物から故意
に緩脱されるのを防止することが可能である。なお、本
体部に設けられるねじ部は、取り付けられるべき対象物
に応じて、雄ねじまたは雌ねじのどちらでもよい。
【0011】また、請求項4の締結具は、前記可動突出
部が、前記鍵操作と連動するカム機構によって突出位置
および引っ込み位置のいずれか一方の位置をとる。
【0012】請求項4の締結具によると、カム機構とい
う比較的簡易な構造によって、可動突出部を突出位置ま
たは引っ込み位置に選択的に位置させることができる。
【0013】また、請求項5の締結具は、前記可動突出
部が弾性部材で外側に付勢されており、突出位置におい
ては前記弾性部材の弾性力に抗して押圧されることで強
制的に引っ込み位置となることが可能であり、前記被覆
部材の内面の所定範囲および前記可動突出部の突出端部
には、前記可動突出部が突出位置にあるときに、前記被
覆部材が前記本体部から取り外されない方向にだけ動く
ことを可能とする凹凸部が設けられている。
【0014】請求項5の締結具によると、可動突出部が
突出位置にあるときに、被覆部材が本体部から取り外さ
れない方向にだけ動くような凹凸部が被覆部材の内面の
所定範囲および可動突出部の突出端部に設けられている
ので、可動突出部が突出位置にあるときは被覆部材が本
体部から取り外されることがないとともに、被覆部材と
本体部とを上記所定範囲内の適切な位置において係合さ
せることができる。
【0015】また、請求項6の締結具は、前記本体部の
一端部側が、前記本体部の他端部側に設けられた前記ね
じ部とは独立して回動可能である。
【0016】請求項6の締結具によると、本体部の一端
部側が、本体部の他端部側に設けられたねじ部とは独立
して回動可能であることによって、被覆部材によって被
覆されていないことがある本体部の一端部側がたとえ回
動させられてもねじ部が回動することがない。よって、
本体部の一端部側を回動させることが可能な場合であっ
ても、本体部のねじ部が回されて本体部が対象物から故
意に緩脱されるのを防止することが可能である。
【0017】また、請求項7の締結部保護装置は、締結
部に接続されるべき接続部を有する本体部と、少なくと
も前記締結部を被覆するための被覆部材と、前記本体部
が前記被覆部材で被覆されているときに、前記本体部か
ら前記被覆部材が取り外されるのを選択的に禁止するた
めの禁止手段とを備えている。
【0018】請求項7の締結部保護装置によると、すで
に対象物に締結された締結部と接続部とが接続され、本
体部から被覆部材が取り外されるのを選択的に禁止する
ための禁止手段を備えているために、被覆部材が取り外
されて締結部が露出するのを選択的に禁止することがで
きる。従って、締結部と対象物との締結が解除されて締
結部の締結部材が故意に緩脱されるのを防止することが
可能である。なお、締結部は、取り付けられるべき対象
物に応じて、ねじ、ビス或いはその他公知の締結部のい
ずれであってもよい。また、接続部は、締結部から容易
に取り外すことができないような手段(例えば、ねじ、
ビス、接着剤など)で締結部と接続されることが好まし
い。禁止手段としては、例えば鍵機構などの、本体部と
被覆部材とを選択的に係合させてこれらが相対的に動か
ないようにする装置が用いられてよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照しつつ説明する。
【0020】図1は、本発明の一実施の形態による締結
具の斜視図であり、図2は図1に示された締結具の分解
斜視図である。図3は図1の締結具の断面図である。図
4は、図2に示された上段部5を下方斜めから見た斜視
図である。図5は、図2に示されたアクションシリンダ
とこれに取り付けられる部品とを示す図であって、
(a)は斜視図、(b)は側面図である。図6は、図1
に示されたガードシリンダの断面図である。
【0021】図1〜図3に示すように、本実施の形態の
締結具1は、本体部2と、被覆部材としてのガードシリ
ンダ3と、防塵キャップ4とから構成されている。以
下、詳述するように、本体部2には、締結対象物に取り
付けられるべき締結部としての雌ねじ72a(ねじ部)
が設けられているとともに、外部からの鍵操作によって
突出位置および引っ込み位置のいずれか一方の位置を選
択的にとり得る可動突出部としてのプッシュ金具62が
設けられている。また、ガードシリンダ3は、本体部2
の雌ねじ72aおよびその近傍を被覆するものであっ
て、本体部2を被覆しているときに突出位置にあるプッ
シュ金具62と係合することによって本体部2から取り
外されなくなり得る。また、防塵キャップ4は、ガード
シリンダ3の上側端部に装着されることによって、本体
部2に埃塵や水などが侵入しないようにするという機能
を有している。本実施の形態において、本体部2および
ガードシリンダ3は例えばステンレス、アルミニウムや
真鍮などの金属材料で構成されていることが好ましく、
防塵キャップ4は軟質の塩化ビニール樹脂などで構成さ
れていることが好ましい。
【0022】図2〜図4に示すように、本体部2は、上
段部5と中段部6と下段部7とから構成されている。上
段部5は、ロック解除キー(図示せず)が差し込まれる
コインロックキー51と、コインロックキー51を支持
するキーシリンダ52と、コインロックキー51に差し
込まれたロック解除キーの回動と連動して回動可能なキ
ー操作プレート53とを備えている。キーシリンダ52
の下方には、一対の切り込み部52a、52bが設けら
れている。
【0023】キー操作プレート53は、キーシリンダ5
2の下面側に取り付けられており、プレート53の中心
58について点対称である一対の開口部53a、53b
を有している。各開口部53a、53bは、中心58か
ら等距離にある同一円周上の内周辺55と、中心58か
らの距離が一端側では内周辺55に等しく、他端側に向
かうにつれて次第に大きくなっていく外周辺54と、外
周辺54の他端側において外周辺54と内周辺55とを
結ぶ結合辺56とを有するほぼ三角形状をしている。後
述するように、締結具1は、開口部53a、53bの内
周辺55と外周辺54との交点が切り込み部52a、5
2bと対応した位置にあるときに開錠状態であり、開口
部53a、53bの結合辺56が切り込み部52a、5
2bと対応した位置にあるときに施錠状態である。
【0024】図2、図3および図5(a)、(b)に示
すように、中段部6は、アクションシリンダ61と、ア
クションシリンダ61に設けられた断面台形形状の溝部
61a内に配置される一対のプッシュ金具62とを有し
ている。アクションシリンダ61は、プッシュ金具62
が切り込み部52a、52bの位置とそれぞれ対応する
ように、その上側部分がキーシリンダ52の下方に嵌合
されている。また、各プッシュ金具62の上面からは、
円柱形のガイドピン63が上方に突出している。各ガイ
ドピン63は、キー操作プレート53の開口部53a、
53bにそれぞれ嵌入されている。また、一対のプッシ
ュ金具62の間には2本のばね64が配置されており、
これらのばね64はプッシュ金具62の対向面に設けら
れた円柱形のばね支持部62aにそれぞれ挿入されてい
る。このように、プッシュ金具62は、ばね64によっ
て常に外向きに付勢されている。また、プッシュ金具6
2の外側端面には、後述するように、各段の断面が外側
下方に向いた傾斜面を有する三角形であるガードシリン
ダ3の内周面と同形状の複数段の凹凸部62bが設けら
れている。また、後述するように、プッシュ金具62
は、キー操作プレート53の開口部53a、53bの位
置に応じて、突出位置または引っ込み位置のいずれかを
とる。
【0025】アクションシリンダ61の下方には、水平
方向にアクションシリンダ61を貫く孔61b(図3参
照)が設けられている。この孔61bには、ばね67で
外側に付勢されており、後述するように中段部6と下段
部7とを独立して回動可能に連結するための一対のプッ
シュピン66が挿入されている。また、上段部5と中段
部6は、アクションシリンダ61の孔61cおよびキー
シリンダ52の孔52cに挿入された連結用ローレット
ピン59で連結固定されている。
【0026】下段部7は、連結シリンダ71と連結ナッ
ト72とを有している。連結シリンダ71は、その内面
に円環状に設けられたプッシュピン嵌入溝71aと、プ
ッシュピン嵌入溝71aを通って連結シリンダ71の内
面から外面を貫くように設けられた2つのプッシュピン
解除孔(図示せず)とを具備している。プッシュピン嵌
入溝71aに上述したプッシュピン66が嵌入される
と、プッシュピン66はプッシュピン嵌入溝71a内を
自由に動くことができるようになるので、これによっ
て、中段部6と下段部7とは独立して回動可能に連結さ
れる。また、プッシュピン解除孔から細長部材を挿入し
プッシュピン66を押して溝71aからはずすことによ
り、中段部6と下段部7とを分離することができるよう
になっている。
【0027】連結ナット72は外形が断面六角形で、そ
の内面には図3に示すように、締結対象物との締結のた
めに用いられるねじ(雌ねじ)72aが形成されてい
る。連結ナット72はその上部において、連結ねじ73
によって連結シリンダ71に固定されている。なお、連
結シリンダ71と連結ナット72は、連結ねじ73によ
って固定されるのではなく、一体として形成されていて
もよい。
【0028】ガードシリンダ3は、ほぼ円筒形状であっ
て、その上側端部には、防塵キャップ4を着脱自在に装
着固定するために環状の凹部32が設けられている。な
お、防塵キャップ4には、凹部32に対応した4つの島
状の凸部42が設けられており、この凸部42が凹部3
2と嵌合することによって、防塵キャップ4はガードシ
リンダ3に対して着脱自在に装着される。また、ガード
シリンダ3の下側端部の内周面には、外側に向けて徐々
に開孔径が大きくなるような傾斜部34が設けられてい
る。この傾斜部34は、後述するように、本体部2をガ
ードシリンダ3に挿入する際に、本体部2が容易に挿入
されるように設けられたものである。
【0029】また、ガードシリンダ3の内周面のほぼ上
半分には、各段の断面が内側上方に向いた傾斜面を有す
る三角形であるプッシュ金具62の凹凸部62bと同形
状の複数段の凹凸部36が設けられている。
【0030】次に、本実施の形態の締結具におけるプッ
シュ金具の位置とキー操作プレート53の開口部53
a、53bの位置との関係について、図7および図8を
さらに参照して説明する。図7は図3のVII−VII
線での断面図であり、(a)は開錠時、(b)は施錠時
の様子をそれぞれ示している。図8は図3のVIII−
VIII線での断面図であり、(a)は開錠時、(b)
は施錠時の様子をそれぞれ示している。
【0031】図7(a)に示すように、開錠時には、キ
ー操作プレート53の開口部53a、53bの内周辺5
5と外周辺54との交点がキーシリンダ52の切り込み
部52a、52bと対応した位置にあり、そのため、開
口部53a、53bに嵌入されたガイドピン63はプレ
ート53の中心58から一番近い位置にあって動けない
状態である。従って、図8(a)に示すように、プッシ
ュ金具62は引っ込み位置に固定されていて、ガードシ
リンダ3の凹凸部36とは係合していない。
【0032】図7(b)に示すように、施錠時には、開
口部53a、53bの結合辺56が切り込み部52a、
52bと対応した位置にあり、そのため、開口部53
a、53bに嵌入され且つ外側に向かって付勢されたガ
イドピン63は、プレート53の中心58から一番遠い
位置にある。従って、図8(b)に示すように、プッシ
ュ金具62は突出位置にあって、その凹凸部62bがガ
ードシリンダ3の凹凸部36と係合している。ただし、
このときガイドピン63は、プッシュ金具62がばね6
4の弾性力に抗して押圧されることによって、プレート
53の結合辺56に沿って動くことができる。つまり、
突出位置においては、プッシュ金具62は、内側に向か
って押圧されることによって、引っ込み位置となり得
る。
【0033】このように、プッシュ金具62は、キー操
作プレート53の開口部53a、53bとガイドピン6
3とで構成されるカム機構をロック解除キーで制御する
ことによって、突出位置または引っ込み位置のいずれか
の位置となるように制御される。
【0034】次に、本実施の形態の締結具の使用方法お
よびその動作について説明する。本実施の形態の締結具
を用いる際には、まず、締結対象物側の雄ねじ(図示せ
ず)と雌ねじ72aとを螺合させて、本体部2を締結対
象物に取り付ける。なお、雄ねじには締結を強固でより
信頼性の高いものとするために、雌ねじ72aとの螺合
以前に他のボルト(図示せず)が螺合されていてもよ
い。そして、本体部2の上側つまりコインロックキー5
1側からガードシリンダ3を嵌入する。このとき、プッ
シュ金具62は突出位置にあっても、引っ込み位置にあ
ってもどちらでもよい。
【0035】ガードシリンダ3の下側端部に傾斜部34
が設けられているために、プッシュ金具62が突出位置
にあったとしても、プッシュ金具62が傾斜部34に押
されて次第に引っ込み位置となるので、円滑にガードシ
リンダ3を本対部2に嵌入することができる。また、同
様に、プッシュ金具62が突出位置にある場合でも、ガ
ードシリンダ3の内周面のほぼ上半分に、各段の断面が
内側上方に向いた傾斜面を有する三角形であるプッシュ
金具62の凹凸部62bと同形状の複数段の凹凸部36
が設けられているために、プッシュ金具62が傾斜面を
滑り上がるように突出および引っ込みを繰り返すことに
より、ガードシリンダ3は本体部2に取り付けられてい
く。従って、プッシュ金具62は、たとえ突出位置にあ
ったとしてもガードシリンダ3の取り付け方向への移動
に対して障害にはならない。なお、ガードシリンダ3
は、外部から雌ねじ72aが回動されるのを防ぐため
に、少なくとも雌ねじ72aを被覆するだけの長さを有
している必要がある。本実施の形態では、ガードシリン
ダ3は、雌ねじ72aとの螺合以前に雄ねじに螺合され
た他のボルトをも被覆できるように、本体部2よりも数
cm長く形成されている。
【0036】そして、ガードシリンダ3が所定位置に達
した後、もしプッシュ金具62が引っ込み位置にあれば
ロック解除キーをコインロックキー51に差し込んで回
動させることによりプッシュ金具62を突出位置にす
る。すると、プッシュ金具62の凹凸部62bがガード
シリンダ3の凹凸部36と係合して、本体部2とガード
シリンダ3とが固定される。このときは、ガードシリン
ダ3を本体部2から取り外そうとしても、プッシュ金具
62の凹凸部62bとガードシリンダ3の凹凸部36と
が噛み合って相対的に動かないので、ガードシリンダ3
の動きが禁止される。従って、ガードシリンダ3は本体
部2に対してロックされて、ガードシリンダ3の取り外
し方向への動きは禁止される。しかる後、防塵キャップ
4をガードシリンダ3に被せる。
【0037】また、本実施の形態の締結具1では、上述
したように、上段部5および中段部6と下段部7とは、
プッシュピン66とプッシュピン嵌入溝71aとにより
独立して回動可能に連結されている。従って、もし防塵
キャップ4が取り去られ、ガードシリンダ3から外部に
露出しているキーシリンダ52が強制的に回動させられ
たとしても、それによって下段部7の連結ナット72が
回動することがないからねじの螺合は緩脱されることが
ない。
【0038】そして、本実施の形態の締結具を取り外す
際には、まず、ロック解除キーをコインロックキー51
に差し込んで回動させることによりプッシュ金具62を
引っ込み位置にする。すると、プッシュ金具62の凹凸
部62bとガードシリンダ3の凹凸部36との係合が解
除される。従って、ガードシリンダ3を上方に引き抜く
ことによって、ガードシリンダ3を本体部2から容易に
取り外すことができる。しかる後に連結ナット72を回
して雌ねじ73と締結対象物としての雄ねじとの螺合を
緩め、本体部2を締結対称物から取り去ればよい。
【0039】以上本発明を好適な実施の形態について説
明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもので
はなく、例えば、材質や形状、大きさなどの点について
特許請求の範囲から離れない範囲で当業者は様々な設計
変更を施すことが可能である。例えば、上述の実施の形
態では ねじ部として雌ねじ72aを採用したが、雄ね
じを採用してもいいことはいうまでもない。また、その
他公知のビスなどの他の締結手段を採用してもよい。ま
た、上述の実施の形態ではキー受入部としてのコインロ
ックキー51を本体部2側に設けていたが、これをガー
ドシリンダ3側に設けるようにしてもよい。
【0040】また、上述の実施の形態で説明した装置
は、締結具としてではなく、締結部保護装置として捉え
ることも可能である。つまり、締結対象物に雌ねじ72
aとの螺合以前に他のボルトが螺合されており、このボ
ルトと締結対象物との締結を保護するために上述の実施
の形態で説明した締結具1が用いられているとも考える
ことができる。このように考えると、雌ねじ72aの部
分は必ずしもねじのような締結具である必要はなく、締
結されたボルトと高い信頼性で強固に接続されるもので
あればよいことが理解されよう。
【0041】
【発明の効果】請求項1の締結具によると、本体部から
被覆部材が取り外されるのを選択的に禁止するための禁
止手段を備えているために、被覆部材が取り外されて締
結部が露出するのを選択的に禁止することができる。従
って、本体部の締結部と対象物との締結が解除されて本
体部が対象物から故意に緩脱されるのを防止することが
可能である。
【0042】また、請求項2の締結具によると、外部か
らの操作によって選択的に動作する施錠動作部を本体部
が有しているので、施錠した際には、本体部から被覆部
材が取り外されなくなる。従って、正当な使用者以外に
よって被覆部材が取り外されて締結部が露出することが
ない。よって、本体部の締結部と対象物との締結が解除
されて本体部が対象物から故意に緩脱されるのを防止す
ることが可能である。
【0043】また、請求項3の締結具によると、外部か
らの鍵操作という簡易な操作によって、可動突出部を突
出位置として本体部から被覆部材が緩脱されないように
できる。従って、鍵を有する正当な使用者以外によって
被覆部材が取り外されてねじ部が露出することがない。
よって、本体部のねじ部が回されて本体部が対象物から
故意に緩脱されるのを防止することが可能である。
【0044】また、請求項4の締結具によると、カム機
構という比較的簡易な構造によって、可動突出部を突出
位置または引っ込み位置に選択的に位置させることがで
きる。
【0045】また、請求項5の締結具によると、可動突
出部が突出位置にあるときに、被覆部材が本体部から取
り外されない方向にだけ動くような凹凸部が被覆部材の
内面の所定範囲および可動突出部の突出端部に設けられ
ているので、可動突出部が突出位置にあるときは被覆部
材が本体部から取り外されることがないとともに、被覆
部材と本体部とを上記所定範囲内の適切な位置において
係合させることができる。
【0046】また、請求項6の締結具によると、本体部
の一端部側が、本体部の他端部側に設けられたねじ部と
は独立して回動可能であることによって、被覆部材によ
って被覆されていないことがある本体部の一端部側がた
とえ回動させられてもねじ部が回動することがない。よ
って、本体部の一端部側を回動させることが可能な場合
であっても、本体部のねじ部が回されて本体部が対象物
から故意に緩脱されるのを防止することが可能である。
【0047】また、請求項7の締結部保護装置による
と、すでに対象物に締結された締結部と接続部とが接続
され、本体部から被覆部材が取り外されるのを選択的に
禁止するための禁止手段を備えているために、被覆部材
が取り外されて締結部が露出するのを選択的に禁止する
ことができる。従って、締結部と対象物との締結が解除
されて締結部の締結部材が故意に緩脱されるのを防止す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による締結具の斜視図で
ある。
【図2】図1に示された締結具の分解斜視図である。
【図3】図1の締結具の断面図である。
【図4】図1に示された締結具の本体部の上段部を下方
から見た斜視図である。
【図5】図1に示された締結具の本体部の中段部を示す
図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図6】図1に示された締結具のガードシリンダの断面
図である。
【図7】図3のVII−VII線での断面図であり、
(a)は開錠時、(b)は施錠時の様子をそれぞれ示す
図である。
【図8】図3のVIII−VIII線での断面図であ
り、(a)は開錠時、(b)は施錠時の様子をそれぞれ
示す図である。
【符号の説明】
1 締結具 2 本体部 3 ガードシリンダ 4 防塵キャップ 5 上段部 6 中段部 7 下段部 53 キー操作プレート 61 アクションシリンダ 62 プッシュ金具 63 ガイドピン 71 連結シリンダ 72 連結ナット 72a 雌ねじ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 締結具および締結部保護装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト、ナットな
どの締結具および締結部保護装置に関し、締結具または
締結部が故意に緩脱されるのを防止するために用いて好
適である。
【0002】
【従来の技術】ビス、ボルトおよびナットなどの締結具
は、締結後、時間の経過に伴って次第に緩み、最後には
脱落してしまうことがある。こういった締結具の経時的
理由による緩脱を防止するための装置が、従来より多数
開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
緩脱防止装置は、人為的に締結具が緩脱されることに対
しては有効に機能しない。すなわち、従来の緩脱防止装
置は、例えばいたずらなどによってボルトやナットが故
意に緩脱されることに対しては無防備であるのが現状で
ある。特に近年は、鉄道や鉄塔といった大規模建造物に
用いられているボルトやナットが故意に緩められる事件
が頻発しており、かかる事件を未然に防止することが強
く要請されている。
【0004】そこで、本発明の目的は、故意に緩脱され
ることがない信頼性の高い締結具および締結部保護装置
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1の締結具は、対象物に取り付けられる
べきねじ部と、外部からの鍵操作によって突出位置およ
び引っ込み位置のいずれか一方の位置を選択的にとり得
る可動突出部とを有する本体部と、前記本体部を被覆し
ているときに突出位置にある前記可動突出部と係合する
ことによって前記本体部から取り外されなくなり得る、
前記本体部の少なくとも前記ねじ部を被覆する被覆部材
とを備えており、前記可動突出部は、前記鍵操作と連動
するカム機構によって突出位置および引っ込み位置のい
ずれか一方の位置をとることが可能であり、前記可動突
出部が弾性部材で外側に付勢されており、突出位置にお
いては前記弾性部材の弾性力に抗して押圧されることで
強制的に引っ込み位置となることが可能であり、前記被
覆部材の内面の所定範囲および前記可動突出部の突出端
部には、前記可動突出部が突出位置にあるときに、前記
被覆部材が前記本体部から取り外されない方向にだけ動
くことを可能とする凹凸部が設けられていることを特徴
とするものである。
【0006】請求項1の締結具によると、外部からの鍵
操作という簡易な操作を行わない限り、可動突出部を引
っ込み位置として本体部から被覆部材を緩脱することが
できないようにできる。従って、鍵を有する正当な使用
者以外によって被覆部材が取り外されてねじ部が露出す
ることがない。よって、本体部のねじ部が回されて本体
部が対象物から故意に緩脱されるのを防止することが可
能である。なお、本体部に設けられるねじ部は、取り付
けられるべき対象物に応じて、雄ねじまたは雌ねじのど
ちらでもよい。
【0007】また、請求項1の締結具によると、カム機
構という比較的簡易な構造によって、可動突出部を突出
位置または引っ込み位置に選択的に位置させることがで
きるという利点がある。
【0008】さらに、請求項1の締結具によると、可動
突出部が突出位置にあるときに、被覆部材が本体部から
取り外されない方向にだけ動くような凹凸部が被覆部材
の内面の所定範囲および可動突出部の突出端部に設けら
れているので、可動突出部が突出位置にあるときは被覆
部材が本体部から取り外されることがないとともに、被
覆部材と本体部とを上記所定範囲内の適切な位置におい
て係合させることができる。
【0011】また、請求項2の締結部保護装置は、締結
部に取り付けられるべきねじ部と、外部からの鍵操作に
よって突出位置および引っ込み位置のいずれか一方の位
置を選択的にとり得る可動突出部とを有する本体部と、
前記本体部を被覆しているときに突出位置にある前記可
動突出部と係合することによって前記本体部から取り外
されなくなり得る、前記本体部の少なくとも前記ねじ部
を被覆する被覆部材とを備えており、前記可動突出部
が、前記鍵操作と連動するカム機構によって突出位置お
よび引っ込み位置のいずれか一方の位置をとることが可
能であり、前記可動突出部が弾性部材で外側に付勢され
ており、突出位置においては前記弾性部材の弾性力に抗
して押圧されることで強制的に引っ込み位置となること
が可能であり、前記被覆部材の内面の所定範囲および前
記可動突出部の突出端部には、前記可動突出部が突出位
置にあるときに、前記被覆部材が前記本体部から取り外
されない方向にだけ動くことを可能とする凹凸部が設け
られていることを特徴とするものである。
【0012】請求項2の締結部保護装置によると、請求
項1と同様に、カム機構という比較的簡易な構造を用い
て、外部からの鍵操作という簡易な操作を行わない限
り、可動突出部を引っ込み位置として本体部から被覆部
材が緩脱されないようにでき、しかも、被覆部材と本体
部とを適切な位置において係合させることができる。
【0013】なお、締結部は、取り付けられるべき対象
物に応じて、ねじ、ビス或いはその他公知の締結部のい
ずれであってもよい。また、接続部は、締結部から容易
に取り外すことができないような手段(例えば、ねじ、
ビス、接着剤など)で締結部と接続されることが好まし
い。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照しつつ説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施の形態による締結
具の斜視図であり、図2は図1に示された締結具の分解
斜視図である。図3は図1の締結具の断面図である。図
4は、図2に示された上段部5を下方斜めから見た斜視
図である。図5は、図2に示されたアクションシリンダ
とこれに取り付けられる部品とを示す図であって、
(a)は斜視図、(b)は側面図である。図6は、図1
に示されたガードシリンダの断面図である。
【0016】図1〜図3に示すように、本実施の形態の
締結具1は、本体部2と、被覆部材としてのガードシリ
ンダ3と、防塵キャップ4とから構成されている。以
下、詳述するように、本体部2には、締結対象物に取り
付けられるべき締結部としての雌ねじ72a(ねじ部)
が設けられているとともに、外部からの鍵操作によって
突出位置および引っ込み位置のいずれか一方の位置を選
択的にとり得る可動突出部としてのプッシュ金具62が
設けられている。また、ガードシリンダ3は、本体部2
の雌ねじ72aおよびその近傍を被覆するものであっ
て、本体部2を被覆しているときに突出位置にあるプッ
シュ金具62と係合することによって本体部2から取り
外されなくなり得る。また、防塵キャップ4は、ガード
シリンダ3の上側端部に装着されることによって、本体
部2に埃塵や水などが侵入しないようにするという機能
を有している。本実施の形態において、本体部2および
ガードシリンダ3は例えばステンレス、アルミニウムや
真鍮などの金属材料で構成されていることが好ましく、
防塵キャップ4は軟質の塩化ビニール樹脂などで構成さ
れていることが好ましい。
【0017】図2〜図4に示すように、本体部2は、上
段部5と中段部6と下段部7とから構成されている。上
段部5は、ロック解除キー(図示せず)が差し込まれる
コインロックキー51と、コインロックキー51を支持
するキーシリンダ52と、コインロックキー51に差し
込まれたロック解除キーの回動と連動して回動可能なキ
ー操作プレート53とを備えている。キーシリンダ52
の下方には、一対の切り込み部52a、52bが設けら
れている。
【0018】キー操作プレート53は、キーシリンダ5
2の下面側に取り付けられており、プレート53の中心
58について点対称である一対の開口部53a、53b
を有している。各開口部53a、53bは、中心58か
ら等距離にある同一円周上の内周辺55と、中心58か
らの距離が一端側では内周辺55に等しく、他端側に向
かうにつれて次第に大きくなっていく外周辺54と、外
周辺54の他端側において外周辺54と内周辺55とを
結ぶ結合辺56とを有するほぼ三角形状をしている。後
述するように、締結具1は、開口部53a、53bの内
周辺55と外周辺54との交点が切り込み部52a、5
2bと対応した位置にあるときに開錠状態であり、開口
部53a、53bの結合辺56が切り込み部52a、5
2bと対応した位置にあるときに施錠状態である。
【0019】図2、図3および図5(a)、(b)に示
すように、中段部6は、アクションシリンダ61と、ア
クションシリンダ61に設けられた断面台形形状の溝部
61a内に配置される一対のプッシュ金具62とを有し
ている。アクションシリンダ61は、プッシュ金具62
が切り込み部52a、52bの位置とそれぞれ対応する
ように、その上側部分がキーシリンダ52の下方に嵌合
されている。また、各プッシュ金具62の上面からは、
円柱形のガイドピン63が上方に突出している。各ガイ
ドピン63は、キー操作プレート53の開口部53a、
53bにそれぞれ嵌入されている。また、一対のプッシ
ュ金具62の間には2本のばね64が配置されており、
これらのばね64はプッシュ金具62の対向面に設けら
れた円柱形のばね支持部62aにそれぞれ挿入されてい
る。このように、プッシュ金具62は、ばね64によっ
て常に外向きに付勢されている。また、プッシュ金具6
2の外側端面には、後述するように、各段の断面が外側
下方に向いた傾斜面を有する三角形であるガードシリン
ダ3の内周面と同形状の複数段の凹凸部62bが設けら
れている。また、後述するように、プッシュ金具62
は、キー操作プレート53の開口部53a、53bの位
置に応じて、突出位置または引っ込み位置のいずれかを
とる。
【0020】アクションシリンダ61の下方には、水平
方向にアクションシリンダ61を貫く孔61b(図3参
照)が設けられている。この孔61bには、ばね67で
外側に付勢されており、後述するように中段部6と下段
部7とを独立して回動可能に連結するための一対のプッ
シュピン66が挿入されている。また、上段部5と中段
部6は、アクションシリンダ61の孔61cおよびキー
シリンダ52の孔52cに挿入された連結用ローレット
ピン59で連結固定されている。
【0021】下段部7は、連結シリンダ71と連結ナッ
ト72とを有している。連結シリンダ71は、その内面
に円環状に設けられたプッシュピン嵌入溝71aと、プ
ッシュピン嵌入溝71aを通って連結シリンダ71の内
面から外面を貫くように設けられた2つのプッシュピン
解除孔(図示せず)とを具備している。プッシュピン嵌
入溝71aに上述したプッシュピン66が嵌入される
と、プッシュピン66はプッシュピン嵌入溝71a内を
自由に動くことができるようになるので、これによっ
て、中段部6と下段部7とは独立して回動可能に連結さ
れる。また、プッシュピン解除孔から細長部材を挿入し
プッシュピン66を押して溝71aからはずすことによ
り、中段部6と下段部7とを分離することができるよう
になっている。
【0022】連結ナット72は外形が断面六角形で、そ
の内面には図3に示すように、締結対象物との締結のた
めに用いられるねじ(雌ねじ)72aが形成されてい
る。連結ナット72はその上部において、連結ねじ73
によって連結シリンダ71に固定されている。なお、連
結シリンダ71と連結ナット72は、連結ねじ73によ
って固定されるのではなく、一体として形成されていて
もよい。
【0023】ガードシリンダ3は、ほぼ円筒形状であっ
て、その上側端部には、防塵キャップ4を着脱自在に装
着固定するために環状の凹部32が設けられている。な
お、防塵キャップ4には、凹部32に対応した4つの島
状の凸部42が設けられており、この凸部42が凹部3
2と嵌合することによって、防塵キャップ4はガードシ
リンダ3に対して着脱自在に装着される。また、ガード
シリンダ3の下側端部の内周面には、外側に向けて徐々
に開孔径が大きくなるような傾斜部34が設けられてい
る。この傾斜部34は、後述するように、本体部2をガ
ードシリンダ3に挿入する際に、本体部2が容易に挿入
されるように設けられたものである。
【0024】また、ガードシリンダ3の内周面のほぼ上
半分には、各段の断面が内側上方に向いた傾斜面を有す
る三角形であるプッシュ金具62の凹凸部62bと同形
状の複数段の凹凸部36が設けられている。
【0025】次に、本実施の形態の締結具におけるプッ
シュ金具の位置とキー操作プレート53の開口部53
a、53bの位置との関係について、図7および図8を
さらに参照して説明する。図7は図3のVII−VII
線での断面図であり、(a)は開錠時、(b)は施錠時
の様子をそれぞれ示している。図8は図3のVIII−
VIII線での断面図であり、(a)は開錠時、(b)
は施錠時の様子をそれぞれ示している。
【0026】図7(a)に示すように、開錠時には、キ
ー操作プレート53の開口部53a、53bの内周辺5
5と外周辺54との交点がキーシリンダ52の切り込み
部52a、52bと対応した位置にあり、そのため、開
口部53a、53bに嵌入されたガイドピン63はプレ
ート53の中心58から一番近い位置にあって動けない
状態である。従って、図8(a)に示すように、プッシ
ュ金具62は引っ込み位置に固定されていて、ガードシ
リンダ3の凹凸部36とは係合していない。
【0027】図7(b)に示すように、施錠時には、開
口部53a、53bの結合辺56が切り込み部52a、
52bと対応した位置にあり、そのため、開口部53
a、53bに嵌入され且つ外側に向かって付勢されたガ
イドピン63は、プレート53の中心58から一番遠い
位置にある。従って、図8(b)に示すように、プッシ
ュ金具62は突出位置にあって、その凹凸部62bがガ
ードシリンダ3の凹凸部36と係合している。ただし、
このときガイドピン63は、プッシュ金具62がばね6
4の弾性力に抗して押圧されることによって、プレート
53の結合辺56に沿って動くことができる。つまり、
突出位置においては、プッシュ金具62は、内側に向か
って押圧されることによって、引っ込み位置となり得
る。
【0028】このように、プッシュ金具62は、キー操
作プレート53の開口部53a、53bとガイドピン6
3とで構成されるカム機構をロック解除キーで制御する
ことによって、突出位置または引っ込み位置のいずれか
の位置となるように制御される。
【0029】次に、本実施の形態の締結具の使用方法お
よびその動作について説明する。本実施の形態の締結具
を用いる際には、まず、締結対象物側の雄ねじ(図示せ
ず)と雌ねじ72aとを螺合させて、本体部2を締結対
象物に取り付ける。なお、雄ねじには締結を強固でより
信頼性の高いものとするために、雌ねじ72aとの螺合
以前に他のナット(図示せず)が螺合されていてもよ
い。そして、本体部2の上側つまりコインロックキー5
1側からガードシリンダ3を嵌入する。このとき、プッ
シュ金具62は突出位置にあっても、引っ込み位置にあ
ってもどちらでもよい。
【0030】ガードシリンダ3の下側端部に傾斜部34
が設けられているために、プッシュ金具62が突出位置
にあったとしても、プッシュ金具62が傾斜部34に押
されて次第に引っ込み位置となるので、円滑にガードシ
リンダ3を本対部2に嵌入することができる。また、同
様に、プッシュ金具62が突出位置にある場合でも、ガ
ードシリンダ3の内周面のほぼ上半分に、各段の断面が
内側上方に向いた傾斜面を有する三角形であるプッシュ
金具62の凹凸部62bと同形状の複数段の凹凸部36
が設けられているために、プッシュ金具62が傾斜面を
滑り上がるように突出および引っ込みを繰り返すことに
より、ガードシリンダ3は本体部2に取り付けられてい
く。従って、プッシュ金具62は、たとえ突出位置にあ
ったとしてもガードシリンダ3の取り付け方向への移動
に対して障害にはならない。なお、ガードシリンダ3
は、外部から雌ねじ72aが回動されるのを防ぐため
に、少なくとも雌ねじ72aを被覆するだけの長さを有
している必要がある。本実施の形態では、ガードシリン
ダ3は、雌ねじ72aとの螺合以前に雄ねじに螺合され
た他のナットをも被覆できるように、本体部2よりも数
cm長く形成されている。
【0031】そして、ガードシリンダ3が所定位置に達
した後、もしプッシュ金具62が引っ込み位置にあれば
ロック解除キーをコインロックキー51に差し込んで回
動させることによりプッシュ金具62を突出位置にす
る。すると、プッシュ金具62の凹凸部62bがガード
シリンダ3の凹凸部36と係合して、本体部2とガード
シリンダ3とが固定される。このときは、ガードシリン
ダ3を本体部2から取り外そうとしても、プッシュ金具
62の凹凸部62bとガードシリンダ3の凹凸部36と
が噛み合って相対的に動かないので、ガードシリンダ3
の動きが禁止される。従って、ガードシリンダ3は本体
部2に対してロックされて、ガードシリンダ3の取り外
し方向への動きは禁止される。しかる後、防塵キャップ
4をガードシリンダ3に被せる。
【0032】また、本実施の形態の締結具1では、上述
したように、上段部5および中段部6と下段部7とは、
プッシュピン66とプッシュピン嵌入溝71aとにより
独立して回動可能に連結されている。従って、もし防塵
キャップ4が取り去られ、ガードシリンダ3から外部に
露出しているキーシリンダ52が強制的に回動させられ
たとしても、それによって下段部7の連結ナット72が
回動することがないからねじの螺合は緩脱されることが
ない。
【0033】そして、本実施の形態の締結具を取り外す
際には、まず、ロック解除キーをコインロックキー51
に差し込んで回動させることによりプッシュ金具62を
引っ込み位置にする。すると、プッシュ金具62の凹凸
部62bとガードシリンダ3の凹凸部36との係合が解
除される。従って、ガードシリンダ3を上方に引き抜く
ことによって、ガードシリンダ3を本体部2から容易に
取り外すことができる。しかる後に連結ナット72を回
して雌ねじ73と締結対象物としての雄ねじとの螺合を
緩め、本体部2を締結対称物から取り去ればよい。
【0034】以上本発明を好適な実施の形態について説
明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもので
はなく、例えば、材質や形状、大きさなどの点について
特許請求の範囲から離れない範囲で当業者は様々な設計
変更を施すことが可能である。例えば、上述の実施の形
態では ねじ部として雌ねじ72aを採用したが、雄ね
じを採用してもいいことはいうまでもない。また、その
他公知のビスなどの他の締結手段を採用してもよい。ま
た、上述の実施の形態ではキー受入部としてのコインロ
ックキー51を本体部2側に設けていたが、これをガー
ドシリンダ3側に設けるようにしてもよい。
【0035】また、上述の実施の形態で説明した装置
は、締結具としてではなく、締結部保護装置として捉え
ることも可能である。つまり、締結対象物に雌ねじ72
aとの螺合以前に他のナットが螺合されており、この
ットと締結対象物との締結を保護するために上述の実施
の形態で説明した締結具1が用いられているとも考える
ことができる。このように考えると、雌ねじ72aの部
分は必ずしもねじのような締結具である必要はなく、
結対象物と高い信頼性で強固に接続されるものであれば
よいことが理解されよう。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の締結具
によると、外部からの鍵操作という簡易な操作を行わな
い限り、可動突出部を引っ込み位置として本体部から被
覆部材を緩脱することができないようにできるので、鍵
を有する正当な使用者以外によって被覆部材が取り外さ
れてねじ部が露出することがない。よって、本体部のね
じ部が回されて本体部が対象物から故意に緩脱されるの
を防止することが可能である。
【0037】また、請求項1の締結具によると、カム機
構という比較的簡易な構造によって、可動突出部を突出
位置または引っ込み位置に選択的に位置させることがで
きるという利点がある。
【0038】さらに、請求項1の締結具によると、可動
突出部が突出位置にあるときに、被覆部材が本体部から
取り外されない方向にだけ動くような凹凸部が被覆部材
の内面の所定範囲および可動突出部の突出端部に設けら
れているので、可動突出部が突出位置にあるときは被覆
部材が本体部から取り外されることがないとともに、被
覆部材と本体部とを上記所定範囲内の適切な位置におい
て係合させることができる。
【0040】また、請求項2の締結部保護装置によって
も、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による締結具の斜視図で
ある。
【図2】図1に示された締結具の分解斜視図である。
【図3】図1の締結具の断面図である。
【図4】図1に示された締結具の本体部の上段部を下方
から見た斜視図である。
【図5】図1に示された締結具の本体部の中段部を示す
図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図6】図1に示された締結具のガードシリンダの断面
図である。
【図7】図3のVII−VII線での断面図であり、
(a)は開錠時、(b)は施錠時の様子をそれぞれ示す
図である。
【図8】図3のVIII−VIII線での断面図であ
り、(a)は開錠時、(b)は施錠時の様子をそれぞれ
示す図である。
【符号の説明】 1 締結具 2 本体部 3 ガードシリンダ 4 防塵キャップ 5 上段部 6 中段部 7 下段部 53 キー操作プレート 61 アクションシリンダ 62 プッシュ金具 63 ガイドピン 71 連結シリンダ 72 連結ナット 72a 雌ねじ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に取り付けられるべき締結部を有
    する本体部と、 前記本体部の少なくとも前記締結部を被覆するための被
    覆部材と、 前記本体部が前記被覆部材で被覆されているときに、前
    記本体部から前記被覆部材が取り外されるのを選択的に
    禁止するための禁止手段とを備えていることを特徴とす
    る締結具。
  2. 【請求項2】 対象物に取り付けられるべき締結部と、
    外部からの操作によって選択的に動作する施錠動作部と
    を有する本体部と、 前記本体部を被覆しているときに前記施錠動作部と協働
    することによって、前記本体部から取り外されなくなり
    得る、前記本体部の少なくとも前記締結部を被覆する被
    覆部材とを備えていることを特徴とする締結具。
  3. 【請求項3】 対象物に取り付けられるべきねじ部と、
    外部からの鍵操作によって突出位置および引っ込み位置
    のいずれか一方の位置を選択的にとり得る可動突出部と
    を有する本体部と、 前記本体部を被覆しているときに突出位置にある前記可
    動突出部と係合することによって前記本体部から取り外
    されなくなり得る、前記本体部の少なくとも前記ねじ部
    を被覆する被覆部材とを備えていることを特徴とする締
    結具。
  4. 【請求項4】 前記可動突出部が、前記鍵操作と連動す
    るカム機構によって突出位置および引っ込み位置のいず
    れか一方の位置をとることを特徴とする請求項3に記載
    の締結具。
  5. 【請求項5】 前記可動突出部が弾性部材で外側に付勢
    されており、突出位置においては前記弾性部材の弾性力
    に抗して押圧されることで強制的に引っ込み位置となる
    ことが可能であり、 前記被覆部材の内面の所定範囲および前記可動突出部の
    突出端部には、前記可動突出部が突出位置にあるとき
    に、前記被覆部材が前記本体部から取り外されない方向
    にだけ動くことを可能とする凹凸部が設けられているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の締結具。
  6. 【請求項6】 前記本体部の一端部側が、前記本体部の
    他端部側に設けられた前記ねじ部とは独立して回動可能
    であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に
    記載の締結具。
  7. 【請求項7】 締結部に接続されるべき接続部を有する
    本体部と、 少なくとも前記締結部を被覆するための被覆部材と、 前記本体部が前記被覆部材で被覆されているときに、前
    記本体部から前記被覆部材が取り外されるのを選択的に
    禁止するための禁止手段とを備えていることを特徴とす
    る締結部保護装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012219902A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Hitachi Transport Syst Ltd セキュリティ・ボルト装置
KR101346533B1 (ko) * 2006-09-20 2013-12-31 젯트에프 프리드리히스하펜 아게 제1 원통형 부품과 제2 원통형 부품의 연결부
KR20180070810A (ko) * 2016-12-18 2018-06-27 안세영 잠금장치가 구비된 볼트

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