JPH11331628A - 歪曲収差補正方法および画像処理装置並びに歪曲収差補正処理プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

歪曲収差補正方法および画像処理装置並びに歪曲収差補正処理プログラムを記録した記録媒体

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JPH11331628A
JPH11331628A JP10132445A JP13244598A JPH11331628A JP H11331628 A JPH11331628 A JP H11331628A JP 10132445 A JP10132445 A JP 10132445A JP 13244598 A JP13244598 A JP 13244598A JP H11331628 A JPH11331628 A JP H11331628A
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JP10132445A
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Fumio Koyama
文夫 小山
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Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 得られたデータを最大限有効利用しながら簡
単な処理で高品質に歪曲収差補正を行う。 【解決手段】 たとえば、樽型の歪曲収差を補正する場
合、画像領域11の中心11aと中心を同じくする円
(不動円)12を画像領域11に内接するように設定す
る。一方、撮像素子で得られた画像データの個々の画素
が実際にはどの画素のデータを用いればよいかを指示す
る歪曲収差補正用テーブルを予め作成しておく。そし
て、前記不動円12の外側に存在する画素に対しての歪
曲収差補正は、前記歪曲収差補正テーブルで指示された
補正対象画素よりも中心側に存在する画素の画素データ
で前記補正対象画素の画素データを書き換える。また、
不動円12の内側に存在する画素に対しては、歪曲収差
補正テーブルで指示された補正対象画素よりも外側に位
置に存在する画素の画素データで補正対象画素の画素デ
ータを書き換えるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタルメラな
ど画像を取り扱う情報処理機器において、光学系(レン
ズ)により生じる歪曲収差を補正する歪曲収差補正方法
および画像処理装置並びに歪曲収差補正処理プログラム
を記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタルカメラなどの画像を取り扱う
情報処理機器は、光学系を通過した光をCCDなどの撮
像素子に入力して電気信号として取り出し、その電気信
号をディジタル化された画像データに変換する。したが
って、入力された画像の質は光学系と撮像素子の性能に
大きく影響される。
【0003】光学系はその性質によって多かれ少なか
れ、いわゆる収差が発生することが避けられず、これを
低減するために、複数のレンズを組み合わせたり、精度
の高い非球面レンズを用いることが不可欠となる。
【0004】しかし、低価格が要求されるディジタルカ
メラやディジタルカメラを組み込んだ小型の情報処理機
器では、高精度な光学系を使用することはコストの面で
難しいものとなる。
【0005】この種の画像を取り扱う情報処理機器は、
入力された画像に対し、ある程度の画像補正はCPUに
よって施すことができるため、レンズなど光学系にはあ
まりコストをかけないようにすることは可能である。
【0006】特に、歪曲収差などについては、画像の変
形操作による補正が比較的容易に行える。ここで、歪曲
収差について間単に説明する。
【0007】この歪曲収差は、図10示すように、ある
像の光がレンズを通過したとき、光軸O(CCD撮像素
子の撮像領域11の中心に一致し、この図では、紙面に
対して直角に表側から裏側突き抜ける方向に存在する)
に対し、その像の高さが、本来、yとなるべきものが、
y’の位置となってしまう現象であり、これは、像高の
3乗に比例した収差量による像高のずれとして表され
る。つまり、歪曲収差をもつ光学系によって、ある像が
CCD撮像素子に投影される状況で考えると、本来、像
高yに投影されるべき光が、像高y’に投影されてしま
うということであり、このときの、yとy’の関係は、 y’=y+c・y^3 (1) で表される。なお、歪曲収差には、CCD撮像素子によ
り得られた矩形領域が、本来投影されるべき画像領域1
1の外側に引き伸ばされるタイプのものと、画像領域1
1の中心に向かって縮むタイプのものがあり、矩形領域
の形状で考えたとき、外側に広がるタイプのものを糸巻
き型の歪曲収差と呼び、内側に縮むタイプのものを樽型
の歪曲収差と呼んでいる。前記(1)式において、c>
0のときは糸巻き型となり、c<0のときは樽型とな
る。この一例を図11(a),(b)に示す。図11
(a),(b)において、10は本来、投影されるべき
矩形領域を表し、20は歪曲収差の影響を受けて投影さ
れた矩形領域を示しており、図11(a)は糸巻き型の
歪曲収差、同図(b)は樽型の歪曲収差を表している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この歪曲収差のような
非線形の画像変形の補正は、CPUなどによるソフト処
理によって可能ではあるが、一般にこの補正は処理が複
雑で処理量も多くなり、CPUに多くの負担をかけると
もに、処理量が多ければ当然のことながら補正作業をを
行うためにメモリの使用量を多くするという問題が生じ
てくる。
【0009】そこで本発明は、光学系の歪曲収差の補正
を、余分なメモリを使用することなく、簡単な処理で行
うことを可能とし、かつ、できるだけ多くのデータを有
効に利用することで、高品質な補正画像を得ることを目
的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、請求項1に記載の歪曲収差補正方法は、光学系
を通過した光を電気信号として出力する撮像素子を用い
た画像入力装置の歪曲収差補正方法であって、前記撮像
素子により得られた矩形画像が本来投影されるべき画像
領域の中心に向かって縮むような歪曲収差(樽型の歪曲
収差という)を補正する歪曲収差補正方法において、前
記撮像素子に対応する画像領域の中心と中心を同じくす
る円を前記画像領域に内接するように設定し、前記撮像
素子で得られた画像データの個々の画素が実際にはどの
画素のデータを用いればよいかを指示する歪曲収差補正
用テーブルを、前記光学系の有する樽型の歪曲収差特性
に基づいて予め作成し、その内容は、前記画像領域に内
接する内接円の外側では、前記補正対象画素よりも前記
画像領域のより中心側に存在する画素を参照画素として
その画素位置を指示し、前記内接円の内側では、前記補
正対象画素よりも前記画像領域の中心からより遠い位置
に存在する画素を参照画素としてその画素位置を指示す
る内容であって、前記撮像素子から得られた画像データ
における前記内接円の外側に存在する画素に対しての歪
曲収差補正は、前記歪曲収差補正テーブルで指示され
た、前記補正対象画素よりも前記画像領域のより中心側
に存在する画素の画素データで前記補正対象画素の画素
データを書き換え、前記撮像素子から得られた画像デー
タにおける前記内接円の内側に存在する画素に対しての
歪曲収差補正は、前記歪曲収差補正テーブルで指示され
た、前記補正対象画素よりも前記画像領域の中心からよ
り遠い位置に存在する画素の画素データで前記補正対象
画素の画素データを書き換えるようにしている。
【0011】また、請求項2は請求項1において、前記
内接円の外側に存在する補正対象画素の歪曲収差補正を
行う際は、前記画像領域の中心から最も遠い画素を基点
に処理を開始し、その処理順番は、その時点における補
正対象画素に対する参照画素の補正処理順番が前記補正
対象画素よりも後になるような順番とし、前記内接円の
内側に存在する画素の歪曲収差補正を行う際は、前記画
像領域の中心から最も近い画素を基点に処理を開始し、
その処理順番は、その時点における補正対象画素に対す
る参照画素の補正処理順番が前記補正対象画素よりも後
になるような順番とするようにしている。
【0012】また、請求項3は請求項1または2におい
て、前記歪曲収差補正を行う際、前記画像領域の縦方向
及び横方向をそれぞれ2分する線分により画像領域を4
分割し、4分割された個々の領域ごとに行うようにして
いる。
【0013】また、請求項4は請求項1から3のいずれ
かにおいて、前記歪曲収差補正テーブルが指示する参照
画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に対
しての相対位置情報であって、同じ相対位置情報がそれ
以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に連続する場
合は、その相対位置情報に加えて同じ相対位置情報が幾
つ存在するかを示す情報を記述するようにしている。
【0014】また、請求項5は請求項1から3のいずれ
かにおいて、前記歪曲収差補正テーブルが指示する参照
画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に対
しての相対位置情報であって、それ以降の補正対象画素
の処理の順番の方向において位置情報の変化があった場
合は、位置情報をx軸とy軸で形成される2次元座標で
考えたとき、x軸方向またはy軸方向における相対位置
の変化を示す情報を記述するとともに、同じ相対位置情
報がそれ以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に連
続する場合は、前記相対位置の変化する方向を示す情報
と、同じ相対位置情報が幾つ存在するかを示す情報とを
記述するようにしている。
【0015】また、請求項6に記載の歪曲収差補正方法
は、光学系を通過した光を電気信号として出力する撮像
素子を用いた画像入力装置の歪曲収差補正方法であっ
て、前記撮像素子により得られた矩形画像が本来投影さ
れるべき画像領域の外側に向かって引き伸ばされるよう
な歪曲収差(糸巻き型の歪曲収差という)を補正する歪
曲収差補正方法において、前記撮像素子に対応する画像
領域の中心と中心を同じくする円を前記画像領域に外接
するように設定し、前記撮像素子で得られた画像データ
の個々の画素が実際にはどの画素のデータを用いればよ
いかを指示する歪曲収差補正用テーブルを、前記光学系
の有する糸巻き型の歪曲収差特性に基づいて予め作成
し、その内容は、前記画像領域に外接する外接円の内側
では、前記補正対象画素よりも前記画像領域のより中心
側に存在する画素を参照画素としてその画素位置を指示
する内容であって、前記撮像素子から得られた画像デー
タにおける前記外接円の内側に存在する画素に対しての
歪曲収差補正は、前記歪曲収差補正テーブルによって指
示された、前記補正対象画素よりも前記画像領域のより
中心側に存在する画素の画素データで前記補正対象画素
の画素データを書き換えるようにしている。
【0016】また、請求項7の発明は請求項6におい
て、前記外接円の内側に存在する画素の歪曲収差補正を
行う際は、前記画像領域の中心から最も遠い画素を基点
に処理を開始し、その処理順番は、その時点における補
正対象画素に対する参照画素の補正処理順番が前記補正
対象画素よりも後になるような順番としている。
【0017】また、請求項8は請求項6または7におい
て、前記歪曲収差補正を行う際、画像領域の縦方向及び
横方向をそれぞれ2分する線分により画像領域を4分割
し、4分割された個々の領域ごとに行うようにしてい
る。
【0018】また、請求項9は請求項6から8のいずれ
かにおいて、前記歪曲収差補正テーブルが指示する参照
画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に対
しての相対位置情報であって、同じ相対位置情報がそれ
以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に連続する場
合は、その相対位置情報に加えて同じ相対位置情報が幾
つ存在するかを示す情報を記述するようにしている。
【0019】また、請求項10は請求項6から8のいず
れかにおいて、前記歪曲収差補正テーブルが指示する参
照画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に
対しての相対位置情報であって、それ以降の補正対象画
素の処理の順番の方向において位置情報の変化があった
場合は、位置情報をx軸とy軸で形成される2次元座標
で考えたとき、x軸方向またはy軸方向における相対位
置の変化を示す情報を記述するとともに、同じ相対位置
情報がそれ以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に
連続する場合は、前記相対位置の変化する方向を示す情
報と、同じ相対位置情報が幾つ存在するかを示す情報と
を記述するようにしている。
【0020】また、請求項11に記載の画像処理装置
は、レンズなどからなる光学系と、この光学系を通過し
た光を入力し電気信号に変換する撮像素子と、この撮像
素子から得られた画像データを格納する記憶手段と、前
記光学系の有する歪曲収差特性に基づいて予め作成さ
れ、前記撮像素子で得られた画像データの個々の画素が
実際にはどの画素のデータを用いればよいかを指示する
内容が記述された歪曲収差補正テーブルと、この歪曲収
差補正テーブルを用いて前記撮像素子から得られた画像
データから歪曲収差補正を行う歪曲収差補正処理手段と
を含み、前記請求項1から5のいずれか1項に記載の歪
曲収差補正方法を用いて樽型の歪曲収差補正を行うよう
にしている。
【0021】また、請求項12に記載の画像処理装置
は、レンズなどからなる光学系と、この光学系を通過し
た光を入力し電気信号に変換する撮像素子と、この撮像
素子から得られた画像データを格納する記憶手段と、前
記光学系の有する歪曲収差特性に基づいて作成され、前
記撮像素子で得られた画像データの個々の画素が実際に
はどの画素のデータを用いればよいかを指示する内容が
記述された歪曲収差補正テーブルと、この歪曲収差補正
テーブルを用いて前記撮像素子から得られた画像データ
から歪曲収差補正を行う歪曲収差補正処理手段とを含
み、前記請求項6から10のいずれか1項に記載の歪曲
収差補正方法を用いて糸巻き型の歪曲収差補正を行うよ
うにしている。
【0022】また、請求項13に記載の歪曲収差補正処
理プログラムを記録した記録媒体は、 光学系を通過し
た光を電気信号として出力する撮像素子を用いた画像入
力装置において、前記撮像素子により得られた矩形画像
が本来投影されるべき画像領域の中心に向かって縮むよ
うな歪曲収差(樽型の歪曲収差という)を補正する歪曲
収差補正処理プログラムを記録した記録媒体であって、
その処理プログラムは、前記撮像素子に対応する画像領
域の中心と中心を同じくする円を前記画像領域に内接す
るように設定する手順と、前記撮像素子で得られた画像
データの個々の画素が実際にはどの画素のデータを用い
ればよいかを指示する内容であって、その内容は、前記
画像領域に内接する内接円の外側では、補正対象画素よ
りも前記画像領域のより中心側に存在する画素を参照画
素としてその画素位置を指示し、その内接円の内側で
は、補正対象画素よりも前記画像領域の中心からより遠
い位置に存在する画素を参照画素としてその画素位置を
指示する内容である歪曲収差補正用テーブルを、前記光
学系の有する樽型の歪曲収差特性に基づいて予め作成す
る手順と、前記撮像素子から得られた画像データにおけ
る前記内接円の外側に存在する画素に対して歪曲収差補
正を行う際は、前記歪曲収差補正テーブルによって指示
された、前記補正対象画素よりも前記画像領域のより中
心側に存在する画素の画素データで前記補正対象画素の
画素データを書き換える手順と、前記撮像素子から得ら
れた画像データにおける前記内接円の内側に存在する画
素に対して歪曲収差補正を行う際は、前記歪曲収差補正
テーブルによって指示された、前記補正対象画素よりも
前記画像領域の中心からより遠い位置に存在する画素の
画素データで前記補正対象の画素の画素データを書き換
える手順とを含むようにしている。
【0023】また、請求項14に記載の歪曲収差補正処
理プログラムを記録した記録媒体は、光学系を通過した
光を電気信号として出力する撮像素子を用いた画像入力
装置において、前記撮像素子により得られた矩形画像が
本来投影されるべき画像領域の中心から外側に向かって
引き伸ばされるような歪曲収差(糸巻き型の歪曲収差)
を補正する歪曲収差補正処理プログラムを記録した記録
媒体であって、その処理プログラムは、前記撮像素子に
対応する画像領域の中心と中心を同じくする円を前記画
像領域に外接するように設定する手順と、前記撮像素子
で得られた画像データの個々の画素が実際にはどの画素
のデータを用いればよいかを指示する内容であって、そ
の内容は、前記画像領域に外接する外接円の内側では、
補正対象画素よりも画像領域のより中心側に存在する画
素を参照画素としてその画素位置を指示する内容である
歪曲収差補正用テーブルを、前記光学系の有する糸巻き
型の歪曲収差特性に基づいて予め作成する手順と、前記
撮像素子から得られた画像データにおける前記外接円の
内側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前記歪
曲収差補正テーブルによって指示された、前記補正対象
画素よりも前記画像領域のより中心側に存在する画素の
画素データで前記補正対象画素の画素データを書き換え
る手順とを含むようにしている。
【0024】本発明は、光学系の特性により生じる歪曲
収差の補正を少ない処理量で効率よく行うことを可能と
するもので、請求項1〜5、請求項11、請求項13は
樽型の歪曲収差に対応するための発明であり、請求項6
〜10、請求項12、請求項14は糸巻き型の歪曲収差
に対応するための発明である。
【0025】本発明は、画像領域に内接する円(樽型の
歪曲収差の場合)を設定し、この円の内側と外側とで処
理を分けて行っている。
【0026】具体的には、画像領域の縦方向の長さに円
の直径を同じくして内接させるようにし、前記内接円の
外側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、歪曲収
差補正テーブルで指示された、補正対象画素よりも画像
領域の中心により近い位置に存在する画素の画素データ
で前記補正対象画素の画素データを書き換え、内接円の
内側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前記歪
曲収差補正テーブルで指示された、補正対象画素よりも
画像領域の中心からより離れた位置に存在する画素の画
素データで前記補正対象画素の画素データを書き換える
ようにしている。
【0027】また、糸巻き型の歪曲収差補正の場合は、
画像領域のそれぞれの対角点に円が外接するような円
(円の直径が対角長と同じになる)を設定し、その外接
円の内側に存在する画素に対しての歪曲収差補正を行う
ようにしている。具体的には、歪曲収差補正テーブルで
指示された、補正対象画素よりも画像領域の中心により
近い位置に存在する画素の画素データで前記補正対象画
素の画素データを書き換えるようにしている。
【0028】このような処理を行うことにより、撮像素
子で得られた各画素のデータの損失が少なく、得られた
画素データを最大限有効に利用することができる。
【0029】また、前記歪曲収差補正テーブルは、補正
による情報損失が撮像素子で得られた画像データの個々
の画素が実際にはどの画素のデータを用いればよいかを
指示する内容が記述されており、このような補正テーブ
ルを予め作成しておくことで、補正テーブルを参照する
という操作のみで、歪曲収差補正が可能となり、その都
度、面倒な計算処理を行わなくて済むので、処理量を大
幅に減らすことができ、余分なメモリを使用する必要も
なくなる。なお、この歪曲収差補正テーブルは、使用す
る光学系の特性に基づいて予め作成することができるも
のである。
【0030】また、補正対象画素の歪曲収差補正を行う
際は、その時点における補正対象画素に対する参照画素
の補正処理順番が前記補正対象画素よりも後になるよう
な順番としているので、参照しようとする画素が既に補
正されたあとの画素データとなっているということがな
くなる。これにより、補正処理がなされ画素値が書き換
えられた後の画素の元の画素値(画像入力により得られ
た補正前の画素値)を後から参照するということはな
く、取り込んだデータを書き込むメモリと、補正後のデ
ータを書き込むメモリの2つのメモリを必要とすること
なく、1つのメモリ(この実施の形態ではRAM5)だ
けでも正しい補正が可能となる。つまり、補正が済んだ
画素を参照画素として用いるような状況が生じると、そ
の参照画素の補正前の画素値が必要となってくるため、
補正前の画素値を一旦、蓄えておくメモリが別に必要と
なってくる。
【0031】このような状況をさけるため、その時点に
おける補正対象画素に対する参照画素の補正処理順番が
前記補正対象画素よりも後になるような順番となるよう
にしている。
【0032】また、歪曲収差補正を行う際、前記画像領
域を4分割し、4分割された個々の領域ごとに行うこと
により、処理を簡単なものとすることができる。
【0033】また、前記歪曲収差補正テーブルが指示す
る相対位置情報を圧縮した状態でテーブル内に持つこと
により、歪曲収差補正テーブルを格納するメモリの容量
を節約することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。なお、説明を簡単にするた
め、以下に示す実施の形態では、CCD撮像素子はカラ
ーフィルタの無いモノクロの撮像素子であるとする。な
お、カラーの場合は、カラーフィルタの各色を独立にモ
ノクロと同じ操作を行えばよい。
【0035】(第1の実施の形態)この第1の実施の形
態では樽型の歪曲収差を補正する場合について説明す
る。図1に示すように、撮像された画像領域11の中心
11a(CCD撮像素子の中心)と中心を同じくする円
12を画像領域に内接するように設定する。なお、この
円の円周上に存在する画素については何等補正処理を行
わず、その画素値は不動なものであるので、この円のこ
とをここでは不動円と呼ぶことにする。
【0036】また、この第1の実施の形態で説明する樽
型の歪曲収差補正の場合、不動円12の直径は、画像領
域11の縦の長さL1と等しくする。そして、不動円1
2の外側に存在する画素と内側に存在する画素を分け
て、不動円の外側に存在する画素においては、補正対象
の画素よりも、画像領域11の中心11aにより近い位
置に存在する画素を参照して、その参照した画素データ
(画素値という)で前記補正対象画素の画素値を書き換
える。
【0037】一方、不動円12の内側に存在する画素に
おいては、補正対象の画素よりも、前記画像領域11の
中心11aからより遠い画素を参照して、その参照した
画素値で前記補正対象画素の画素値を書き換える。
【0038】以下、この処理について具体的に説明す
る。
【0039】ここでは、画素値の書き換えを行うに際し
て、歪曲収差補正テーブルを予め用意しておき、その歪
曲収差補正テーブルにを参照して画素値の書き換えを行
う。
【0040】この歪曲収差補正テーブルは、画像領域1
1の各画素対応に、1つ1つの画素について、その画素
(その時点における補正対象画素)はどの位置の画素を
参照すれば正しい画素値が得られるかが記述されてい
る。この歪曲収差補正テーブルは、使用するレンズが決
まればその内容を作成することが可能である。
【0041】たとえば、図1に示す画像領域11をその
画像領域11の縦方向および横方向の長さをそれぞれ2
分する線分、つまり、中心11aを通り、互いに直交す
る線分(x軸,y軸)で区切られる4つの領域z1,z
2,z3,z4に区切って考えたとき、左上の領域z1
における不動円12の外側の領域z1oにおける歪曲収
差補正テーブルの内容は、図2に示すような内容とな
る。
【0042】すなわち、領域z1oにおいて、画像領域
11の中心11aから最も遠い位置に存在する画素、つ
まり、領域z1の最も左上に位置する画素(この画素を
ここでは第1画素といい、この第1画素の位置を2次元
座標上の位置として表し、その位置を説明の都合上
(0,0)とする)に対しては、その第1画素が参照す
べき画素の位置が、第1画素の位置(0,0)に対する
相対位置(5,3)で記述され、その1つ右隣りの
(1,0)に位置する第2画素に対しては、その第2画
素が参照すべき画素の位置が、第2画素の位置(1,
0)に対する相対位置(5,3)で記述され、さらに1
つ右隣りの(2,0)の第3画素に対しては、その第3
画素が参照すべき画素の位置が、第3画素の位置(2,
0)に対する相対位置(5,2)で記述されるというよ
うに、その領域(この場合は領域z1o)に存在するそ
れぞれの画素ごとに、正しい画素値を得るために参照す
べき画素の位置情報が記述されている。
【0043】また、領域z1における不動円12の内側
の領域z1iにおいても、この領域z1iに存在するそ
れぞれの画素ごとに、正しい画素値を得るために参照す
べき画素の位置情報が記述されている。
【0044】たとえば、領域z1iにおいて、画像領域
11の中心11aに最も近い位置に存在する画素、つま
り、領域z1の最も右下に位置する画素(この画素をこ
こでも第1画素といい、この第1画素の位置を前述同
様、2次元座標上の位置として表し、その位置を説明の
都合上(0,0)とする)に対しては、その第1画素が
参照すべき画素の位置が、第1画素の位置(0,0)に
対する相対位置(4,3)で記述され、その1つ左隣り
の(1,0)に位置する第2画素に対しては、その第2
画素が参照すべき画素の位置が、第2画素の位置(1,
0)に対する相対位置(4,2)で記述され、さらに1
つ右隣りの(2,0)の第3画素に対しては、その第3
画素が参照すべき画素の位置が、第3画素の位置(2,
0)に対する相対位置(4,2)で記述されるというよ
うに、その領域(この場合は領域z1i)に存在するそ
れぞれの画素ごとに、正しい画素値を得るために参照す
べき画素の位置情報が記述されている。なお、この不動
円12の内側の領域z1iの各画素に対する歪曲収差補
正テーブルの図示は省略する。
【0045】このように、歪曲収差補正テーブルの内容
は、前記不動円12の外側では、その時点において補正
対象となる画素よりも画像領域11の中心11aにより
近い位置に存在する画素を参照画素としてその画素位置
を指示し、不動円12の内側では、その時点において補
正対象となる画素よりも画像領域11の中心11aから
遠い位置に在する画素を参照画素としてその画素位置を
指示する内容となっている。
【0046】同様にして、他の領域z2,z3,z4に
ついても、それぞれ不動円12の内側と外側の領域に存
在するそれぞれの画素ごとに、正しい画素値を得るため
に参照すべき画素の位置情報が記述されている。
【0047】このような歪曲収差補正テーブルを用意し
ておき、この歪曲収差補正テーブルを用いて歪曲収差の
補正を行う。次に具体的な補正例について説明する。
【0048】図3は本発明の画像補正処理を行うための
画像補正装置の概略的な構成を示すブロック図であり、
レンズを含む光学系1、CCD撮像素子2、CCD制御
部3、装置全体の制御を行うとともに本発明の歪曲収差
補正処理を行うCPU4、CCD撮像素子2で得られた
画像データを記憶する記憶手段としてのRAM(フレー
ムメモリ)5、本発明の処理を行わせるためのプログラ
ムや前述した歪曲収差補正テーブル7が格納されたRO
M6などを有した構成となっている。
【0049】CCD撮像素子2から出力された1フレー
ム分の画像データは、RAM5に転送される。この画像
データは歪曲収差を含んだ画像データであり、補正を必
要とする。
【0050】CPU4はROM6に格納されている処理
プログラムに基づいて、同じくROMに6格納されてい
る歪曲収差補正テーブル7を用いて、以下のような手順
で補正を行う。
【0051】まず、領域z1における不動円12の外側
の領域z1oついて処理を行う。図4は画像データとし
て得られた領域z1oの一例を示すものである。この領
域z1o内において、画像領域11の中心11aから最
も遠い位置に存在する画素に着目し、その画素を第1番
目の補正対象画素として処理を行う。
【0052】この場合、最初に着目する画素は、領域z
1oにおいて、最も左上の画素G00とする。ここでは
便宜的に、この画素G00の画素位置を座標値として表
現し、(0,0)というように表すものとする。以下、
この(0,0)の位置を基点に、領域z1o内の各画素
の位置を座標値として表す。たとえば、画素G00を基
点に行方向(x軸方向)に沿って右へ2個目、列方向
(y軸方向)に沿って下へ1個目に位置する画素は画素
G21で表し、その画素の位置は(2,1)で表される
ものとする。
【0053】ところで、第1番目の補正対象画素である
画素G00についてであるが、この画素G00が本来持
つべき画素値は、どの画素が持っているかを前述した歪
曲収差補正テーブル(図2参照)を用いて求める。図2
に示す歪曲収差補正テーブルには、参照すべき画素の相
対位置(その時点における補正対象画素に対する相対位
置)が記述されているので、これによれば、この画素G
00が参照すべき画素の相対位置は、相対位置(5,
3)であることがわかる。したがって、この画素G00
は、画素G00の位置(0,0)に対する相対位置
(5,3)に存在する画素(この場合、画素G53)の
画素値で置き換える。
【0054】これは、本来(歪曲収差がなければ)、位
置(0、0)に存在すべき画素が、歪曲収差によって、
(0,0)に対する相対位置(5,3)の位置になって
しまったということであり、これは、使用するレンズの
持つ歪曲収差特性によって予めわかることであり、これ
に基づいて前述した歪曲収差補正テーブルが作成され
る。したがって、この歪曲収差補正テーブルを参照する
ことで、補正対象画素はどの画素の画素値で置き換えた
らよいかが決定される。
【0055】このように、現在の補正対象画素G00
は、相対位置(5,3)の位置の画素の画素値で置き換
えればよいことから、画素G00の画素値は、相対位置
(5,3)の位置の画素G53の画素値で置き換えられ
る。たとえば、画素G00の画素値がa00であって、
画素G53の画素値がa53であったとすると、画素G
00の画素値a00は画素値a53に書き換えられる。
【0056】次に、画素G00の行方向右隣りの画素G
10に着目し、同様にして、その画素G10(第2番目
の補正対象画素)が参照すべき画素を歪曲収差補正テー
ブル7より求める。この場合、図2で示した歪曲収差補
正テーブルによれば、第2番目の補正対象画素G10
は、前述同様、相対位置(5,3)の位置の画素の画素
値で置き換えればよいことから、画素G10の画素値
は、画素G10の位置(1,0)に対する相対位置
(5,3)に存在する画素G63の画素値で置き換える
ことになる。つまり、この場合、画素G10の位置
(1,0)を基点に行方向右へ5個、列方向下に3個で
あるから、画素G10の位置(1,0)に対する相対位
置(5,3)に存在する画素は(6,3)の位置の画素
G63となる。
【0057】そして、たとえば、画素G10の画素値が
a10であって、画素G63の画素値がa63であった
とすると、画素G10の画素値a10は画素値a63に
書き換えられる。
【0058】このようにして、画素G00を基点に行方
向に沿って右へ1つ1つの画素に着目して行き、それぞ
れの画素の画素値をどの画素の画素値で置き換えればよ
いかを歪曲収差補正テーブル7により求めて、それに基
づいてそれぞれの画素の画素値を書き換えて行く。
【0059】さらに、その行について処理が進むと、や
がて、不動円12に達する。この不動円12に達したか
否かを判断するには、別に用意された不動円位置を表す
テーブルを参照することにより行える。または、前述の
歪曲収差テーブル7の不動円に対応する画素の部分に特
別な値を入れておくことで判断できる。
【0060】そして、現在処理中の行(1行目)におい
て不動円12に達したならば、次の行(2行目)に処理
を移す。
【0061】この2行目において、まず、最も左に位置
する画素G01に着目し、この画素G01に対して歪曲
収差補正テーブル7を参照する。この場合、図2で示し
た歪曲収差補正テーブル7によれば、画素G01は、相
対位置(5,3)の画素の画素値で置き換えればよいこ
とから、画素G01の画素値は、画素G01の位置
(0,1)に対する相対位置(5,3)に存在する画素
G54の画素値で置き換えることになる。つまり、この
場合、画素G01の位置(0,1)を基点に行方向右へ
5個、列方向下に3個であるから、画素G10の位置
(0,1)に対する相対位置(5,3)に存在する画素
は(5,4)の位置の画素G54となる。
【0062】そして、たとえば、画素G10の画素値が
a01であって、画素G54の画素値がa54であった
とすると、画素G01の画素値a01は画素値a54に
書き換えられる。
【0063】次に、画素G01を基点に2行目において
右方向へ1つ1つの画素に着目して行き、それぞれの画
素の画素値をどの画素の画素値で置き換えればよいかを
歪曲収差補正テーブルにより求めて、それに基づいてそ
れぞれの画素の画素値を書き換えて行く。
【0064】このようにして、その2行目について処理
が進むと、やがて、不動円12に達し、この2行目にお
いて不動円12に達したならば、次の行(3行目)に処
理を移す。
【0065】このようにして、領域z1oにおける最後
の行まで処理を行い、この領域z1oの処理が終了する
と、今度は、領域z1において、不動円12の内側の領
域z1iについて処理を行う。
【0066】この不動円12の内側の領域z1iの処理
を行う場合は、画像領域11の中心11aに最も近い画
素、つまり、この領域z1iの場合は、領域z1i内の
最も右の最下段に位置する画素(この場合も、便宜的に
画素G00と表す)を基点にし、この画素G00を最初
の補正対象画素とする。ここでも便宜的に、この画素G
00の画素位置を基準に考え、それを座標値として表現
することにし、画素G00の位置を(0,0)で表すも
のとする。
【0067】まず、最初に着目した第1番目の補正対象
画素G00が本来持つべき画素値はどの画素が持ってい
るかを、歪曲収差補正テーブル(この不動円12の内側
の領域z1iに対応する歪曲収差補正テーブルは図示さ
れていない)を参照することで求める。
【0068】この不動円12の内側の領域z1iに対応
する歪曲収差補正テーブルには、この第1番目の補正対
象画素G00が参照すべき画素の相対位置は(4,2)
と記述されているとする。これにより、この画素G00
は、相対位置(4,2)に位置する画素の画素値で置き
換えればよいことから、画素G00の画素値は、相対座
標値(4,2)に位置する画素(画素G42とする)の
画素値で置き換えられる。たとえば、画素G00の画素
値がb00であって、画素G42の画素値がb42であ
ったとすると、画素G00の画素値b00は画素値b4
2に書き換えられることになる。
【0069】次に、画素G00の左隣りの画素G10に
着目し、同様にして、その画素G10が参照すべき画素
を歪曲収差補正テーブルより求める。この場合、歪曲収
差補正テーブルにより、着目画素G10は、相対座標値
(4,1)の位置の画素の画素値で置き換える指示がな
されているとすれば、画素G10の画素値は、画素G1
0の位置(1,0)に対する相対位置(4,1)に存在
する画素の画素値で置き換えることになる。
【0070】このようにして、不動円12の内側の領域
z1iにおいて、画素G00を基点に左方向へ1つ1つ
の画素に着目して行き、それぞれの画素の画素値をどの
画素の画素値で置き換えればよいかを歪曲収差補正テー
ブルにより求めて、それに基づいてそれぞれの画素の画
素値を書き換えて行く。
【0071】さらに、その行について処理が進むと、や
がて、不動円12に達する。そして、現在処理中の行
(1行目)において不動円12に達したならば、次の行
(2行目)に処理を移す。
【0072】この2行目において、まず、最も左に位置
する画素G01に着目し、この画素G01に対して歪曲
収差補正テーブルを参照し、歪曲収差補正テーブルで指
示される画素の画素値で画素G01の画素値を書き換え
る。そして、画素G01を基点に2行目において左方向
へ1つ1つの画素に着目して行き、それぞれの画素の画
素値をどの画素の画素値で置き換えればよいかを歪曲収
差補正テーブルにより求めて、それに基づいてそれぞれ
の画素の画素値を書き換えて行く。
【0073】このようにして、その2行目について処理
が進むと、やがて、不動円12に達し、この2行目にお
いて不動円12に達したならば、次の行(3行目)に処
理を移す。
【0074】こうして領域z1iにおける最後の行まで
処理を行い、この領域z1iの処理が終了すると、次
は、領域z2について同様の処理を行う。そして、領域
z2の処理が終了すると、領域z3、続いて領域z4と
いうように順次処理を行う。なお、領域z1〜z4の処
理順は任意である。
【0075】以上の処理を行うことで、RAM5上には
補正後の画素値が書き込まれることになる。
【0076】ここでは、樽型の歪曲収差を補正する例に
ついて説明しており、不動円12は画像領域11に内
接、つまり、図1に示すように、不動円12の直径が画
像領域11の縦方向の長さとL1と等しく設定されてい
る。この場合、本来の像高yが歪曲収差の影響を受ける
と、図5に示すように、歪曲した像高y’の3次曲線
(y’=y+c・y^3)がy”の直線のように補正さ
れたことになる。なお、この図5は画像領域11のある
1/4の領域(領域z1とする)についての例が示され
ている。
【0077】この図5からわかるように、歪曲された像
高y’を本来の像高yに補正することも考えられる。つ
まり、歪曲された像高y’を本来の像高yにそのまま移
すような補正(図5における破線で示す上向きの矢印で
示すように、この場合、すべて画像領域11の外側へ向
かう方向への補正)を行う。しかし、このような歪曲さ
れた像高y’を本来の像高yにそのまま移すような補正
では、たとえば、矢印p1部分では、画像領域11の対
角長の1/2の長さをはみ出た位置に補正されることに
なり、そのデータは捨てられことになる。つまり、歪曲
されたデータではあるが、せっかく得られたデータを捨
ててしまうということになる。この矢印p1以降の像高
y’のデータは全てすてられることになる。
【0078】このように、歪曲された像高y’を本来の
像高yにそのまま移すような補正では、捨てられるデー
タが多くなり、せっかく得られたデータを有効利用でき
ないという問題がある。
【0079】これに対して、本発明の第1の実施の形態
による処理では、不動円12を境にして、不動円より外
側では、歪曲収差の影響を受けた像高y’に対して、図
5の実線で示す上向きの矢印で示されるように、画像領
域11の外側に向かう補正(補正対象画素に対して、よ
り中心側に存在する画素の画素値で補正対象画素の画素
値を書き換える補正)を行い、不動円12の内側では、
歪曲収差の影響を受けた像高y’に対して、図5の実線
で示す下向きの矢印で示されるように、画像領域11の
内側に向かう補正(補正対象画素に対して、中心側から
より遠い位置に存在する画素の画素値で補正対象画素の
画素値を書き換える補正)を行っている。なお、不動円
12の円周部分に該当する画素については補正は行われ
ない。
【0080】このように、この第1の実施の形態では、
不動円12の半径を画像の縦方向の長さL1の1/2と
していることにより、図5からもわかるように、CCD
撮像素子2から得られたデータは殆ど生かし、捨てられ
るデータはごく少量とすることができ、得られたデータ
を最大限有効利用することが可能となる。
【0081】また、このように、3次元の歪曲収差を補
正するに際して、不動円12の外側では、現時点におけ
る補正対象画素から見て、当該補正対象画素よりも必ず
画像領域11のより中心11a側に存在する画素を参照
し、不動円12の内側では、現時点における補正対象画
素から見て、当該補正対象画素よりも必ず画像領域11
の中心11aからより遠い位置に存在する画素を参照す
ることによって補正を行うようにすることで、他のワー
クメモリなどを使用することなく、1つのフレームメモ
リ(RAM)で処理が可能となる。
【0082】すなわち、これまで説明したように、画素
を参照する際、必ず、まだ書き換えられていない画素の
画素値を用いて、補正対象画素の画素値を書き換えるよ
うにしている。たとえば、領域z1における不動円12
の外側の領域z1oを例に取れば、最も外側(左上の画
素G00)を最初の補正対象画素として、その画素G0
0の画素値をそれより内側(画像領域11のより中心1
1a側)に存在する画素の画素値で書き換え、次に、画
素G00の右隣りの画素G10を補正対象画素として、
その画素G10の画素値をそれより内側に存在する画素
の画素値で書き換えるというように、この実施の形態で
は、横方向(行方向)にラスタスキャン的な走査により
補正対象とする画素の順番を設定している。
【0083】図6は領域z1において、補正対象とする
画素の順番を説明する図であり、不動円12の外側の領
域z1oにおいては、最も左上に存在する画素(G00
とする)を基点に、その行を矢印で示すように右方向に
進み、不動円12に達すると、破線で示す矢印のように
戻り、次の行に移って、同じように右方向に進むという
ような順番で処理を行う。また、不動円12の内側の領
域z1iにおいては、画像領域の11の中心11aの最
も近くに存在する画素(この場合もG00とする)を基
点に、その行を矢印で示すように左方向に進み、不動円
12に達すると、破線で示す矢印のように戻り、次の行
に移って、同じように右方向に進むというような順番で
処理を行う。これは、他の領域z2〜z3も同様であ
る。
【0084】このような順番で補正処理を行うことによ
り、常に、まだ書き換えられていない画素の画素値を用
いて、補正対象画素の画素値を書き換えることができ
る。つまり、補正が済んだ画素を参照画素として用いる
ような状況が生じると、その参照画素の補正前の画素値
が必要となってくるため、補正前の画素値を一旦、蓄え
ておくメモリが別に必要となってくる。
【0085】このような状況をさけるため、その時点に
おける補正対象画素に対する参照画素の補正処理順番が
前記補正対象画素よりも後になるような順番となるよう
にしている。これにより、補正処理がなされ画素値が書
き換えられた後の画素の元の画素値(画像入力により得
られた補正前の画素値)を後から参照するということは
なく、取り込んだデータを書き込むメモリと、補正後の
データを書き込むメモリの2つのメモリを必要とするこ
となく、1つのメモリ(この実施の形態ではRAM5)
だけでも正しい補正が可能となる。
【0086】ところで、前述の歪曲収差補正テーブル
は、たとえ、画像領域11の1/4とし、各領域z1〜
z4が共用できるテーブルとしたとしても、その領域内
の各画素対応に相対位置情報を持つのはデータ量が大き
くなり、そのままではメモリの使用量が多くなり好まし
いものではない。
【0087】これに対処するために、データ圧縮を行
う。歪曲収差補正テーブルは、前述したように、各画素
対応にその画素の相対位置が記述されているが、補正対
象となる画素の処理順番に沿って、同じ相対位置が連続
する場合も多いため、相対位置とともにその相対位置が
何個連続するかの個数を記述しておき、同じ相対位置が
何個も連続した記述を省くことによってもデータ圧縮す
ることができる。
【0088】すなわち、補正対象となる画素の順番は前
述の実施例の如く、たとえば、領域z1を例に取れば、
最も左上の画素からラスタスキャン的に着目して行くと
いうように着目順が決めらている。これは、他の領域で
も同じで、この第1の実施の形態では、画像領域11の
中心11aから最も遠い画素を基点に、つまり、画像領
域11を1/4に分割して考えた場合、それぞれの領域
の角部に位置する画素を基点に、その画素からラスタス
キャン的に着目するというように順番を決めている。
【0089】このように、画素の処理順は予め決められ
ているので、その処理順に沿って同じ相対位置が連続す
る場合は、同じ相対位置の記述を省略することも可能で
ある。具体的には、たとえば、処理する順番に、相対位
置が(6,3)、(5,3)、(5,3)、(5,
3)、(5,3)、(5,3)、(4,3)、(4,
3)、(3,2)、・・・と続いているとする。この場
合、(6,3)は1個、(5,3)は5個連続し、
(4,3)は2個連続し、(3,2)は1個であるか
ら、(6,3,1)、(5,3,5)、(4,3,
2)、(3,2,1)というように、相対位置の他に、
個数を示す情報をも記述する。一般に画像は隣り合う画
素間で大きなデータ変化は少ないので、この方法は大き
な圧縮効果が得られる。
【0090】また、この他の例として、画素の処理順に
相対位置の変化の方向と、その後に何個同じ相対座標値
が連続するかの個数を記述する方法もある。たとえば、
歪曲収差補正テーブルの初期値だけは、そのままの相対
座標値を記述しておき、それ以降は、相対座標値をx軸
方向、y軸方向の座標値で表すとすれば、x軸方向の増
加(+1の増加)を「0」、y軸方向の増加(+1の増
加)を「1」、 x軸方向の減少(−1の減少)を
「2」、y軸方向の減少(−1の減少)を「3」と表記
し、このx軸方向、y軸方向の増加または減少を表す数
値とそれが何個連続するかを表す数値を記述する。
【0091】具体例として、前述同様、相対座標値が
(6,3)、(5,3)、(5,3)、(5,3)、
(5,3)、(5,3)、(4,3)、(4,3)、
(3,2)、・・・と続いているとすると、(6,3)
はそのままで、次の(5,3)はx軸方向への−1の減
少であって、それが5個連続するので、(2,5)と記
述し、続く(4,3)は、 (5,3)に対してx軸方
向への−1の減少であって、それが2個連続するので、
(2,2)と記述し、続く(3,2)は、 (4,3)
に対してx軸方向およびy軸方向への−1の減少である
ので、まず、x軸方向への減少を示す(2,0)を記述
し、その後に、y軸方向への減少とそのデータが1つ有
ることを示す(3,1)を記述する。結局、この例の場
合、(6,3)、(2,2)、(2,0)、(3,
1)、・・・となる。この場合も、前述したように、一
般に画像は隣り合う画素間で大きなデータ変化は少ない
ので、この圧縮方法は大きな圧縮効果が得られる。
【0092】(第2の実施の形態)前述の第1の実施の
形態では、樽型の歪曲収差を補正する場合について説明
したが、この第2の実施の形態では、糸巻き型の歪曲収
差(前述した(1)式において、係数cが正である場
合)の補正について説明する。この糸巻き型の歪曲収差
補正についても、その処理方法は多少異なるが不動円を
設定する考え方は適用できる。以下に説明する。
【0093】この糸巻き型の歪曲収差の場合は、図7に
示すように、画像領域11に外接する不動円21(直径
が画像領域11の対角長L2の長さに等しい)を設定す
る。したがって、この不動円21の外側の処理は実質的
には行われない。
【0094】この場合も、前述の実施の形態同様、画像
領域11を縦方向の長さおよび横方向の長さをそれぞれ
2分する線分(x軸およびy軸)によって、1/4に分
割し、まず、領域z1内で画像領域11の中心11aか
ら最も遠い左上の画素(G00とする)に着目しその着
目画素を第1番目の補正対象画素+として、予め作成さ
れた歪曲収差補正テーブルを参照して、その第1番目の
補正対象画素G00が参照すべき画素の相対座標値を求
める。たとえば、第1番目の補正対象画素G00が参照
すべき画素の相対座標値がx方向に1、y方向に0であ
れば、その第1番目の補正対象画素から相対的にこれら
の量だけ移動した画素の画素値を参照し、この画素値で
当該第1番目の補正対象画素の値を書き換える。
【0095】次に、その画素G00から1つ右の画素に
着目し、同様に歪曲収差補正用テーブルから参照画素の
相対位置を求め、同様の操作を行う。
【0096】このような操作を領域z1について行い、
これと対照的な操作を残りの3つの領域z2からz4に
ついても行う。
【0097】なお、この糸巻き型の歪曲収差補正を行う
際に用いる歪曲収差補正テーブルも、前述した第1の実
施の形態と同様に、使用する光学系の歪曲収差特性に基
づいて予め作成することができる。この第2の実施の形
態を処理するための歪曲収差補正テーブルの内容につい
ては図示しない。
【0098】この糸巻き型の歪曲収差の補正において
は、不動円21は画像領域11に外接、つまり、前述し
たように、不動円21の直径を画像領域の対角の長さL
2と等しく設定されている。この場合、図8に示すよう
に、本来の像高に対して歪曲収差の影響を受けた像高y
2’の3次曲線(y2’=y2+c・y2^3)がy
2”の直線のように補正されたことになる。なお、この
図8は画像領域11のある1/4の領域(領域z1とす
る)についての例が示されている。
【0099】この第2の実施の形態による処理では、不
動円21の内側において、歪曲収差の影響を受けた像高
y2’に対して、図8の実線で示す上向きの矢印で示さ
れるように、内側に向かう補正(補正対象画素に対して
より内側の画素の画素値で書き換える補正)を行ってい
る。なお、不動円21の円周部分に該当する画素につい
ては補正は行われない。
【0100】このように、この第2の実施の形態では、
不動円21の半径を画像領域11の対角長L2の1/2
としていることにより、画像領域11の中心11aから
最も遠い対角点において参照不可能となるぎりぎりの直
線y2”に補正されることになり、補正前の入力範囲を
最大限生かしながらの補正が可能となる。
【0101】また、3次元の歪曲収差を補正するに際し
て、この第2の実施の形態で示した処理の如く、不動円
21の内側では、現時点における補正対象画素から見
て、当該補正対象画素よりも必ず画像領域のより中心側
に存在する画素を参照することによって補正を行うこと
で、他のワークメモリなどを使用することなく、1つの
フレームメモリ(RAM)で処理が可能となる。
【0102】すなわち、前述の第1の実施の形態で説明
したと同様に、画素を参照する際、必ず、まだ書き換え
られていない画素の画素値を用いて、補正対象画素の画
素値を書き換えるようにしている。たとえば、領域z1
における不動円21の内側の領域を例に取れば、最も外
側(左上の画素G00)を最初の補正対象画素として、
その画素G00の画素値をそれより内側(画像領域11
のより中心11a側)に存在する画素の画素値で書き換
え、次に、画素G00の左隣りの画素G10を着目画素
として、その画素G10の画素値をそれより内側に存在
する画素の画素値で書き換えるというように、横方向
(行方向)にラスタスキャン的な走査により着目画素の
順番を設定している。
【0103】図9は領域z1において、補正対象とする
画素の順番を説明する図である。最も左上に存在する画
素(G00とする)を基点に、その行を矢印で示すよう
に右方向に進み、領域z1の右端に達すると、破線で示
す矢印のように戻り、次の行に移って、同じように右方
向に進むというような順番で処理を行う。これは、他の
領域z2〜z3も同様である。
【0104】このような順番で補正処理を行うことによ
り、常に、まだ書き換えられていない画素の画素値を用
いて、補正対象画素の画素値を書き換えることができ
る。これにより、第1の実施の形態で説明したように、
補正処理が終了した画素の元の画素値(画像入力により
得られた補正前の画素値)を後から参照するということ
はなく、取り込んだデータを書き込むメモリと、補正後
のデータを書き込むメモリの2つのメモリを必要とする
ことなく、1つのメモリ(この実施の形態ではRAM
5)だけでも正しい補正が可能となる。
【0105】また、この第2の実施の形態においても、
歪曲補正テーブルは、前述の第1の実施の形態と同様に
圧縮した位置情報を持つことが可能である。
【0106】なお、本発明は以上説明した各実施の形態
において説明した内容に限られるものではない。たとえ
ば、補正対象とする画素の順番は、前述の実施の形態で
は、画像領域11の中心11aから最も遠い位置に存在
する画素(画像領域11の角部に存在する画素)を基点
とした場合を例に取ると、行方向(x軸方向)に沿って
進み、その行の処理が終了すると、次の行に移り、その
行の最も外側に位置する画素から内側に向かって進むと
いうような横方向のラスタスキャン的な処理順であった
が、これに限らず、たとえば、画像領域11の中心から
最も遠い位置に存在する画素(画像領域11の角部に存
在する画素)を基点に、列方向(y軸方向)に沿って進
み、その列の処理が終了すると、次の列に移り、その列
の最も外側に位置する画素から内側に向かって進むとい
うような縦方向のラスタスキャン的な処理順としてもよ
い。要は、その処理順番は、その時点における補正対象
画素に対する参照画素の補正処理順番が前記補正対象画
素よりも後になるような順番となればよい。
【0107】また、以上説明した本発明の歪曲収差補正
処理を行う処理プログラムは、フロッピィディスク、光
ディスク、ハードディスクなどの記録媒体に記録させて
おくことができ、本発明はその記録媒体をも含むもので
ある。また、ネットワークから処理プログラムを得るよ
うにしてもよい。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光学系の特性により生じる歪曲収差の補正を少ない処理
量で効率よく行うことが可能となる。樽型の歪曲収差を
補正する場合は、画像領域に内接する円(不動円)を設
定し、この不動円の内側と外側とで処理を分けて行って
いる。具体的には、画像領域の縦方向の長さに不動円の
直径を同じくして内接させるようにし、その不動円の外
側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、歪曲収差
補正テーブルで指示された、補正対象画素よりも画像領
域の中心により近い位置に存在する画素の画素データで
前記補正対象画素の画素データを書き換え、不動円の内
側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前記歪曲
収差補正テーブルで指示された、補正対象画素よりも画
像領域の中心からより離れた位置に存在する画素の画素
データで前記補正対象画素の画素データを書き換えるよ
うにしている。また、糸巻き型の歪曲収差補正の場合
は、画像領域のそれぞれの対角点に円が外接するような
円(円の直径が対角長と同じになる)を不動円として設
定し、その不動円の内側に存在する画素に対しての歪曲
収差補正を行うようにしている。具体的には、歪曲収差
補正テーブルで指示された、補正対象画素よりも画像領
域の中心により近い位置に存在する画素の画素データで
前記補正対象画素の画素データを書き換えるようにして
いる。
【0109】このような処理を行うことにより、撮像素
子で得られた各画素のデータの損失が少なく、得られた
画素データを最大限有効に利用することができる。ま
た、前記歪曲収差補正テーブルには、撮像素子で得られ
た画像データの個々の画素が実際にはどの画素のデータ
を用いればよいかを指示する内容が記述されており、こ
のような補正テーブルを予め作成しておくことで、補正
テーブルを参照するという操作のみで、歪曲収差補正が
可能となり、その都度、面倒な計算処理を行わなくて済
むので、処理量を大幅に減らすことができ、余分なメモ
リを使用する必要もなくなる。
【0110】また、補正対象画素の歪曲収差補正を行う
際は、その時点における補正対象画素に対する参照画素
の補正処理順番が前記補正対象画素よりも後になるよう
な順番としているので、参照しようとする画素が既に補
正されてあとの画素データとなっているということが無
くなる。これにより、予分なワークメモリなどを使用す
ることなく、画像データを取り込むためにもともと存在
するメモリだけで処理が行える。
【0111】さらに、記歪曲収差補正テーブルが指示す
る相対位置情報を圧縮した状態でテーブル内に持つこと
により、歪曲収差補正テーブルを格納するメモリの容量
を節約することができる。
【0112】以上のように、本発明によれば、光学系に
より生じる歪曲収差を、得られたデータを最大限有効利
用することで高品質に補正することが可能となる。加え
て、余分なメモリを使用することなく、簡単な処理で補
正が行えるので、歪曲収差補正処理を行うためにメモリ
の容量の増大を招くことなく、また、画像処理速度に大
きな影響を与えることがないなどの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
り、画像領域に内接する円(不動円)を設定した例を示
す図。
【図2】歪曲収差補正テーブルの内容の一例を部分的に
示す図。
【図3】本発明の第1及び第2の実施の形態の画像処理
装置の概略構成を示すブロック図。
【図4】本発明の第1の実施の形態を説明する図であ
り、画像領域上における各画素の位置関係を説明するた
めに画像領域の一部を取り出して示す図。
【図5】本発明の第1の実施の形態による補正処理によ
る像高の位置関係を説明する図。
【図6】本発明の第1の実施の形態による補正処理順番
を領域z1を例にとって説明する図。
【図7】本発明の第2の実施の形態を説明する図であ
り、画像領域に外接する円(不動円)を設定した例を示
す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態による補正処理によ
る像高の位置関係を説明する図。
【図9】本発明の第2の実施の形態による補正処理順番
を領域z1を例にとって説明する図。
【図10】光学系の影響を受けて生じた歪曲収差による
像高のずれを説明する図。
【図11】歪曲収差の一例を示す図であり、(a)は糸
巻き型の歪曲収差の例、(b)は樽型の歪曲収差の例を
示す図。
【符号の説明】
1 光学系 2 CCD撮像素子 3 CCD制御部 4 CPU(歪曲収差補正部を含む) 5 RAM 6 ROM 7 歪曲収差補正テーブル 11 画像領域 11a 画像領域の中心 12 不動円(樽型の歪曲収差補正の場合) z1〜z4 4分割されたそれぞれ領域 z1o 不動円12の外側の領域 z1i 不動円12の内側の領域 21 不動円(糸巻き型の歪曲収差補正の場合)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学系を通過した光を電気信号として出
    力する撮像素子を用いた画像入力装置の歪曲収差補正方
    法であって、前記撮像素子により得られた矩形画像が本
    来投影されるべき画像領域の中心に向かって縮むような
    歪曲収差(樽型の歪曲収差という)を補正する歪曲収差
    補正方法において、 前記撮像素子に対応する画像領域の中心と中心を同じく
    する円を前記画像領域に内接するように設定し、 前記撮像素子で得られた画像データの個々の画素が実際
    にはどの画素のデータを用いればよいかを指示する歪曲
    収差補正用テーブルを、前記光学系の有する樽型の歪曲
    収差特性に基づいて予め作成し、その内容は、前記画像
    領域に内接する円(内接円という)の外側では、前記補
    正対象画素よりも前記画像領域のより中心側に存在する
    画素を参照画素としてその画素位置を指示し、前記内接
    円の内側では、前記補正対象画素よりも前記画像領域の
    中心からより遠い位置に存在する画素を参照画素として
    その画素位置を指示する内容であって、 前記撮像素子から得られた画像データにおける前記内接
    円の外側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前
    記歪曲収差補正テーブルで指示された、前記補正対象画
    素よりも前記画像領域のより中心側に存在する画素の画
    素データで前記補正対象画素の画素データを書き換え、 前記撮像素子から得られた画像データにおける前記内接
    円の内側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前
    記歪曲収差補正テーブルで指示された、前記補正対象画
    素よりも前記画像領域の中心からより遠い位置に存在す
    る画素の画素データで前記補正対象画素の画素データを
    書き換えることを特徴とする歪曲収差補正方法。
  2. 【請求項2】 前記内接円の外側に存在する補正対象画
    素の歪曲収差補正を行う際は、前記画像領域の中心から
    最も遠い画素を基点に処理を開始し、その処理順番は、
    その時点における補正対象画素に対する参照画素の補正
    処理順番が前記補正対象画素よりも後になるような順番
    とし、 前記内接円の内側に存在する画素の歪曲収差補正を行う
    際は、前記画像領域の中心から最も近い画素を基点に処
    理を開始し、その処理順番は、その時点における補正対
    象画素に対する参照画素の補正処理順番が前記補正対象
    画素よりも後になるような順番とすることを特徴とする
    請求項1記載の歪曲収差補正方法。
  3. 【請求項3】 前記歪曲収差補正を行う際、前記画像領
    域の縦方向及び横方向をそれぞれ2分する線分により画
    像領域を4分割し、4分割された個々の領域ごとに行う
    ことを特徴とする請求項1または2記載の歪曲収差補正
    方法。
  4. 【請求項4】 前記歪曲収差補正テーブルが指示する参
    照画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に
    対しての相対位置情報であって、同じ相対位置情報がそ
    れ以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に連続する
    場合は、その相対位置情報に加えて同じ相対位置情報が
    幾つ存在するかを示す情報を記述することを特徴とする
    請求項1から3のいずれかに記載の歪曲収差補正方法。
  5. 【請求項5】 前記歪曲収差補正テーブルが指示する参
    照画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に
    対しての相対位置情報であって、それ以降の補正対象画
    素の処理の順番の方向において位置情報の変化があった
    場合は、位置情報をx軸とy軸で形成される2次元座標
    で考えたとき、x軸方向またはy軸方向における相対位
    置の変化を示す情報を記述するとともに、同じ相対位置
    情報がそれ以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に
    連続する場合は、前記相対位置の変化する方向を示す情
    報と、同じ相対位置情報が幾つ存在するかを示す情報と
    を記述することを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載の歪曲収差補正方法。
  6. 【請求項6】 光学系を通過した光を電気信号として出
    力する撮像素子を用いた画像入力装置の歪曲収差補正方
    法であって、前記撮像素子により得られた矩形画像が本
    来投影されるべき画像領域の外側に向かって引き伸ばさ
    れるような歪曲収差(糸巻き型の歪曲収差という)を補
    正する歪曲収差補正方法において、 前記撮像素子に対応する画像領域の中心と中心を同じく
    する円を前記画像領域に外接するように設定し、 前記撮像素子で得られた画像データの個々の画素が実際
    にはどの画素のデータを用いればよいかを指示する歪曲
    収差補正用テーブルを、前記光学系の有する糸巻き型の
    歪曲収差特性に基づいて予め作成し、その内容は、前記
    画像領域に外接する円(外接円という)の内側では、前
    記補正対象画素よりも前記画像領域のより中心側に存在
    する画素を参照画素としてその画素位置を指示する内容
    であって、 前記撮像素子から得られた画像データにおける前記外接
    円の内側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前
    記歪曲収差補正テーブルによって指示された、前記補正
    対象画素よりも前記画像領域のより中心側に存在する画
    素の画素データで前記補正対象画素の画素データを書き
    換えることを特徴とする歪曲収差補正方法。
  7. 【請求項7】 前記外接円の内側に存在する画素の歪曲
    収差補正を行う際は、前記画像領域の中心から最も遠い
    画素を基点に処理を開始し、その処理順番は、その時点
    における補正対象画素に対する参照画素の補正処理順番
    が前記補正対象画素よりも後になるような順番とするこ
    とを特徴とする請求項6記載の歪曲収差補正方法。
  8. 【請求項8】 前記歪曲収差補正を行う際、画像領域の
    縦方向及び横方向をそれぞれ2分する線分により画像領
    域を4分割し、4分割された個々の領域ごとに行うこと
    を特徴とする請求項6または7記載の歪曲収差補正方
    法。
  9. 【請求項9】 前記歪曲収差補正テーブルが指示する参
    照画素の位置情報は、その時点における補正対象画素に
    対しての相対位置情報であって、同じ相対位置情報がそ
    れ以降の補正対象画素の補正処理の順番方向に連続する
    場合は、その相対位置情報に加えて同じ相対位置情報が
    幾つ存在するかを示す情報を記述することを特徴とする
    請求項6から8のいずれかに記載の歪曲収差補正方法。
  10. 【請求項10】 前記歪曲収差補正テーブルが指示する
    参照画素の位置情報は、その時点における補正対象画素
    に対しての相対位置情報であって、それ以降の補正対象
    画素の処理の順番の方向において位置情報の変化があっ
    た場合は、位置情報をx軸とy軸で形成される2次元座
    標で考えたとき、x軸方向またはy軸方向における相対
    位置の変化を示す情報を記述するとともに、同じ相対位
    置情報がそれ以降の補正対象画素の補正処理の順番方向
    に連続する場合は、前記相対位置の変化する方向を示す
    情報と、同じ相対位置情報が幾つ存在するかを示す情報
    とを記述することを特徴とする請求項6から8のいずれ
    かに記載の歪曲収差補正方法。
  11. 【請求項11】 レンズなどからなる光学系と、この光
    学系を通過した光を入力し電気信号に変換する撮像素子
    と、この撮像素子から得られた画像データを格納する記
    憶手段と、前記光学系の有する歪曲収差特性に基づいて
    予め作成され、前記撮像素子で得られた画像データの個
    々の画素が実際にはどの画素のデータを用いればよいか
    を指示する内容が記述された歪曲収差補正テーブルと、
    この歪曲収差補正テーブルを用いて前記撮像素子から得
    られた画像データから歪曲収差補正を行う歪曲収差補正
    処理手段とを含み、 前記請求項1から5のいずれか1項に記載の歪曲収差補
    正方法を用いて樽型の歪曲収差補正を行うことを特徴と
    する画像入力装置。
  12. 【請求項12】 レンズなどからなる光学系と、この光
    学系を通過した光を入力し電気信号に変換する撮像素子
    と、この撮像素子から得られた画像データを格納する記
    憶手段と、前記光学系の有する歪曲収差特性に基づいて
    作成され、前記撮像素子で得られた画像データの個々の
    画素が実際にはどの画素のデータを用いればよいかを指
    示する内容が記述された歪曲収差補正テーブルと、この
    歪曲収差補正テーブルを用いて前記撮像素子から得られ
    た画像データから歪曲収差補正を行う歪曲収差補正処理
    手段とを含み、 前記請求項6から10のいずれか1項に記載の歪曲収差
    補正方法を用いて糸巻き型の歪曲収差補正を行うことを
    特徴とする画像入力装置。
  13. 【請求項13】 光学系を通過した光を電気信号として
    出力する撮像素子を用いた画像入力装置において、前記
    撮像素子により得られた矩形画像が本来投影されるべき
    画像領域の中心に向かって縮むような歪曲収差(樽型の
    歪曲収差という)を補正する歪曲収差補正処理プログラ
    ムを記録した記録媒体であって、その処理プログラム
    は、 前記撮像素子に対応する画像領域の中心と中心を同じく
    する円を前記画像領域に内接するように設定する手順
    と、 前記撮像素子で得られた画像データの個々の画素が実際
    にはどの画素のデータを用いればよいかを指示する内容
    であって、その内容は、前記画像領域に内接する円(内
    接円という)の外側では、補正対象の画素よりもより前
    記画像領域のより中心側に存在する画素を参照画素とし
    てその画素位置を指示し、その内接円の内側では、補正
    対象の画素よりも前記画像領域の中心からより遠い位置
    に存在する画素を参照画素としてその画素位置を指示す
    る内容である歪曲収差補正用テーブルを、前記光学系の
    有する樽型の歪曲収差特性に基づいて予め作成する手順
    と、 前記撮像素子から得られた画像データにおける前記内接
    円の外側に存在する画素に対して歪曲収差補正を行う際
    は、前記歪曲収差補正テーブルによって指示された、前
    記補正対象画素よりも前記画像領域のより中心側に存在
    する画素の画素データで前記補正対象の画素の画素デー
    タを書き換える手順と、 前記撮像素子から得られた画像データにおける前記内接
    円の内側に存在する画素に対して歪曲収差補正を行う際
    は、前記歪曲収差補正テーブルによって指示された、前
    記補正対象画素よりも前記画像領域の中心からより遠い
    位置に存在する画素の画素データで前記補正対象の画素
    の画素データを書き換える手順と、 を含むことを特徴とする歪曲収差補正処理プログラムを
    記録した記録媒体。
  14. 【請求項14】 光学系を通過した光を電気信号として
    出力する撮像素子を用いた画像入力装置において、前記
    撮像素子により得られた矩形画像が本来投影されるべき
    画像領域の中心から外側に向かって引き伸ばされるよう
    な歪曲収差(糸巻き型の歪曲収差)を補正する歪曲収差
    補正処理プログラムを記録した記録媒体であって、その
    処理プログラムは、 前記撮像素子に対応する画像領域の中心と中心を同じく
    する円を前記画像領域に外接するように設定する手順
    と、 前記撮像素子で得られた画像データの個々の画素が実際
    にはどの画素のデータを用いればよいかを指示する内容
    であって、その内容は、前記画像領域に外接する円(外
    接円という)の内側では、前記補正対象画素よりも前記
    画像領域のより中心側に存在する画素を参照画素として
    その画素位置を指示する内容である歪曲収差補正用テー
    ブルを、前記光学系の有する糸巻き型の歪曲収差特性に
    基づいて予め作成する手順と、 前記撮像素子から得られた画像データにおける前記外接
    円の内側に存在する画素に対しての歪曲収差補正は、前
    記歪曲収差補正テーブルによって指示された、前記補正
    対象画素よりも前記画像領域のより中心側に存在する画
    素の画素データで前記補正対象の画素の画素データを書
    き換える手順と、 を含むことを特徴とする歪曲収差補正処理プログラムを
    記録した記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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