JPH11314865A - エレベータの復旧支援システムと地震感知器の動作予測方法、及び被害分析システムと地震時管制運転制御装置 - Google Patents

エレベータの復旧支援システムと地震感知器の動作予測方法、及び被害分析システムと地震時管制運転制御装置

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JPH11314865A
JPH11314865A JP12460998A JP12460998A JPH11314865A JP H11314865 A JPH11314865 A JP H11314865A JP 12460998 A JP12460998 A JP 12460998A JP 12460998 A JP12460998 A JP 12460998A JP H11314865 A JPH11314865 A JP H11314865A
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朋之 浜田
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高也 七夕
Hiroaki Kasai
洋昭 笠井
Takayuki Matsui
孝行 松井
Atsushi Sanekane
敦 実兼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震発生時に、多数のエレベータが停止する
状況の全容を迅速に把握できるエレベータの復旧支援シ
ステムの提供。 【解決手段】 過去の地震の際のエレベータの停止状況
に関するデータを利用することで、今回の地震に際して
の各エレベータの停止状況を予測する。このため、エレ
ベータの情報を記憶するエレベータ情報データベース
5、地震による各エレベータの地震感知器の動作状況を
その時の地震についての地震情報と対応付けて記憶する
感知器動作事例データベース4、新たな地震の発生時に
当該地震についての地震情報を入力する入力手段9、前
記感知器動作事例データベース4の情報と前記入力手段
9により入力した地震情報とから新たな地震によりどの
エレベータの地震感知器が動作するかを予測する予測プ
ログラム2、及びこの予測結果を表示する表示手段8と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの地震
時の安全システムに関し、特に地震発生時に地震感知器
により運転を停止したエレベータを迅速に復旧するため
の情報を提供するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エレベータの地震時の安全装置と
して、地震感知器を含む地震時管制運転制御装置が用い
られている。この制御装置は、地震感知器が設定された
感知レベル以上の揺れを感知すると、エレベータを最寄
り階に停止して乗客を安全に避難させ後、エレベータの
運行を停止する。そして、地震の揺れがおさまった後
に、保守会社の復旧作業員が個々の停止したエレベータ
の現場に赴いて点検を行い、異常がなければ運行を再開
する操作を制御装置に対して行い、エレベータの復旧を
行う。この復旧作業を迅速かつ効率よく行うためには、
どのエレベータが停止しているかを短時間で確実に把握
することが重要である。
【0003】地震発生時にどのエレベータが停止してい
るかを把握する手段としては、上記地震時管制運転制御
装置を電話回線に接続し、地震によりエレベータが停止
した場合、その旨の信号を電話回線を通して復旧作業員
の待機している監視センターに送信する方法が考案され
ている。しかしながら、この方法では大都市圏における
地震のように、数千台ものエレベータが一度に停止した
場合、管制運転制御装置からの信号が管制センターに殺
到して電話回線の容量オーバーとなり、正常に信号を受
信できなくなるという問題があった。
【0004】このため、管制運転制御装置では信号を発
信せず、監視センターの方から逐次個々の管制運転制御
装置に電話をかけてエレベータの停止状況を調べる方法
(例えば特開平8−298693号広報)、管制運転制
御装置にタイマーを設け、管制運転制御装置から信号を
発信するタイミングをずらして監視センターへの信号の
殺到を避ける方法(例えば特開平5−2694号広
報)、あるいは全ての管制運転制御装置から信号を発信
するのではなく、いくつかのエレベータをまとめた地域
における代表エレベータの管制運転制御装置のみが信号
を発信する方法(例えば特開平5−43157号広
報)、さらには地震が発生した場合に、保守要員が携帯
端末装置を携行し、この携帯端末装置を用いて各エレベ
ータの停止状況に関する情報を収集する方法(例えば特
開平10−7337号広報)などが従来において考案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来における停止
エレベータの把握方法のうち、監視センターからエレベ
ータの停止状況を調べる方法、あるいはタイマーを設け
て信号の発信するタイミングをずらす方法、それに携帯
端末装置を用いる方法には、監視センターの管轄地域が
大都市圏のように多数のエレベータを抱える地域である
場合、地震によるエレベータの停止状況の全容が分かる
までに多くの時間を要するという問題がある。即ち、い
ずれの方法においても、監視センターが管轄する全ての
エレベータを逐次調べることになるので、地震によって
停止したエレベータの数がごくわずかであったとして
も、全てのエレベータを調べ終わるまでは、その全容を
把握することができない。従って、迅速な復旧対応が取
れないという問題があった。
【0006】また、上記従来における停止エレベータの
把握方法は、管制運転制御装置と監視センターとの間で
地震発生後速やかに通信を行うための手段を必要とす
る。このため、この通信手段が使用不可能な状況となっ
た場合は、所定の機能を果たすことができなくなるとい
う問題があった。また、管制運転制御装置の側に通信対
応の機能を設ける必要があるので、このようなシステム
を新たに導入しようとした場合には、個々のエレベータ
の地震時管制運転制御装置を改造するなど多大の費用が
かかるという問題もあった。
【0007】本発明は、上記のような従来の事情を背景
になされたものであり、地震発生時において、地震感知
器により多数のエレベータが停止する状況の全容を迅速
に把握でき、しかも多大な費用を必要とする新たな通信
機能などを設ける必要がなくて導入費用を安価で済ませ
ることが可能なエレベータの復旧支援システムの提供を
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、過去の地震
の際のエレベータの停止状況つまり地震感知器の動作状
況に関するデータを利用することで、今回の地震に際し
ての各エレベータの停止状況を予測するようにしてい
る。即ち、過去の地震発生時におけるエレベータの地震
感知器の動作状況に関する情報を、その地震についての
地震情報、例えば震源位置や地震規模などと対応付けて
記録したデータベースを作成し、新たな地震が発生した
際には、この地震の地震情報に最も近い過去の地震に関
する地震情報をデータベースから選出し、この地震情報
に対応する各エレベータの停止状況データから新たな地
震の際の各エレベータの停止状況を予測するようにして
いる。このようにすることで、多数のエレベータについ
てそれらの停止状況の全容を迅速に把握することがで
き、効率的に復旧作業を進める上での有効な支援を与え
ることができる。しかも地震発生時に通信手段を用いて
個々のエレベータの停止状況を調べる必要がないので、
特別な通信対応の機能を設けなくとも済み、導入費用を
安価で済ませることが可能となる。
【0009】上記のような基本的な考え方に基づくエレ
ベータの復旧支援システムは、複数のエレベータについ
てそれぞれの情報を記憶するエレベータ情報記憶手段
と、地震による各エレベータの地震感知器の動作状況に
関する情報をその時の地震についての地震情報と対応付
けて記憶する感知器動作事例記憶手段と、新たな地震の
発生時に当該地震についての地震情報を入力する入力手
段と、前記感知器動作事例記憶手段に記憶されている情
報と前記入力手段により入力した地震情報とから前記新
たな地震により地震感知器が動作したエレベータを予測
する予測手段と、前記予測手段の予測結果を表示する表
示手段とを備えてなる。
【0010】上記のようなエレベータの復旧支援システ
ムは、地図データを記憶する地図データ記憶手段をさら
に備えることができ、このようにすることで、より機能
性を高めることができる。この場合には表示手段は、地
震感知器が動作したと予測されたエレベータの前記地図
データ上での所在分布図の形態で予測結果を表示するこ
とになる。
【0011】また上記のようなエレベータの復旧支援シ
ステムは、地図データ上に表示する表示地域の広さの範
囲である表示範囲を選択する選択手段と、地図データ上
での表示地域を所定距離間隔で格子状に区画した個々の
メッシュ領域に対してその領域に含まれる地震感知器が
動作したと予測されたエレベータの数を求める演算手段
とをさらに備えることができ、このようにすることで、
さらに一層機能性を高めることができる。この場合には
表示手段は、前記選択手段にて狭い表示地域での表示が
選択された場合には、地震感知器が動作したと予測され
た個々のエレベータの所在位置を地図データ上にマーク
して表示し、前記選択手段にて広い表示地域での表示が
選択された場合には、前記メッシュ領域に対して前記演
算手段で求めた数値に応じた色の階調を表示することに
なる。
【0012】上記のようなエレベータの復旧支援システ
ムにおける地震情報の入力手段は、新たに発生した地震
に関する地震情報の入力をシステムの操作者が操作して
行う形態の他に、常時地震観測を行っている機関から直
接的に地震情報を入力する形態も可能である。後者の形
態のための地震情報の入力手段は、地震発生時にその地
震に関する情報を獲得する観測手段と接続され、前記観
測手段から前記地震に関する情報を入力する機能を備え
たものとなる。
【0013】上記のようなエレベータの復旧支援システ
ムは、過去のデータから今回の地震における地震感知器
の動作状況を予測するための方法を含んでいる。その予
測方法は、地震によるエレベータの地震感知器の動作状
況をその時の地震についての地震情報と対応付けて、感
知器動作事例として記録し、新たな地震発生時には、こ
の地震についての地震情報と最も近い地震情報を前記感
知器動作事例の記録から選出し、この選出した地震情報
と対応付けて記録されているエレベータの地震感知器の
動作事例を、前記新たに発生した地震の際の当該エレベ
ータにおける地震感知器についての動作予測とするよう
にしてなる。
【0014】このようなエレベータの地震感知器の動作
予測方法については、複数のエレベータについて記録さ
れている感知器動作事例を利用することで、地震感知器
が動作した各エレベータの地理的分布状況が類似の地震
を一つのグループにまとめるとともに、同一のグループ
の地震に対応付けられたエレベータの地震感知器の動作
事例を地震のグループごとに統合して記録し、この統合
された記録から、新たに発生した地震の際するエレベー
タの地震感知器の動作についての予測を求める、つまり
新たに地震が発生した際には、この地震の地震情報と最
も近い地震情報を前記統合した記録における感知器動作
事例から選出し、そしてこの選出した地震情報に対応す
る地震が属するグループにおける地震感知器の動作パタ
ーンから対象とするエレベータの地震感知器の動作につ
いての予測を求めるようにすることができる。
【0015】上記のようなエレベータの復旧支援システ
ムは、その基本構造を利用することで、地震により発生
するエレベータの被害を分析するシステムとしても機能
させることができ、この分析に基づいてエレベータの耐
震設計上で有用なデータを得ることなどができる。その
ようなエレベータの被害分析システムは、地図上で被害
の分布状況を分析する地図方式のものと、グラフ化して
被害の状況を分析するグラフ方式のものとが可能であ
る。
【0016】地図方式によるエレベータの被害を分析す
るシステムは、複数のエレベータについてそれぞれの情
報を記憶するエレベータ情報記憶手段と、地震発生時に
おける各エレベータの被害状況に関する情報をその時の
地震についての地震情報と対応付けて記憶する被害事例
記憶手段と、地図データを記憶する地図データ記憶手段
と、表示内容を設定する設定手段と、前記地図データ上
の所定地域を所定距離間隔で格子状に区画した個々のメ
ッシュ領域に関して、前記設定手段による設定内容に従
ってそのメッシュ領域の地震による地面の揺れの強さ、
あるいはそのメッシュ領域に含まれるエレベータの数、
あるいはそのメッシュ領域に含まれて被害のあったエレ
ベータの数、あるいはそのメッシュ領域に含まれるエレ
ベータに関する数値的情報の平均値、あるいはそのメッ
シュ領域に含まれるエレベータの数に対する被害のあっ
たエレベータの数の比率を前記エレベータ情報記憶手段
に記憶されている情報と前記被害事例記憶手段に記憶さ
れている情報を用いて計算する演算手段と、前記演算手
段によって計算した数値を前記設定手段による設定内容
に従って前記メッシュ領域に対して付された色の階調、
または前記メッシュ領域の中央に描画したマークの大き
さ、またはこれらの組み合わせにより表示する表示手段
とを備えてなる。
【0017】一方、グラフ方式によるエレベータの被害
を分析するシステムは、複数のエレベータについてそれ
ぞれの情報を記憶するエレベータ情報記憶手段と、地震
発生時における各エレベータの被害状況に関する情報を
その時の地震についての地震情報と対応付けて記憶する
被害事例記憶手段と、表示内容を設定する設定手段と、
前記設定手段による設定内容に従って地震による地面の
揺れの強さごと、あるいはエレベータに関する数値的情
報の大きさごとに被害のあったエレベータの比率を前記
エレベータ情報記憶手段に記憶されている情報と前記被
害事例記憶手段に記憶されている情報を用いて計算する
演算手段と、前記演算手段によって計算した数値を前記
設定手段による設定内容に従ってグラフとして表示する
表示手段とを備えてなる。
【0018】上記のような基本的な考え方に基づくエレ
ベータの復旧支援システムは、過去のエレベータの地震
感知器の動作状況の情報とこれに対応する地震情報を収
集して保持することになり、そのための機能を備えるこ
とでも特徴付けられる。従って本発明によるエレベータ
の復旧支援システムは、通信手段と、複数のエレベータ
についてそれぞれの情報を記憶するエレベータ情報記憶
手段と、前記通信手段により送られてきた情報に基づい
て特定のエレベータについての情報を前記エレベータ情
報記憶手段より取り出して表示する表示手段と、前記表
示手段に表示されたエレベータの情報に対応して当該エ
レベータの状況を入力する入力手段と、前記入力された
エレベータの状況を記憶する記憶手段とを備える。
【0019】上記のような基本的な考え方に基づくエレ
ベータの復旧支援システムは、過去の地震に際しての地
震感知器の動作状況に関するデータを持つことになるの
で、これを地震感知器における感知レベルの適性化に利
用することができる。このような感知レベルの適性化を
可能とするエレベータの復旧支援システムは、地震発生
時におけるエレベータの被害状況を入力する入力手段
と、前記エレベータの被害状況をそのエレベータの地震
感知器の感知レベルとともに記憶する記憶手段と、前記
記憶手段により記憶されたデータを用いて個々のエレベ
ータの地震感知器の感知レベルを調整する演算手段とを
備えてなる。この場合のエレベータの被害状況には、エ
レベータの停止状況や物損被害の状況が含まれる。
【0020】また地震感知器の感知レベルの調整は、エ
レベータの地震時管制運転制御装置に行わせることもで
きる。そのための地震時管制運転制御装置は、地震感知
器、記憶装置、制御装置及び入力手段を備え、前記制御
装置は、前記地震感知器の動作時に、当該動作記録を、
前記入力手段により入力したエレベータの異常の有無の
情報とともに、前記記憶装置に記憶させ、またこの記憶
装置に記憶させ情報に基づいて、前記地震感知器の感知
レベルを調整し、この調整後の感知レベルを前記地震感
知器に設定するようになっている。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に第1の実施形態によるエレ
ベータの復旧支援システムの構成を示す。本システム
は、エレベータ1、感知器動作予測プログラム2、感知
器データ収集プログラム3、感知器動作事例データベー
ス4、エレベータ情報データベース5、地図データベー
ス6、処理装置7、表示装置8、入力装置9、電話回線
への接続装置10、電話回線12、及びエレベータ1を
設置したビルに備え付けの電話機13を含んでいる。ま
たエレベータ1には、駆動装置101、地震感知器10
2、地震感知器102の動作信号を検出してエレベータ
の地震時管制運転を実施する制御装置103、地震感知
器102の動作状況を記憶する記憶装置104、及び電
話回線への接続装置105が設けられている。
【0022】感知器動作予測プログラム2や感知器デー
タ収集プログラム3は、例えばコンピュータ装置などの
処理装置7上のプログラムとして実装される。感知器動
作事例データベース4、エレベータ情報データベース5
及び地図データベース6は、処理装置7に接続された外
部記憶装置上のデータファイルとして実装される。表示
装置8は、例えばCRTディスプレイなどであり、後述
する予測結果の表示手段としても機能し、処理装置7で
制御される。入力装置9は、処理装置7への入力用で、
地震情報の入力手段などとして機能し、例えばキーボー
ドや位置入力装置(マウス)などを用いる。電話回線へ
の接続装置10及び105は、例えば電話機能付きモデ
ムなどの電話接続機能を備えたデータ転送装置である。
また本実施形態においては、処理装置7、表示装置8、
入力装置9、及び各データベース類を、本システムで管
轄すべき全てのエレベータを監視する監視センター11
に設置している。
【0023】図2と図3に、感知器動作事例データベー
ス4に記録される事例データの中身の例を示す。図2
は、過去の地震における個々のエレベータの地震感知器
の動作状況を記録した地震感知器動作データ401であ
る。本データは、エレベータの識別番号(ID)、当該
エレベータに影響を及ぼした過去の地震を識別する地震
コード、各エレベータの地震感知器が前記地震コードに
対応する地震において動作したか否かを示す地震感知器
の動作データ及び各地震感知器の設定値からなる。地震
感知器の動作データは、0が動作せずで、1が動作した
ことを意味する。図3は、過去の地震に関する情報を記
録した地震情報データ402であり、過去の地震を識別
する地震コード、その地震の震源位置と深さ、及び地震
規模のデータからなる。これらのデータ401、402
は、地震コードにより関係付けられている。
【0024】エレベータ情報データベース5の中身は、
例えば図4に示すエレベータ情報501である。このエ
レベータ情報501は、エレベータの識別番号(I
D)、そのエレベータが設置されているビルの名称、電
話番号及び所在位置、それにエレベータの納入年や機
種、高さ(全高)、あるいはそのエレベータにおける地
震感知器の設定値などの情報からなる。
【0025】地図データベース6の中身は、例えば図5
に示す地図情報601であり、監視センターで管轄する
エレベータの所在地を包含する地域の地図の形態をと
り、より具体的には街路図や市区町村の境界を示す行政
界図、おもだった道路や鉄道、河川等を含む道路地図な
どの形態をとることができる。
【0026】以上のような本実施形態によるエレベータ
の復旧支援システムの動作を以下に説明する。図6に感
知器動作予測プログラム2の動作手順を示す。本プログ
ラムは、まず図7に示すような操作画面220を表示装
置8に表示し、操作者の指示入力を促す(201)。こ
の操作画面220は、地震感知器の動作状況の予測結果
を表示する表示領域221、地震発生時に地震情報を入
力する地震情報入力領域222、設定した地震情報に対
する予測表示を指示する操作ボタン223、予測プログ
ラムの終了を指示する操作ボタン224、予測表示を行
うべき地域を選択するための操作領域225と選択ボタ
ン226、及び予測表示で表示される領域の縮尺や場所
を調整する表示調整のための操作領域227を含む。
【0027】地震が発生すると操作者は、まず発生した
地震の震源位置(緯度及び経度)、強さ等を地震情報入
力領域222に入力する。すると、予測プログラムの処
理手順202、203によりそれらのデータがプログラ
ムに取り込まれる。次に、操作者は予測表示をすべき地
域を、キーボードを用いて操作領域225に書き込む
か、または選択ボタン226を押して表示された選択リ
ストの中から選ぶことにより指定する。すると、予測プ
ログラムの処理手順202、206により、地域の指定
がプログラムに取り込まれる。次に、操作者は以上の設
定で予測表示を行うよう操作ボタン223を押してプロ
グラムに指示を与える。すると、予測プログラムは処理
手順202、204、205に従って、上記で入力の地
震情報に対して指定の地域におけるエレベータの停止状
況の予測値を計算し、その結果を表示領域221に表示
する。この状態で、操作者が表示調整の操作領域227
を操作するとそれに合わせて予測表示の縮尺が拡大・縮
小されたり、表示対象領域が上下・左右に移動されて表
示される(処理手順202、207、205)。また、
この状態で操作者が表示地域の選択領域225や選択ボ
タン226を操作すると、それに応じて新たな予測対象
地域の予測値を計算して表示する(処理手順202、2
06、204、205)。また、操作者が操作ボタン2
24を押すと予測プログラムは終了する。
【0028】以上のような感知器動作予測プログラム2
において、地震発生時における地震感知器の動作状況つ
まりエレベータの停止状況を予測する方法の原理は以下
のとおりである。地震は、全くランダムな場所に発生す
るわけではなく、ある程度偏った地域に発生することが
知られている。例えば、関東近郊においては、茨城県の
南部、茨城県沖の日本海溝付近など太平洋プレートやフ
ィリピン海プレートが大陸プレートの下に沈み込む地域
で多発する傾向がある。一方、震源位置がほぼ同じであ
る地震の場合、地面の中を伝わる地震波の経路が大体同
じとなるので、地震の規模がほぼ同じであれば地表での
各地域における地面の揺れの大きさの分布も大体同じよ
うになる傾向がある。その結果、エレベータの停止状況
も大体同じような傾向になると考えられる。そこで、過
去の地震の震源位置と規模、及びその地震における個々
のエレベータの停止状況を記録しておき、新たな地震発
生時にはこの地震と同じような場所で発生した同じよう
な規模の過去の地震を探し、そしてこの過去の地震のと
きのエレベータの停止状況を予測値として用いることが
考えられる。本発明においては、このような考え方に基
づいてエレベータの停止状況を予測する。
【0029】図8を用いて感知器動作予測プログラム2
におけるエレベータの停止状況の予測計算手順204に
ついて詳しく説明する。まず、処理装置7の作業用記憶
装置上に図9に示す表示テーブル240を設け、その感
知器動作の欄を全て0にセットしておく(ステップ23
1)。次に、操作画面220で入力された地震情報の震
源位置と規模とからそれに最も近い地震を図3の地震情
報データ402から探し、その地震コードをAとする
(ステップ232)。最も近い地震の探索方法として
は、例えば震源位置と規模の二乗誤差をそれぞれ求め、
それらの和が最も小さいものを選ぶといった方法を用い
ることができる。次に、図2の地震感知器動作データ4
01を検索し、地震コードがAであり、かつ感知器動作
が1であるエレベータを探す。そして、それらのエレベ
ータに対して、表示テーブル240の対応するIDの感
知器動作の欄を1にセットする(ステップ233〜23
9)。以上の手順により、表示テーブル240において
感知器動作の欄を1にセットされたエレベータが地震感
知器の動作で停止すると予測されたエレベータとなる。
【0030】これらのエレベータについては、図4のエ
レベータ情報データ501からその所在位置を求め、例
えば図10に示すような形で地図上の丸印228として
表示する。あるいは、これらのエレベータの設置されて
いるビル名や住所、電話番号をエレベータ情報データ5
01から求め、そのリストを画面に表示するものであっ
てもよい。あるいは、地図上で個々のエレベータの区別
がつかないような広い範囲について表示する場合には、
表示する地域を例えば500m四方のメッシュ領域に区
切り、停止すると予測されたエレベータの各メッシュ領
域に含まれる台数を計数し、例えば図11に示すよう
に、その数に対応してメッシュ領域に色の階調を付けて
表示するものであってもよい。
【0031】図10や図11に表示される予測結果を見
ることによって、監視センターでは地震発生直後に管轄
地域全体としてどの程度のエレベータが停止しているか
の全容を把握することができる。これにより、監視セン
ターでは、今回の地震に対する復旧作業のために緊急に
多数の復旧作業員を招集すべきか、あるいは通常の作業
員で対処可能なのかの判断を行うことができる。また予
測結果を見ることによって、監視センターでは、停止し
たエレベータがどの地域に集中しているかを把握するこ
とができるので、停止エレベータの集中している地域に
は、復旧作業員を増員して派遣するなど復旧作業を迅速
化・効率化するための施策を講じることができる。更に
また、図10のような表示を見ることにより、監視セン
ターでは、ある地域においてどのエレベータが停止して
いそうかといった判断ができるので、復旧作業員に対し
て停止していそうなエレベータに対して優先的に赴くよ
う効率的な巡回順序の指示を与えることができる。
【0032】以上の説明では、地震情報の入力手段とし
てキーボードやマウスなどを用いた入力装置9を用いる
としていたが、これに代えて、インターネットなどのコ
ンピュータネットワークを入力手段とすることもでき
る。即ち、常時地震観測を行っている機関により公表さ
れる情報を、インターネットなどのコンピュータネット
ワークを介して直接的に地震情報として入力するように
することも可能である。あるいは地震計などの観測手段
から直接的にデータを取り込むことができるようにする
形態の入力手段とすることも可能で、この場合には観測
手段で所定のレベル以上の揺れを検出した時に地震情報
を自動的に入力できるようにする。
【0033】また以上の説明では、操作者が操作画面2
20に対して地震情報と表示対象地域を設定することに
よって予測結果を表示するものとしたが、この他の形態
も可能である。例えば表示対象地域を予め設定してお
き、また入力手段として上記のようにコンピュータネッ
トワークを利用できるようにし、そして常時地震を観測
している機関から地震の発生と震源位置や規模に関する
情報が送られてくると、その情報を自動的に取り込みむ
と共に予測結果を表示する形態である。更に、表示装置
8をより多様な機能で働かせることも可能である。即ち
通常時には顧客管理や故障連絡に対する応対など日常的
な業務に関する画面を表示装置8に表示し、地震発生時
には上記のように自動的に予測表示の画面220を表示
する。
【0034】次に、感知器データ収集プログラム3の動
作につて説明する。このプログラム3は、地震が発生し
た後にその地震におけるエレベータの停止状況を収集
し、感知器の動作事例として、感知器動作事例データベ
ース4に記録する処理を行うものである。
【0035】地震感知器が動作して停止したエレベータ
は、復旧作業員が赴いて復旧操作をしない限り復旧させ
ることはできない。従って、復旧作業員が現場に赴いて
復旧作業を実施し、その作業完了報告を監視センターに
行う際に記録を取ることで、当該地震においてどのエレ
ベータが停止したかの事例データを得ることができる。
またこの事例データの記録は、ビルの管理人からエレベ
ータが停止しているので復旧してほしい旨の連絡があっ
た際に、その記録を取ることによっても行うことができ
る。
【0036】図12は、このような復旧作業員やビルの
管理人からの電話連絡を受けた時に感知器動作事例を収
集するプログラムの動作手順を示したものである。復旧
作業員またはビルの管理人から、図1の電話機13を通
信手段として監視センターに連絡があると、感知器デー
タ収集プログラム3は、図13のような登録画面310
を表示装置8に表示する(ステップ301)。この時、
電話回線への接続装置10が発信者の電話番号を受け取
った場合は、エレベータ情報データベース5の電話番号
欄を検索し、該当するエレベータがあれば、登録画面3
10のエレベータ情報領域314にそのエレベータにつ
いての電話番号、ビル名、住所、識別番号などを表示す
る。監視センターの電話応対者は、相手の用件を確認
し、それがビルの管理人によるエレベータ停止の連絡で
ある場合には、登録画面310の停止連絡の項目311
をチェックして操作ボタン316を押す。また、相手が
復旧作業員で用件がエレベータの復旧完了の報告である
場合には、復旧完了の項目312をチェックして操作ボ
タン316を押す。一方、接続装置10が発信者の電話
番号を受け取らず、エレベータ情報領域314に何も表
示されていない場合は、相手から電話番号、ビル名、住
所、管理番号のいずれかを聞き出し、それをエレベータ
情報領域314の該当する箇所に入力装置9を用いて入
力し、操作ボタン315を押す。すると、感知器データ
収集プログラム3は、エレベータ情報データベース5を
検索して該当エレベータに関する情報をエレベータ情報
領域314に表示する。電話応対者は、所定の情報が表
示されたことを確認した上で操作ボタン316を押す。
また、電話の用件がビルの管理人からの停止連絡でも、
復旧作業員からの復旧完了連絡でもない場合はその他の
項目のチェックボタン313をチェックして操作ボタン
316を押す。以上の操作により受電内容の確認を行う
(ステップ302)。
【0037】次に、受電内容が停止連絡である場合は図
9の表示テーブル240における該当エレベータの感知
器動作の欄を2とする(ステップ303、304)。一
方、受電内容が復旧完了である場合は表示テーブル24
0における該当エレベータの復旧完了の欄を1とし、更
に感知器動作の欄を2とする(ステップ305、30
6、307)。そして、これらの結果を先の予測結果と
合わせて、図10のような形で表示する(ステップ30
8)。
【0038】この時、表示テーブル240において感知
器動作の欄が1のエレベータは停止していると予測され
たものであり、2のエレベータは実際に停止しているこ
とが確認されたエレベータとなる。また、表示テーブル
240において復旧完了の欄が1のエレベータは実際に
停止していて復旧が完了したエレベータとなる。そこ
で、図10の表示画面220において、表示テーブル2
40の感知器動作が1のエレベータは黄色、感知器動作
が2で復旧完了が0のエレベータは赤色、復旧完了が1
となったエレベータを青色とすると言った表示を行うこ
とにより、どれだけのエレベータが停止し、どれだけの
エレベータが復旧完了しているかといった復旧作業の進
捗状況を一目で確認することができるようになる。これ
により、監視センターでは刻一刻変化する作業の進行状
況に応じて、適切な指示を復旧作業員に指示することが
できる。
【0039】以上のような、処理を通して表示テーブル
240には、実際に停止したエレベータの記録が蓄積さ
れる。即ち、表示テーブル240において感知器動作の
欄が2であるエレベータが実際に停止したエレベータと
なる。これらのエレベータのIDを地震コードと共に記
録することにより、図2の感知器動作データ401を得
ることができる。
【0040】以上のように、感知器データ収集プログラ
ムによれば、特別な調査作業を実施しなくとも、地震発
生後の復旧作業を遂行するプロセスの中で自動的に感知
器の動作事例データを収集することができる。
【0041】なお、地震感知器の動作状況が図1の記憶
装置104に記憶されている場合は、電話回線への接続
装置105を介して感知器データ収集プログラム3によ
り、動作事例データを自動的に収集することもできる。
即ち、地震が発生して地震感知器102が動作すると、
制御装置103は地震感知器102が動作したことを記
憶装置104に記憶する。一方、感知器データ収集プロ
グラム3は、地震が収まった後、電話回線への接続装置
10を用いて個々のエレベータへ順次電話をかける。そ
して制御装置103は、収集プログラム3からの電話を
接続装置105を用いて受けると、記憶装置104に記
憶されている地震感知器の動作記録を送信する。収集プ
ログラムは、その記録を蓄積することにより地震感知器
の動作事例データとする。
【0042】以上の説明においては、地震感知器の動作
状況のみを収集したが、同様の手順でエレベータの物損
被害の状況も収集し、感知器動作事例データに記録して
もよい。これにより、個々のエレベータについて、地震
感知器の感知レベルと地震感知器の動作記録とその時に
物損被害があったかどうかの記録を得ることができ、こ
のデータを用いて個々のエレベータについて、感知レベ
ルを自動的に適正化することができる。即ち、例えばあ
るエレベータについてこれまで地震感知器が動作してい
るにもかかわらず全く物損被害が発生した記録がなけれ
ば、そのエレベータの感知レベルを少し上げるといった
処理を行えばよい。これにより、地震発生時に不必要に
停止するエレベータの台数を減らすことができるので、
復旧作業の低減を図ることができる。ここで、上記の方
法で地震感知器の感知レベルを自動的に適正化するにつ
いては、個々のエレベータにこの適正化の機能を組み込
んでもよい。即ち、図1における制御装置103に入力
手段を設け、地震が発生して地震感知器102が動作す
ると、その記録を制御装置103が前記入力手段により
記憶装置104に記録する。また、復旧作業員がエレベ
ータ1の点検を行って異常がない場合あるいは異常があ
った場合、その旨を前記入力手段により入力し、記憶装
置104に記憶する。また、記憶装置104には地震感
知器102の現在の感知レベルの設定値も記憶させる。
さらにこのようにして記憶装置104に蓄積された感知
器の動作状況と異常発生の有無の記録から適正な感知レ
ベルを計算する演算手段も制御装置103に設ける。そ
して制御装置103がその前記演算手段により計算した
適正な感知レベルを地震感知器102にセットする。こ
れにより、監視センターでデータを集めることなく個々
のエレベータにおいて感知レベルの適正化を行うことが
できる。
【0043】また以上の説明においては、感知器動作予
測プログラム2と感知器データ収集プログラム3は、同
一の処理装置7上にあるものとしたが、これらを別々の
処理装置上に実装することも可能である。その場合には
必要に応じて各処理装置ごとに入力装置や表示装置を設
ける。
【0044】図14は、本発明の第2の実施形態による
エレベータの復旧支援システムを示す。本実施形態は、
第1の実施形態の構成に感知器動作分析プログラム14
と動作パターンデータベース15を加え、かつ感知器動
作事例データベース4に新たな内容を追加したものであ
る。その他の構成要素については、第1の実施形態と同
様である。
【0045】第1の実施形態においては、感知器動作事
例データベース4の中から震源位置及び規模が最も近い
地震を選び出し、その地震のときのエレベータの停止状
況を予測値としている。ただこの方法の場合、十分な事
例データが蓄積するまでは的確な予測値を得にくいとい
う状況が考えられる。そこで本実施形態においては、感
知器動作分析プログラム14により、地震感知器の動作
事例データを分析して感知器の動作傾向が類似である地
震をグループ化し、少ない事例データでも対応できるよ
うにしたものである。また、本実施形態においては、感
知器動作分析プログラム14により地震感知器の動作事
例データに蓄積された過去の地震におけるエレベータの
挙動を分析し、現状の地震感知器の感知レベルが適正な
ものであるかの検討を行うなど、エレベータの耐震設計
に有効な情報を得られるようにしたものである。
【0046】図15と図16に本実施形態において感知
器動作事例データベース4に新たに加えられたデータの
中身の例を示す。図15は、物損被害事例データ403
で、エレベータの識別番号(ID)と地震コード、及び
地震によりエレベータに発生した物損内容を示す物損被
害コードからなる。図16は、地震による地面の揺れの
強さの観測データ404で、地震コードと観測点位置、
及びこの位置の観測点で観測された地面の揺れの強さか
らなる。
【0047】図17に、感知器動作分析プログラム14
の動作手順を示す。本プログラムは、まず図18に示す
ような操作画面1420を表示し、操作者の指示入力を
促す(処理手順1401)。操作画面1420は、地震
感知器の動作状況等の分析結果を表示する表示領域14
21、地図を用いた分析表示を指示する操作ボタン14
22、1423、分析を行うべき地域を選択するための
操作領域1425と選択ボタン1426、地図を用いた
分析で表示される領域の縮尺や場所を調整する表示調整
のための操作領域1427、分析を行うべき対象となる
地震を選択するための操作領域1428と選択ボタン1
429、及び分析プログラムの終了を指示する操作ボタ
ン1424を含む。
【0048】分析プログラムの操作者は、まず分析対象
とする地震を、操作領域1428にキーボードを用いて
書き込むか、または選択ボタン1429を押して表示さ
れた選択リスト中から選ぶことにより指定する。する
と、分析プログラムの処理手順1402、1413によ
りそれらのデータがプログラムに取り込まれる。この
時、表示領域1421にはまだ何も表示されていないの
で処理手順1414では、「無し」に分岐する。次に、
操作者は分析をすべき地域を、操作領域1425にキー
ボードを用いて書き込むか、または選択ボタン1426
を押して表示した選択リストの中から選ぶことにより指
定する。すると、分析プログラムの処理手順1402、
1409により、地域の指定がプログラムに取り込まれ
る。この時も表示領域1421にはまだ何も表示されて
いないので処理手順1410では、「無し」に分岐す
る。
【0049】次に、操作者は地図を用いた分析表示を行
う場合には操作ボタン1422を押し、グラフを用いた
分析表示を行う場合には操作ボタン1423を押す。す
ると、分析プログラムはそれぞれ処理手順1403、1
404、1405、あるいは1406、1407、14
08に従って、指定された地震に対して指定された地域
における分析計算を行い、その結果を表示領域1421
に表示する。
【0050】まず、地図を用いた分析表示では、分析対
象地域における停止エレベータの地理的分布を表示する
ことにより、各地震間での停止エレベータの分布の類似
性を検討する。また、分析対象地域における地面の揺れ
の強さの分布などに対して、停止エレベータの分布や、
物損被害が発生したエレベータの分布などを重ね合わせ
て表示することにより、これら事象相互の関連性につい
て検討を行う。
【0051】分布表示の方法としては、表示対象地域を
例えば500m四方のメッシュ領域に区切り、各メッシ
ュ領域における地面の揺れの強さ、停止したエレベータ
の数などをメッシュ領域の色の階調として表示するか、
あるいはメッシュ領域の中心に描くマークの大きさとし
て表示する。ここで、前者の表示方法を階調表示、後者
の表示方法を比例サイズ表示と呼ぶことにする。
【0052】操作者が地図を用いた分析表示を選択する
と、分析プログラムは図19に示すような表示内容設定
画面1440を表示する(処理手順1403)。操作者
は、まず設定画面1440において、操作領域1441
や選択ボタン1442を操作して比例サイズ表示により
表示する内容、例えば「地面の揺れの強さ」、「エレベ
ータの数」、「被害(停止または物損)のあったエレベ
ータの数」、「エレベータ数に対する被害のあったエレ
ベータ数の比率」、あるいは「表示せず」などを選択し
て設定する。次に、操作領域1443や選択ボタン14
44を操作して階調表示により表示する内容を同様に選
択する。表示内容として「被害のあったエレベータの
数」や「エレベータ数に対する被害のあったエレベータ
数(被害発生率)」を選択した場合は、チェックボタン
1445、1446のいずれかをチェックすることによ
り、分布表示をすべきエレベータとして物損被害があっ
たものとするか、感知器動作により停止したものとする
かを選択する。この選択で物損被害があったエレベータ
の表示を選択した場合には、どの物損内容について物損
被害エレベータとして表示するかを操作領域1447に
指定する。一方、表示内容として停止エレベータの表示
を選択した場合に感知器の設定値がいくらのものを対象
とするかを操作領域1448に設定する。そして、操作
領域1449には分布表示に対して付ける題目を設定す
る。以上の一連の内容を設定し終わると、操作者は、操
作ボタン1450を押して分布表示を実行するよう分析
プログラムに対して指示を与える。
【0053】なお、これら表示内容の設定において頻繁
に使用する設定内容については、予めプログラムの中に
記憶させておき、操作領域1451や選択ボタン145
2を操作することで選択できるようにしておいてもよ
い。
【0054】操作者が、表示内容を設定すると分析プロ
グラムは表示内容の計算を行い、結果を図20のような
形で表示する。表示内容の計算においては、地面の揺れ
の強さの分布を表示する場合は、観測データ404を用
いて観測点における揺れの強さを求め、分析対象地域の
個々のメッシュ領域における揺れの強さを補間により求
める。補間の方法としては、例えば観測点における値を
滑らかに結ぶように各メッシュ領域の中央における値を
決定するような最適化計算を行えばよい。一方、物損被
害のあったエレベータの分布を表示する場合は、図15
の物損被害事例データ403を用いて、表示の対象とな
る物損被害のあったエレベータを検索し、そのエレベー
タの所在位置をエレベータ情報データベース5から求
め、表示対象地域の各メッシュ領域に含まれるそれらエ
レベータの数を計数することにより分布を求める。ま
た、物損被害発生率の分布を表示する場合は、各メッシ
ュ領域において前記の物損被害のあったエレベータ数を
そのメッシュ領域に含まれる全てのエレベータの数で割
ることにより分布を求める。更にまた、エレベータに関
する数値的な情報、例えば高さや納入年などの地域的な
分布の様子を表示する場合は、各メッシュ領域に含まれ
るエレベータに対して、これら数値の平均値を求めるこ
とにより分布を求める。このようにして各種事象の分布
を求める。
【0055】以上の計算の結果、設定画面1440にお
いて階調表示の欄に指定した表示内容は、図20に符号
1460で示すように、メッシュ領域の色の階調(図で
はハッチの種類別)として表示され、一方、設定画面1
440において比例サイズ表示の欄に指定された表示内
容は、図20のマーク1461で示すように、マークの
大きさとして表示される。これにより、操作者は2種類
の表示内容の分布を重ね合わせて見ることができ、それ
らの表示内容相互の地理的分布における関連性について
検討することができる。
【0056】この状態で、操作者が表示調整の領域14
27を操作すると、それに合わせて分析表示の縮尺が変
更されたり、表示対象領域が上下・左右に移動して表示
される(処理手順1402、1411、1412、14
05)。また、この状態で操作者が表示地域の選択領域
1425、1426を操作すると、それに応じて新たな
表示対象地域の分析表示内容を計算して表示する(処理
手順1402、1409、1410、1404、140
5)。また、この状態で操作者が対象地震の選択領域1
428、1429を操作すると、それに応じて分析表示
内容を再計算して表示する(処理手順1402、141
3、1414、1404、1405)。これにより、操
作者は様々な地域について様々な縮尺・範囲におけるエ
レベータの地震被害関連の事象の分布を表示して検討す
ることができる。また、対象地震を様々に変えてみるこ
とで、感知器動作事例データベースに蓄えられている過
去の地震における停止エレベータの分布状況についてそ
の類似性を比較検討することができる。
【0057】次に、グラフを用いた分析表示では、地面
の揺れの強さに対するエレベータの被害発生率や、エレ
ベータの高さに対する被害発生率などを計算し、グラフ
化して表示する。これにより、どの程度の揺れでエレベ
ータに被害が発生するかとか、被害発生率にエレベータ
の高さがどのように関係しているかといった耐震設計上
有用な情報を得ることができる。
【0058】操作者がグラフを用いた分析表示を選択す
ると、分析プログラムは図21に示すような表示内容設
定画面1470を表示する(1406)。操作者は、ま
ず設定画面1470において、操作領域1471または
選択ボタン1472を操作してグラフの横軸として用い
るパラメータ、例えば「地面の揺れの強さ」や「エレベ
ータの高さ」などを選択する。次に、操作領域147
3、1474、1475を操作してグラフを表示する際
の横軸パラメータの開始値、終了値、刻み値を指定す
る。次に、被害発生率として物損被害の発生率とする
か、地震感知器が動作した動作率とするかをチェックボ
タン1476、1477のいずれかをチェックすること
により選択する。それから、前記で物損被害の発生率を
選択した場合には、どの物損内容について発生率を計算
するかを操作ボタン1478を押して設定する。また、
前記で地震感知器の動作率を選択した場合には感知器の
設定値がいくらのものを対象とするかを操作領域147
9に設定する。そして、操作領域1480にはグラフ表
示に対して付ける題目を設定する。以上の一連の内容を
設定し終わると、操作者は、操作ボタン1481を押し
てグラフ表示を実行するよう分析プログラムに対して指
示を与える。
【0059】なお、これら表示内容の設定において、頻
繁に使用する設定内容については、予めプログラムの中
に記憶させておき、操作領域1482、1483を操作
することで選択できるようにしておいてもよい。
【0060】操作者が、表示内容を設定すると分析プロ
グラムは表示内容の計算を行い、結果を図22のような
形で表示する。表示内容の計算においては、例えば地面
の揺れの強さに対する物損被害の発生率を表示する場合
には、まず地図を用いた分析において地面の揺れの強さ
の分布表示に用いた計算手順と同様の手順により、対象
地域の各メッシュ領域における揺れの強さを求める。次
に、エレベータ情報データベース5に含まれる全てのエ
レベータについて、その所在位置と前記で求めた地面の
揺れの強さの分布とから、各エレベータに働いた地面の
揺れの強さを求める。そして、設定画面1470で設定
された横軸パラメータの開始値、終了値、刻み値に従っ
て、各揺れの強さにおけるエレベータ数と物損被害のあ
ったエレベータ数を求め、後者を前者で割ることにより
各揺れの強さに対する被害発生率を求める。
【0061】以上の計算の結果、図22の表示領域14
21に示すように、設定画面1470で指定したパラメ
ータを横軸とし、被害発生率を縦軸とした折れ線グラフ
を表示する。ここで、折れ線グラフの各データ点の有効
性を検討するため、各データ点におけるエレベータ数、
そのうち物損被害のあったエレベータ数などを棒グラフ
として同時に表示してもよい。
【0062】この状態で、操作者が表示地域の選択領域
1425、1426を操作すると、それに応じて新たな
表示対象地域の分析表示内容を計算して表示を行う(処
理手順1402、1409、1410、1407、14
08)。また、この状態で操作者が対象地震の選択領域
1428、1429を操作すると、それに応じて分析表
示内容を再計算して表示を行う(処理手順1402、1
413、1414、1407、1408)。これによ
り、操作者は様々な地域についてエレベータの各種パラ
メータと被害発生率の関係をグラフ表示して検討するこ
とができる。また、対象地震を様々に変えてみること
で、感知器動作事例データベースに蓄えられている過去
の地震における停止エレベータの特性に対してその類似
性を比較検討することができる。
【0063】このような分析表示により、操作者は地面
の揺れの強さ、エレベータの高さや納入年など種々のパ
ラメータに対する被害発生率の関係を調べることがで
き、エレベータの耐震設計に有用な情報を得ることがで
きる。また、このような形で各種パラメータに対する物
損被害の発生率の変化と地震感知器の動作率の変化を比
較することにより、地震感知器の感知レベルが適正であ
るかの検討を行うことができる。即ち、例えば地面の揺
れの強さに対する両者の変化を比較した結果、例えば物
損被害の発生率が増加しはじめるのはなり大きな地面の
揺れの領域であるのに対し、感知器の動作率は非常に小
さな地面の揺れの領域でも増加しているなら、地震感知
器の感知レベルをもう少し上げることも可能であるとい
った検討を行うことができる。
【0064】以上説明した分析プログラムにより、エレ
ベータの停止状況の類似性を検討した結果、操作者は感
知器動作事例データベース4に記憶されている地震をい
くつかのグループに分類する。そして、図23に示すよ
うな形で図3の地震情報データ402にグループ番号を
付加したデータ1501を生成する。また、同一のグル
ープに属する地震に対応した図2の感知器動作データ4
01を統合して、図24に示すような動作パターンデー
タ1502を生成する。ここで、感知器動作データ40
1の統合の方法としては、例えば各エレベータについて
同じグループに属する地震で感知器が動作した回数をそ
のグループに属する地震の回数で割った値、即ち感知器
の動作率を求めてその値を統合した値として用いればよ
い。以上の処理は、操作画面1420において、操作ボ
タン1430を押すことにより開始する。なお、グルー
プ番号を付加した地震情報データ1501と動作パター
ンデータ1502は、図14における動作パターンデー
タベース15として記憶される。
【0065】次に、第2の実施形態においてエレベータ
の停止状況の予測を行う場合には、予測プログラム2は
感知器動作事例データベース4のかわりに動作パターン
データベース15の地震情報データ1501の中から最
も近い地震を検索する。そして、その地震のグループ番
号を得て、動作パターンデータ1502の該当する地震
グループの動作パターンを予測値として用いる。
【0066】このような地震のグループ化を行うことに
より、個々の地震における特殊性が弱められて全体的な
傾向を重視した形の予測値を得ることができる。即ち、
データベースに蓄積されている地震の件数が少ない場合
には、予測の対象として入力された地震に最も近い地震
を選択したとしても、震源位置、規模などがかなり異な
っている場合が多くなると考えられる。この場合、入力
された地震が選択した一つの地震と同じと考えるより
も、その地震も含めた類似の地震群の全体的な傾向のレ
ベルで同じであると考えた方が適切であると考えられ
る。従って、グループ化を行うことでより適切な予測値
を得ることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるエレ
ベータの復旧支援システムには、以下のような効果を期
待できる。地震発生時に通信手段を用いて個々のエレベ
ータの停止状況を調べずとも、エレベータの停止状況の
全容を瞬時に把握することができ、迅速な復旧作業を行
うことができる。また、通信手段を用いないので安価に
システムを導入することができる。
【0068】予測結果の表示を見ることによって、監視
センターでは地震発生直後に管轄地域全体としてどの程
度のエレベータが停止しているかの全容を把握すること
ができる。これにより、監視センターでは地震に対する
復旧作業のために緊急に多数の復旧作業員を招集すべき
か、あるいは通常の作業員で対処可能なのかの判断を行
うことができる。また、これらの予測結果の表示を見る
ことによって、監視センターでは停止したエレベータが
どの地域に集中しているかを把握することができるの
で、停止エレベータの集中している地域には、復旧作業
員を増員して派遣するなど復旧作業を迅速化・効率化す
るための施策を講じることができる。
【0069】予測表示を見ることにより、監視センター
では、ある地域においてどのエレベータが停止していそ
うかといった判断ができるので、復旧作業員に対して停
止していそうなエレベータに対して優先的に赴くよう効
率的な巡回順序の指示を与えることができる。また、予
測表示を見ることにより、監視センターでは刻一刻変化
する作業の進行状況に応じて、適切な指示を復旧作業員
に指示することができる。
【0070】特別な調査作業を実施しなくとも、地震発
生後の復旧作業を遂行するプロセスの中で予測表示に必
要な感知器の動作事例データを自動的に収集することが
できる。
【0071】エレベータの被害状況の分布や地震による
地面の揺れの分布などに関して2種類の事象の分布を重
ね合わせて見ることができ、それらの事象相互の地理的
分布における関連性について検討し、感知器動作事例デ
ータベースに蓄えられている過去の地震における停止エ
レベータの分布状況に対してその類似性を比較検討する
ことができる。
【0072】エレベータの各種パラメータと被害発生率
の関係をグラフ表示して検討することができ、感知器動
作事例データベースに蓄えられている過去の地震におけ
る停止エレベータの特性に対してその類似性を比較検討
することができる。
【0073】地面の揺れの強さ、エレベータの高さや納
入年など種々のパラメータに対する被害発生率の関係を
調べることができ、エレベータの耐震設計に有用な情報
を得ることができる。また、各種パラメータに対する物
損被害の発生率の変化と地震感知器の動作率の変化を比
較することにより、地震感知器の感知レベルが適正であ
るかの検討を行うことができる。
【0074】地震のグループ化を行うことにより、少な
い感知器動作事例データしかない場合にも、より適切な
予測値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態によるエレベータの復旧支援シ
ステムの構成図である。
【図2】感知器動作事例データの構造を示す図である。
【図3】地震情報データの構造を示す図である。
【図4】エレベータ情報データの構造を示す図である。
【図5】地図情報データの例を示す図である。
【図6】感知器動作予測プログラムの動作手順を示す図
である。
【図7】感知器動作予測プログラムの操作画面を示す図
である。
【図8】感知器動作予測値の計算手順を示す図である。
【図9】表示テーブルの構造を示す図である。
【図10】狭い地域における感知器動作予測結果の表示
例を示す図である。
【図11】広い地域における感知器動作予測結果の表示
例を示す図である。
【図12】感知器データ収集プログラムの動作手順を示
す図である。
【図13】感知器データ収集プログラムのデータ登録画
面を示す図である。
【図14】第2の実施形態によるエレベータの復旧支援
システムの構成図である。
【図15】物損被害事例データの構造を示す図である。
【図16】地震による地面の揺れの強さの観測データの
構造を示す図である。
【図17】感知器動作分析プログラムの動作手順を示す
図である。
【図18】感知器動作分析プログラムの操作画面を示す
図である。
【図19】地図を用いた分析表示内容の設定画面を示す
図である。
【図20】地図を用いた分析の表示結果を示す図であ
る。
【図21】グラフを用いた分析表示内容の設定画面を示
す図である。
【図22】グラフを用いた分析の表示結果を示す図であ
る。
【図23】グループ番号を付加した地震情報データの構
造を示す図である。
【図24】感知器動作パターンデータの構造を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 エレベータ 2 感知器動作予測プログラム 3 感知器データ収集プログラム 4 感知器動作事例データベース 5 エレベータ情報データベース 6 地図データベース 7 処理装置 8 表示装置 9 入力装置 10 電話回線接続装置 11 監視センター 12 電話回線 101 エレベータの駆動装置 102 地震感知器 103 地震時管制運転制御装置 104 記憶装置 105 電話回線接続装置
フロントページの続き (72)発明者 笠井 洋昭 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 松井 孝行 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 実兼 敦 東京都千代田区神田錦町一丁目6番地 株 式会社日立ビルシステム内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエレベータについてそれぞれの情
    報を記憶するエレベータ情報記憶手段と、地震による各
    エレベータの地震感知器の動作状況に関する情報をその
    時の地震についての地震情報と対応付けて記憶する感知
    器動作事例記憶手段と、新たな地震の発生時に当該地震
    についての地震情報を入力する入力手段と、前記感知器
    動作事例記憶手段に記憶されている情報と前記入力手段
    により入力された地震情報とから前記新たな地震により
    地震感知器が動作したエレベータを予測する予測手段
    と、前記予測手段の予測結果を表示する表示手段とを備
    えたエレベータの復旧支援システム。
  2. 【請求項2】 地震によるエレベータの地震感知器の動
    作状況を、その時の地震についての地震情報と対応付け
    て、感知器動作事例として記録し、新たな地震発生時に
    は、この地震についての地震情報と最も近い地震情報を
    前記感知器動作事例の記録から選出し、この選出した地
    震情報と対応付けて記録されているエレベータの地震感
    知器の動作事例を、前記新たに発生した地震の際の当該
    エレベータにおける地震感知器についての動作予測とす
    るようにしたエレベータの地震感知器の動作予測方法。
  3. 【請求項3】 複数のエレベータについてそれぞれの情
    報を記憶するエレベータ情報記憶手段と、地震発生時に
    おける各エレベータの被害状況に関する情報をその時の
    地震についての地震情報と対応付けて記憶する被害事例
    記憶手段と、地図データを記憶する地図データ記憶手段
    と、表示内容を設定する設定手段と、前記地図データ上
    の所定地域を所定距離間隔で格子状に区画した個々のメ
    ッシュ領域に関して、前記設定手段による設定内容に従
    ってそのメッシュ領域の地震による地面の揺れの強さ、
    あるいはそのメッシュ領域に含まれるエレベータの数、
    あるいはそのメッシュ領域に含まれて被害のあったエレ
    ベータの数、あるいはそのメッシュ領域に含まれるエレ
    ベータに関する数値的情報の平均値、あるいはそのメッ
    シュ領域に含まれるエレベータの数に対する被害のあっ
    たエレベータの数の比率を前記エレベータ情報記憶手段
    に記憶されている情報と前記被害事例記憶手段に記憶さ
    れている情報を用いて計算する演算手段と、前記演算手
    段によって計算した数値を前記設定手段による設定内容
    に従って前記メッシュ領域に対して付された色の階調、
    または前記メッシュ領域の中央に描画したマークの大き
    さ、またはこれらの組み合わせにより表示する表示手段
    とを備えたエレベータの被害分析システム。
  4. 【請求項4】 複数のエレベータについてそれぞれの情
    報を記憶するエレベータ情報記憶手段と、地震発生時に
    おける各エレベータの被害状況に関する情報をその時の
    地震についての地震情報と対応付けて記憶する被害事例
    記憶手段と、表示内容を設定する設定手段と、前記設定
    手段による設定内容に従って地震による地面の揺れの強
    さごと、あるいはエレベータに関する数値的情報の大き
    さごとに被害のあったエレベータの比率を前記エレベー
    タ情報記憶手段に記憶されている情報と前記被害事例記
    憶手段に記憶されている情報を用いて計算する演算手段
    と、前記演算手段によって計算した数値を前記設定手段
    による設定内容に従ってグラフとして表示する表示手段
    とを備えたエレベータの被害分析システム。
  5. 【請求項5】 通信手段と、複数のエレベータについて
    それぞれの情報を記憶するエレベータ情報記憶手段と、
    前記通信手段により送られてきた情報に基づいて特定の
    エレベータについての情報を前記エレベータ情報記憶手
    段より取り出して表示する表示手段と、前記表示手段に
    表示された情報に対応して当該エレベータの被害状況を
    入力する入力手段と、前記入力されたエレベータの被害
    状況を記憶する記憶手段とを備えたエレベータの復旧支
    援システム。
  6. 【請求項6】 地震発生時におけるエレベータの被害状
    況を入力する入力手段と、前記エレベータの被害状況を
    そのエレベータの地震感知器の感知レベルとともに記憶
    する記憶手段と、前記記憶手段により記憶されたデータ
    を用いて個々のエレベータの地震感知器の感知レベルを
    調整する演算手段をと備えたエレベータの復旧支援シス
    テム。
  7. 【請求項7】 複数のエレベータに関する情報を記憶す
    る記憶手段と、地震発生時にその地震に関する情報と前
    記記憶手段の情報から、各エレベータ毎の地震感知器の
    動作有無を予測する予測手段と、その予測結果を表示す
    る表示手段とを備えたエレベータの復旧支援システム。
  8. 【請求項8】 地震感知器、記憶装置、制御装置及び入
    力手段を備え、前記制御装置は、前記地震感知器の動作
    時に、当該動作記録を、前記入力手段により入力したエ
    レベータの異常の有無の情報とともに、前記記憶装置に
    記憶させ、またこの記憶装置に記憶させた情報に基づい
    て前記地震感知器の感知レベルを調整し、この調整後の
    感知レベルを前記地震感知器に設定するようになってい
    るエレベータの地震時管制運転制御装置。
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