JPH11300463A - 金属原料の射出成形用金型装置 - Google Patents

金属原料の射出成形用金型装置

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JPH11300463A
JPH11300463A JP12271298A JP12271298A JPH11300463A JP H11300463 A JPH11300463 A JP H11300463A JP 12271298 A JP12271298 A JP 12271298A JP 12271298 A JP12271298 A JP 12271298A JP H11300463 A JPH11300463 A JP H11300463A
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Toshiaki Hie
敏昭 比枝
Kengo Takeya
健吾 武谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チクソモールディング法により高品質の金属
成形品を成形できると共に、比較的小さな型締力で成形
することができる、金属原料の成形用金型装置を提供す
る。 【解決手段】 マグネシウム合金からチクソモールディ
ング法により金属成形品(S)を得るための射出成形用
金型装置を、固定型(1)と、キャビテイ(32)の一
部が形成されている中間型(20)と、キャビテイ(3
2)の残部が形成されている可動型(40)とから構成
する。そして、固定型(1)には、型開き時に中間型
(20)から該中間型(20)に形成される2次スプル
ー(21)およびランナー(29’)を引き剥すランナ
ーロックピン(10)を設ける。ランナー板(7)に形
成されているランナー凹部(8)に2次スプルー(2
1)を介して連通したピンゲート(22)は、型開閉方
向からキャビテイ(32)の中心部に開口させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム、ア
ルミニウム、鉛、亜鉛、ビスマス、錫等の単体金属原料
あるいはこれらの合金原料からチクソモールディング法
により金属成形品を得るための、金属原料の射出成形用
金型装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属の成形方法には、機械的に加圧する
加圧鋳造方法、格別に加圧しない重力鋳造方法等が知ら
れている。加圧鋳造方法の1つであるダイカスト法に使
用されるダイカスト機は、従来周知のように、溶融金属
を圧入する圧入ラム、鋳型が取り付けられる固定盤およ
び可動盤、これらの盤を型締めする型締ラム等から構成
されている。そして、鋳型には製品を得るために空洞が
形成され、この空洞に溶湯を注入するゲートは、鋳型の
分割面に沿って形成されている、いわゆるサイドゲート
から構成されている。したがって、型締ラムにより可動
盤を固定盤に対して型締めし、そして溶融金属を圧入ラ
ムによりサイドゲートから空洞に充填し、冷却固化を待
って、鋳型を開くと金属成形品を得ることができる。こ
のダイカスト法により、アルミニウム合金、マグネシウ
ム合金、亜鉛合金等の製品が製造されている。
【0003】一方、最近になって、チクソモールディン
グ法が提案されている。この方法は、合金原料を固液共
存状態で攪拌すると、樹枝状結晶すなわちデンドライド
の形成が抑制され、破壊された微細な粒状の固体と液体
とが共存した状態であるスラリー状物質が得られるが、
このような固液共存状態であるスラリー状物質を短時間
に凝固させ、固体がほぼ均一に分布した合金組織の金属
成形品を得る方法である。この金属成形品は、凝固によ
る収縮率が小さく、またミクロシュリンケージすなわち
収縮孔およびガスの巻き込みによる空隙孔が少ないた
め、寸法精度、機械的性質共に良好な性質を示す。この
ようなスラリー状物質の性質を利用した合金成形品の製
法には、射出成形機あるいは押出機が使用される。この
チクソモールディング法の実施に使用される射出成形機
は、温度が制御可能な加熱シリンダを備えている。した
がって、この加熱シリンダに設けられているスクリュを
回転駆動すると、固体状の金属原料あるいは合金原料は
スクリュにより加熱シリンダの先端部に順次移動させら
れる。このとき、金属原料はスクリュの回転による摩
擦、剪断等の作用により生じる発熱と、加熱シリンダか
ら加えられる熱とにより、固相線温度以上、液相線温度
以下となり溶融する。それ以後は、加熱シリンダの温度
が制御され、固液共存温度に保持され、加熱シリンダの
先端部に計量される。
【0004】この計量された固液共存状態の金属材料が
射出される金型装置は、概略的には金型が取り付けられ
る固定盤および可動盤、これらの盤を型締めする型締装
置等から構成され、そして金型には金属成形品を得るた
めに空洞すなわちキャビテイが形成されている。このキ
ャビテイに溶湯を注入するゲートは、金型の分割面に沿
って設けられているサイドゲートから構成されている。
したがって、型締装置により可動盤を固定盤に対して型
締めし、そしてスクリュを軸方向に駆動すると、計量さ
れた固液共存状態の金属材料はサイドゲートからキャビ
テイに射出される。冷却固化を待って、可動盤を開いて
金属成形品を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ダイカスト法による
と、鋳物から巣をある程度除去することができ、品質は
ある程度向上する。また、加圧されるので色々な形状の
金属成形品を比較的精度良く得ることもできる。しかし
ながら、ダイカスト法に使用される鋳型には、溶湯の流
路に空間が多く、鋳造時にこの空気が金型の成形品部に
入り、鋳物に気泡が残ることが多く、充分な機械強度の
金属成形品が得られないことがある。また、適正な湯量
の制御例えばプラスマイナス5%以内に制御することは
困難で、金属成形品に適した注湯量を金型に注入できな
いので、寸法および重量精度も充分ではなく、精密成形
ができない現状にある。以上のような理由により、ダイ
カスト法により、精密成形品の自動車部品、OA機器用
部品、FA機器用部品、事務機器用部品、電動工具用部
品、通信機要部品等を得るには限界がある。
【0006】これに対し、チクソモールディング法によ
ると、射出成形機を使用して固体の金属原料をシリンダ
内で固液共存状態に保つことができ、溶解炉を必要とし
ない点は認められる。また、射出成形機により金型へ射
出して金属成形品を得るので、収縮孔およびガスの巻き
込みによる空隙孔が少ないため、寸法精度、機械的性質
共に良好な品質の高い金属成形品を得ることができ、チ
クソモールディング法が優れているといえる。しかしな
がら、固液共存状態の金属材料をキャビテイに注入する
ゲートが、鋳型のゲートと同様にサイドゲートから構成
されているので、問題点もある。すなわち、スプルーが
比較的長く金属成形品の材料歩留まりが低くなる傾向に
ある。また、ゲートから金属成形品の末端までの距離す
なわち流動長が長くなり、湯じわ、ヒケ、割れ等が金属
成形品に現れ、品質が一定しないことがある。さらに
は、金属材料の凝固時間は短いので、流動停止が早く、
ゲートから遠い部位の充填性が悪く、またヒケ防止等の
ために保圧をかけるが、その効果は非常に小さい。さら
には、型締力は、金属成形品の型締め方向の投影面積
に、ランナおよびゲートの型締め方向の投影面積を加え
た面積に比例するが、従来のゲートはサイドゲートであ
るので、ランナおよびゲートの面積が広く、大きな型締
力を必要とし、その結果型締装置および金型装置が大型
化する欠点もある。
【0007】本発明は、上記したような従来の金属原料
の成形用金型装置の問題点あるいは欠点を解消した金型
装置を提供しようとするもので、具体的にはチクソモー
ルディング法により高品質の金属成形品を成形できると
共に、比較的小さな型締力で成形することができる、金
属原料の成形用金型装置を提供することも目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、マグネシウム、アルミニウム、鉛、亜
鉛、ビスマス、錫等の単体金属原料あるいはこれらの合
金原料からチクソモールディング法により金属成形品を
得るための射出成形用金型装置が、射出機が接続される
固定型と、キャビテイの一部が形成されている中間型
と、キャビテイの残部が形成されている可動型とからな
り、前記固定型は、スプルーブッシュを介して射出機が
接続される取付板と、前記スプルーブッシュの1次スプ
ルーに連通したランナー凹部が形成されているランナー
板とからなり、前記取付板には、前記中間型が前記固定
型から開かれるストロークを規制するストップピンが設
けられ、前記中間型には、該中間型が前記ストップピン
のストロークエンドに当接するまで前記中間型と前記可
動型をロック状態に保持するパーティングロックセット
の一方が設けられ、前記可動型には、金属成形品を突き
出す突出装置が設けられていると共に、前記パーティン
グロックセットの他方が設けられ、前記固定型には、型
開き時に前記中間型から該中間型に形成される2次スプ
ルーおよびランナーを引き剥すランナーロックピンが設
けられていると共に、前記ランナー板に形成されている
ランナー凹部に2次スプルーを介して連通したピンゲー
トは、型開閉方向と略同じ方向から前記キャビテイに開
口するように構成される。請求項2に記載の発明は、請
求項1に記載のランナー板は取付板から所定距離だけ離
間すると共に、中間型の、スプルーブッシュに対応した
位置には、コールドプラグキャッチャーを成形するため
の凹部が形成され、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載のランナーロックピンの、ランナー内に
位置する先端部の形状は、ゲートカット時にはランナー
が離脱しない形状あるいは大きさに、そしてランナー板
が取付板から離間するときには、離脱する形状あるいは
大きさに選定され、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれかの項に記載のキャビテイが複数個形成さ
れ、そして請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれかの項に記載の1個のキャビテイに複数個のピンゲ
ートが開口するように構成される。
【0009】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1の(イ)、(ロ)は本実施の形態に係わる金型装置
を開いた状態で示す模式的断面図で、図2は金型装置の
要部を金属原料を充填した状態で拡大して示す断面図で
あるが、図2において符号Sで示されているように、外
周部にネジ部Nを有するマグネシウ合金製のネジ付きキ
ャップを成形する例について説明する。本実施の形態に
係わる金型装置は、図1に示されているように、概略的
には右側に位置する固定型1と、左側に位置する可動型
40と、固定型1と可動型40との間に位置する中間型
20とから構成されている。
【0010】固定型1は、取付板2と、この取付板2に
対してガイドピン12に案内されてストップピン13に
より規制されて所定間隔だけ開くランナー板7とから構
成されている。取付板2にはロケートリング3が取り付
けられ、このロケートリング3によりスプルーブッシュ
4が位置決めされている。ランナー板7の、図1におい
て左方に位置する左面には、スプルーブッシュ4の1次
スプルー穴55に連通したランナー凹部8が、図1にお
いて左方に向かって形成されている。このランナー凹部
8が後述するランナー29の一部を構成している。取付
板2には、ランナーロックピン10が取り付けられ、そ
の先端部の膨出部11はランナー板7と中間型20とに
わたって形成されているランナー29内に臨んでいる。
この膨出部11の形状あるいは大きさは、ゲートカット
力ではランナーを保持するが、ランナー板7が取付板2
から離間するときは離脱する形状あるいは大きさに選定
されている。
【0011】また、中間型20には、ランナーロックピ
ン10と垂直方向に整合する形で、図2にも示されてい
るように2次スプルー21が形成されている。そして、
この2次スプルー21は中間型20内を垂直に左方へ延
び、その先端部が後述するようにピンゲート22となっ
ている。なお、ガイドピン12は、その右方端部が取付
板2に固定されて中間型20を型開閉方向に案内するよ
うになっている。また、取付板2には、図1の(ロ)に
示されているように透孔9が開けられているが、この透
孔9の内部には段部が設けられ、ストップピン13の頭
部14が段部に当接すると、ストップピン13の左方へ
の動きが規制される。これにより、型開き時に中間型2
0が取付板2から間隔hだけ離間し、成形例の箇所で説
明するように、1次スプルー5等がスプルーブッシュ4
から離型する。また、ストップピン13の左端にも拡大
部16が形成され、中間型20はこの拡大部16に当接
すると、それ以降の型開きが規制される。なお、ストッ
プピン13には型開きを補助するスプリング15が設け
られている。
【0012】中間型20には、図2にも拡大して示され
ているように入子23が取り付けられ、この入子23に
中子25が設けられている。前述した2次スプルー21
は、中間型20および中子25を貫通し、その先端部の
ピンゲート22は中子25の左端部26に達している。
ピンゲート22の直径dは、本実施の形態では2.8m
mに選定されている。このピンゲート22をカットする
ゲートカット力は、マグネシウム合金の機械的特性値す
なわち引張り強度から最大210kgが必要と想定され
る。したがって、中間型20と可動型40とに関連して
設けられているパーティングロックセット30、30’
は、余裕をみて250kgで開放するように選定されて
いる。中間型20の右面の、スプルーブッシュ4と整合
する位置に凹部27が設けられている。この凹部27に
より、成型時に円盤状のキャッチャ27’が形成され
る。さらに、中間型20の右面には、ランナ板7に設け
られているランナー凹部8と協働してランナー29を形
成する第2のランナー凹部28が設けられている。
【0013】入子23には、図2にも示されているよう
に、左側が開口した凹部24が形成されている。この凹
部24は、金属成形品Sの頭部Tを成形するためのもの
で、キャビテイ32の一部を構成している。前述した中
子25の左端部26は、この凹部24内に臨んでいる。
したがって、ピンゲート22は金属成形品Sの内部に右
方から挿入されていることになる。すなわち、2次スプ
ルー21の先端部のピンゲート22は、可動型40の型
開閉方向と略同じ方向からキャビテイ32の略中心部に
挿入されている。なお、左端部26が6角形の中子25
を適用すると、金属成形品Sの頭部Tに6角スパナが挿
入できる6角穴が成形されることになる。
【0014】中間型20には、図1の(イ)に示されて
いるように、所定の間隔をおいて左方へ所定の長さ延在
した一対の傾斜ピン31、31が設けられている。この
傾斜ピン31、31は、可動型40を閉じる時に、後述
する一対のスライドコア41、41のガイド孔43、4
3に入っていき、これらのスライドコア41、41を閉
じ、可動型40を開くとき開く作用を奏する。これによ
り、成形されたネジ部Nを有する金属成形品Sを取り出
すことができる。
【0015】可動型40は、左右方向にスライドする一
対のスライドコア41、41、これらのスライドコア4
1、41をスライド自在に支持している支持金型42、
取付枠45等を備えている。一対のスライドコア41、
41の対向した内側面にはネジ部44、44が形成され
ている。この一対のネジ部44、44の内側と入子23
の凹部24とによりキャビテイ32が形成されている。
なお、キャビテイ32の左端部は、後述する突出スリー
ブピン46および突出スリーブ48の先端部で閉鎖され
ている。また、一対のスライドコア41、41には、左
方に向かって互いに広がった、対をなすガイド孔43、
43が形成されている。
【0016】可動型40の取付枠45には、図1の
(ロ)に示されているように、突出スリーブピン46が
位置決めボルト47により取り付けられている。そし
て、この突出スリーブピン46に嵌合されている突出ス
リーブ48の左端部は、右方へ駆動される突出板50に
固定されている。したがって、突出板50を右方へ駆動
すると、突出スリーブ48がキャビテイ32内へ突き出
てることになる。また、突出板50にはリターンバネ5
1付きのリターンピン52が設けられている。このリタ
ーンバネ51は、成形品突き出し時に圧縮され、リター
ンバネ51の復元力により突出板50が退避すると、突
出スリーブ48は成形位置へ戻される。なお、中間型2
0、可動型40中の参照数字53、53、…は金型温度
調節用の熱媒体油等の流路を示している。
【0017】次に、上記金型装置によりネジ付きキャッ
プである金属成形品Sの成形例について説明する。射出
機の具体例は図には示されていないが、例えばインライ
ンスクリュウ式射出機を用いる。シリンダバレルにマグ
ネシウ合金のチップを供給し、そしてスクリュを回転駆
動して計量する。このとき、シリンダバレルの外周部に
設けられている加熱装置を緻密に制御し、融点より高い
+50゜C以内、好ましくは+30゜C以内に加熱す
る。これにより、固液共存状態の金属原料が計量され
る。
【0018】図には示されていないが、型締装置により
可動型40を固定型1に対して型締めする。そうする
と、図2に示されているように、中子25、入子23、
一対のスライドコア41、41および突出スリーブピン
46および突出スリーブ48によりキャビテイ32が形
成される。射出機のスクリュを軸方向に駆動して計量さ
れた金属原料を射出、充填する。充填が終わった状態は
図3に示されている。
【0019】冷却固化を待って、可動型40を開く。そ
うすると、パーティングロックセット30、30’の開
放力は、ゲートカット力より大きく設定されているの
で、パーティングロックセット30、30’が開放され
る前に、ピンゲート22が可動型40と中間型20との
間の金型内でカットされる。カットされた状態は図4の
(イ)に示されている。さらに、可動型40を開くと、
ストップピン13の頭部14が、取付板2の透孔9の段
部に当接するまで、ランナー板7が左方へ駆動される。
この駆動により、取付板2とランナー板7との間に、図
4の(ロ)に示されているように、間隔hが生じる。こ
の間隔hが生じるときに、中間型20の凹部27で成形
された円盤状のコールドキャッチャ27’がランナー板
7の左縁で左方へ駆動される。これにより、スプルーブ
ッシュ4で成形された1次スプルー5がスプルーブッシ
ュ4から離型し、ランナー29’はランナーロックピン
10の膨出部11から離脱する。
【0020】さらに、可動型40を開く。ストップピン
13により中間型20の左方への駆動が規制され、パー
ティングロックセット30、30’が開放される。その
結果、可動型40は中間型20から所定間隔だけ離間す
る。離間する時に、一対のスライドコア41、41は、
傾斜ピン31、31により開かれ、スライドコア41、
41のネジ部44、44が金属成形品Sのネジから離反
する。次に図示しない油圧シリンダ等よって突出板50
を右方へ駆動する。そうすると、突出板50に取り付け
られた突出スリーブ48も右方へ駆動され、金属成形品
Sが突出されて下方へ落下する。金属成形品Sが突出ス
リーブ48に固着している場合には、人手で取外すかま
たは取出ロボット等により取外されて、金型装置外に取
出される。一対のスライドコア41、41が開かれ、リ
ターンバネ51が圧縮され、そして金属成形品Sが突出
されている状態が図5に示されている。突出板50の右
方への駆動を停止すると、突出板50はリターンバネ5
1の復原力により元の位置へ戻る。次に可動型40を固
定型1に対して型締めする。型締めするとき、傾斜ピン
31、31が一対のスライドコア41、41のガイド孔
43、43に入り、スライドコア41、41は閉じる。
これにより、前述したようにキャビテイ32が形成され
る。以下同様にして射出し、成形する。
【0021】本発明の金属原料がマグネシウム合金に限
定されることがないことは明らかである。例えば、金属
原料に融点が700゜C以下の金属元素単体もしくはこ
れらの金属を基にした合金、例えばアルミニウム、亜
鉛、錫、鉛、ビスマス、テルビウム、テルル、カドミウ
ム、タリウム、アスタチン、ポロニウム、セレン、リチ
ウム、インジウム、ナトリウム、カリウム、ルビジュウ
ム、セシウム、フランシウム、ガリウム等を適用できる
ことは明らかである。特に、アルミニウム、鉛、亜鉛、
ビスマス、錫の単体およびこれらの金属を基にした合金
が望ましい。これらの金属原料は、いずれも射出成形機
例えばインラインスクリュ式射出成形機で混練溶融し、
成形できる金属元素あるいは合金である。また、銅の融
点は1085゜Cで700゜Cよりもはるかに高いが、
銅合金は例えばろう付け用の銅合金の融点は、700゜
C以下であり、本発明は銅合金も金属原料の対象として
いる。
【0022】また、ピンゲートの数も1個に限定されな
いことも明らかである。1個のキャビテイに対して複数
個のピンゲートを設けることにより、冷却速度が大き
く、例えば投影面積の広い金属成形品の成形にも対処で
きる。さらには、1個の金型に複数個のキャビテイを設
け、それぞれのキャビテイに型開閉方向と略同じ方向か
ら、これらのキャビテイに開口するピンゲートを設ける
こともできる。その実施の形態が図6に示されている。
すなわち、図6はスライドコア41’、41’の部分の
みを示す斜視図であるが、これらのスライドコア4
1’、41’には、前述したスライドコア41、41に
形成されているキャビテイ32と同様なキャビテイ3
2’、32’、32’が3個並列的に設けられている。
また、図には示されていないが、こられのキャビテイ3
2’、32’、32’には、型開閉方向と略同じ方向か
らピンゲートがそれぞれ開口している。したがって、本
実施の形態によると、複数個の金属成形品を一度に成形
することができる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、マグネ
シウム合金等の金属原料からチクソモールディング法に
より金属成形品を得るための射出成形用金型装置が、射
出機が接続される固定型と、キャビテイの一部が形成さ
れている中間型と、キャビテイの残部が形成されている
可動型とからなり、固定型を構成しているランナー板に
形成されているランナーに2次スプルーを介して連通し
たピンゲートは、型開閉方向と略同じ方向からキャビテ
イに開口しているので、ピンゲートからキャビテイまで
の距離すなわち流動長が短くなり、従来のように湯じ
わ、ヒケ、割れ等が金属成形品に現れることがなく、高
品質の金属成形品を得ることが出きる。また、金属材料
の凝固時間は短く、流動停止は早いが、ピンゲートが型
開閉方向と略同じ方向からキャビテイに開口しているの
で、充填性も良く、ヒケ防止等のための保圧効果も大き
い。また、本発明によると、ゲートがピンゲートから構
成されているので、ランナおよびゲートの型締め方向の
投影面積が狭く、型締力は小さくて済む。したがって、
金型装置も、この金型装置を型締めする型締装置も小さ
くて済む。さらには、ピンゲートは型開閉方向と略同じ
方向からキャビテイに開口しているので、型内でゲート
カットできる。したがって、後処理が簡略化される。こ
のように、本発明によると、高品質の金属成形品を、小
さな型締力で得ることができるので、正確かつ精密な大
型あるいは薄板の金属成形品を成形する金属原料の射出
成形用金型装置として適用すると、一層の効果が得られ
る。請求項2に記載の発明によると、ランナー板は取付
板から所定距離だけ離間すると共に、中間型の、スプル
ーブッシュに対応した位置には、コールドプラグキャッ
チャーを成形するための凹部が形成されているので、ス
プルーおよびランナーを離型できる効果が付加される。
請求項3に記載によると、ランナーロックピンの、ラン
ナー内に位置する先端部の形状は、ゲートカット時には
ランナーが離脱しない形状あるいは大きさに、そしてラ
ンナー板が取付板から離間するときには、離脱する形状
あるいは大きさに選定されているので、ゲートカットも
スプルー等の離型も確実にできる。請求項4に記載の発
明によると、キャビテイが複数個形成されているので、
高い歩留まり率が得られ、そして請求項5に記載の発明
によると、1個のキャビテイに複数個のピンゲートが開
口しているので、薄肉、広面積の金属成形品を高精度で
得ることができる効果がさらに得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる金型装置を開い
た状態で模式的に示す図で、その(イ)はその正面図、
その(ロ)はその側面図である。
【図2】 金型装置の要部を、金属原料を充填した状態
で拡大して示す断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係わる金型装置に金属
原料を充填した状態を断面にして模式的に示す図で、そ
の(イ)はその正面図、その(ロ)はその側面図であ
る。
【図4】 型開きの途中の状態を断面にして模式的に示
す図で、その(イ)はゲートカットした状態を示す正面
図、その(ロ)はランナー板が取付板から離間した状態
を示す側面図である。
【図5】 型開を終わり金属成形品を突き出した状態を
断面にして模式的に示す図で、その(イ)はその正面
図、その(ロ)はその側面図である。
【図6】 スライドコアの他の実施の形態を模式的に示
す斜視図である。
【符号の説明】
1 固定型 2 取付板 4 スプルーブッシュ 5 1次スプ
ルー 7 ランナー板 8 ランナー
凹部 10 ランナーロックピン 11 膨出部
(先端部) 13 ストップピン 20 中間型 21 2次スプルー 22 ピンゲ
ート 27 凹部 28 ランナ
ー凹部 29 ランナー 30 パーテ
ィングロックセット 32 キャビテイ 32’ キャビ
テイ 40 可動型 48 突出ス
リーブ 50 突出板 S 金属成形品
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム、アルミニウム、鉛、亜
    鉛、ビスマス、錫等の単体金属原料あるいはこれらの合
    金原料からチクソモールディング法により金属成形品
    (S)を得るための射出成形用金型装置が、射出機が接
    続される固定型(1)と、キャビテイ(32)の一部が
    形成されている中間型(20)と、キャビテイ(32)
    の残部が形成されている可動型(40)とからなり、 前記固定型(1)は、スプルーブッシュ(4)を介して
    射出機が接続される取付板(2)と、前記スプルーブッ
    シュ(4)の1次スプルー(5)に連通したランナー凹
    部(8)が形成されているランナー板(7)とからな
    り、前記取付板(1)には、前記中間型(20)が前記
    固定型(1)から開かれるストロークを規制するストッ
    プピン(13)が設けられ、 前記中間型(20)には、該中間型(20)が前記スト
    ップピン(13)のストロークエンドに当接するまで前
    記中間型(20)と前記可動型(40)をロック状態に
    保持するパーティングロックセット(30)の一方が設
    けられ、 前記可動型(40)には、金属成形品を突き出す突出装
    置(48、50)が設けられていると共に、前記パーテ
    ィングロックセット(30’)の他方が設けられ、 前記固定型(1)には、型開き時に前記中間型(20)
    から該中間型(20)に形成される2次スプルー(2
    1)およびランナー(29’)を引き剥すランナーロッ
    クピン(10)が設けられていると共に、前記ランナー
    板(7)に形成されているランナー凹部(8)に2次ス
    プルー(21)を介して連通したピンゲート(22)
    は、型開閉方向と略同じ方向から前記キャビテイ(3
    2)に開口していることを特徴とする、金属原料の射出
    成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のランナー板(7)は取
    付板(2)から所定距離(h)だけ離間すると共に、中
    間型(20)の、スプルーブッシュ(4)に対応した位
    置には、コールドプラグキャッチャー(27’)を成形
    するための凹部(27)が形成されている、金属原料の
    射出成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のランナーロッ
    クピン(10)の、ランナー内に位置する先端部(1
    1)の形状は、ゲートカット時にはランナー(29’)
    が離脱しない形状あるいは大きさに、そしてランナー板
    (7)が取付板(2)から離間するときには、離脱する
    形状あるいは大きさに選定されている、金属原料の射出
    成形用金型装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載のキ
    ャビテイ(32’、32’、…)が複数個形成されてい
    る、金属原料の射出成形用金型装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の1
    個のキャビテイ(32)に複数個のピンゲートが開口し
    ている、金属原料の射出成形用金型装置。
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