JPH1129996A

JPH1129996A - 建築用断熱構造体

Info

Publication number: JPH1129996A
Application number: JP18630997A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Marui; 浩丸井; Koji Nishimuta; 幸治西牟田; Yasumasa Tanaka; 泰正田中
Original assignee: Chichibu Onoda Cement Corp
Current assignee: Taiheiyo Cement Corp
Priority date: 1997-07-11
Filing date: 1997-07-11
Publication date: 1999-02-02

Abstract

(57)【要約】【課題】低温下における断熱性の課題を有する型枠兼
用断熱パネルと、低温下における発泡性の課題を有する
現場吹付けによるノンフロン硬質ポリウレタンフォーム
断熱層を併用することで、両者の課題を同時に解決した
建築用断熱構造体を提供する。【解決手段】壁構築位置に捨型枠として、カール状の
磁気テープ収縮片にバインダーとして熱硬化性樹脂を加
えて加圧成形してなる型枠兼用断熱パネル２を設置し、
コンクリート１の打設を行う。続いて、コンクリート１
の養生開始にあたって、型枠兼用断熱パネル２の外面
に、ノンフロン系の発泡剤を用いた現場吹付けを行い、
硬質ポリウレタンフォーム断熱層３を形成する。その
後、硬質ポリウレタンフォーム断熱層３の上に、シール
層４としてモルタル等の不燃性の被覆材を吹き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、カール状のテー
プ収縮片を混入させて成形した型枠兼用断熱パネルと現
場吹付けによる硬質ポリウレタンフォームを断熱材とし
て併用した建築用断熱構造体に関するもので、建物やプ
ラントの壁、柱、梁等を構成する構造体（構造部材に限
らず、間仕切壁等でもよい）に適用される。

【０００２】

【従来の技術】本願出願人は、先にコンクリート型枠兼
用断熱パネルとして、カール状の磁気テープ収縮片にバ
インダーとして熱硬化性樹脂を加えて加圧成形してなる
ものを開発しており（特開平７−２５６６６７号公報参
照）、このように成形されたパネルは曲げ強度および曲
げ剛性が大きく、寸法安定性が良く、たわみが小さいの
で、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造等の
コンクリート打設において、型枠兼用パネルとしてその
まま利用でき、また吸音性、断熱性、電磁波吸収性能、
静電気防止性能を併せ持つという特徴を有している。

【０００３】一方、断熱壁等の断熱構造体を形成する場
合の一手段として、硬質ポリウレタンフォームを用いた
断熱構造体が広く知られている。

【０００４】硬質ポリウレタンフォームは、ポリオール
組成物とイソシアネート組成物を発泡剤、触媒、製泡剤
等を用いて発泡成形させたものであり、スプレー法等に
より現場吹付けによる施工を容易に行うことができる。

【０００５】このような硬質ポリウレタンフォームの発
泡成形には、従来、発泡剤としてフロンを使用するのが
一般的だった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したコンクリート
型枠兼用断熱パネルは、従来の合成樹脂発泡体を用いた
断熱パネルに比べ強度的に優れており、またコンクリー
トの打設後、断熱壁等、断熱構造体の構成部材として用
いる場合においても、従来の合成樹脂発泡体（ポリウレ
タンフォーム、ポリスチレンフォーム等）製の断熱パネ
ルのように、コンクリート表面に貼り付けるといった作
業が不要である。

【０００７】しかし、断熱性能そのものについてみる
と、必ずしも従来の合成樹脂発泡体からなる断熱パネル
に比べ、十分な断熱性能を有しているとは言えない。

【０００８】従って、寒中コンクリート施工となる冬期
の施工においては、コンクリートの養生の際、別途、断
熱手段あるいは加熱手段を要する場合がある。

【０００９】すなわち、低温下の施工においては、コン
クリートの打設について初期凍害等の問題があり、通常
は摂氏４度以上でコンクリートの打設を行うことが望ま
しいが、断熱型枠を使用する保温養生や材料を加熱した
りヒータを用いる給熱養生を行うことで、より低温での
施工が可能となる。

【００１０】また、硬質ポリウレタンフォームについて
は、従来、その発泡剤として広く用いられていたフロン
に関し、フロンによるオゾン層の破壊等、地球環境に対
する影響が深刻に受け止められており、徐々にその使用
が規制されている。

【００１１】フロンを用いた硬質ポリウレタンフォーム
用の発泡剤については、ＣＦＣ−１１（トリクロロモノ
フルオロメタン）、ＣＦＣ−１２（トリクロロジフルオ
ロメタン）等の特定フロンの使用が制限され、現在比較
的多く使用されているＨＣＦＣ−１４１ｂ（２，２−ジ
クロロ−２−モノフルオロメタン）やＨＣＦＣ−１２３
（１，１−ジクロロ−２，２，２−トリフルオロメタ
ン）等の代替フロンについても今後廃止の方向となって
いる。また、オゾン層への影響がない第３世代フロン
（ＨＦＣ）も研究されているが、硬質ポリウレタンフォ
ーム用として実用化されるまでには至っていない。

【００１２】このようなことから、化合物の組成を替
え、発泡剤として特定フロンの代わりに代替フロンを用
いるもの、さらに代替フロンの使用量を抑えたもの、フ
ロンの代わりに水を用いるもの（水とイソシアネート基
が反応して放出する炭酸ガスを発泡剤として利用す
る）、水およびペンタンその他のノンフロン化合物を用
いるもの等が種々研究開発されている例えば、特開平６
−１０７７６１号公報には、特定フロン系の発泡剤を使
用せず、特定のポリオールを使用し、ＨＣＦＣ−１２３
やＨＣＦＣ−１４１ｂといった代替フロンの一部を水に
置き換えた発泡剤を使用することで、代替フロンの使用
量を減少させつつ、施工性、低温寸法安定性を改良した
ものが記載されている。

【００１３】また、特開平６−１８４３４０号公報に
は、イソシアネート基を２個以上持った有機イソシアネ
ート化合物と、イソシアネート基と反応する活性水素を
２個以上持つポリオール化合物に対し、水のみを発泡剤
として用い、触媒、整泡剤等の存在下で反応させること
で、高温における寸法安定性や脆さを改善したものが記
載されている。

【００１４】この他、特開平４−２３９５１６号公報や
特開平４−３５１６２０号公報にはには、ポリオール組
成物として各種混合ポリオールを用い、発泡剤として水
のみを用いたもの、特開平６−４１２６８号公報には混
合ポリオールを用い、発泡剤として水とペンタンを用い
たものが記載されている。

【００１５】しかし、これらもそれぞれ欠点があり、従
来の特定フロンや代替フロンを用いたものに勝るものが
見出されていないのが現状である。

【００１６】例えば、ノンフロン硬質ポリウレタンフォ
ームうち、独立気泡を形成するものは、一般的に従来の
フロンを用いたものに比べ堅く、割れが生じやすく、断
熱性の面でも劣っている。また、アミン系の成分を有す
るものについては、その毒性も問題となる。

【００１７】また、水を発泡剤として用いたノンフロン
硬質ポリウレタンフォームの場合、摂氏５度以下（場合
によって１０度以下）では発泡が難しく、冬季、特に寒
冷地での施工には適さないという問題がある。すなわ
ち、例えば構造物の壁体を構成するコンクリートの表面
に、外気温が低い状態で吹付けを行うと、吹付け材料は
熱してあるものの、コンクリート表面が冷えているた
め、吹付けと同時に急激に冷やされて発泡できず、断熱
性を有する硬質ポリウレタンフォームとして成形できな
い場合やコンクリート表面に十分付着しない場合があ
る。

【００１８】本願発明は、いずれも低温下において課題
を有する上述の型枠兼用断熱パネルと、現場吹付けによ
る硬質ポリウレタンフォームの両者を併用することで、
これらの課題を同時に解決し、低温下においても支障な
く施工することができ、かつ施工後優れた断熱性能を有
する建築用断熱構造体を提供することを目的としてい
る。

【００１９】

【課題を解決するための手段】本願の請求項１に係る建
築用断熱構造体は、構造体コンクリートと、カール状の
磁気テープ収縮片にバインダーとして熱硬化性樹脂を加
えて加圧成形してなり捨型枠として前記構造体コンクリ
ートの表面を覆う型枠兼用断熱パネルと、前記断熱パネ
ルの表面に現場吹付けによって形成された硬質ポリウレ
タンフォームの断熱層とからなることを特徴とするもの
である。

【００２０】型枠兼用断熱パネルは、構造体コンクリー
トの打設の際、捨型枠として使用されるものであり、断
熱壁等の断熱構造体としての断熱性を与えるとともに、
低温下における寒中コンクリート施工において、コンク
リートの養生時の保温機能を有している。

【００２１】硬質ポリウレタンフォームの断熱層は、前
項で述べた型枠兼用断熱パネルについての断熱性が必ず
しも十分でない点を補い、断熱構造体としての断熱性能
を高める機能と、寒中コンクリート施工時の保温性能を
高める機能とを有している。

【００２２】また、現場吹付けとすることで、硬質ポリ
ウレタンフォームを一様に隙間なく簡単に施工すること
ができるという利点がある。

【００２３】さらに、コンクリート表面に直接吹き付け
る場合には、低温下でおいてフロン系以外の発泡剤では
十分な発泡が難しいという問題についても、型枠兼用断
熱パネルを介しての吹付けとなるため、必要な断熱性能
を有するノンフロン硬質ポリウレタンフォームを、下に
断熱材を新たに設けることなく、容易に施工することが
できる。

【００２４】請求項２は、請求項１記載の建築用断熱構
造体において、型枠兼用断熱パネルが、２０mm以下の磁
気テープ切断片または粉砕片を加熱処理してなるカール
状の磁気テープ収縮片１００重量部と、バインダーとし
て加えた熱硬化性樹脂１０〜５０重量部とを加圧成形し
てなる場合である。

【００２５】磁気テープについては、収縮してカール状
になるものであればその種類は問わないが、ビデオテー
プ、カセットテープなどの磁気テープが好ましく、これ
ら磁気テープの切断片または粉砕片は、その長さが５〜
２０mmであり、それが全テープ重量の５０％以上含まれ
ていることが望ましい。

【００２６】また、熱硬化性樹脂としては、フェノール
樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂のグループから選ばれ
た少なくも１種であることが好ましい。

【００２７】さらに、ビデオテープ、カセットテープな
どの磁気テープを２０mm以下に切断あるいは粉砕し、摂
氏１００〜２００度で加熱してカール状に収縮させて得
られた磁気テープの収縮片に、上記熱硬化性樹脂のバイ
ンダーを加え、摂氏１００〜２００度、圧力２〜２０kg
f/cm²で加圧成形すると、曲げ強度が５０kgf/cm²以上
（ＪＩＳＡ５９０８パーティクルボード：曲げ強
さ試験）、曲げ剛性が４×１０５kgf/cm²以上で、コン
クリート打設時の最大たわみ量が２mm以下となる型枠兼
用断熱パネルが得られる。

【００２８】しかも、このパネルは吸音性、断熱性の他
に電磁波吸収性能、静電気防止性能も併せ持つという特
徴を有する。

【００２９】なお、上記磁気テープは、そのすべてをカ
ール状に収縮させず、一部を切断あるいは粉砕したまま
の形で用いることもできる。

【００３０】請求項３は、請求項１または２記載の建築
用断熱構造体において、前記硬質ポリウレタンフォーム
が、イソシアネート組成物とポリオール組成物を、水ま
たはノンフロン化合物からなる発泡剤、触媒、その他の
助剤の存在下で、前記断熱型枠の外面に吹き付けて発泡
させたものであり、フロン系の発泡剤を用いない場合を
限定したものである。

【００３１】上記型枠兼用断熱パネルは、型枠としては
十分な強度と、ある程度の断熱性が得られ、その上から
現場吹付けにより硬質ポリウレタンフォームの断熱層を
形成させることで、寒中コンクリート施工における十分
な保温性能と、断熱構造体としての十分な断熱性能が得
られる。

【００３２】また、主な現場作業は、型枠兼用断熱パネ
ルの設置、コンクリートの打設、および硬質ポリウレタ
ンフォームを形成させるための現場吹付けであり、簡単
かつ迅速に施工を行うことができる。

【００３３】現場吹付けされる材料は、ヒータ等である
程度熱した状態で、スプレーガン等を利用して吹き付け
られるが、構造体コンクリート面に直接吹き付けた場合
には、前述のように低温下で冷えた状態のコンクリート
面で急激に冷やされ、十分な発泡が行われないことにな
る。

【００３４】これに対し、断熱型枠の外面に吹き付ける
ことで、急激に冷やされることがなく、フロン系の発泡
剤を用いなくとも低温下での現場吹付けによる硬質ポリ
ウレタンフォームの断熱層の形成が容易となる。

【００３５】

【発明の実施の形態】図１は、本願発明を建物の断熱壁
に適用した場合の一実施形態を示したもので、図中、１
は壁本体を構成するコンクリート、２はカール状の磁気
テープ収縮片にバインダーとして熱硬化性樹脂を加えて
加圧成形してなる型枠兼用断熱パネル、３は現場吹付け
による硬質ポリウレタンフォーム断熱層、４は防着火性
を持たせるため、硬質ポリウレタンフォーム断熱層３の
上にモルタル等の不燃性の被覆材を吹き付けてなるシー
ル層を示す。

【００３６】本実施形態における施工手順としては、ま
ず壁構築位置に捨型枠として型枠兼用断熱パネル２を設
置し、コンクリート１の打設を行う。続いて、コンクリ
ート１の養生開始にあたって、断熱パネル２の外面に吹
付けを行い、硬質ポリウレタンフォーム断熱層３を形成
させる。また、コンクリート１が十分な強度を発揮する
段階で硬質ポリウレタンフォーム断熱層３の上にモルタ
ル等を吹き付け、シール層４を形成させる。

【００３７】なお、硬質ポリウレタンフォーム断熱層３
やシール層４を形成させるための吹付け時期について
は、現場の条件や設計、気象、その他の条件に応じて、
適宜変更可能であり、例えば硬質ポリウレタンフォーム
の吹付けを断熱パネル２による捨型枠組立て後、コンク
リート１の打設前に行ってもよい。

【００３８】上記の型枠兼用断熱パネル２を用いる理由
は、外気温が低い状態で打設したコンクリート１に初期
凍害等の悪影響が生じないようにするためと、それ自体
断熱構造体の一部を構成するためであるが、その他、断
熱性能を補うため後から断熱パネル２の外面に現場吹付
けされる硬質ポリウレタンフォーム用の吹付け材料に対
しコンクリート１から伝わる低温の影響を与えないよう
にすることで、フロン系の発泡剤を用いなくとも良好な
硬質ポリウレタンフォーム断熱層３を形成させることが
できるといった利点がある。

【００３９】このような型枠断熱パネル２の組成の一例
を挙げると、ビデオテープ、カセットテープなどの磁気
テープを用いる場合、加熱処理前にその長さは２０mm以
下、より好ましくは１０mm以下に切断あるいは粉砕し、
その切断片あるいは粉砕片の長さが５〜２０mmのものが
全テープ重量の５０％以上、より好ましくは７０％以上
含まれるようにする。

【００４０】磁気テープの長さが２０mmより大きい場合
は、成形後の表面状態が粗となり、型枠としての強度が
得られないため実用性がない。また、切断片あるいは粉
砕片の長さが５〜２０mmのものが全テープ重量の５０％
に満たない場合は、テープ自体が曲げ補強効果を十分に
発揮せず、型枠として必要な強度特性が得られない。

【００４１】バインダーとしては、フェノール樹脂、ユ
リア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポ
キシ樹脂、メラミン樹脂等の、加熱により硬化・成型で
きる材料を用いることができる。これらの樹脂は粉末で
もエマルジョンでもよい。

【００４２】これらのバインダーは、テープ、例えば磁
気テープ１００重量部に対して１０〜５０重量部、好ま
しくは１５〜３０重量部添加される。バインダーの量が
１０重量部に満たない場合は、テープ間の接着が十分で
ないため型枠として必要な強度特性が得られない。ま
た、５０重量部より大きい場合強度が頭打ちとなり経済
的でない。

【００４３】製造においては、ビデオテープ、カセット
テープ等の磁気テープを長さ２０mm以下、好ましくは３
〜１０mmに切断あるいは粉砕し、摂氏１００〜２００
度、好ましくは摂氏１４０〜１７０度で加熱してカール
状に収縮させ、これを加熱処理したのち、バインダーを
加え、加圧成形する。

【００４４】加熱処理温度は摂氏１００〜２００度がよ
い。摂氏１００度以下ではカール状にならない。摂氏２
００度以上では、酸化により劣化し使用できない。加圧
成形時の温度も摂氏１００〜２００度がよい。摂氏１０
０度以下ではバインダーが熱硬化せず成形できない。摂
氏２００度以上ではテープが酸化し劣化するため使用で
きない。また、加圧成形圧力は、２kgf/cm²以下ではパ
ネルに成形できない。２０kgf/cm²以上では、密度が大
きくなり断熱性を有しない。

【００４５】断熱パネル２の大きさとしては、例えば厚
さ５〜２５mm、縦、横の長さ４００〜１０００mm程度の
大きさに形成される。

【００４６】硬質ポリウレタンフォーム断熱層３の吹付
け材料には、フロン系の発泡剤を使用せず、例えばイソ
シアネート組成物とポリオール組成物を、水またはノン
フロン化合物からなる発泡剤、触媒、その他の助剤の存
在下で、型枠兼用断熱パネル２の外面に吹き付けて発泡
させることにより、ノンフロン硬質ポリウレタンフォー
ム断熱層３を形成することが環境の点から好ましい。

【００４７】発泡剤として、一切のフロン化合物を使用
せず、水のみを使用する場合の一例を挙げると、イソシ
アネート成分としては、１１８ mPa・sec の低粘度のポ
リメリックＭＤＩを使用し、ポリオール成分としては、
糖ベースのポリオールに脂肪族ジアミンベースおよび芳
香族ジアミンベースのポリオールを加えて使用し、それ
に発泡剤として水を加え、整泡剤、添加剤、触媒等を加
えてできる粘度４８０mPa・sec としたものを使用す
る。イソシアネート成分とポリオール成分の比は、１：
１の容量比で使用される。

【００４８】

【発明の効果】本願発明においては、型枠のとしての強度を備えた型
枠兼用断熱パネルが、コンクリート打設の際、捨型枠と
して使用され、断熱構造体としての断熱性を与えるとと
もに、低温下における寒中コンクリート施工において、
コンクリートの養生時の保温機能を有している。

【００４９】また、型枠兼用断熱パネルの外面に形成
される硬質ポリウレタンフォームの断熱層が、型枠兼用
断熱パネルの断熱性能の不足分を補い、低温条件下での
寒中コンクリート施工時の保温性能を高め、また断熱構
造体としての断熱性能を高める。

【００５０】現場吹付けによる硬質ポリウレタンフォ
ームは一様に隙間なく施工することができるため、断熱
パネルの隙間における断熱性能の低下を補うことができ
る。

【００５１】さらに、硬質ポリウレタンフォームにつ
いて、コンクリート表面に直接吹き付ける場合には、低
温下でおいてフロン系以外の発泡剤では十分な発泡が難
しいという問題についても、型枠兼用断熱パネルを介し
ての吹付けとなるため、必要な断熱性能を有する硬質ポ
リウレタンフォームを容易に施工することができる。

【００５２】硬質ポリウレタンフォームの断熱層をフ
ロン系の発泡剤を用いずに施工できるため、地球環境に
与える影響あるいは毒性の組成物の使用による作業者へ
の影響といった問題も解決することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明を建物の断熱壁に適用した場合の一実
施形態を示す概略的な断面図である。

【符号の説明】

１…コンクリート、２…型枠兼用断熱パネル、３…硬質
ポリウレタンフォーム断熱層、４…シール層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】構造体コンクリートと、カール状の磁気
テープ収縮片にバインダーとして熱硬化性樹脂を加えて
加圧成形してなり捨型枠として前記構造体コンクリート
の表面を覆う型枠兼用断熱パネルと、前記断熱パネルの
表面に現場吹付けによって形成された硬質ポリウレタン
フォームの断熱層とからなることを特徴とする建築用断
熱構造体。
【請求項２】前記型枠兼用断熱パネルは、２０mm以下
の磁気テープ切断片または粉砕片を加熱処理してなるカ
ール状の磁気テープ収縮片１００重量部と、バインダー
として加えた熱硬化性樹脂１０〜５０重量部とを加圧成
形してなるものである請求項１記載の建築用断熱構造
体。
【請求項３】前記硬質ポリウレタンフォームは、イソ
シアネート組成物とポリオール組成物を、水またはノン
フロン化合物からなる発泡剤、触媒、その他の助剤の存
在下で、前記断熱型枠の外面に吹き付けて発泡させたも
のである請求項１または２記載の建築用断熱構造体。